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研究開発10年、カバロスの新素材「カバロスウルトラシリーズ」誕生秘話。前例のない新発想の後加工技術を商品化した開発者たちの奮闘

著者: hap株式会社

hap株式会社は2006年創業の従業員25名のアパレルベンチャー企業です。「ファッションを通しひとびとの生活を幸せ」にするため、創業以来さまざまな素材・製品・サービスを開発して参りました。2013年に開発を開始した「快適多機能性素材・製品カバロス」は2023年1月に「第11回技術経営・イノベーション大賞(総務省、文部科学省、経済産業省、日本経済新聞社、日刊工業新聞社後援)」で「内閣総理大臣賞受賞」を頂きました。


2023年4月に応援購入サービスMakuake(マクアケ)にて、第一弾「カバロスウルトラ・フリーザーブランケット」は応援購入金額4000万円を超え完売、2023年7月2日に第二弾「カバロスウルトラ・フリーザーTシャツ」は初日で570セットを完売(7月24日までリターン追加販売中)」することが出来ました。デザインとテクノロジーの両面で機能性素材や機能性製品の“新常識”を生み出し続けてきたカバロスシリーズの最新版「カバロスウルトラシリーズ」の誕生秘話について、3人の開発者に聞きました。


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聞き手:カバロスアンバサダー 平野裕加里(フリーアナウンサー)

※「カバロス」は、hap株式会社の登録商標です


カバロスならではの“発想”で生まれた「新しい機能素材」コンセプト


2013年から始まった「快適多機能素材開発」プロジェクトは、様々な「新技術」を採り入れることで、快適多機能性素材「カバロス」のコンセプトができあがりました。「自分や家族など大切な人たちに真に快適な衣服を着用頂きたいという想い」で快適多機能素材の開発が始まり、自分の洋服にセルフクリーニング、抗菌、消臭など様々な機能を必要に応じて付与できる新しい加工技術の実用化を進めております。すでに30以上の高機能を濃度を調整し後加工で付けたり、除去したりすることができるようになりました。



鈴木 素

2006年10月 hap株式会社創業

代表取締役社長


アパレル産業は社会問題や環境問題に対しどのように貢献できるのかという思いで起案


鈴木:アパレル産業では、大量生産・大量廃棄が行われ、『世界で2番目の環境汚染産業』と風刺されるほど環境負荷が高い産業です。気候変動、感染症、少子高齢化、電力危機などさまざまな社会問題に取り組むに当たって、「継続すること」と「周りを巻き込むこと」が重要だと考えていて、トレンドで終わらせることなく文化を作りたいと思っています。当社だけで取り組んでもいいのですが、独りよがりになってしまい根本的解決にはならないという思いからさまざまな協業を進めてきました。



田中 小百合

2010年入社(第二事業部部長)



田中:私たちは主力のOEM/ODM事業においても他社に先駆け、可能な限り環境や人権などに配慮した物造りを実践して参りました。世界初の製品ESG評価分析を手掛ける九州大学発スタートアップ企業の株式会社aiESGとサプライチェーンを全て遡り、AIを活用した製品サービス単位でESG評価を進めております。2019年にはフィンランドにも研究開発拠点(COVEROSS株式会社)を設立しております。


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三浦 なみき

2022年入社(第二事業部)



三浦:一方で、信州大学繊維学部(長野県上田市)に2018年から研究拠点を構え、環境配慮な機能素材開発・機能付与開発、衣服の着心地やリラクゼーション効果などのウェルビーイング機能評価、スマートウェア開発・評価、防蚊対策ウェア開発・評価など多くの共同研究を行っております。





日本の夏を想定するとJIS規格を超えた基準・環境下での評価が必要


鈴木:私たちは商品開発において次のようなことを特に意識しております。例えば、冷感素材の開発において一般的に第三者機関(JIS規格)での冷感素材の評価は気温20度、湿度55%の環境下で水滴を生地に落とし生地表面の温度の変化を計測します。しかし、日本の夏を想定すると「気温30度、湿度60%等」の環境下での評価が必要です。熱中症リスクに関しては風量や日が当たる当たらないなどの条件下で深部体温の上昇などを計測することが重要です。そこで弊社では信州大学などとの共同研究において本質的な熱中症対策につながる衣服などの開発を進めてまいりました。




カバロスについてお聞かせ下さい。どのような点が一般的な機能素材と異なるのでしょうか?


鈴木:カバロスは一言でいうと「後加工技術」になります。機能素材を開発する際に一般的に合繊メーカーなどは機能原料や機能糸のように、原料や糸の段階で機能を持たせます。一方でカバロスは生地や製品の段階で「後加工」により機能性を付与します。最大のメリットはレサイプの調整が可能で機能性の濃度や複合的な機能性を同時に付与できるため、これまで実現が難しかった機能素材の開発スピードと小ロットでも開発が可能となりました。また、最近はスマートウェアの開発も進めており、下記のような機能性ウェアの開発を進めております。




――今回、クラウドファンディングの最大手Makuakeで完売した「カバロス超冷却ブランケット」の開発についてお聞かせ下さい。




田中:今年の夏は酷暑になる予測が出ておりました。また、電気代の高騰など、生活していく上でエアコン設定温度を上げても快適に過ごせる商品開発を目指しました。ブランケットは持ち運びも便利で家の中やアウトドアなどのシーンでも使用出来ますし、簡単に家で洗えて、クリーンであること、そして何よりも冷たさが持続することにこだわりました。


三浦:これまでの冷感素材は、触れた瞬間は冷たいのですが持続性はありません。当社のカバロスの超冷感素材は冷たさが持続することを重視してます。私も初めて触れた時は冷たさが持続することにびっくりしました。当社スタッフの多くはこの2年間「超冷感素材Tシャツ」を頻繁に着用しておりますが、実際に冷たく気持ちが良いと好評でした。


「持続冷感性」を最大化するための特殊加工とは


――具体的には超冷感素材はどんな仕掛けになっているのでしょうか?


鈴木:今回の素材の最大の特徴は「持続冷感性」です。実は糸、編立、カバロス後加工の各製造工程で全て持続冷感性を出すための工夫をしました。実は田中さんが特殊な異形断面セラミックナイロン冷感糸の開発を3年間繰り返し続けてきました。また、編立工程では冷感ナイロン糸とコットン糸などを通気性を意識しながら設計してます。さらに、後加工工程において最大限「持続冷感性」を強めるために特殊なカバロス加工を施し、抗菌、消臭、UVカット、遮熱、吸水拡散(汗でもべたつきにくい)などの快適多機能性を同時に実現しております(耐洗濯性は30回程度持続が目安)。




――「カバロス・ウルトラ・フリーザーブランケット」のネーミングについてお聞かせ下さい。


田中:当社の主力事業はOEM/ODMのため社内にマーケティングなどの専門スタッフがおりません。そのため、Makuakeに挑戦するにあたり、社外のプロフェッショナルなパートナー企業の方々とプロジェクトチームを結成しました。また、これまでのカバロスとの違いなども再考し、分かりやすいネーミングを考えました。さまざまなアイデアがありましたが最終的に「カバロス・ウルトラシリーズ」に決まりましたが、プロフェッショナルの方々のストーリー性やブランディング構築など学ぶことが本当に多く勉強になっております。

https://www.makuake.com/project/coveross/



――「カバロス・ウルトラ・フリーザーTシャツ」についてお聞かせ下さい。


三浦:初めてのMakuakeスタート当日は入社して最大のワクワク・ドキドキしました。お蔭様でブランケットはMakuake初日の5時間で応援購入金額が1000万円を超える結果となり本当に嬉しかったです。そしてプロジェクトチームでその日のうちにリターン(追加)生産を決定しました。また、同時に応援購入頂いたお客様からTシャツやパジャマなどのリクエストを沢山頂いたためTシャツの販売を決定しました。


Makuake様に確認したところ、Tシャツ単体での応援購入金額が1000万円を超える商品が過去に無いことをお聞きしましたが、ブランケットが好調であったため、初回数量を570セットで設定しました。第二弾のMakuakeは7月2日初日の19時過ぎには完売(応援購入金額500万円強)する結果となり、追加リターン(7月24日18時まで販売継続中→8月中旬お届け予定)を決定しました。

https://www.makuake.com/project/coveross_tshirt/




――次の「カバロス・ウルトラシリーズ」はどんなアイテムに挑戦されますか?


鈴木:Makuake第三弾は8月6日から「カバロス・ウルトラ・クリーンソックス」を開始します。実は私のSNSなどで時々アップしてますが、インドネシアやバングラデシュ出張などに超消臭ソックスの着用テストのため、昨年の秋以降、洗濯せずに1週間程度履き続けてきました。当社スタッフの多くも着用実験に参加してます。


物理的に靴下が靴や足の匂いを消臭するにはある程度時間がかかります。そのため臭い靴を脱いだ瞬間に匂いを即消臭することは難しいのですが、ホテルに戻り、一晩干しておくだけで翌朝にはかなり消臭されます。3~5日間程度であればムレ感も感じないレベルの消臭ソックスが出来ました。今後の最新情報に関してはカバロス公式LINEから最新情報をお届けします。

https://lin.ee/IJYeHVY




――最後に「カバロスランドリーサービス」についてお聞かせ下さい


鈴木:当社ではサーキュラーファッションの実現を本気で目指してます。使い捨てのファストファッションではなく、衣服を繰り返し長く着用する社会の実現のため、新品だけでなく古着などへも好きなカバロス機能を付与できるサービスです。既に衣服の修理や染み抜きなどのサービスを展開されている株式会社ファッションクロスフルシマ様との協業により、BtoB向けに加え、BtoC向けのカバロスランドリー及び衣服のメインテナンスサービスを8月末からスタートします。

https://furushima.co.jp/



最後までお読み頂きありがとうございした。



hap株式会社について

当社は「人と地球に優しい洋服やサービス開発」を「科学と化学」の力で挑戦しております。弊社の商標登録「COVEROSS®(カバロス)」は日欧産官学共同研究により「快適性」、「ウェルネス」、「予防」等のキーワードを中心に開発を進め、ウェアラブルデバイスやAI・ブロックチェーンなどの活用により、次世代型パーソナライズライフウェアに進化して参ります。


hap株式会社 コーポレートサイトはこちらから(https//hap-h.jp/)



会社概要

会社名 :hap株式会社

本社所在地 :東京都中央区日本橋堀留町1-2-15 第三朝日ビル5階

代表取締役社長 :鈴木 素

事業内容 :繊維製品製造卸

HP :https://hap-h.jp/

設立 :2006年10月



内閣総理大臣賞受賞「カバロスのサーキュラーファッション」

2023年1月、一般社団法人・科学技術と経済の会(会長・遠藤信博NEC会長)主催、技術革新と国際競争力強化を促すための「第11回技術経営・イノベーション大賞」(総務省、文部科学省、経済産業省、日本経済新聞社、日刊工業新聞社後援)で「COVEROSS®(カバロス)のサーキュラーファッション」が内閣総理大臣賞を受賞頂きました。


第11回技術経営・イノベーション大賞の詳細サイトはこちらから

https://www.jates.or.jp/management_study/management_of_technology_meeting/gikei_innovation_201607/11th_Kettei.html



【本件に関するお問合せ先】

hap株式会社 COVEROSS事業部 鈴木宛

メールアドレス:moto.suzuki@hap-h.jp




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