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発売初年度10億円超えの売上をその後も順調に伸ばしている「鍋キューブ®」。シンプルに“おいしいこと”にこだわり、ファンの声を大切にする、開発ストーリー。

著者: 味の素株式会社


2012年の販売以来人気を集めている、キューブタイプの鍋用調味料「鍋キューブ®」。一袋に一個1人前のキューブが8個入っているから、家族や仲間と食べたいときにも、一人で食べたいときにも鍋料理が楽しめると好評です 。


2021年には、「鍋キューブ® おでん本舗」 <あごだし醤油>を発売。調理に時間がかかるおでんが、より気軽に自宅で楽しめるようになりました。


~業界初!キューブタイプのおでんの素が新登場~「鍋キューブ® おでん本舗 」 <あごだし醤油>新発売

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2021_07_06_01.html


これまでになかった新しさ・便利さから、発売から10年が経った現在も売上を伸ばし続けている「鍋キューブ®」。しかし、開発当時はいくつもの壁にぶつかったそうです。液体タイプが主流だった鍋の素市場の中で、新しい形の鍋用調味料を開発するにあたっての秘話とは?担当者の梶さんと久貝さんにお話を伺いました。


誰も思いつかなかった、便利でハッとするようなものを作りたかった


――「鍋キューブ®」の特徴について教えてください。


梶さん:なんと言っても、小さなキューブの中にだしや調味料がギュッと詰まっているのが一番の特徴ですね。「鍋キューブ®」は一袋8個入り。でも、一個8gと軽いからたくさん買い物したいときもかさばらないし、買い置きにも便利。液体タイプの鍋の素を買うときは牛乳を買うのを諦めていたけど、「鍋キューブ®」ならためらわずに牛乳も買えてうれしいという声もいただいているんですよ。



――なぜ、キューブタイプの鍋の素を作ろうと思ったのでしょうか?


梶さん:それまでの鍋の素は液体タイプが主流でした。液体タイプはそのままお鍋に注げる手軽さはありつつ、「かさばる」「重い」「持ち運びづらい」という課題があって……。また、1袋3〜4人前というものが多いため、家族の人数によっては「使いづらい」という声もありました。


久貝さん:一人暮らしや夫婦二人暮らしのご家庭には多すぎるし、二世帯や子どもの人数が多いご家庭だと足りないことも。家族の人数は4人だけど、子どもが成長期で一人で2人前食べるという場合には、1袋じゃ足りないですよね(笑)。


梶さん:そんな背景もあって、コンパクトかつどんな家族構成にも柔軟に合わせられるものを作りたかったんです。誰も思いつかなかった、便利でハッとするようなもの。


――そうして生まれた「鍋キューブ®」。生活者の反応はいかがでしたか?


梶さん:発売当初からすごく話題になりましたね。話題になりすぎて、発売と同時に欠品が相次いだくらい。最初は手作業で袋詰をしていたのですが、それでは生産が追いつかなくなってしまい、慌てて専用の機械を導入しました(笑)。



久貝さん:通常、新商品は初年度1億円を売り上げたら“よく売れた”と評価されるのですが、「鍋キューブ®」は発売初年度10億円以上も売り上げたんです。その後も順調に売上を伸ばしているのも特徴ですね。


――すごい!しかし、おもしろさやインパクトが強い商品の場合、最初はよく売れてもその後の売上に伸び悩む印象があります。そんな中、なぜ「鍋キューブ®」はロングセラー商品となったのでしょうか?


久貝さん:おそらく、「鍋キューブ®」も最初は“おもしろさ”や“新しさ”で購入してくださった方が多かったはず。でもそれだけだと、一度食べたら飽きてしまう。リピートしてもらうために重要なのは、シンプルに“おいしいこと”です。「鍋キューブ®」はおいしさにも徹底的にこだわっているから、長く愛されているのだと思います。


長年調味料について研究し続けている、味の素社だから開発できた商品


――「鍋キューブ®」のおいしさは、どのように作られているのでしょうか。


梶さん:味の調査のために何軒も食べ歩きしたり、シェフに最高の鍋料理を作ってもらい、そこからどんな素材をどんな工程で組み合わせればプロの味に近づけるか試行錯誤したり。開発部門だけではなく、いろいろな部門が力を合わせて“おいしい味”を作っていくんです。


――苦労して作り出した“おいしさ”を 、小さなキューブの中に閉じ込めるのは大変だったのではないでしょうか?



梶さん:大変でしたね……。今のサイズの2倍くらいの大きさにすれば、調味料やだしをたっぷり入れられる。でも、大きい分お湯に溶けづらくなってしまって……。

現在のコンパクトさとおいしさを両立できる技術が開発されるまで2年はかかりましたね。


――開発に2年間も!?


梶さん:小さいキューブに閉じ込めようとして成分を固めすぎると溶けなくなってしまう。かといって溶けやすさを重視すると、もろくて少しの衝撃でキューブ型が崩れてしまう……。

その課題を解決してくれたのが、当社の人気商品の一つである、キューブ状の「味の素KKコンソメ<固形タイプ>」です。この商品も、小さいキューブの中においしさをギュッと閉じ込める技術で作られているものです。この技術を応用しつつ、それだけでは足りないところを工夫を重ねて補うことで、ようやく「鍋キューブ®」が完成しました。

生活者のニーズが高いとわかっていても他社から類似商品がほとんど出てこないのは、長年調味料の研究をしている当社独自の開発技術で作っているからだと思いますね。


生活者とのコミュニケーションからアイデアが生まれる


――見た目の“おもしろさ”、“新しさ”と、“おいしさ”を両立できていることが、ロングヒットの理由なのですね。「鍋キューブ®」は現在5種類のラインナップが販売されています。ラインナップはどのようにして決めているのでしょうか?


梶さん:汎用性のある味を意識しています。鍋はもちろん、スープやうどん、ラーメンにもおいしく使えるような。



――たしかに、「鍋キューブ®」は鍋料理以外にもいろいろな料理で活用されている方が多いですよね。


久貝さん:そうなんです。でも、はじめから「鍋料理以外にも使えること」を想定して開発されたわけではないんですよ。

発売後、「スープを作るのにも便利!」「チャーハンを作るときの調味料としても使えます!」とたくさんの声をいただいて。「こんないろいろな使い方があるのか」と社内でも話題になり、それから“汎用性のある”味であることをより重視するようになりました。

「鍋キューブ®」は、生活者とのコミュニケーションによって進化しているブランドです。実は、昨年新しくラインナップに加わった「鍋キューブ® おでん本舗」<あごだし醤油>も生活者の声から生まれたものなんですよ。


――生活者の声から新しい“味”が生まれた?


梶さん:そうそう。SNSで「鍋キューブ®」を活用したレシピを投稿してくださる方がとても多いんです!それを見ていると、<鶏だし・うま塩>でおでんを作っている方がたくさんいらっしゃって。

おでんは日本の伝統料理ですが、仕込みに時間がかかるため自宅で作る方が年々減ってきています。でも、SNSには「鍋キューブ®」を活用したオリジナルのおでんレシピがたくさん出てくる。その様子から、おでんを作りたい方って実は多いんじゃないかなと……。

「鍋キューブ®」に“おでん味”があれば、よりおでんを気軽に作る方が増えるのでは?そんな思いから開発したのが、「鍋キューブ® おでん本舗」<あごだし醤油>なんです。



久貝さん:「鍋キューブ® おでん本舗」のすごいところは、煮込み時間が通常の半分以下ですむところ。約1時間かかると言われる煮込み時間が、なんと20分ですむんですよ!


梶さん:おでんを自宅で作る頻度も、ずっと下降傾向だったのが「鍋キューブ® おでん本舗」の発売後に増えてきているんです。また、「鍋キューブ® おでん本舗」を使ったオリジナルレシピもSNSにどんどん投稿されています。開発担当者である私たちも想像しなかったような使い方が生活者主体で生まれるのも、「鍋キューブ®」の特徴ですね。

これからも、生活者とのコミュニケーションを大切にしながら、その時代のニーズに合ったものを届けていきたいです。


開発担当者のオススメレシピも紹介している「鍋キューブ®」の開発ストーリーはこちらでもご覧いただけます。

https://bit.ly/parkajinomotomagazine332358



「AJINOMOTO PARK」について

「いつも生活の中心にある“食”を通じて毎日を明るく、楽しく」をコンセプトとする「AJINOMOTO PARK」では、毎日のおいしいをつくるレシピを中心に、食べることの様々な楽しさを“もっと”お届けしていきたいと思っています。新たな発見をする楽しさや、毎日の生活に生かせる楽しさ、新しい体験をする楽しさなど、たくさんの「こんな楽しさあったんだ!」が感じられるように、みなさまの声を聞きながら、様々な食の体験を追求していきます。


「AJINOMOTO PARK」たべる楽しさを、もっと。

https://bit.ly/parkajinomoto-aptop221012






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