浜松駅北口地下広場が期間限定で『GreenPark』になったストーリー
Re-Public浜松協議会 事務局の清水です。
今回は2020年7月22日にプレスリリース配信をした『浜松駅北口地下広場』が『Green Park』に生まれ変わるまでのストーリーをご紹介します!
プロジェクトの中心人物である会長の古橋(株式会社365LIFE)に過去からの想いを取材しました。
浜松駅北口地下広場の誕生
昭和57年(1982年)、今から38年前に竣工した浜松市のバスターミナル。
その2年後、昭和59年(1984年)に完成したのが『GreenPark』の舞台となる『浜松駅北口地下広場』です。
2棟の塔が建ち並ぶモニュメントは『伸びゆく浜松』と名付けられ、浜松市の象徴的な建造物として市民に愛された場所でした。
※2019年に撮影
浜松駅北口には百貨店や繁華街、そして平成6年(1994年)に竣工した浜松一の高層ビル『アクトタワー』があります。
この場所はいわば浜松の顔であり、浜松市を象徴するエリアなのです。
しかし、近年の浜松駅北口地下広場を眺めていると賑わいがなく、どことなく殺風景で時代に取り残された印象を抱いていました。
この『伸びゆく浜松』というモニュメントの塔、実は芸術作品です。塔の表面には対候性合板が施されており、錆びていく変化が一つの芸術だとされておりました。しかし、そのような思いとは裏腹に赤茶に錆びていく塔はいつしか『錆びゆく浜松』と揶揄されるようになってしまいました。(のちに茶色に塗装され、現在の色になりました。)
公共空間の利活用
平成29年(2017年)に浜松市のリノベーションスクールへ参加した古橋は利活用物件として挙がっていた浜松駅北口地下広場の利活用を試みたそうです。
当時の彼がした提案は地下空間をキャンプ場として使用することでした。2020年は記念すべき東京オリンピックが開催、日本全体が活気づく中で浜松を『アウトドアな街』としてプロモーションする、そんな空間をつくりたいと考えていました。結果、アイデアは面白いと評価されましたが、関係各所との調整は難航し実現には至らなかったのです。
※当時の提案イメージ
仮に実現していたら一人では取り返しのつかない失敗をしていただろうと彼は思い返していました。
仲間との出会い
平成31年(2019年)に再び公共空間を利活用するチャンスが巡ってきました。浜松市主催の全国初のリノベーションスクール企業版に浜松駅北口地下広場が公共空間の案件として挙がっていたのです。同スクールに参加した古橋はあらためて地下空間の利活用提案を試みました。
リノベーションスクール企業版は浜松市を中心に事業を展開している企業がまちなか活性化という視点で、実際の遊休不動産を活用した事業提案まで行います。2020年9月から2021年の1月まで、毎月1回の開催で参加企業が自由にユニットを組みながら提案を進めていきました。
平成29年(2017年)の提案内容を基に、浜松駅北口地下広場をどうにかして変えることで、浜松の中心市街地にも”小さな波紋”が生まれて変化が起こるのではないかという内容のプレゼンが実施されました。
今回のリノベーションスクールはこれまでの個人版とは違い、企業が主体です。彼の起こした波紋に共鳴し、提案に賛同する仲間たちができたのです。
※リノベーションスクール企業版の様子
GreenParkの誕生
古橋を中心とする浜松駅北口広場のユニットには次の企業が参画しました。
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株式会社アライブ https://www.your-alive.co.jp/
浜松を中心とした遠州地方の皆様に住まいと不動産に関する総合サービスをご提供
有限会社 入政建築 https://www.irimasa.net/index.html
「木」でつくる、シンプルで飾らない自分らしい空間をご提案
株式会社365LIFE https://365life-realestate.com/
365日充実の日々をテーマに不動産を中心としたライフスタイルをご提案
株式会社トットメイト http://www.totmate.jp/
東海地域で30年、子育て支援を通じた地域社会への貢献を理念に保育サービスを展開
株式会社フジイチ http://www.fujiichi.co.jp/
創業から70年余り、先人たちが育て守り続けてきた天竜の杉檜と生きる
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異なる業種の企業が、”浜松を面白くしたい”という共通の想いで毎回、白熱した議論が交わされました。
一番の課題はどのような事業であれば、収益性を持たせながら自立した運営ができるのかということでした。これを解決できない限りは事業は継続できないと最初はそう思い込んでいました。行き詰まりを感じているなか、誰かが放った「まずは人工芝張るだけでも変わりそうだね」この一言で完全に潮目が変わっていったのです。
人工芝だけならコストは抑えられる、
1年間期間限定の社会実験の位置付けであれば周囲の協力も得られる、
まずは第一歩、
空間のイメージチェンジに成功すればきっと次が見えてくるはずだ
と希望が見えてきたのです。
さらにTOKYO BENCH PROJECTに賛同している新野さん(有限会社入政建築)がベンチを置きたいと声をあげてくれました。ベンチには地元の名木「天竜材」を使って欲しいと大内さん(株式会社フジイチ)が続き、2人は東京までTOKYO BENCH PROJECTの代表に会いに行きました。2人の熱い想いは実り、ベンチを置くことも決まったのです。
リノベーションスクールの最終プレゼンまでには計画がまとまり、活動資金は企業協賛を募ることになりました。協賛金は合計5社から協力を得られ、人工芝やベンチを含むコストも無事に予算内に収まり、1年間の期間限定のプロジェクトとしてスタートすることになりました。
コロナウイルスの影響もあり、当初の4月に施工、浜松まつりが行われる5月に空間を創る予定が延期になりました。市内の状況が落ち着きはじめた7月8日にベンチを設置、7月21日にはRe-Public浜松協議会のメンバーと関係者が集まり人工芝を施工しました。
そして出来上がった、新しい浜松駅北口地下広場の愛称は「Green Park」
おわりに
今回は1年間限定の社会実験として浜松市と管理団体のご協力をいただき、公共空間の利活用に民間団体としてチャレンジしています。Re-Public浜松協議会は営利目的の団体ではございませんのでGreenParkの施工も全てボランティアです。
海、山、川に囲まれた国土縮図型都市の浜松市から『日常が特別』と思えるまちづくりを目指していきます。今回の活動を通して、市民や観光客のまちなかへの関心に少しでも変化が起きることを望んでいます。
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