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ストーリーの著者は、読者でもあります

自分のために、自分が高まるメイクの提案を。「かじえり」が自分のブランド「Enamor」を生み出すまで

著者: 株式会社Dcyua


「私が、私を、好きになる。」をキャッチコピーに掲げるコスメブランド「Enamor」。ブランドを手掛けているのは、「かじえり」の愛称で知られる梶恵理子(以下、かじえり)だ。ブランド立ち上げ後、妊娠出産を挟み、育児と仕事の両輪を回し続けたかじえり。ブランドへの想いや、今に至るまでの道のりを聞いた


◆「自分」を丸ごと好きになれるメイクアイテムを展開

かじえりのブランド「Enamor」は、「元から美人風に、ナチュラルに盛れるアイテム」がコンセプト。ブランド名の「Enamor」は「引きつけられる、魅力的」という意味。「鏡を見たときに引きつけられるような自分になれるように」との想いを込めて名付けられた。


2020年に発売された第1弾商品のメイクブラシは、かじえりがかねてより「いつか自分で商品を作れるならブラシを作りたい」と思っていたアイテム。持ち運びやすいサイズ感とポーチ、これ1セットでフルメイクが完成する7本セットに加え、1本1本のブラシの質にもこだわり、初心者でも使いやすいカットもmm単位でこだわっているのが特徴だ。



2022年3月には、第2弾となるアイシャドウを発売。購入した客から「困ったときには必ずこれを使います」という感想が寄せられている、シーン問わず使いやすいカラーと色づき、持ち運びやすいコンパクトなサイズ感が特徴だ。


ブランドのキャッチコピーは、「私が、私を、好きになる。」このコピーに込めた想いについて、かじえりは次のように語る。


「メイクに対する私の想いをぎゅっとまとめたコピーです。メイクって、人から見られて評価される感じの表現をされることがありますよね。コンプレックスをカバーすることばかりに目が向いてしまうのも、メイクあるあるだと思います。でも、本当はコンプレックスとチャームポイントの両方を合わせたのが『自分』です。そもそも、自分ではコンプレックスだと思う部分が、他人から見たら羨ましいチャームポイントだったりもします。そんな自分を愛して受け入れることの大切さをブランドのテーマにしたいと思ったんです」


自分の魅力や経験値、才能を認めることで、個性を活かせる。そう思うようになったのは、かじえりが高校時代から行ってきた芸能人に寄せていく「真似メイク」を通じてのことなのだという。そんなかじえりは、どのような経験を経て「Enamor」立ち上げに至ったのだろう。


◆「26歳までに理想の自分になっていたい」。逆算から生きてきた軌跡を辿る

大阪出身のかじえり。昔から「26歳までには理想の自分になっておきたい」という思いがあり、逆算して生きてきたのだという。メイクアップアーティストになりたいという夢を抱いたのは14歳のころ。夢を叶えるために必要なものを考えた14歳のかじえりは、「勉強は特に必要がない」と考え、勉強に費やす時間とエネルギーを減らし、メイク技術やコミュニケーション能力を磨くほうに特化させていったのだという。


メイクアップアーティストになりたいと思ったのは、当時流行っていたプリクラで、かじえりが「盛れていた」のがきっかけだった。その写り具合に疑問を抱いた友達に頼まれてメイクをしたところ、喜んでくれたのがかじえりの原点だ。


「小学生時代から、ファッションや美容が好きで。それで人から喜んでもられる仕事があるなら天職だな、と思ったんです」


高校生になったかじえりは、ブログで『真似メイク』の発信を始める。ブログは1日に40万アクセスを誇る人気を博し、今でいう「バズる」状態になったという。そのブログをきっかけにワタナベエンターテインメントから声をかけられ、本を出すことに。当時、かじえりはヘアメイクになるために美容学校に通っていたが、転校して上京する決断を下した。専門学校に通いながらタレント活動をする生活を続けたが、自分の目指す方向性とのズレを感じるようになり、発信の場をテレビからYouTubeへと移した。


このYouTubeが、「Enamor」誕生のきっかけになる。

「YouTube内で使っているブラシのブランドについての質問に答えながら、『いつか自分でもブラシを作りたい』と発信していたんです。すると、愛用している熊野筆を作ってらっしゃる株式会社タウハウスさんが『一緒に作りませんか?』と声をかけてきてくださいました。そこから、『せっかくならブランドを作ろう』と話が進み、共同で『Enamor』を立ち上げることになりました。」


そこから、「いずれはコスメも展開していきたい」と伝えたところ、「それなら、かじえりさん個人のブランドにしたほうが動きやすいだろう」と、ブランドが譲渡されることになった。



◆新商品の発売時期は、産後2ヵ月だった


「Enamor」の特徴の1つは、かじえりが100%すべてに関わっていることだ。


企画、開発、製造会社とのやり取りや調整、在庫管理や発送に関する倉庫との連携、モールとのやり取り。店舗販売を始めたことで、今では卸業者との在庫管理や請求書手続きなど、そのタスクは膨大だ。


「大変そうだとは思っていたけれど、想像以上に1つの商品ができるまでに多くの人が携わり、時間がかかっていることがわかりました」。


おまけに、かじえりにはYouTubeでの配信があり、プライベートではブランド立ち上げからアイシャドウ発売までに第1子の妊娠、出産があった。


しかし、かじえりは「あえてこの道を選んだ」と語る。



「コスメが好きだからこそ、開発から販売までの過程を経験したかった。商品作りの裏側を1から学びたいと思ったんです。倉庫選びの際は、妊娠中に現地に足を運び、発送業務の流れを自分の目で見て契約を決め、モールの開設、JANコードの取得、在庫管理まで、全部1人でやってきました。1人でというのは会社の体制もそうで、弊社は自己資金100%で経営をしているんです。今まで続けてきたYouTubeやその他の活動で得た収益を運用して経営したかったから。これも自分の力でどこまでやれるか挑戦してみたかった表れです」


2022年1月に出産し、アイシャドウの発売はその2ヵ月後となる3月。生まれたばかりの娘を抱きながらパソコンに向き合っていた当時のことについて、「正直、記憶にないんです(笑)。授乳をしながらモールに電話をしていたことを覚えているくらいで」と振り返る。


「それでも、発売を遅らせたくはありませんでした。春夏カラーで、3月発売を目途に逆算して進めていたものですから。幸い、授乳のタイミング以外での夜泣きがないタイプの子だったので、助かったところはあります。『赤ちゃんを育てながらだと大変でしょう?』と言われることがありますが、大変さより充実感が勝っているので、正直“大変”と感じることが少ないんです!」


その理由について、かじえりは「Youtuber×経営者という立場は、一見大変そうに見えますが、自分で時間を調整できる仕事なんです」と説明する。なおかつ、産後2ヵ月間は実母からのサポートも受けられたこともあり、二足の草鞋をうまく履きこなせるようになっていったという。


そんなかじえりにとっての転機は、発売から1年経った2023年7月、初めてスタッフを募集したことだ。現在、「Enamor」のスタッフは3名。※取材当時


「随分と変わりましたね。今までがよほどカオスだったんだなと実感しています(笑)。1年半、人を入れずに自分だけでやってきたのは、まだ自分が仕事の流れを理解しきれていなかったから。あのカオスな期間があったからこそ、人を雇える準備ができたのだと思います」


◆プライベートも仕事も充実。そんな女性が増える後押しを


今後、商品数を増やしていく予定の「Enamor」。ブランドの認知を上げるため、全国各地の店舗でも取り扱いを始めている。「Enamor」を届けたい層について、あらためてかじえりは次のように語る。


「『他人にこう見られたいからメイクする』のもありですが、何よりも自分を好きになれるメイクをして、メイクにより自分の心を高めるのが大事だと思うんです。私は育児で忙しかったとき、『すっぴんでいいや』と日焼け止めと帽子、マスクで子供と出かけたことがあるんですね。でも、ごはんを食べるときにマスクを外して写真を撮ろうとしたら、カメラに映る自分を見て萎えてしまって。自分を見て萎えてしまうのは嫌だなと思い、それからは特に意識してメイクをしています。


『Enamor』が掲げている『ナチュラルな仕上がり』には、『無難』とネガティブに捉える人もいるでしょう。そうではなく、無難過ぎず攻めすぎない、際どいところを狙っていきたいですね。おしゃれさを楽しめるナチュラルさ、さりげない遊び心をブランドの武器にしていけたら」



また、女性実業家として、「もっと時間をコントロールしながら働けるスタイルが広がってほしい。まずは自分の会社をそんな働き方ができる会社にしていきたい」と夢を語る。


「育児をしながらバリバリ働き、寝る時間すら削っているんじゃないかと思われがちなんですが、ちゃんと休憩も取れています。自分で仕事時間をコントロールできるからこそ、仕事と育児を両立してこられたのでしょう。今、弊社で働いているスタッフもママが多く、自分で時間をコントロールしながら働けるよう、フルフレックスにしています。プライベートも大事にし、楽しく働ける。そうした女性が増えていくといいなと思っています」





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