「しあわせ、ぽん!」~50年後も愛され続けるために「味ぽん®」ブランドの価値を再定義。プロジェクトへ込めた想い~
3月は人との出会いや別れの季節。新入生や新社会人など、実家を出て初めての一人暮らしをしたり、転勤で知らない土地へ引っ越しをしたり、食生活にも大きな変化が起きる時期でもあります。「味ぽん」は、さまざまなメニュー提案をすることで、このような食生活の変化にも寄り添ってきました。鍋料理をはじめ、おろし焼肉・焼魚などのメニューにそのままつけたり、かけたり、様々な食材や調味料をあわせて煮たり、炒めたり、蒸したり、幅広いメニューに使える「味ぽん」。来年に発売から60周年を迎える今、改めて新しいアップデートの時期を迎えています。
ミツカンが2022年5月から開始した「しあわせ、ぽん!」プロジェクトは、「味ぽん」がもたらす「半径1メートルのしあわせ」を提案するプロジェクトです。その一環として、今年は「#味ぽんはじめての自炊応援宣言」キャンペーンも実施し、より一層生活者の食生活に寄り添う取り組みを開始しています。開始から約1年が経つ「しあわせ、ぽん!」プロジェクトとは何か、ミツカンは何を目指しているのか、そして見えてきた景色について、プロジェクトに関わる人の想いに迫ります。
商品企画の経験が長く、現在はぽん酢カテゴリを統括する部長の村重祐介、そして、2018年の入社以来ずっと商品開発に携わり、2022年8月に発売した商品「味ぽん® うまピリTM」の開発担当者である日野由佳子に話を聞きました。
※部署名・役職は取材当時のものです。
「しあわせ、ぽん!」プロジェクトってなに?
背景
「しあわせ、ぽん!」プロジェクトとは、「味ぽん」がもたらす「半径1メートルのしあわせ」を提案する、ミツカンが2022年5月に開始したプロジェクトです。
1964年に誕生した「味ぽん」は、かんきつ果汁・お酢・しょうゆが絶妙にブレンドされた調味料で、発売以来、多くのお客様に愛されて成長を続けてきた、ミツカンを代表するロングセラー商品の1つです。
ミツカンは、1970年代より、お鍋の季節になると、鍋料理の家庭への普及を狙ったTVCMを投下し、お鍋で「一家だんらん」をテーマに一貫した訴求を実施してきたこともあり、「味ぽん」は、長い間、「家族だんらん」の時間を支える調味料として、食卓に欠かせない存在でした。
実際に、「味ぽん」のファンでいてくださる方は、幼少期に、家族がそろう食卓で「味ぽん」を使ってお鍋を食べたという「食の原体験」があり、「味ぽん」と言えばお鍋を囲む情景が思い浮かびます。しかし、誕生から半世紀以上経った今、世帯構造や食生活、働き方、価値観も多様化しており、現在の若年ファミリー層では、「味ぽん」に関する原体験が希薄になっています。このような社会の変化に合わせて、「味ぽん」がこれまで培ってきた「だんらん」もアップデートしていく必要がありました。
実際にZ世代を対象にした調査では、「家族がそろって食卓を囲む」ことが「だんらん」ではなく、「家族や、気の合う友人・仲間みんなが心地よく素になれること」が「だんらん」であることがわかりました。
目指している姿
そこで、ミツカンは、「だんらん」の価値を、「素になれて、ほっとできる身近なしあわせ」=「半径1メートルのしあわせ」と再定義。「味ぽん」の変えてはいけない価値は守りつつ、5年先も10年先も、「味ぽん」が愛され続ける存在になるために、若者世代にもっともっと「味ぽん」を好きになってもらうこと、「味ぽん“で”いいではなく味ぽん“が”いい」と思ってもらえること、それが重要な課題です。そのために、家族の枠や食の枠、空間の枠も飛び超えて、生活者のファンを増やしていくことが、「しあわせ、ぽん!」プロジェクトが目指している姿です。
これまでの手ごたえ
プロジェクト開始からもう少しで1年。これまでに、アートTシャツ、「味ぽん」を使ったイタリアンのフルコース、ゲームとのコラボ、大学・高校との取り組みなど、生活者との今までにないさまざまなタッチポイントを作ってきました。
これまでを振り返り、ぽん酢カテゴリを統括する部長の村重は、
「食の枠を飛び超えた取り組みをすることで、我々にとっても新しい発見がありました。プロジェクトに共感して、SNSで好意的な発信をしてくださる方が増えたり、若年層の『味ぽん』の購入経験が増えたり、少しずつ手ごたえを感じている」
と言います。
また、「味ぽん」は3月1日から価格改定をさせていただくという発表をした際に、SNSなどで「33年間値上げせずに頑張ってくれてありがとう」といった感謝のコメントを多くいただいたことにも触れ、
「想定外の反響の大きさで、改めて『味ぽん』ブランドの偉大さに驚きました。『味ぽん』は本当に多くの方から愛されているんだなと改めて実感し、このプロジェクトに対するメンバーのモチベーションがより一層高まった」
と語っています。
「味ぽん うまピリ」開発 その重責
「しあわせ、ぽん!」プロジェクトと伴走して開発を進め、2022年8月に発売に至った「味ぽん うまピリ」。担当したのは、2018年入社の日野です。日野は入社以来ずっと商品開発を担当しており、「味ぽん」の開発には2021年から関わっていますが、「今回の新商品の開発は、私にとって大きな挑戦」だったと言います。「『味ぽん』と言えば、私が生まれる前からある、ミツカンのロングセラー商品。『味ぽん』ブランドの商品を開発するなんて、かなりプレッシャーでした。」(日野)
試作品の数は100以上!試食続きの日々・・・。
「味ぽん うまピリ」の特徴でもある辛味は、今の食文化のトレンドとなっているだけではなく、若者から絶大な支持を集めています。日野が目指したのは、「お肉との相性が良く、やみつきになるようなピリ辛味の『味ぽん』」でした。
「家庭では出せない味」が大前提で、『味ぽん』らしさを残しつつ、ほどよい辛みを感じられることが大切だと考え、『味ぽん』の持ち味である“さっぱりとした醤油感”を守ることにこだわり、どのような辛みがふさわしいのかを探っていきました。」(日野)
胡椒や生姜、唐辛子。いろいろな辛味原料を使って試作しては、チームメンバーに試食して評価してもらう日々が続いたそうです。試作品の数は100種類以上。試食の数も同程度。
「なかなか目指す味に辿り着けず、出口の見えないトンネルの中を歩いているようでした。」(日野)
出身地からのひらめき。「食の原体験」がヒントに。
そんな時、柚子胡椒のことがふと頭に浮かび、使ってみることに。日野は九州地方出身で、柚子胡椒になじみがありました。
「九州では鶏の炭火焼やうどん等、よく薬味に柚子胡椒を使用します。『味ぽん』のルーツである博多水炊きも、薬味として柚子胡椒を使用していること思い出し、この青唐辛子由来の青っぽい香りと辛味なら『味ぽん』らしさがありながらも、自宅では簡単に作れない味わいになるのではないか、と思いました。」(日野)
コロナの影響もあり、原料の調達には苦労したそうですが、爽やかな香りを持つ青唐辛子に加え、辛味の強い赤唐辛子を絶妙のバランスで配合すること、そして、柑橘系の香りにもこだわることで、「味ぽん」らしい、オールマイティに応用できる調味料「味ぽん うまピリ」が完成しました。
商品開発への想い
入社以来ずっと担当している商品開発。改めて、商品開発への想いについて、日野は
「『味ぽん うまピリ』の開発を通じて、開発者の使命は“また食べたくなる美味しいものをつくること”だと再認識する機会となりました。今後も、より多くの方に『味ぽん』を選んでいただけるよう、開発者として貢献していきたいと思っています」
と語っています。
「味ぽん」ブランドを未来へつなげていくために
味ぽんが誕生してからこれまでの半世紀以上の歴史の中で、非常に多くの生活者の方に使っていただき、「食の原体験」に寄り添ってきました。
「“家族がそろう食卓で『味ぽん』を使ってお鍋を食べた”以外にも、“つわりがつらいときに野菜に『味ぽん』をかけただけでさっぱりと食べることができた”、“すっぱいものが苦手な子どもも、『味ぽん』を使ったメニューなら食べてくれた”などのお声も実際にいただいています。また、『味ぽん』には、社内でも多くの人が携わってきました。時代の志向に合わせた味の改良、ビンの軽量化、キャップの改善、様々なメニュー提案などにもたくさんの社員が取り組んできました。これまで『味ぽん』を支えてくださった生活者の方や、作り上げてきた先輩方のためにも、10年先も20年先も、そして50年先も、『味ぽん』が選び続けられる商品となるために、我々が『味ぽん』ブランドを進化させていくことが大事だと考えています。今後も挑戦を続けていきます。」(村重)
※「味ぽんHISTORY」はこちらからご覧いただけます。
https://www.mizkan.co.jp/ajipon/about/history/
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