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「夢を語り、応援され、世界で輝く子どもを多く輩出したい」昔、吃音だったマナー講師は、なぜ、「子ども夢プレゼン」の授業を始めたのか?

著者: おもてなしマインド合同会社

おもてなしマインド合同会社は、2023年2月14日に奈良市立六条小学校で、6年生全クラスを対象とした『子ども夢プレゼン』指導を行う予定だ。全4回で構成されるプレゼン授業は、次回で3度目の登壇となる。


同社は、元々企業向けに声、マナー、立ち振る舞いの印象術の研修講師をしていた吉田正美(以下、吉田)が、2021年に創業した。もともと法人や成人のお客様に向けて吉田はサービスを提供してきたが、学校向け講座を開くに至った経緯や想いについて本ストーリーでは伝える。

(小学生向け講座の様子)

1600件を超える「話す・伝える・表現する」の育成指導の実績

おもてなし合同会社代表の吉田は、これまで法人を中心に「話す・伝える・表現する」の育成指導を行ってきた。接遇指導やセミナーへの登壇回数は、延べ1600件を超える。2021年10月に創業した同社の社名には、受講者へ意識して欲しい心掛けと自身の使命が込められている。


「これまで、個人でコミュニケーション研修講師として長い間活動をしてきました。講師を務める中で、”おもてなし”という言葉を常に意識しています。この言葉は、ホスピタリティの一番上の概念であるとともに、表裏のない接し方を意味します。コミュニケーションにおいて、おもてなしの気持ちを常に持ち、相手が自然と心地よくなれるようにとの思いを込めて社名にしました」


同社の主な事業は、企業向けの声/マナー/立ち居振る舞い/コミュニケーション等の印象アップ講座である。特に、受講者からの反響が良いのが、声に関する講座だ。


「現在、営業パーソン、経営者、議員、僧侶など、幅広い方に、声と立ち居振る舞いの指導をしています。プレゼンをする機会が多い方ほど、ボイストレーニングを受けています。第一声で魅了すると、人は相手を信用し、深く話を聞いてくれます。声の変化に比例して、自身の成功も結びついてくるのかもしれません」。


講座では、「自分の声が嫌い」と話す方は多い。吉田は、ファシリテーターとしての的な立ち位置を常に意識する。一方通行ではなく、参加者を巻き込みながら、座学と実践を組み合わせて、頭と体とこころで覚えてもらう形式だ。その工夫もあり、参加終了後にはマインドが整い「自分の声が好きになった」という声が多く届く。


(企業向け講座の様子)

学校向けマナー講座を開講。生徒、教員に思いやりのあるコミュニケーション方法を伝える。

これまでに、中学生向けに2回、小学生向けに1回の講座を実施している。さらに、生徒のみならず教職員に対してもマナー講座の依頼を受け、2022年9月7日に教職員向けも開始をした。

(教職員向けマナー講座の様子)


「実は、人生でマナーを習う機会って、そんなに多くないんですよね。マナーは思いやりです。一緒に居る人を不快にさせないために必要です。しかし、子どもたちに教える教職員は、新社会人として一般企業のようなマナー研修を受講する機会を用意されない中、いきなり”先生”と呼ばれ身近な生徒への模範となります。そのため、学校でいざ子どもたちに教えようとするときに、適任者がいないことが課題です」。


本講座では、マナーや立ち居振る舞いのみならず、アサーティブコミュニケーションを教えている。アサーティブ(Assertive)という単語は、「言い張る」「自己主張が強い」などと訳される。しかし、「アサーティブコミュニケーション」は、一方的に自分の意見を主張することではない。片方だけが意見を押し通すことも我慢することなく、互いの考えをしっかりと伝え、意見交換できるコミュニケーション方法だ。吉田は、このコミュニケーションを『思いやりのある自己主張』と表現している。


アサーティブコミュニケーションは、ケーススタディを用いて教える。例えば、すごく忙しい時間帯に、保護者からクレームの電話が入ってくるというシチュエーション。すぐに電話を切りたいけれど、なかなか切れない。そんな状況の中で、教職員の皆さんがとる行動をチームに分かれて話し合い、考えをまとめて発表してもらう。先生方からは「習ったことがない新鮮な内容だったので学びになった。即実践します」等の声が多く届き、好評だ。


今さら聞けないマナー・美しいお辞儀・電話対応・クレーム対応。そして、思いやりのある自己主張であるアサーティブコミュニケーションを学ぶことは、自分の身を守ることにもつながる。「自分も大切にしながら、より円滑なコミュニケーション環境の構築に活かして欲しい」と吉田は語った。

”子ども夢プレゼン”の開講。周りの聞く環境作りを大切に。

2022年5月24日に、同社は新たに『子ども夢プレゼン』の授業を奈良市立六条小学校で開始した。


全4回で構成されている『子ども夢プレゼン』は、「聞いた人の心が動き、応援したくなるプレゼンをすること」がゴールだ。発声法やプレゼンテーションの基礎等を学んだ上で、各生徒が自身の夢について発表を行う。すでに、第二回までの講座は終了した。子どもたちは、吉田が用意した「夢プレゼンシート」に各々の夢プレゼン発表の内容をまとめ、グループ内での発表まで終えている状況である。

(『子ども夢プレゼン』の様子)


『子どもプレゼン』の授業内で配布された資料の題目の中には、「発声練習」「プレゼンテーションとは」「話し手が聞いてもらうために必要なこととは」等のプレゼンテーションをするために必要な知識・テクニックが並んでいる。その中に、「聞く人が話し手をノリノリにさせるには?」という問いかけが書かれてある。話し手も重要だが、聞き手が特に重要であると吉田は語った。


「まずは、しっかりと話し手の話を聞く環境を整えるということを意識して授業を進めています。どのように聞き手がしてくれたら嬉しいのか。生徒に問いかけをし、考えさせるとともに、方法をお伝えしています。方法論の1つとして、”きく三兄弟”という形で教えています。”聞く”と”聴く”と”訊く”です。耳と目と心で、きく重要性を伝えています」。

吃音に悩まされた小学生時代。乗り越えたきっかけを忘れず、教壇に立つ。

なぜ、聞き手の環境を整えることを重要視するのか。背景には、吉田の小学生時代の経験があった。


吉田は小学生の時、吃音に悩まされていた。さらに、赤面症も患っていた。その2点が原因で不登校を経験している。しかし、小学5年生の担任の先生の指導で、メンタルが変わったと話す。


国語の授業での音読の時だった。先生は、「笑顔でゆっくり読みなさい。茶化す生徒は私が怒るから」と場を整えてくれると約束をしてくれました。次の日、学校に行き、先生を信じ、音読をすると、初めて詰まらずに読めました。この時から、だんだんと自分の声が好きになりコミュニケーションに対する姿勢が前向きになったという。そんな成功体験を生徒に体験して欲しい。そのために、まずは聞く環境を整える。そして、全ての発言が肯定される場であるというグランドルールを伝えるそうだ。「全部正解であると」。


(幼児の吉田の写真)


「吃音」で悩まされている人は、日本には約120万人(100人に1人)いると言われている。

吃音は、大きく2つに分類される。幼児期に発症する「発達性吃音」と、疾患や心的ストレスなどによって発症する「獲得性吃音」だ。その9割は発達性吃音とされている。発達性吃音は、7~8割くらいが自然に治ると言われている。しかし、話して吃音が出た時に、笑われたり、自分でも身体の不具合を感じたりすると、「話す(話して吃音が出る)」という行為と、笑われたり注意されたりした時の不快感が結びついて、話すことや吃音が出ることそのものに嫌悪感や不安を感じるようになる。結果、話す場面に恐怖を感じるようになるのだ。(※)

※参考:国立障害者リハビリテーション研究所


また、授業を行う際には、子どもたちとの信頼関係を築くことも重要視している。自身が元々吃音だったことも包み隠さず、生徒に伝えている。


授業中、ある吃音の生徒がとった行動にも、驚かされたという。


早口言葉を言いながら、口の動かし方を教えている時だ。「私は、昔吃音だったんです!」と生徒の前で伝えたところ、周りの生徒が「〇〇と一緒じゃん!」と言いました。すると、その子が「僕そうやねん!ちょっと言わして」と言い、早口言葉を言いました。しかも、スラスラと。「その日、その子は授業内でどんどん前に出てくれるようになりましたね。すごく嬉しかったです」と当時の様子を振り返る。

夢を語り、応援され、世界で活躍する子どもの輩出のため、プレゼンテーションの機会を作りたい。

2023年2月14日に、『子ども夢プレゼン』の本番発表会を迎える予定だ。すでに実施したグループ発表では、吉田自身が想像していなかった発言も多くあり、学ぶことが多いという。


授業の中で、子どもたちから出てくる夢にワクワクしながら吉田は話を聞いていた。職業名が多く出てくると予想をしていたが、なんと1人の生徒が「僕は挨拶のチャンピオンになります」と言ったのだ。


生徒は続けた。「どうしてそう思ったのかというと、校長先生が寒い日でもいつも校門の前で、おはよう!今日も元気で!って、元気いっぱい挨拶をしてくれるから。明日から僕は笑われても大きな声でみんなに挨拶します!だからみんなも笑顔で帰ってください。応援お願いします」。


この堂々と夢を語るプレゼン姿を、ぜひ大人に見てもらいたいと、吉田は言う。本講座の開講は、吉田がもつ長年の夢の1つだった。自身の経験、そして「あきらめといじめをなくしたい」という想いを持ち、あらゆる場面で何度も学校を含む教育機関へと言い続けてきた。


今回、やっと夢の1つが叶う。大人になって、いい格好をしようと、堂々と自分の夢や想いを語ることに躊躇をしてしまっている人が多いのではないだろうか。そんな方には、「子どもでも、機会があればこれだけのプレゼンが可能だという姿を見せたい」と話す。


学校向け事業の挑戦は、ここで終了ではない。六条小学校で『子ども夢プレゼン』が終了すると、大阪市立の小学校で別の講座を行う。3月7日に5年生を対象に最高学年になる心構え・コミュニケーション、3月9日には6年生を対象とした卒業式前の立ち居振る舞い、その後には教職員向けのマナー研修を実施する予定だ。


最後に、吉田は今後の展望を語った。


「自分の夢を口に出し、発信し続けることで、チャンスが訪れると信じています。だからこそ、学生時代に、プレゼンをする機会を作り、成功体験を作ってあげたい。それは、私が小学生時代にもらった恩の恩送りです。今後も全国の学校を回り、自分の夢を語り、応援され、世界の舞台で輝く子どもたちを、多く輩出したいです」。




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