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学校法人三幸学園が川崎フロンターレと連携し、スポーツ保育園を開園。グローバル時代を生き抜く人財育成に取り組む背景

著者: 学校法人三幸学園

2023年4月、Jリーグの『川崎フロンターレ』が展開する大型スポーツコミュニティ『Ankerフロンタウン生田』内に国際バカロレアの認定保育園を開園。充実した環境の中でスポーツと教育の両面から子どもたちの成長を支えます。


学校法人三幸学園が、30余年で培ってきた教育ノウハウをスポーツと保育の側面で最大限に発揮できる保育施設を展開します。子どもたちが大人になり社会に羽ばたいていく20年後、社会はどのように変化をしているのか、だれも正確に予測することは出来ません。変化の激しい時代に一層グローバル化していく社会を生き抜く力の育成を目指し、⼦どもたちの「なぜ?」「どうして?」から、仲間とともに探究し、スポーツや多様な経験を通じて、⾃ら学び成⻑できる環境を整えた保育園がキッズ大陸です。未来を生き抜く力とは、どのようなものなのか。なぜスポーツを使った教育、探求型の学習を大切にしているのか。そして学校法人が運営する保育園として目指すものとは。今回は、フロンタウン生田の園長中尾さん、副園長の河原さんから立ち上げの裏側をお伝えします。

川崎フロンターレとキッズ大陸の理念の一致がタッグを組むきっかけ

川崎フロンターレと本学が提携を行ったのは、フロンターレが掲げる、選手の育成方針・企業理念と、キッズ大陸が大切にしている保育理念・教育目標が同じであったことが一番の理由です。

フロンターレ様から、ただサッカーが上手な選手の育成、チームの強化を狙っていくのではなく、サッカーを通じて地域や社会を大切にしながら巻き込みながら、グローバル社会に通用する人格形成を目標にしたいと話を頂きました。キッズ大陸も、単にスポーツ選手やアスリートの育成を目指すのではなく、スポーツというツールを通じてバランスの良い、心・技・体・知を育てていくことで未来を生き抜くための力を育みたいと考えていたのです。その両者の想いが重なったためフロンタウン生田園のプロジェクトがスタートしました。


体力勝負の園移転。保護者の理解が後押しに

立ち上げ(移転)にあたって、運営側である私たちの体力的な部分が最も苦労しました。

立ち上げにあたっては、移転という形をとったために、ひとつの園の閉園と開園を同時に同じ職員が進めなくてはならない状況だったので、四苦八苦の毎日だったことを覚えています。


それを乗り越えられたのは、旧中川園の保護者の方々が理解をしてくれたことが大きな要因です。私たちも、旧園で継続をしたい、せっかくその環境や地域を好んで、選んできてくれた保護者の方々に対して継続できなくなるという発信をするときには、心が痛かったです。ただ、結局はほとんどの方が園の発展のためとご理解いただき、移転となっても退園せずに継続をしてくださりました。

「本当に感謝しかない」と園長の中尾は語ります。


フロンタウンの立ち上げ(移転)を行って、以前より悪くなったことはひとつも無いと思っています。

新しい施設で、充実した最新鋭の環境で保育が出来ること、フロンタウンに携わる関係機関の方々も多大なサポートをしてくださるので、より充実した教育、保育の展開が出来ていると思います。

実際、職員は旧園よりも駅からの出勤距離が遠くなったので多少の愚痴はありますが(笑)

国際バカロレア教育で、グローバル社会で活躍できる力を育む

2020年度に行われた、教育改革では「生きるチカラ」のその先の力を育成する社会に開かれた教育課程が作られました。特に主体的で深い学びを実現するアクティブラーニングが重要視され、学びに向かうチカラ、人間性、知識及び技能、思考力・判断力・表現力の3つの力をバランスよく育成することを目的にしています。


国際バカロレアは、この教育改革よりも以前から、こうした力が重要だと捉え全世界へ発信、展開していました。グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指し、自分を知り、人が持つ違いを理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心を持って生涯にわたって学び続けることのできる人材育成を進めていました。


もともとキッズ大陸では、スポーツを中心に据えた人材育成をしていましたが、こうした世の中の変化、社会の変化に適応し、活躍できる人材育成のためには、スポーツだけでは、上記のような力を育むことに限界があると考え、国際バカロレア(*PYP)の教育プログラム導入を決意します。結果として日本で、そして世界で唯一のスポーツを中心にした教育を行う、国際バカロレア認定校となりました。


*PYP:primary years program


スポーツ教育の持つ良さは子どもとの相性の良さにあります。

まず、子どもは体を動かすことが大好きです。そのため、体を動かしながら、楽しみながら、健康で丈夫な体作りをしたり、コミュニケーション能力を高めたり、技術習得を目指すといったことが出来ます。

このような、成長過程が子どもにもわかりやすいことも重要です。子どもたちは、スポーツを通じて成功や失敗を繰り返していくことで、自分自身で振り返り、次に向けた挑戦をする姿勢を自然と覚えることができます。それが、スポーツ教育の良さだと思っています。


キッズ大陸では、「やればできる?やったらできた!」を合言葉にスモールステップで小さな成功体験を繰り返すことで、子どもたちが自信をつけ、何事にも前向きに取り組んでいける姿勢を大切にしています。

バカロレア導入の苦労。子どもたちの成長がやりがいを引き出す

職員の河原は、「正直不安しかなかった」と言います。そもそもバカロレアを聞いたことがなかったことや、自分が今まで生きてきた中では、真反対の教育を受けてきたのでイメージが全く湧きませんでした。


導入初期は、国際バカロレアの教育には、正解はひとつでは無いと、言われていました。

ただ、自分が考えて持ってきた計画や指導案には間違いを指摘される。

「正解は無いのに間違いはあるのか。。」とただただ自信を無くす毎日でした。

そんな日々が変わったきっかけは、河原自身の経験が増えたことだった

自分がやった保育に対して、子どもたちの反応がすごく出てくる。

はじめのうちは、探り探りの日々だったものの、その活動の振り返りや挑戦の繰り返しで少しずつ国際バカロレアの教育の本質を感じ、理解をしていくことが出来ました。


実際に子どもの活動を進める際に苦労した点は、やはり、自分で正解を見つけ出し、計画を立てることでした。国際バカロレアの方針や園の理念に沿った計画を立てることは、それらをまずは理解しなくてはならないので難しさがあります。


また、どうしても、教えがちになってしまうこと、自分が教えたい方向に持っていきたいがために、子どもを誘導してしまうこともしばしばありました。そして、こどもの活動が、活動ベースになってしまうこともありました。子どもの声を拾い、興味の対象を汲み取ることがとても大切なのですが、そこに目が行き過ぎてしまうと、本来の目的からずれていってしまうという経験は何度かあり反省していました。


バカロレアを取り入れて良かったこと思うことは、こどもの成長をとても感じられるようになった点です。

そして、保育のねらいや目的をもって活動をすることの大切さを学びました。

それらが、職員の成長実感、やりがいにつながっていると感じます。

子どもたちも職員も学び続ける。フロンタウン生田園を国際バカロレア普及の起点に

我々は、国際バカロレアの教育がもっと世の中に広まっていってほしいと願っています。世の中的にまだまだ国際バカロレアの認知度が低かったり、理解されにくかったりしているのが現状かと思います。キッズ大陸にいる子どもたちも、小学校に上がった時に、一旦この教育が途切れてしまう。

そこはもったいないと感じています。

もっとこうした教育が、広まることで日本社会の発展につながるのではないかと思います。

キッズ大陸の成功が少なからずそこにつながると思うので、一層努力をしてまいります。


国際バカロレアはこどもの成長はもちろん、そこではたらく職員の成長も著しく感じ得ることのできる教育です。

国際バカロレアは、生涯学習者の育成を目指しています。

そうした点では、働く職員も学習者となるため、常に学ぶ姿勢を持ちつづけなくてはなりません。

よって、常に自分自身に満足することなく、学び続けるため、必然的に成長してきます。


今後、まずはこの教育の良さを地域に知ってもらい、フロンタウン生田園を一層発展させていくとともに、学園の中でも展開していくことが、世の中への発信になり、国際バカロレアの普及につながっていくよう、私たちも歩み続けます。




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