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欠けているものを補い合える関係性へ。壱岐市エンゲージメントパートナー協定の締結で目指す、未来のあるべき姿

著者: 壱岐市

2023年3月20日、長崎県壱岐市と富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社およびナイスモバイル株式会社は「壱岐市エンゲージメントパートナー協定」を締結した。


「壱岐市エンゲージメントパートナー協定」は、壱岐市を通して、地方や日本、そして世界の持続可能な未来をともに創造することを趣旨とした「壱岐市エンゲージメントパートナー制度」に賛同した企業等と壱岐市の間で締結する協定である。


今回の締結を通じて、壱岐市と富士フイルムビジネスイノベーションジャパンおよびナイスモバイルは、どんな未来の創造を目指すのか。


協定の裏側や調印式で語られた意気込みを、本ストーリーではお伝えします。

(イメージ、富士フイルムビジネスイノベーションより引用、調印式の様子)


壱岐市エンゲージメントパートナー制度の概要

「壱岐市エンゲージメントパートナー制度」は、2022年に市の新たな取り組みとして始まった。官民の関係性における「エンゲージメント」に注目し、企業との連携において行政だけでなく、市民とも繋がることのできる制度である。


同制度では、壱岐市への共感や愛着を感じ、壱岐市に対して主体的な貢献を行おうとする企業・団体等をエンゲージメントパートナーと定めた。


両者は、お互いの「未来のあるべき姿の実現」に向けて、一緒により良い状態を考え、共にその実現に向かう。その過程で、信頼関係が段階的に醸成され、持続的な関係性へとつながっていくことを目指しているのだ。


壱岐市は、エンゲージメントパートナーの市内でのイノベーションを全力でサポートすべく、「壱岐みらい創りサイト(※1)」を通じて、「人脈・情報・場所」を提供する。具体的には、テレワーク施設を無償で提供し、壱岐市を訪れやすくする。同時に、市民と直接触れ合える機会を提供し、企業が壱岐市での活動を続けやすくなる環境を整備している。

※1:2016年に官民協働で立ち上げられた一般社団法人

(パートナーへのサポート内容)


関係性を途切れさせない、持続的かつ拡大的な官民連携の形

官民連携の形としては「連携協定」が一般的だが、「エンゲージメントパートナー制度」は、VUCA(※2)時代に合った新たな官民の連携方法として創設した。

※2:VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの頭文字を取った言葉であり、変化が激しく、環境が複雑性を増し、想定外の事象が発生する将来予測が困難な状態を指す。


官民の「連携協定」は、企業と行政が特定の事項に関して、役割を明らかにするものであるのに対し、「エンゲージメントパートナー制度」は、企業と行政の双方がより良くなるために貢献し合う状態であることを内外に発表するものだ。お互いのためになることを見つけていく過程をより丁寧に行うことができ、持続的かつ拡大的な制度となっている。


本制度を創設するまでには、これまで壱岐市が取り組んできた多くの企業との連携で得た経験があった。


壱岐市は、2015年に旧富士ゼロックス(※3)との連携を開始以降、多くの企業と連携を実施してきた。その中には、事業終了のタイミングで関係性が途切れたり、連携する特定の事業が見つかるまで関係性が続かないこともあった。そこで、官民の考え方や事業の進め方が異なる中で、方法論に引っ張られず、目的に主眼を置いた新たな官民連携の方法を模索した。


※3:2021年に【富士ゼロックス株式会社】から【富士フイルムビジネスイノベーション株式会社】に社名変更をした。


そんな中、2020年に慶應義塾大学SFC研究所およびリクルートと連携を開始。地域創生手法を共同で研究する中で、「人と人」「人と社会」「人と仕事」の新しい繫がり方というテーマのもと、「エンゲージメント」に着目した仕組みを検討してきた。


そして、2022年に「エンゲージメントパートナー制度」を開始するまでに至る。現在では、制度開始から4か月で15組織とエンゲージメントパートナーを締結した。


今回創設した制度で、壱岐市は独自にエンゲージメントのレベルを4つの段階に分解した。そのため、本来の目的に沿って、段階を経て持続的に関係性を深めていけるような仕組みとなっている。

(4段階のエンゲージメントレベル)

富士フイルムビジネスイノベーションジャパンとの新たな官民連携

今回の締結により、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンとナイスモバイルが持つ商品やサービス、人材を活用し、壱岐市およびエンゲージメントパートナーである企業・大学等とともに、「エンゲージメント」を切り口とした協創を通じて、社会課題の解決を目指していく。

(特に今回は2社の強みを活かし、IT活用によるコミュニケーション活性化を目指す)


具体的には、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンのコミュニケーション、ネットワーク、セキュリティといったITと、ナイスモバイルがテレワークや遠隔授業向けに提供しているMAXHUB「All in One Meeting Board」(※4)を活用して、離島の社会課題の1つである遠隔コミュニケーション領域での支援を計画している。


※4:MAXHUB「All in One Meeting Board」はマイク、スピーカー、カメラ、タッチディスプレイが一体化となったオールインワンのインタラクティブホワイトボード(電子黒板)。以下MAXHUB。

 

今回の取り組みへの意気込みについて、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン代表の旗生氏は語った。


「旧富士ゼロックスは元々コピー機を提供する会社でした。コピーというのはコピーすることが目的ではなくてコピーしたものを伝えるためにコピーをしている。そういう意味ではコミュニケーションの会社であると考えています。壱岐市さんの社会課題の解決は、我々がなぜ仕事をしているのかにつながる話だと思っております。壱岐市内外とのコミュニケーションにおける課題をこれから探し、どうやって貢献できるか、一生懸命取り組みたいと思っております。」


壱岐市と富士フイルムビジネスイノベーションジャパンにおける官民連携の歴史は、今回が初めてではない。


2015年、旧富士ゼロックス時代に、地域創生に向けた連携協定の締結を行った。その後、「壱岐なみらい創りプロジェクト」や「壱岐(粋)なSociety5.0」といった具体的な連携を通じて、ともに壱岐市から日本が抱える社会課題の解決に取り組んできた。さらに、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンが持つ幅広い企業間ネットワークを壱岐市にも共有し、取り組みの幅を広げてきた。これらの取り組みは、各分野で先進的取り組みとして紹介され、地域創生のベンチマークモデルとなっている。

ナイスモバイルとの協定で目指す遠隔コミュニケーション

壱岐市は、あるべき未来の姿である「欠けているものを補い合える社会」の実現のため、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンに相談をしたところ、パートナーとしてナイスモバイルを紹介された。


富士フイルムビジネスイノベーションジャパンとナイスモバイルは、「コロナ禍で直接会えなくなっている社会でコミュニケーションをどうやって円滑にするか」という課題を解決すべく出会い、これまで良好な関係を築いてきた。


今回、ナイスモバイルは、壱岐市の想いを理解している富士フイルムビジネスイノベーションジャパンから目的を的確に伝えられたため、紹介から締結までかなりスムーズに進むことができたと振り返る。今回の取り組みへの意気込みについて、ナイスモバイル代表の高氏は語った。


「おかげさまで、MAXHUBという製品は、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンさんをはじめ、皆さんのご協力で、自治体や医療機関をはじめ、オフィスや教育の現場など、様々なシーンで活用されています。これまで導入してきた事例や経験を活かした活用方法以外にも、まだまだ新しい活用ができると考えております。これからどういった使い方ができるか一緒にご検討させていただきたいと思っております。」

(MAXHUBを活用し、コミュニケーション活性化を目指す)


壱岐市が掲げる「欠けているものを補い合える社会」の実現を目指して

壱岐市は、あるべき未来の姿として「欠けているものを補い合える社会」を掲げている。それは、各々の個性を活かせる社会であり、自分の得意なことを発揮できて感謝される社会である、と壱岐市の白川市長は語った。


「昭和に代表される高度経済成長の時代では、人口が増え続け、みんなで同じ道を登っていく時代でした。東京が最先端の場所であり、離島が一番後方の場所とされていたように感じています。しかし、人口が減少し、経済も縮小していくと言われているこれからの時代は、それぞれが道を選びながら、自らのペースで自由に登っていく時代へと変わっていくと予想しています。そういった自律分散や多極分散のように、それぞれの人や地域がつながっている社会になると、逆に離島の方が先進地になってくるんじゃないかと考えます。だからこそ、我々3者がお互いの未来のあるべき姿の実現に対して貢献し合うとともに、ぜひ日本にとっての新しい社会のモデルケースも創っていきたいです。」


今後、壱岐市が自律分散型社会のモデルケースとなることで、地方や日本、そして世界の持続可能な未来を創造していく。そのために一緒により良い状態を考え、各々の成長の方向性を合わせながら信頼関係を深め、持続的な関係性を築いていきたいと、3者は「壱岐市エンゲージメントパートナー」の締結を行った。

〈壱岐市〉エンゲージメントパートナー制度・取組について

https://www.city.iki.nagasaki.jp/soshiki/kankouka/tokyooffice/11392.html




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