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人の数だけ、物語がある

島根県浜田のノドグロを世界へ発信する取り組み。クラウドファンディングにて公開後3日間で目標の4倍以上の購入金額を達成した商品の開発秘話

著者: 株式会社プローバホールディングス



私たちプローバグループは、「地域社会・お客様・従業員の三つの満足を追求します」という企業理念のもと、地域社会の健全な発展に寄与し、地域社会の文化・情報発信基地となるよう取り組んでいます。




私たちは、2021年1月12日、のどぐろ通販専門「山陰浜田極味」の運営を開始しました。「水産都市として栄えてきた浜田をもっと元気にしたい!」という強い意志から、島根県浜田市の地元企業5社とタッグを組み、干物を中心に広く全国に販売を開始しました。これらは浜田市の計画でも掲げられている水産業の振興に貢献する取組みです。



画像:ECサイト のどぐろ通販専門「山陰浜田極味」



そして、2023年7月28日、Makuake(マクアケ)にて予約販売を開始した 300gを超えるのどぐろ一尾をまるごと缶詰にした浜田の高級のどぐろ缶詰【華爛-KARAN-】は、販売開始後3日間で目標金額の400%を超える売上を達成しました。


画像:浜田の高級のどぐろ缶詰【華爛-KARAN-】



このストーリーでは、干物中心のECサイト事業者である私たちが、なぜこうも独創的な缶詰を開発できたのか?「華爛」の誕生秘話についてお伝えします。




浜田のノドグロの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたい


画像:浜田のシンボル「浜田マリン大橋」


水産都市浜田では、1年を通して様々な魚介が水揚げされます。その中でもアジ・カレイ・のどぐろの3魚種は「どんちっち」という厳しい基準を設けてブランド化されています。これら3魚種の中で最も高値で取引され、グルメ通などに愛されている魚が「のどぐろ」です。


のどぐろの正式名称は「アカムツ」、100m~200m程の深海に生息し日本海側の九州~北陸にかけて漁獲されるものが有名です。浜田で水揚げされるのどぐろは、他の地域に比べてでっぷりと肥えているものが多く、旨味である脂乗りが抜群で本当に美味しいと評判です。


「浜田ののどぐろをもっと多くの人に知って頂きたい。」

「浜田をもっと元気にしていきたい。」

そんな想いを強く持って、ECサイト「山陰浜田極味」を開業しました。


缶詰でオリジナル要素を出せるのでは


画像:山陰浜田極味のメンバー(左から、布野さん、村上さん、吉田支店長)


浜田でご活躍されている企業の皆さまのご協力を頂き、2021年1月からECサイトで事業をスタートしました。浜田の主役である「のどぐろ」の干物を中心に販売開始。多くの方々にご購入を頂きましたが次第に伸び悩んでしまいました。


色々と調査や分析をしていると、あることに気付きました。

「のどぐろの干物は全国どこの商品を見ても写真では区別がつかない。」


干物ではオリジナル要素が出しにくく、同業他社含め同じような写真のオンパレードです。そうなると価格勝負の側面が強く出たり、広告による露出勝負になるなど、次第に厳しさが増していました。


そんな中、お取引先様のシーライフ様から缶詰のOEM制作の話を頂き、「缶詰には、この状況を打開する可能性があるのでは!」と、暗雲の中に光明が差しました。


夢は大きく、海外のグルメの方々にも楽しんでいただける新商品開発に挑戦!


今までに無いような主力となる商品開発を進めるため、チームメンバーを増員して開発にとりかかりました。


画像:チームに加わった事業部の岡(この記事の執筆もしています)


チームで話し合いを進める中、以下のことを大切にしようと決めました。


  • 浜田ののどぐろの美味しさをしっかりと伝えられること
  • 一目で自社の商品だとわかる見た目にすること
  • 価格競争に巻き込まれない高付加価値にすること


加えて、干物では難しかった越境ECによる海外への販売が缶詰では可能になります。そこで、「海外のグルメの方々に浜田ののどぐろを楽しんで頂く!」を最終目標に取り組みを開始しました。


缶詰を箱詰めすることで、驚き、感動するレベルを目指した


まず、缶詰で「浜田ののどぐろの美味しさを伝えられるか?」にぶつかりました。

これは、味付けや品質のことではなく、商品にかける想いや浜田の素晴らしさを表現するには缶詰はあまりにも面積が小さいためです。


缶詰の側面や天面にはほとんど記載するスペースがありません。また、缶詰を箱に入れてその箱に記載しても、せいぜい10cmの立方体程度です。そこで、リーフレット等のメッセージを同封するために、複数の缶詰をセットにしてそれを箱詰めすることが決まりました。そして、ギフトとして頂いた方が驚き、感動するレベルを目指しました。


近年では高級缶詰と言われるものは増えているものの、どうしても缶詰は保存食という認識からか安く見られがちです。これらを払拭するために精密機器を入れるようなウレタンで型をとり、そこに缶詰を嵌めることにしました。缶詰なので少々落としたり衝撃があっても全く問題ないのですが、「この缶詰は特別で大切なもの」ということを表現しました。


箱は赤金の箔押し、缶詰をあえて逆さにはめ込むことで金色の缶が映えるように


小さなのどぐろではなく、丸ごと一匹使うことに


「のどぐろは大きいほど脂のりがよく美味しい。」

しかしながら市販されているのどぐろ缶詰を色々と食べてみましたが、脂乗りが感じにくい小さなのどぐろを使ったものばかり。


そこで、概ね300g(弊社の干物では特大サイズ)ののどぐろを缶詰に試作してもらいました。このサイズは缶詰で使うには非常識、料亭などに卸されるサイズです。その特大ののどぐろをシンプルな水煮風の味付けで作ってもらいましたところ、これがものすごく美味しい。「今まで食べたのどぐろ缶詰はなんだったんだ!?」と言えるくらいの衝撃でした。やはりのどぐろは、脂分に旨味が詰まっていると改めて実感しました。


この最初の試食で、特大サイズののどぐろで缶詰を作る事が決定しました。


次に複数の缶詰にする検討です。

1尾が大きいため、腹の部分で1缶、尾の部分で1缶はすんなり固まりました。

頭や尾の先のヒレ等は缶詰では使用せず、処分するか乾燥させて粉末にして販売すると聞いていました。


そこで、ふと疑問が。

「頭の部分を缶詰にしたらどうなるんだろう??」

腹や尾の部分は缶詰にすると骨まで柔らかくなっていました。頭の部分は骨ばっかりですが、それが缶詰になると…?? とても気になったので早速試作して頂きました。


出来上がったのどぐろの頭の缶詰を食べてみると…

「めちゃめちゃ美味い!」

試食した一同みんな感動です。

もともと薄い骨の多い頭の部分ですが、脂のりの良いカマの部分、ゼラチン質の目の周りなどの食感が面白く、なにより他の部位よりも旨味をとても強く感じました。


このように、最初からまるごと1尾使うのではなく、試作を繰り返すうちに1尾使うことになりました。1尾丸ごと使うことで廃棄ロスを無くし、工程もシンプルになります。また、なにより頭と胴体と尾に分けた缶詰の売り方なんて見たことがない、ということで「これでいこう!」と決まりました。


画像:のどぐろ1尾を3分割して余すところなく使い切ります


3つの部位それぞれの味付けへのこだわり


味付けについては、正直言って試作品の最初からかなり美味しかったです。

良いのどぐろを使っているので当然といえば当然です。その分、浜田ののどぐろのポテンシャルを最大限に引き出すための、細かな調整やバランスに時間をかけることができました。


頭の部分をカマ、腹の部分をトロ、尾の部分をテールと、マグロでよく使われる言葉を引用して部位ごとの名称を決めました。


そして、味付けです。


主役といえる「トロ」の部分は素材の美味しさを引き出す塩煮で。ちょうど浜田には「浜守の塩」という無添加藻塩があり抜群の組み合わせになりました。

画像:トロ 浜守の塩


「テール」の部分は、比較的脂分が少なく淡泊な部位なので、早々に煮付でいこうと決まりました。浜田では濃い目の味付けの煮付が多くの家庭で楽しまれています。そもそも煮付ダレ自体が美味しいのですが、味が濃いとのどぐろの繊細な美味しさが伝わりにくいと判断。のどぐろの旨味との調和に重点を置き、結果的に京風の味付けに近いような煮付に決まりました。

煮付ダレは缶詰にすることで味の分離や変化が大きいことも特徴なので、安定した味になるまでは苦労しましたが、今となっては良い経験です。

画像:テール 特製煮付


そして最後まで味付けに悩んだのが「カマ」です。

塩煮や煮付でも十分美味しいのですが、何かパンチが足りない。また、3つの部位なので3種の味付けにしたい、そう考えながら試作を行いました。

そして辿り着いたのが「オイル煮」です。旨味がとても強い部位でしたので、たっぷりのオイルで煮詰め、素材そのものの美味しさに加え、「あまったオイルをパスタに絡めて食べたら美味いだろうな」という狙いももって作りました。オイル煮で十分美味しかったのですが、お酒の当てとしてもう少しパンチを利かすために唐辛子を入れたところ、見事に味が整い、最高に旨味を引き出すことに成功しました。

画像:カマ オイルと唐辛子煮


二つのイメージを組みわせて、「華爛-KARAN-」が生まれた


のどぐろは、ネーミングから黒い魚と思われがちですが、外見は赤く、口の中(喉の奥)が黒い魚です。


真っ暗な深海に赤く漂うのどぐろは、まるで花びらが舞うような光景ではないだろうか。というイメージから「のどぐろ」=「華」


そして、高付加価値なこの商品は一言で「豪華絢爛」。

この中の「爛」という感じは、「煮る」と同じような意味を持ちます。

まさに高級缶詰をイメージする一文字です。


この「華」「爛」を組み合わせ「華爛(からん)」が生まれました。


浜田と一緒に成長し続けたい


商品開発に関するエピソードは、記載しておりますように最初から計算していたわけではなく、その都度の発見と好奇心による探求によって道が開けたようなものでした。ただ、商品開発を通じて、浜田ののどぐろのことを深く理解することができ、そして魅力を更に深く知ることができました。


これも浜田という魅力溢れる街、

そして水産資源豊富な山陰沖の海があるからこそです。


私たちはそんな浜田と一緒に成長し続けたいという想いから、浜田の海岸清掃を長年取り組んでいます。



浜田に大きく貢献したい


最後まで私たちのお話にお付き合い下さりありがとうございます。

夢は大きく「世界へ羽ばたく!」と申しておりますが、まだまだ多くの方々に支えられているのが現状です。今後も、紹介させていただいた「華爛」のような浜田の魅力を多くの方に伝えられるような商品開発を続け、多くの方に浜田に興味を持って頂き、足を運んで頂ければ幸いです。そして私たちももっと成長して浜田に大きく貢献していきたいと思います。


この記事を書いている現在、クラウドファンディングでは多くの応援購入が集まり目標の600%以上となっています。まずはしっかりとご期待に沿える納品を行いつつ、今後1年で1000セットの販売を目標にしています。そして並行して海外のグルメの方々にお届けできるよう越境ECの環境を整え、世界に向けて発信をしていく予定です。世界のグルメの皆さまが華爛を楽しむ光景を目指して、今後も商品開発を進めてまいります。




◆商品概要

商 品 名:浜田の高級のどぐろ缶詰 華爛-KARAN-

定 価: (送料込、税込) 12,000円

内 容 量:180g × 3缶

賞味 期限:製造日から2年6カ月

販売ページ:Makuake 華爛プロジェクトページ

      (2023年9月10日まで販売、その後は山陰浜田極味にて販売)

https://www.makuake.com/project/kiwami_nodoguro/



◆のどぐろ通販専門店「山陰浜田極味」について

社 名:株式会社プローバ

本社所在地:広島県広島市安佐南区相田1丁目1番33号

代 表:平本直樹

事 業 所:島根県浜田市黒川町129-2 2階

ECサイト:https://www.kiwami-nodoguro.shop/





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