一人ひとりが起こす小さな波が、やがて大きな渦になっていく
3月8日は国連が女性の権利と政治的、経済的分野への参加を推進する目的で制定された、国際女性デーです。この日は、国や民族、言語、文化、経済、政治の壁に関係なく、女性が達成してきた成果を認識する日です。
ジェンダーギャップ、バイアス解消に向けたアドビの取り組み
国際女性デーが制定された1975年以降、多くの国が目覚ましい経済発展を遂げ、文化的にも豊かになるなど多くの良い変化がありました。しかし制定から半世紀経ったいまもなお、残念ながら世の中にはジェンダーギャップや、バイアスが存在しています。
アドビは2023年1月、女性の活躍支援を切り口にダイバーシティ&インクルージョンを推進するグローバルの社員ネットワーク「Women at Adobe 」を日本でも立ち上げました。女性従業員はもちろん、ジェンダーを越えて理解者が集まり、つながりや学びの機会をもつことで、女性一人ひとりが自らのゴールの実現に向けて取り組み、また、互いにエンパワーし合えることを目指しています。それにより女性だけではなく誰にとっても自分らしく活躍できる職場、ひいては社会の実現に近づけると考えているからです。
リーダーの一人である礒貝美希は「女性の活躍支援に関する想いや考えは十人十色だと日々実感しています。まずは多様な考えを知り、受け入れることが大事だと考えます。一人一人への『共感と支援』を通じ、自分らしさが存分に発揮できるようになること、それがその方にとって重要な成果創出や自信につながっていくことがエンパワーメントへの第一歩だと思います」と語ります。
今後、Women at Adobeの日本チームではカジュアルに交流しネットワーキングできる機会づくりとテーマを設けて学ぶ機会の創出の2つの軸で活動を展開する計画です。
「つながり」によって「多様性を知る」
2月初めに開催された初回のネットワーキングイベントにはジェンダーを問わず30名ほどの社員が参加。「自分らしさを発揮できる働き方」「ワーキングペアレント」「ライフステージとキャリア」「ヘルスケア」など、それぞれ興味のあるテーマごとにグループに分かれ、カジュアルな座談会を行いました。
会の中では例えば中堅世代からはともすると「女性の活躍=子供がいて、仕事ができて、役職にも就いていて、プライベートも充実」という「スーパーウーマン」的なロールモデルがイメージされがちだが、これが逆に「自分にはとてもできない」という気持ちを抱かせてしまう原因になるという指摘や、若手世代からは「女性だからといって不利に感じたことがないので、課題意識から学びたい」といった率直な意見もあり、早速多様な観点からの学び合いがひろがりました。また「自分らしく自分の強みを生かしてインパクトのあることをする。そういったことができるような環境作りに取り組みたい」「失敗談、乗り越え方などを共有することで、励ましあいたい」などの意見も飛び交いました。
一人で全てをやろうとせず、誰かに助けを求めてみよう
2023年2月8日には米国から来日したグローバル営業部門のリーダーとして活躍するクレア ダーレイを迎えたトークイベントが開催されました。クレアは英国の鉄鋼業中心の小さな街で生まれ育ち、大学に進学する女性がさほど多くない地域から、ロンドンの大学に進学しビジネスを専攻しました。卒業後はIBMに入社し、以来ITと通信の業界でセールス、マーケティング、コマーシャル分野のキャリアを積みます。アドビには2015年に入社し、現在はデジタルメディア部門で全世界の営業およびサポート部門3000人を超えるチームメンバーの先頭に立ち、多くの企業のデジタル化支援を行っています。
子どもを出産し、当時では長い方だった3ヵ月の産後休暇の後、仕事に戻りました。幼い子供を育てつつ、フルタイムで働く中、ある日その状態を一人で背負って疲弊している自分にクレアは気づきます。「自分一人ではできない。私の子供ではなく、私たちの子供を育てている。二人で対応できるようにしたい」とパートナーに率直に気持ちを伝えてから良い方向へと大きく変化したと言います。
「仕事で遅くなっても家で自分ではない信頼できる誰かが、家事や子供のお世話をしてくれているという安心感は絶大でした」とクレアは当時を振り返ります。
「全てを自分でやろうとしないこと。これはヘアカットを自分ではせずにサロンでプロにやってもらうのと同じことです。他人の手を借りる、助けを求める、アウトソースする。キャリアは短距離走ではなくマラソンなのですから」。
参加した社員からは「リーダーでも支えを必要とした時期もあったと知り、勇気づけられた」「家族を持つことに不安があったけれど、とにかく進んでみればどうにかなると思えた」などのコメントが寄せられました。
一人ひとりが、そして一社一社が、それぞれの組織が女性のエンパワーメントを推進していくことは、小さな波が大きな渦へと変わっていく力になります。この小さな波を起こすきっかけを、アドビは支援し、大きな渦が生まれることを強く願っています。
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