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今日が、残りの人生の最初の1日。

神戸発の街履きバレエシューズのパイオニア。お客さまに愛されて10年、延べ44万足突破、ファルファーレの未来への展望とは

著者: 株式会社クロシェ

「ここち良さを、あたらしい視点から」を企業理念に掲げるレディースアパレルの株式会社クロシェ(代表取締役:沼部 健、本社:神戸市中央区=以下、クロシェ)が立ち上げた、バレエシューズの【farfalle/ファルファーレ】はブランドの立ち上げから2023年で10年を迎えました。


ブランドを立ち上げた初代事業責任者の沼部美由紀


そこで、ファルファーレを10年前に立ち上げたクロシェの創業社長で現クロシェホールディングス代表の沼部美由紀(写真上)に、なぜブランドを作ったのか、ブランドの進化などをクロシェの広報が聞いていきます。

(聞き手:株式会社クロシェ広報担当 村岡)

ファルファーレは、履き心地とかわいらしさを叶える街履きバレエシューズ

ファルファーレは固定の店舗を持たず、オンラインショップと全国の百貨店をポップアップでまわる販売スタイルで10年、お客さまとの接点を持ってきました。


ざっと10年間の売上を見たところ、累計44万足という販売数です。一番多かった年で、約6.7万足を1年間で販売しました。


2023年大阪・ルクアイーレのポップアップショップの様子


紫色のクロスをかけた円形テーブルや風船など、遠くから見てもぱっと目を惹く売り場づくりをしています。全国の百貨店売り場は、条件や会場がさまざま違いますが、どの売り場でもブランドの世界観を表現できるディスプレイを心がけています。

お客さまに愛されてきた理由


ファルファーレ10年のショッパー変遷(左から順に・右が10周年記念限定)


靴をお店や売り場で買っていただいたときのお渡し用のショッパー(紙袋)も、ファルファーレらしいカラーと持って嬉しいデザインです。中にはこの紙袋をコレクションしているお客さまもいらっしゃるとか。


SNS投稿用のファルファーレのイメージ写真から


SNSなどでもファルファーレらしい世界観を伝える投稿や配信を行っています。オンラインショップ、SNS担当、売り場での販売員など職種の違う複数のスタッフが同じ方向を向いてお客さまにどのタッチポイントでも等しくファルファーレの魅力を最大限伝えられるように、ブランディングには立ち上げ時から力を入れていました。


カスタマージャーニーをブランディングに落とし込む

SNSや広告を見て魅力を感じたお客さまが、お店やオンラインショップを訪問されるとディスプレイやバナーが同じ世界観でお出迎えします。ご購入いただくと、丁寧に包んだ靴をファルファーレのブランドカラーの靴箱に入れた紙袋をお渡しします。

家に帰って靴の箱を開けると招待状が出てくる・・。


このように、何度も小さな感動を提供することで、お客さまに愛されてきた10年です。


ストーリーを作ったところから始まった、ブランドの世界観

ファルファーレの箱には紫色のかぶせ紙が入れてあります。

この紙は『color party(カラーパーティ)』と題してあって、靴を買った方が家に帰り、箱を開けるとパーティへの招待状になった紙が出てくるという仕掛けです。


バレエシューズの入った箱とふたを開けると出てくる「招待状」


この招待状には詩が書いてあり、ブランドを本格的にスタートするとき、スタッフに「ファルファーレのコンセプトが伝わる文章を何か書いてほしい」と依頼して、できたものです。結果的に詩になりましたが、商品のカラーバリエーションが豊富だったので、「カラー」をイメージした文章にしようということになりました。


ファルファーレは大人の履くバレエシューズですが、当時公園で女の子が一人遊びをしているのを見て、この詩ができたそうです。

大人になった「かつての女の子」が好きな色を集めたり眺めて遊ぶ、自分だけのパーティをイメージしています。


前述の売り場ディスプレイも、この詩『color party』がベースになりました。

商品企画はもちろんのこと、webサイトのバナーやSNS、ショッパー(紙袋)や靴の箱にいたるまで、ブランド表現のすべてがこの詩の世界観に沿う北極星のような存在にできました。

地元神戸の靴工場と職人さんとの出会い




写真4点とも靴工場でのファルファーレの靴づくりの様子


ブランド立ち上げ後に国内で偶然行った靴の展示会で今の工場と出会いましたが、日本に、しかも神戸でこんなすばらしい靴が作れるのか!と驚きました。

そこから本格的に靴づくりに取り掛かりました。今でも熟練の職人さんが愛とこだわりを持って靴を作ってくれていることが、とてもありがたいです。


お客さまのニーズに合わせて新しいものを提案するときや、履き心地を左右する微調整など、工場との細やかな連携や職人さんの熟練した靴づくりは欠かせない存在です。


日本人の足に合う履き心地と、細部まで感動させるブランド体験

工場との出会いによって、足入れすると伸縮性と通気性が良く履き心地がいい、そして想像以上にかわいい靴ができあがりました。


商品づくりだけでなく、売り場でのブランドとの出会いから始まり、家で箱を開けるとき、履いているときも脱いだときも、すべての瞬間でときめきを提供する仕掛けづくりで感動を与えたいと思いました。


ファルファーレの靴に縫い付けた織ネーム


「細部に神宿る」といつもスタッフに話していますが、靴のカラーリングやデザインだけでなく、靴を脱いだ時に見える織ネームをかわいいものにしたり、細かい点にもこだわりました。お友だちの家や学校行事、座敷のお店などでも、脱いだ靴がかわいくて嬉しかったというお声をたくさんいただきます。


また、ある時お客さまから履いているうちにこの織ネームを縫いつけた糸がストッキングに引っかかってしまったというお声をいただきました。そこで工場に相談し、縫い方の工夫をしてもらうことで改善したということもありました。

ブランドを作ったきっかけは、自社のセレクトショップでのお客さまの声から

1999年に神戸でスタートしたジャスミンスピークスは、ヨーロッパやアメリカなどにバイヤーが買い付けに行き、バイイングしたものを中心に販売するセレクトショップで、当初はクロシェの売上の中心でした。


ジャスミンスピークスでは、フランスブランドのバレエシューズを扱っていました。とてもかわいいのですが、日本人の足には合わないもので、しかも1足3〜4万円と高価な靴でした。お客さまから「かわいいけど履くと痛い」という声をお聞きし、実際に自分もその靴を履いていたので同じように感じていました。

【ファルファーレ】という名前のブランドを作って合同展示会へ

中央壁面が2012年、farfalle初めての合同展示会出展の様子


クロシェではバイイングしたものを売るだけでなく、オリジナルブランドや商品にも力を入れ、2010年には東京・南青山にショールームや店舗を作り、IFF(インポートファッションオプチカルフェア)やファッション雑貨EXPO、roomsなどの合同展示会にも出展していました。


【ファルファーレ】というブランドを作り、合同展示会に出展したのが2012年でした。

当初は今と違い、イタリア製のラバーシューズブランドを輸入し、リボンで装飾するという提案のブランドでスタートしました。


ただ、この写真のようにかわいいロゴや紫色の靴箱は今とほぼ変わらず、展示会場でも売り場でも、この箱の色の持つ印象は、ブランドを表現するひとつの要素となっています。

合同展にはデパートやセレクトショップ、個人店舗のバイヤーが来場されるのですが、たくさん並ぶブランドの中で、決して広いスペースではないものの、パープルの壁面に靴とリボンを貼り付けたファルファーレのブースは、パッと見た瞬間「かわいい!」と口に出さずにいられないディスプレイが遠くから見ても目立っていました。カタログや商品を手に取りたい方が列をなすほど好評でした。

「履くと天国」というお言葉をいただいて

前述の工場との出会いがあり、2014年には神戸の工場で職人さんが作ったバレエシューズがついに完成しました。


当時、ある顧客さまは痛くないことと履き心地の良さに喜んで「履いた瞬間天国だ!」と、おっしゃいました。カラーバリエーションが豊富だったことで、多色買いされる方も続出しました。


それまでヨーロッパの靴ばかり履いていたファッションリーダーの顧客さまの間で、「履きやすくてかわいい日本製バレエシューズ」が受け入れられていきました。

顧客体験にこだわった販売方法

ファルファーレではいわゆる固定の店舗を持たずに、全国の百貨店を催事でまわり、オンラインショップでも買っていただくスタイルが定着しています。


百貨店での販売は2014年、京都の大丸で開催された、神戸ブランドを集めた催事「神戸セレクション」での出展がスタートでした。広島福屋、岡山天満屋、福岡岩田屋と続き、一気に売れるブランドに成長していきました。


オンラインショップでは、サイズ選びの悩みを解決できる「ご試着サービス」や、コーディネートのヒントになるスタッフコーデ(※1)、困ったときに気軽に相談できるチャットシステム(※2)など、ユーザー体験にもこだわっています。


※1:バニッシュ・スタンダード社のSTAFF START

※2:チャネルコーポレーションのチャネルトーク

10周年を迎えるファルファーレの未来

ファルファーレは当初からあった定番のバレエエナメルが主力商品ですが、同じものを10年作ってきたわけではなく、時代に合わせてお客さまのニーズをとらえた商品企画をしてきて成功しました。素材や製造方法の進化やトレンドも取り入れています。


ブランドのスタートから10年がたった今、バレエシューズブランドが国内にもたくさんできてきて、作れる工場が増えてきています。


10年前はお客さまにバレエシューズをお勧めしても、まだ履いたことがない、という方が多かったです。ファッションの民主化ではないですが、特別な日に履く靴から、デイリーに履ける靴のちょうどいい中間をファルファーレは提供できていると感じています。

来春発売、10年の集大成となるバレエシューズの新作は

詳しくはまだ言えませんが、MDが新しいバレエシューズの発売を2024年春に用意しています。これは、『color party』の世界観、履き心地の良さ、細部へのこだわり、お客さまからの声、時代やマーケットが求める価値のすべてを表現する、10年の集大成と言える新作です。

ファルファーレのあゆみ(抜粋)

1996年 沼部美由紀が食器店を神戸に創業

1999年 セレクトショップ【ジャスミンスピークス】オープン

2010年 東京事務所オープン

2012年 イタリア製のラバーシューズとして【ファルファーレ】を展示会で発表

2013年 百貨店での催事販売もスタート

2014年 神戸生まれのバレエシューズ【ファルファーレ】誕生

2023年 【ファルファーレ】10周年

2024年春【ファルファーレ】10周年の集大成となる新作発売予定




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