PR TIMES RENEWAL JOURNAL VOL.1 | 「PR TIMES」大型リニューアル、17年の想いをつめこみます。
2007年にサービスを開始した、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」。
おかげさまで今日までに大企業からスタートアップまで、利用する企業は約8万社。月間PV数約7500万ページビューを誇る国内シェアNo.1のプレスリリース配信プラットフォームに成長いたしました。
そんなPR TIMESはいま、サービス開始から17年の想いを込めた“大型”のリニューアルに向けて動き出しています。
なぜリニューアルをするのか? どう生まれ変わるのか? ユーザーの皆さまにとっては具体的に何が変わるのか? “大型”とはいったいどういうことなのか。
そんな疑問にお答えするため、そして私たちの想いをきちんとお伝えするために、ここではプロジェクトの背景や過程を、連載として皆さまにお届けしていきます。
初回は、プロジェクトメンバーである、PR TIMES社員のカスタマーリレーションズ本部・松田、開発本部・山田、米国担当責任者・黒須の3名がプロジェクトの概要について説明します。
聞き手は、前職で企業の広報を担当していて、プレスリリースを発信する側としても情報を入手する側としても「PR TIMES」を長年利用していたという、フリーライターの冨田ユウリさん。東京・赤坂にあるPR TIMES本社オフィスに来ていただきました。
PR TIMESがいま、リニューアルする理由
——本日はよろしくお願いします! 直球に伺いますが、PR TIMESはどうして今回リニューアルすることになったんですか?
松田 「PR TIMES」は、現在約8万社以上のお客様にご活用いただいています。一方で、まだまだ「PR TIMES」を知らない方、プレスリリースを身近に感じられていない方は多くいらっしゃると思います。広報に関する専門的な知識がない方でも、自分たちの情報をプレスリリースで発信できるようにすれば、共感する人や応援する人を増やすことができるのではないか。そんな想いでリニューアルプロジェクトは始まりました。
実は「PR TIMES」は2015年に改修したきり、長年大きなアップデートができていなかったんです。私は普段、カスタマーリレーションズ本部という部署でお客様からの問い合わせ対応などを担当しているのですが、ご利用いただいている方々から「ここが使いにくい」「こういう機能はありますか」といった様々なお声がこれまでたくさん届いていました。その一つひとつに、「すみません、現時点ではそういった機能はなく……」と回答して……。
——それは心苦しいですね。直接声が届く立場だから。
松田 はい。私自身、入社前は「PR TIMES」のいちユーザーだったので、皆さんの声に共感もしていました。気持ちが理解できる分、きちんとお答えできないことにもどかしさを感じていたんです。今回のプロジェクトは、そういったご意見にも真正面から向き合いリニューアルしよう、というもの。具体的な内容はまだ決まっていないところが多く、これから社外の皆さんの意見を取り入れながら、一緒に新しい「PR TIMES」を作り上げようとしています。
——これまでたくさんの要望があったのに、どうして長年リニューアルできなかったのでしょう?
山田 これには、過去のリニューアルが関係しています。これまでサービスが急成長するなか、社内の限られたリソースで安全に素早く改修作業を行うためには、既存のシステムに機能を付け加える形で改修をするしかありませんでした。その影響で、プログラミングのコードそのものが複雑化してしまって。機能の改修や新機能の追加に、時間がかかるようになってしまいました。
——サービスの成長に伴い、矢継ぎ早な改修が求められていたんですね。
山田 プログラミングのコードが複雑なままだと、目に見えるような「表側」のアップデートは非常に難しい。下手に触って何かあれば、お客様に直接的な影響が出てしまうからです。まずは土台の部分から時間をかけて整理整頓していく必要があって、ようやく綺麗にできてきたのがいまのタイミング。新しい価値を加えていける状況にやっと整ってきました。
プロジェクトメンバー・開発本部 プロダクトチームマネージャー 山田和広
——なるほど。具体的なリニューアル内容はこれからということですが、ユーザーの方々からは、これまでにどういう声があったんですか?
松田 ご利用いただく方の中には、初めて広報を担当される方、プレスリリースを作ったことがないという方も多くいらっしゃいます。何をどう書けばいいかわからないという悩みの声を耳にすることがよくありました。今回のリニューアルでは、初めてプレスリリースに触れる方でも簡単に作成できるよう、テンプレート機能やAIを活用した提案機能を導入することを検討しています。
——シチュエーションやリリースのタイミングによっても、プレスリリースの効果的な書き方は違いますよね。たしかに書き方を提案してくれる機能があれば、プレスリリースを出すハードルが格段に下がりそうです。
松田 プレスリリースを配信する際の作業としてもう一つ、皆さんからよく聞く悩みの種が、「配信先を選ぶ」ことです。「PR TIMES」で配信できるメディアは約12,000媒体あって、そこからお客様自身に自分たちのリリース内容とマッチする配信先を選んでもらっています。どのメディアを選べばいいのかわかりづらいですし、配信先として適切なメディアかどうか判断することができない。メディアの選定をアシストする機能はすでにあるのですが、より使いやすく、精度も高くなるように改修する予定です。
——メディアを選ばず、全メディアに送るわけにはいかないんですか? たくさんの人に見てもらえたほうが良いような……。
松田 メディア側からすると、自分たちが取り上げづらい情報が送られてきても活用できません。たとえばグルメ情報を取り扱っている媒体のところに、スタートアップの資金調達情報が送られてきても、残念ながらただの要らないメールの一件になってしまいます。メディアにとっては不要なメールが増えて必要な情報が埋もれてしまうことになり、企業にとっては自分たちの情報が受け取られにくくなってしまう。プラットフォームを運営している立場としては、こうした事態は防ぎたいですね。
プロジェクトメンバー・カスタマーリレーションズ本部
兼 PR TIMES MAGAZINE コミュニティマネージャー 松田昇子
海外を目指す企業に伴走するため、まずは自分たちから
——黒須さんはアメリカでのサービス展開を担当されるということですが、海外におけるPR TIMESの目指す役割は何でしょう。
黒須 現在PR TIMESのサービスは日本国内に限られていて、海外に展開できていません。海外進出をしている企業、これから目指していく企業から、「海外でもサービスを開始してほしい」という声を、これまでもたくさんいただいていました。
PR TIMESが海外進出することで、すでに海外事業を展開している企業、これから海外進出を目指す企業の“伴走者”としての役割を担うことができると考えています。企業の成長をよりサポートしていくために、まずはサービスを海外に展開すること。企業が海外進出するときにPR TIMESが相談相手になれたらいいな、と思っています。また、海外の企業が日本に進出する際にも、活用されるようになるといいですね。そのためには言語の障壁だけでなく、国ごとの商慣習・文化の違いといったハードルも、越えていく必要があると考えています。
——“文化の違い”というのは、どういうことなんでしょうか。ただ言語を訳せばいい、というわけではない?
黒須 プレスリリースの使われ方って国によって違うんです。海外のプレスリリースはメディアや企業、投資家に向けて配信されることが多く、書き方としても企業色を出さず、事実や必要な情報だけが淡々と書かれるのが主流です。
一方、日本のプレスリリースの多くはメディアや企業だけでなく、生活者の方々に向けても情報を届けることを意識されています。さらに近年、一般の方が見ても興味を持ってもらえるような、ファンになってもらえるような、“コンテンツ”としての属性も備わってきていて、企業の“色”が出ているプレスリリースが増えているんです。
テキストだけでシンプルに構成された海外のプレスリリース(左)に比べ、日本のプレスリリース(右)は自由度が高く、画像や動画などを複数埋め込んでいて、個性が出ている
——PR TIMESの月間PV数は7500万にのぼると聞きました。Webメディアは、月間1000万PVを超えたら“大型”メディアと呼ばれるなかで、PR TIMESがこうした数字を出せるのは、まさに一般の方にも情報が届いているからなんですね。
黒須 世界的に見てもPV数の多さは圧倒的といえます。海外進出する企業がその国に合わせたプレスリリースを配信できるようにサポートすることはもちろんのこと、PR TIMESが海外展開していくことで、海外の人たちがこういったプレスリリースの活用を知るきっかけにもなるとうれしいですね。
プロジェクトメンバー・米国担当責任者 黒須智博
——海外展開していくにあたって、システム的な課題は?
山田 海外のシステムに合わせたコードを作らなければいけませんし、日本人と海外の方では、使いやすいと感じるUIも異なりますから、そのあたりもどう変えていくのか検討する必要がありますね。
一緒に新しいPR TIMESを作り上げる
——ここまでお話を伺ってきて、山田さん、今回の大リニューアルについて正直、開発担当としてどう思われているのですか……? 課題が山積みで大変だなあと。
山田 いえいえ(笑)。とてもワクワクしています。私は9年前に中途入社してきたのですが、面接のときに社長の山口さんが言っていた「ポジティブな情報を世の中に溢れさせたい」という言葉に共感したのが入社の決め手でもありました。世の中をよくしようと仕事に励む人たちを応援できることがうれしい。サイトを使いやすくリニューアルしていくことは大きな意味があると感じています。
松田 山田さんだけではなくて、PR TIMESで働く人たちはみんなで成長していくために頑張りたい、お互いを応援したいという人が多い気がしますね。
黒須 そうですね。社員同士、互いを尊重していてフラットだと思います。新人もベテランも上下関係はなくて、どの立場の人に対しても敬語で話すんです。名前を呼ぶときも「〇〇さん」。呼び捨てにすることも、役職で呼ぶこともないですね。社長を呼ぶときも「社長」ではなく「山口さん」なんです。
——たしかに、ずっと「山田さん」「松田さん」「黒須さん」と呼び合っていると思っていました。そういった関係性だと、意見交換もしやすそうです。
黒須 他者の意見を取り入れる文化は根付いていると思います。社長の山口さん自身がそういった態度を徹底しているからかもしれません。山口さんは、自分の意見は言うけれど、決定権は自分だけが持たないという考え方。決断する・指示を出す人は、プロジェクトごとに決められた責任者であり、それが山口さんの場合もあれば、新入社員の場合もあります。今回のプロジェクトがユーザーやステークホルダーの方々の意見を多く取り入れて進めていくことになったのも、こうした文化があるからだと思います。誰が言い出すわけでもなく自然にそうなっていました。
松田 今後はユーザーの方に実際にリニューアル版のプロトタイプ(初期型)を触ってもらって、フィードバックしてもらうオフラインイベントも実施する予定です。リニューアルについての意見をもらうだけでなく、広報担当者同士の交流の場にもなればいいなと思っています。
——みんなで作り上げていく新しいPR TIMES、私もワクワクしています。ところで今回のプロジェクトのリーダーである社長の山口さんにもお話を聞きたいのですが、山口さんはいまどちらに……?
山田 山口さんはいつも社内を駆け回っていますから、オフィスのどこかにはいると思います。どこにいるんだろう?
次回は(プロジェクトメンバー曰く)誰よりもPRに対して熱い想いを持っていて、常にせわしなく動いているという、社長・山口さんをつかまえて、お話を聞きたいと思います。
山口さんが思い描いているPR TIMESの未来像は、どのようなものなのでしょうか。次回につづきます。
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取材・執筆:冨田ユウリ
撮影:持田薫
デザイン:大辻裕介(株式会社FLAG)
編集:星彩華(株式会社ツドイ)
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