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「もし・もしも」に備える!「みんなのBOSAIプロジェクト『もしもしも®』」が目指す社会活動と、ともに続くしあわせとは

著者: 株式会社フェリシモ

1994年末、フェリシモは翌年早々神戸に本社移転を控えていました。年が明け、1995年1月17日阪神・淡路大震災が発生しました。その復興を、神戸の街や人と共にする思いで9月に本社を神戸市中央区へ移しました。神戸と、また東日本大震災をはじめとするさまざまな災害に対して、支援や復興に関するプロジェクトや基金を創設し、お客さま・生活者のみなさまや社会と歩んで来たその先に、2022年「みんなのBOSAIプロジェクト『もしもしも®』」を始動しました。

・みんなのBOSAIプロジェクト『もしもしも®


知識や備えを次世代へ引き継ぎ、更新し続ける

みんなで備え・向き合い・支え合う防災の取り組み


はじめに

フェリシモは防災に関するさまざまな取り組みを行ってきました。阪神・淡路大震災ではお客さまからの義援金・基金による復興支援をはじめ、店舗を失った事業者の商品を紹介し支援につなげる『神戸カタログ』の発刊。人々の心の復興を目指して開催し、参加料全額を震災遺児のケアに活用する震災復興を目的としたメッセージライブ『神戸学校』では参加料全額を震災遺児の方々に活用いただきました。(現在は東日本大震災の遺児支援全般へ活用)

東日本大震災でも、神戸での経験を踏まえた基金活動や、神戸企業有志による被災地支援活動ネットワーク「Yell from KOBE」、女性による東北の産業復興を応援する「とうほくIPPOプロジェクト」を行いました。現在は国内の災害に対応するサステナブルな活動「もっと、ずっと、きっと」の取り組みを行っています。「もっと、ずっと、きっと」では発生した災害に対応するだけでなく、災害に備える商品開発も行っています。こうした経験を踏まえ、新たに発足した防災活動「みんなのBOSAIプロジェクト『もしもしも®』」のプロジェクトリーダーを務める武智直久に、いつか来るかもしれない「もし・もしも」について、社会へ届けたい思いを聞きました。


ー『もしもしも®』が始まる背景、フェリシモが行ってきた復興支援や防災への取り組みについて教えてください。

武智直久(以下武智):阪神・淡路大震災の折、私は入社2年目ぐらいで、当時は京都に住んでいました。なので、直接被害はなかったのですが、震災の影響で、同僚が会社に出社できなくなってしまうなど、社内でも積極的に助け合いの動きがありました。特に、関西に本社を置くフェリシモのことを気にかけてくださったお客さまから、現金書留で義援金やお手紙をいただくこともありました。当時は目の前の仕事をこなすことで精いっぱいだったのでので、社内でまだ交流のない方も多くいたのですが、あらためて同僚間や、お客さまともみんなで助け合えるような関係性が作れている会社なのだと、感じたことを記憶しています。

フェリシモは、阪神・淡路大震災が発生した1995年から6年半に渡り「毎月100円義援金」や、被災者でもある地元の企業の商品を紹介し、神戸を支援する『神戸カタログ』を作り、商品を購入いただくことでお客さまが支援に参加することができる取り組みを行ってきました。東日本大震災では、「東日本大震災 毎月100円義援金」(※現在は「もっとずっときっと基金」へ移行)を設立し、今も支援を続けています。

防災の取り組みや商品を伝えるカタログなどを前に(『神戸カタログ』上記写真右下)


「ともにしあわせになるしあわせ」をコアバリューとするフェリシモとして、社内の声をまとめ、お客さまからの声にお応えするため、災害が起こった際はいち早く支援体制をつくることができるようになっていきました。これらの経験が「みんなのBOSAIプロジェクト『もしもしも®』」(以下『もしもしも®』)の活動内容にも繋がっています。


ー『もしもしも®』の立ち上げから、今日まで行ってきた思いを、災害支援の経験も踏まえ教えてください。

武智:東日本大震災が発生した際にも、「個人だと小さなことしかできないけれど、東北のために、フェリシモさん何かできませんか?」と、お客さまからお声をいただいたり、社内からも復興支援について何か力になりたいという動きがあったりしました。私も、「フェリシモメリー」のポイントプログラムの「東日本大震災メリーしあわせ基金」を担当し、お客さまの思いを形にする震災復興の活動支援を行ってきました。

近年、台風、集中豪雨などによって、各地の被害が増えてきています。地震以外にも、災害がいつ誰の身に起きてもおかしくありません。東日本大震災からも10年以上が経過し、私も勤続30年を迎え年齢的にも、災害支援の取り組みの経験から得たノウハウや気づきを、次の世代に引き継いできたいという思いを抱くようになりました。

東日本大震災の復興支援で取り組んだ、被災地・宮城県の子どもたちと絵本作家・荒井良二氏が、ともに絵を描いた絵本『明けない夜はないから(フェリシモ出版)』を手に


そこで、自助となる“私を守る”ためのフェリシモ定期便の展開と、互助となる“みんなで支える”ための「もしもしも防災基金」という2つの軸を立てて、『もしもしも®』を立ち上げました。元々フェリシモとして、点と点で活動していた災害支援などのノウハウを、形式知としてまとめた感じです。


ー『もしもしも®』は具体的には、どのようにしてはじまったのでしょうか。

武智:「神戸学校」の特別編として開催された「22 for 22」プロジェクトで開催された講演で登壇された宮城県の企業ワンテーブルさまと、防災についてディスカッションを行いました。東日本大震災の経験から「LIFE STÖCK」という5年間備蓄できるゼリーを、宮城県の果物をつかって開発されており、その技術力と、地域の人たちとも一緒に取り組みを行われていることを知って、すばらしい取り組みだと思っていました。

ご一緒させていただくことで、防災、減災という視点で、少し前に進めるのではないか?と。さまざまな方々と一緒に知識や文化を共有することも、前進だと思います。


フェリシモが目指す“事業性・社会性・独創性”をふまえた上で、『もしもしも®』の役割は、お客さまとの連続的なコミュニケーションの実践だと考えています。いつ、どんな自然災害が起こるか分からないからこそ、まずは、自助=自分で自分を守る準備をしてほしい。そして約28年前に体験した、互助=誰かの役に立ちたいと思われるお客さまの思いをつなぐ役割を担えたら……。どこよりもフランクで、双方向で密な関係性をお客さまと築いていければ、嬉しいですね。

もしもしも防災 LIFE STOCK備蓄ゼリーセット(3種類)の会


―防災に向けて開発した商品にはどのようなものがありますか。

武智:SF映画で、無事に地球に戻れるか?!みたいな展開があるじゃないですか。「無事に生還する」というイメージから、宇宙飛行士をモチーフに「お家へ帰ろう」をテーマにした、「スペースエマージェンシーキット (NEO)」という防災グッズを集めた商品があります。合計8アイテムが、毎月1つずつ届くセットとなっていて、こちらは『もしもしも®』プロジェクトの原点のアイテムでもあります。2015年に販売を開始し、これまでに累計30,000セット以上のお申し込みをいただきました。

スペースエマージェンシーキット」のカタログを手に


また、持ち出しに加えて、都心部などでは、災害が起こったからといって避難所に入れないことも起こってくることを想定し、自然災害に対して、あらかじめ自宅を準備しておくことをテーマに「自宅を最強の避難所にする準備の会」を作りました。

みんなの防災 もしもしも 自宅を最強の避難所にする準備の会


さらに、フェリシモのお客さまは女性が多いこともあり、実用性や機能性だけではなく、”愛着を持って集めていただける”ことで、日常遣いもでき「もしも」にもしっかり備えていただけたらと考えています。ほかにも、例えば男性と女性では避難所で必要な荷物などが異なるので、女性目線で避難所生活の際に、プライバシーが守られるような商品や、癒されるかわいい要素があるアイテムなど、情緒的要素を加えることも意識しています。

次回展開するアイテムは、女性が癒される”もふもふ”を取り入れようと、ふくろうからインスピレーションを受けたアイテムを準備中です。「集めたい」と思っていただける付加価値をつけることと、女性や子どもなど、それぞれのニーズやシーンに合わせたものも大切にしたいです。


ー防災に備えるシリーズは、お届け回数(アイテム数)の多い取り組みの商品が多いと思います。仕組みなどで心がけていることはありますか。

武智:『もしもしも®』プロジェクト発足第1回目のアイテムに「みんなの防災 もしもしも防災 きほんのきセット」があります。10の「もしも」に必要な基本の備蓄アイテムを10カ月かけて、毎月情報カードとともにお届けする商品で、“定期的に防災について考える機会”が伴っていると考えています。私は販売促進の仕事で、キャンペーンや「毎月プレゼント」なども担当しており、お客さまに続けていただくことなど、継続した関係性の構築に取り組んできました。防災でも一時的に意識を高めるのではなく継続して、知識や備えをアップデートし続けることが大事だと考えています。


防災商品のひとつ、10ヵ月にわたり毎月届く「もしもしも防災 きほんのき


防災の商品に同梱している“情報カード”も、読むだけのものでなく、空欄部分に自分が必要なものを書き込むことで完成するようにデザインしています。防災セットも、全ての対策ものは網羅できないので、マスクなどご自身で揃えられるだろうと思えるものは入れていません。防災の意識を毎月一回高めていただくことで、自分に必要なアイテムをカスタマイズしていくことが一番の安心につながるのかなと感じています。


ー「もしもしも防災基金」について教えてください。基金でどのような活動を行っているのでしょうか。

武智:防災グッズは、すべて基金付きの商品になっており購入金額の一部が基金として利用されます。また、「毎月100円 もしもしも防災基金」、「フェリシモメリーもしもしも防災基金」では、寄付が可能です。集まった基金は「必要なときに、必要なところへ、必要なだけ」を支援するための仕組みとなっていて、備蓄支援活動のために活用しています。

集まった基金は、「フェリシモ財団」を通じて災害支援物資を備蓄し、災害が発生したときに支援物資を届ける仕組みになっています。ただ、大きな災害が起きたときは、備蓄品を送るにしても、現場が必要としているものはフェーズによっても異なります。

緊急性が高い中、物流のネットワークや、地元のNPOなどとの連携体制がないと、急には現地へ入っていけないんです。だからこそ、どういう支援ができるかネットワークづくりなど、事前の環境を整えていっています。

備蓄の様子


2023年3月には、「もしもしも防災基金」で集まった基金で「きほんのき」にも入っている「LIFE STÖCK」1,500食分を、「フェリシモ財団」によりフェリシモの配送センター「エスパスフェリシモ」に備蓄をしました。これは、災害発生時には必要とされる方々のもとにすみやかにお届け予定です。今後、10,000人分の備蓄を目指しており、「みんなでみんなを守る」を実現できることを目標としています。


ー今感じている課題や、これから行っていきたいことを教えてください。

武智:防災の取り組みの中で、最終的にコミュニケーションが重要と感じています。家族であったり、近所の方であったり、何か起こったときには、みんなで助け合っていかなければなりません。都会や田舎、自治体によっても、必要とされる形は異なりますし、想定されるシーンも千差万別です。

お客さまと一緒に防災訓練をしてみるだとか、防災に限らず多様な活動をやっていければと思っています。例えば、備蓄食も買ったまま放置するのではなく、1年に1回食べる日を作ることを文化にするなんていうことも、できたらいいですね。

自治体や、NPO法人、その他の企業さまとも取り組みを一緒にする中で、自分達だけでは気づかなかった発想をいただくことも多々あります。今後も自分たちだけのノウハウや、想像だけでまかなうのではなく、社外の人たちの知識や意見を反映しながら、日常的に知識や備えをアップデートし、誰も取り残さないプロジェクトとして、できることを行っていきたいと思います。


「みんなのBOSAIプロジェクト『もしもしも®』」デジタルカタログを開いてみる


防災ガイドを無料配布しています。

・「台風・大雨編」「地震編」ダウンロードページ>> https://feli.jp/s/pr230901/16/

・デジタルカタログ>> https://feli.jp/s/pr230901/17/


〈インタビュアー:フェリシモ 広報部 中島健太郎〉




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