売上の一部を共鳴するNPO団体へ寄付。社員の意識も変えた『Plus One』制度とは
2021年8月、エンゲージメントを軸にした人材育成・組織開発サービスを提供する株式会社NEWONE(本社:東京都千代田区 代表取締役:上林周平)は、売上の一部を共鳴するNPO法人に寄付する制度『Plus One(プラスワン)』制度を導入しました。「”すべての人に、働きがいを すべての組織を、ONE TEAMに”というミッションを掲げるNEWONEにとって、事業活動では届けられない 層に、寄付を通じて接点をもつ 機会を創出したい」と上林周平社長は話します。
共有できる思いがある
最初の寄付先として選んだ団体は、学習支援や居場所づくりを通して、子どもの貧困問題に取り組む「Learning for All 」(ラーニングフォーオール/通称LFA)」です。セグメントが違うとはいえ、「志を同じくする人たちと力をひとつにし、社会課題解決を実現したい」という共通した想いを持つ、2つの組織。今回NEWONEがLFAを支援先として選んだ理由は、そこにありました。
「さらに昨年7月初めて『Plus One』制度の導入を採択した際、翌月には寄付先を公表するというスピード感で挑んだ。NEWONE立ち上げ当初、最初のクライアントがLFAさんだったという経緯もあり、私の独断で支援先をLFAさんに選んだ」と上林社長は続けます。
昨年10月には、LFAのコミュニティ推進事業部の石神駿一さんによる、NEWONE社員に対する「子どもの貧困課題について」のプレゼンテーションを依頼するといった交流も始まり、2つの組織はさらに関係を深めていくことになりました。
包括的にLFAの活動全般を支援
一方LFAは、今回の寄付の申し入れをどのように捉えたのでしょうか。
「私たちLFAの活動は、貧困をはじめとする様々な困難を抱えた子どもや家庭に向けたものであり、受益者からお金を頂く事ができないので、活動を継続させるためには外部からの資金調達が必要となる。NEWONEさんのご寄付は、現場での活動のみならず、仕組みを広げる、社会を動かすといったアプローチなど、LFAの運営全体に対してご支援をいただくものであり、必要な活動に当てることができている。他団体との協力や、政策提言への取り組みといった活動にも、必要な資金を投入できるきっかけとなった」とLearning for All 代表の李炯植(りひょんしぎ)さんは話します。
実際2021年は長引くコロナ禍の影響で、子どもの虐待、不登校、自殺の数は過去最悪の数字を更新したと言います。そんな中、LFAの活動にますます期待が高まっているのが現状です。
LFAの活動は、もはや一団体が行う地域的な活動に限らず、全国の子ども支援団体や自治体と連携し、10年間で培ってきたノウハウをさらに必要とする人たちへ共有するという活動も始めています。こうした広い活動を支えるために、NPOは常に資金を必要としています。
社員の意識が変わるきっかけに
そして今年8月。NEWONEは、『Plus One』制度導入から2年目を迎えました。
「昨年は、私の一存で支援先を決定したが、今年は社員の投票制度を導入することで、さらに会社の売上の一部を社会貢献に役立てることの意味を、社員と共有したいと思った」と上林社長。
事前に、支援先候補を広く社員から募集し、7団体の情報が集まったと言います。そして全社員が候補団体について、「自ら調べる時間」を意識して、投票するまでに、さらに2、3週間の時間を取ったそうです。
こうして、各社員が支援先を2団体に絞り投票。そして今年も支援団体の一つとして、「Learning for All 」は選ばれました。これはNEWONEの社員にとって、LFAの活動に共感を持つ人が多いことの表れです。
実際投票した社員の声をいくつか挙げてみると:
- 家庭の貧困状況は、子どもがどうにか出来るものではなく、子どものころの環境がその子に影響を与えることを考えると、寄付をすることでサポートできるならと思い選んだ。
- ミッションに共感できている。
- 昨年一回きりで終わったら何だったの?となりそうなので、定期的にやっていくのが良いと思う。
- 社会的に弱い立場の人には、NEWONEの本業では関われないのが現状。寄付によって、貧困がわずかばかりでも改善されるなら、やはりうれしい。石神さんの話がいまも頭に残っているのも、大きな理由。
こうした社員の声は、まさに「『Plus One』制度を導入することで、マネージメントが聞きたかった声」なのだと言います。
上林社長は、「さらに昨年から”Great Place to Work(「働きがいのある会社」調査)”に参加している。初年度の結果では、地域貢献や社会貢献に対する社員評価が極端に低かったが、今年は26%も上昇。『Plus One』制度導入がきっかけとなり、74%の社員が自分のはたらきが、社会に貢献していることを実感してくれるようになった」と続け、社員のエンゲージメント力を感じていると言います。
人材交流のきっかけになれば
こうして継続的な支援という形でLFAとの関係を深めているNEWONEに対し、「今回社員の方からの投票で継続的に支援いただけることになったのは大変嬉しい。会社が勝手に社会貢献してくれているというのではなく、それぞれの社員の方たちが、意識を持って取り組まれ、そこで選ばれたことは誇らしい」と話すLFAの李代表。今後LFAはどんなことをNEWONEに期待しているのでしょうか。
「もっともっと教育現場には人もお金も必要だ。資金的な寄付と実際の支援現場が乖離しているのも問題。支援現場では、寄付を通じて、もっと社員の方に現場を知ってもらえる機会が作れないか。余暇活動の中に、子どもの支援を組み込むといった機会を、逆にLFAが提供できるのではないかと思っている」と李さんは続けます。
さらに「(NEWONEに限らず)企業がボランティア団体との接点を作ることで、個人がよりボランティア活動に参画しやすい連携を深める機会を期待している」と話し、NEWONEのモデルがその先駆け的な存在になるのではないかと示唆しています。
営利企業と非営利団体が交わることで、社会的課題の解決も近づくのではないかと話す李さん。「(LFAの拠点に通っている)子どもたちは、スーツを着てパワーポイントを操作しながらプレゼンテーションをする姿を目にすることがほとんどない。新しいロールモデルに出会えることはとても価値があること」と続けます。
未来を担う子どもたちが、たくさんの可能性に出会える。
そんな機会が、『Plus One』制度を通じてもっと生まれるよう、NEWONEでは本プロジェクトの今後にも期待を寄せています。
https://new-one.co.jp/company/donate/
Text: Yukie Liao Teramachi (funtrap)
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