制作現場の非効率を解消するために。Webサイトに特化した校正ツール「UI Collabo」の誕生秘話。
株式会社ポテンシャルユナイテッドは、5月30日にWebサイトのオンライン校正ツール「UI Collabo」の正式リリースを発表しました。本サービスは、修正依頼がブラウザ上で完結できる「Webサイトに特化した」オンライン校正ツールです。
20年以上にわたりWebサイト制作を提供してきたポテンシャルユナイテッドが、社内のクリエイティブチームの要望に答えるために開発し、5月から社外への展開を始めました。本ストーリーでは、そのような「UI Collabo」が開発されるまでの裏側についてお伝えします。
Web制作会社で起こる日常のストレス
Webサイト制作に関わるクリエイティブチームは、日々、複数のプロジェクトに追われ、度重なる修正などによるストレスがつきものです。Webサイトのデザイン修正においては、スクリーンショットを撮影し、文書化し指示内容を送信したり、開発者に同席してもらったりなど、手間や時間を要する非効率な作業は多々起こります。
デザインの細かな違いを見過ごしてしまう事もありますし、原稿チェックも地味で手間がかかる作業です。さらに、修正の漏れや、進捗状況の共有、ミスコミュニケーションなど、時間の浪費や重複作業が頻発し、非効率な制作現場となってしまいます。このようなネガティブな状況が、Web制作現場ではよくあります。
特に進行の終盤になると、相手の都合により時間的な圧迫が増し、多岐にわたるタスクを抱えるエンジニアへの修正対応が急増します。その結果、修正対応者自身が完全にチェックできずに未完成な状態で対応済みとして返す事例が出てきます。そして再度修正依頼を行うという、互いにとってストレスフルな状況が生じ、まるで戦場のような状況に陥ってしまいます。
時間さえあれば避けられる問題が、時間不足により阻害され、本来容易に達成できるはずのタスクさえも困難になることが増えてしまいます。これが新たなストレス源となり、制作現場の難易度を一層高めてしまいます。
納期直前のフィニッシュワークは、特にストレスフルな状態
UI Collaboの開発スタート
このような制作現場の非効率を改善する為、2019年4月頃からWeb制作に特化したオンライン校正ツールのリサーチが開始。その後、自社プロダクトのコンセプトが完成し、UI Collaboの開発がスタートしました。
市場には、キャプチャを取得するだけのサービスやプラグインが存在していましたが、それを取り込んで指示を書き込むことまで可能なツールは見当たりませんでした。また、バナーやLPなど、ページ単体で管理するものはあるものの、ウェブサイト全体を見渡すと数十ページにも及びます。それらを階層構造やステータスで分かりやすく一括管理できるものも存在していませんでした。
デザイナー、フロントエンドエンジニア、QA担当者、ディレクター、そしてクライアントなど、実際にUI Collaboを利用するメンバーが中心となって、様々なアイデアを出し合いました。幾度となく試してきた従来の校正ツールでは満たせなかったニーズに応えるため、「Webページの自動キャプチャと修正指示の統合」や「プロジェクトタスク管理でサイト構造を反映する」機能などが開発されました。そして、2020年の夏頃から、UI Collaboを社内で利用できるまでになりました。
"神は細部に宿る"という思想を大切にし、それを製品コンセプトに反映することにしました。このことわざは、ドイツの美術家や建築家から生まれたもので、細部にまでこだわった作品には作者の強い思いが込められている、という意味を持っています。ディテール(細部)にこだわり、より良い品質のWebサイト制作を行う為に、不毛な業務はテクノロジーを活用し、徹底的に効率よく業務ができるようにしました。その結果、UI Collaboのタグラインである「品質にこだわるならUI Collabo」が生まれました。
コロナ禍をバネに、本当に求められるサービス作りへ。
開発が急ピッチで進んだ背景には、コロナの影響が大きくありました。2020年の3月中旬より、社内は完全にリモートワークにシフトします。この変化により、今まで主に口頭で補足していた情報を完全にオンラインで伝達することが求められ、その情報量の差を感じました。
従来の修正指示プロセス
そのような状況の中で、従来のツールだけでは、指示管理が困難となることもありました。しかし、UI Collaboを活用したことで、大量の情報を端的に明確に伝え、効率的なオンラインコミュニケーションを実現することができました。
これによりUI Collaboは、急速に社内で日常的に利用されるアプリとなり、その適用範囲も修正依頼のコミュニケーションだけでなく、原稿や素材のやり取りなど、さまざまな業務にも拡大しました。これこそが、Web制作会社が、Web制作会社の為に完成させた本当に必要なオンライン校正ツールでした。
2021年7月からクライアントへの利用開始
その後も、機能の拡張を進めながら、2021年の7月にはクライアントを含めた利用が開始されました。クライアントからの反応が予想以上で、「もっと早くから活用すれば良かった!」という感想が多く寄せられます。
UI Collaboの持つ、デザインデータ比較機能
この反応により、私たちはUI Collaboの更なる可能性を感じました。自社だけでなく、他のクライアントや同業の制作会社にもUI Collaboが活躍し、それぞれの業務効率が向上することにワクワクしました。私たちは、それぞれのユーザーがUI Collaboを活用して、新たな価値を発見し、さらなる効率化を達成できることを強く信じています。
また、Webサイト制作を行う上で、海外のフロントエンドエンジニアとのやり取りにも積極的に利用されるようになります。このように、開発チームはコロナによる変化を受けて、需要の高いツールを早期にリリースし、品質を向上させることに力を注いできました。特にキャプチャ機能の実装は一筋縄ではいかず、困難な課題でしたが、今では、UI Collaboのメイン機能の一つになりました。
2023年5月から正式に国内・海外で一般利用開始
UI Collaboは、2023年5月30日に正式に一般利用を開始しました。国内・海外同時に一般利用をスタートし、この公開を通じて国内外のWeb制作に携わる方々にもUI Collaboをご利用頂けるようになりました。
UI Collaboを開発した背景として、Web制作会社に必要なツールを国内外で探し回った結果、どのツールも取るに足りない機能だった事や、WEBサイトのオンライン校正ツールとして、WEB制作業務に携わっている人が対象となる事から、最初からグローバルで使用して貰えるツールとしてサービス提供を開始しました。
これからUI Collaboが担っていくこと
ユーザーがすぐに始められるように支援
UI Collaboは、ユーザーがすぐにWeb制作のプロセスで取り入れる事ができるように設計されています。煩雑な設定や、煩わしい学習を要することなく、直感的に使用できるインターフェースと動画でのチュートリアルを準備していますので、初めてのユーザーでも、すぐに本アプリを活用できます。今後も、引き続き、リソースを拡充します。
グローバルなコミュニティーでユーザー間で広がっていくような体制
UI Collaboは国内だけでなく、グローバルに展開しています。これにより、異なる背景を持つメンバーも、同じ専門知識を持つユーザーが、共通の目標と情熱を共有する為の場になりたいと考えています。使ってみて良かった事などの感想を、ユーザー間で広め、グローバルなコミュニティーを増やしていけるように支援します。
パートナーシップの拡大
UI Collaboは、初期の段階では、製品を更にブラッシュアップさせ機能を充実させる事に注力していますが、今後は国内、海外のWeb制作会社とのパートナーシップを広げていければと考えています。
新しい機能の追加:多言語機能、ユーザー管理機能、などまだまだ開発中
UI Collaboは、ユーザーのニーズを満たすために常に進化しています。多言語サポートにより、さらに多くの人々がUI Collaboを使ってコンテンツを改善することができます。また、強化されたユーザー管理機能により、ユーザーは自分のプロジェクトをより効果的に管理することができます。これらの機能はまだ開発中であり、今後もUI Collaboはユーザーの期待を超える新機能を追加し続けます。
最後に。UI Collaboの願い
2023年現在、世界で約11億3千万個のWebサイトが存在すると言われています。各業界に存在する膨大な数のWebサイトの中で、自社をアピールし企業価値を高める為には、Webサイトの品質担保は必要不可欠な要素です。UI Collaboは、今までありそうでなかった「Webサイトに特化した」オンライン校正ツールです。世界中のWeb制作プロセスを効率化し、品質を担保する事で、Web制作プロジェクトを成功に導く事が私たちの想いです。
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