母ちゃんの味を、金沢から全国へ。北陸初の春巻き専門店を立ち上げた裏側と今後への想い。
石川県金沢市にある、北陸初の春巻き専門店 『はるまき家』(店主:佐藤大輔)。母ちゃんが40年以上作り続けた思い出の味を届けたいと、親子3人で毎日一生懸命に春巻きを手作りしています。店舗・移動販売でのテイクアウトの他に、お取り寄せ通販で全国に美味しい春巻きを提供中。
金沢駅構内でのポップアップ実施決定に合わせ、店主である佐藤と佐藤家の現在に至るまでの挑戦について紹介します。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000103340.html
当初、はるまき家は店主である佐藤大輔(さとお)と母である佐藤千鶴子(母ちゃん)の2人で始まった。
さとおは、佐藤家の次男である。石川県金沢市出身で、地元の高校を卒業後、関東の大学へ入学。そのまま就職活動を関東で行い、数社から内定をもらうが、母子家庭で育ててくれた母を支える為に地元の金沢へUターンをした。27歳の時に中学校の同級生と結婚を期に医療機器メーカーへ転職。2018年、2020年と営業売上全国No.1(300人中)を2回達成したが、はるまき家を立ち上げるため脱サラ。
母ちゃんは、母子家庭である佐藤家を女手一つで育ててくれた一家の大黒柱。どんなに時間が無くても温かい食事を作ってから仕事へ行った。北海道出身で昨年古希を迎えたことがきっかけとなり、新しいチャレンジをすることに。
「母ちゃんが好きなことをして生きてもらいたい」。得意料理の春巻きを届け始めるまで。
2020年2月から流行ったコロナウイルスの影響に伴い、さとおは自分の将来(これからのこと)を見つめ直すことが増えた。転職してから8年、このまま今の仕事を続けても本当に良いのだろうか。疑問を持つようなことであれば、本当にやりたいことは何なのか、と模索する日々。悶々とする状況の中、以前から母ちゃんが「何か新しいことを始めてみたい」と話していたことが心に残っていた。
母子家庭の佐藤家では、母ちゃんが女手一つで男兄弟の2人(兄とさとお)を育て上げた。そんな母ちゃんの口癖は「家にお金はないけれど、温かい料理だけはたくさんあるから」である。自分たち兄弟の友達が遊びに来ると、母ちゃんは「ご飯食べた?ご飯食べていくやろ?」と兄弟だけでなく友人にもお腹いっぱいのご飯を食べさせた。さとおは、そんな姿をずっと近くで見て『母ちゃんは誰かに自分の料理を食べてもらうことが幸せなんだなぁ』と考えていた。
そして、たくさんある手料理の中でも、春巻きが母ちゃんの得意料理である。帰宅した瞬間に良い匂いと音がして、揚げたてパリパリの春巻きを頬張ることが、さとおは子どもの頃から大好きだった。大人になっていろんなお店の春巻きを食べても、それを超える美味しさには出会えなかった。普通であれば1人1~2本だが、佐藤家では大きいお皿の上にどーんと山盛りに盛られるのが通常で、大好きなおかずが食べ放題という形式がさとおにとって大変嬉しい記憶として強く残っていた。
そんな思い出から、さとおは「母ちゃんの春巻き美味しいから、一緒にやってみんけ?」と気楽に声をかけたが、母ちゃんは最初に「こんなおばちゃんの春巻き誰が買うんやって。あほか!」と本気にする様子はなかった。
でもものは試し、と動き出してみることに。知り合いであるゲストハウスのオーナーへお願いしてお店を間借りすることができた。さとおは「来週ゲストハウスで春巻き売ることになりそう!」と報告すると、母ちゃんはまたしても「えっ?行ったこともないところで、やるのなんて嫌や」「そもそもどーやってお客さん呼ぶつもりや。何本準備するかもわかってないし」と不安げ。「まぁまぁ まずは始めてみようよ!」とさとおが肩を押す形で、2020年10月に『はるまき家』第一回目のプレオープンとなった。
初日の朝、不安だった母ちゃんは夜中の02:00頃から仕込んでいた。そんなことも知らずのんびりと06:00頃に 様子を見に来たさとお。それに対して 母ちゃんは「もうこのままだったら間に合わないわ」「さっさと手伝って!」 としょっぱなから噛み合わない二人である。まさに右も左もわからない状態で、さとおに限って春巻きを巻くのも初めてだ。器具の準備もなかったため、本数春巻きを家中の大皿を引っ張り出して載せていく、というばたばたぶり。
もちろん、ゲストハウスキッチンの利用も初めて。何が必要で要らないのかも分からず、あれもこれもと2人で数多くの荷物とたくさんの春巻きを車に載せた。11:00の開店時間ぎりぎりまでそわそわしながら準備する母ちゃんとさとお。開店と同時に多くの知り合いが来店してくれた。準備した春巻きはすべて完売し、あっと言う間のプレオープンとなった。
その後、2人で週末の土日にはプレオープンを重ねた。自分たちで作った春巻きを食べてもらって、お客さんたちに「美味しい」って言ってもらえる、こんな楽しいことはないと考えるようになった。さとおは「母ちゃんの残りの人生は、好きなことをやって生きてもらいたい」と考えていたこともあり、自分の人生をかけて 一緒に『はるまき家』をやろうと決意した。
プレオープンから、キッチンカーでの本格オープンまで。詰め込んだ様々なこだわり。
「はるまき家をやりたい」と気持ちは決まったが、飲食店業については全くの未経験のため何をどう始めたらいいのか分からなかった。物件を探してみたりはしたが、何かピンとくるものがなく、そのうち「はじめは店舗にこだわらなくてもいいのでは?」と気づく。
その考えから、「店舗にもなって、春巻きを食べたい人たちの所へ自分たちで行ける」キッチンカーが良いという判断へ至った。①コロナ禍で飲食店業は厳しい中でテイクアウト需要が増えていること、②また、店舗にかかる初期費用を抑えられ、小さく始めるには丁度良いという2点からキッチンカーでの移動販売を計画することとなった。
もちろん、移動販売も未経験の2人。保健所に通い必要なものを準備するところから始まった。キッチンカーは目立つ色が良いのと、暖色系であたたかい感じが良いと考え、真っ赤な色にみんなで決めた。それからは、9月1日のオープンに向けて必要なものを揃える毎日。走りながら考えるさとおに対して、しっかりと準備をしてから動きたい母ちゃん。何度も何度も揉めながら進んでいった。
まずは、自宅の前で営業を始めたキッチンカー。オープン当日は、メニュー・看板・シュップカード・専用パッケージ…本当に何もないところからのスタートである。Instagramで投稿したこともあり、オープン初日からたくさんのお客様が来店してくれた。僕たち2人を知る友人たちからのお祝いの花束やプレゼントに囲まれながらの営業。あっと言う間に準備していた春巻きは連日完売した。
来てくれたお客さんが驚いたのは、来店時に試食として一本まるごと春巻きを渡されること。「えっ一本全部いいんですか?」と驚くお客さんに対し、「揚げたてが一番おいしいから」「食べてみんと、わからんしねぇ」と母ちゃんは話す。
また、天候に左右されることが多いこともキッチンカーの特徴の一つ。オープンした年は特に豪雪で、来る日も来る日も雪かきの日々だった。車4台分くらいの駐車場の雪をどけることが物凄く大変だったのだが、母ちゃんは「せっかく来てもらうんやから、気持ちよく来てもらわんとね」と、少しの雪も残すことなく綺麗にするのがこだわりだった。
さとおは営業していく中で、「味を届けるだけでなく、母ちゃんの家に遊びに来たような感覚になれるような、あったかい場所作りを目指したい」と強く思うようになった。
母ちゃんの誕生日に最大のプレゼントを。兄も参加し、実店舗への新しい挑戦。
キッチンカーでの営業を続ける中で、一番の問題は、仕込み場所だった。キッチンカー内は狭く揚げるだけで仕込みはできないので、仕込み場所を間借りしていた。仕込み場所へ通い春巻きを仕込み、それをキッチンカーまで運ぶ、その移動が毎朝となると結構な負担だった。
そんな時に、たまたま母ちゃんの家のすぐ近くに物件の空きがあることが分かった。20年ほど続けたたこやき屋の空き店舗。この距離なら毎朝の母ちゃんの負担が減るし、元飲食店なので居抜きとして入れることが大きなポイントだった。
しかし、母ちゃんと一緒に見学に行くと、長く営業されていたため経年劣化が激しく、ここで本当にできるのか不安になるような状態だった。戸惑いつつも「これまでもチャレンジしてきたんだから、これも自分たちでやってみよう」と改装を決意。改装費を大々的にはかけられないので、家族でDIYすることに。
そして、新しい決断をしたタイミングでさとおの兄である佐藤修一(さとお兄)も一緒にやらないかという話が出た。母ちゃんはもともと3人でやれたらいいなと思っていたようで、家族みんなではるまき家を運営するという母ちゃんの二つ目の夢が叶うこととなった。
DIY初挑戦の三人。初めてやる作業が多く、YouTubeを見たりホームセンターに通ったりして試行錯誤の日々。二十年間の汚れをキレイに磨いて、ぴかぴかになり、さらに室内の壁紙をすべてはがして漆喰を塗った。営業が終わってから毎日兄と二人で作業を続ける中、あまりに夜遅くまでやっているので、母ちゃんがおにぎりを差し入れに持ってきてくれたこともあった。その他、夜に作業をしている中で「これなんのお店になるんですか?」と声をかけられることもあり、「はるまき家です」と答えると「えっ、あのはるまき家さん!?」と喜んでもらい励みになった。
入口はキッチンカーと同じ赤色にしよう、キッチンカーでは狭かったから、負担がかからないように
母ちゃんの動きやすい動線を考えてレイアウトしよう、と工夫を凝らして一つずつ進んでいった。さとおの願いとして、自身の娘にも店づくりに参加してほしいという思いがあり、壁を塗る日に参加して、漆喰とペンキを塗ってもらった。「ここ私が塗ったんやよ」と娘も自慢げだ。
忙しなく準備を進める中、オープン日を先に決めた。6月8日が母ちゃんの誕生日だったので、なんとか間に合わせよう、せっかくならそのほうがいいよねと話し、急ピッチで店づくりを進めた。そして無事、2021年の母ちゃんの誕生日に店舗をオープンさせることができ、兄弟から最高の誕生日プレゼントを渡すことができた。
1人でも多くの方に母ちゃんの春巻きを届けるため、新たな挑戦を続けていく。
実店舗をオープンしてから1年半。今まで4万本近い母ちゃんの春巻きを届けてきた。地域の方にも多く来店いただき、テレビでも取材をいただくなど順調に成長してきました。
そんな中、新しい挑戦の機会が舞い込んできた。なんと、『はるまき家』として、金沢駅構内百番キッチンエリアで2ヶ月間のポップアップストアの出店が決定したのです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000103340.html
新幹線が開通して以来、金沢駅はとても賑わっている。北陸を代表する大きな玄関口である金沢駅で『はるまき家』を出店できることは光栄で、大きなチャンスだ。地域の人が更に集まり、更にコロナも収束しつつある今、県外の人にも多く知ってもらえる可能性がある。営業している11時から20時までの毎日、春巻きを届ける予定だ。
母ちゃんの春巻きを金沢から全国へ届けたい。その想いは変わりません。僕たちが食べていた母ちゃんの春巻きが、全国のみなさんの食卓に並ぶなんて数年前までは想像もしてなかったけれど、一人でも多くの人に母ちゃんの春巻きを食べてもらって、僕たちが受け取ってきたような温かい気持ちを届けたいと思ってます。
佐藤家は、日本一の春巻き屋になるために、今日も春巻きに夢を包みます。
ーーーー各種URLーーーー
はるまき家 公式HP:https://harumakiya.com/
母ちゃんの春巻きを購入できるオンラインストアや店舗情報、コラムを更新しています。
Instagram:https://www.instagram.com/harumakiya_kanazawa/
お店についてや、開店情報など詳しく知ることができる投稿を日々行っています。
Twitter:https://twitter.com/harumakiya_
日々、店主さとお(はるまき王子)のつぶやきを発信しています
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