保護猫活動をきっかけに、ペットにも人にも喜ばれるペット専用ドライヤー『グルーミングぐるみん』を発案した元・エンジニアによる新規事業の裏側
私たちアスコジャパン株式会社は、「明日を健やかに」をコンセプトに健康食品の製造販売を行っている会社です。このたび新規事業としてペット向け商品の開発、製造、販売を行うことになりました。そのきっかけというのも代表の宮里が保護猫のお世話をするうちに、その数匹に愛着がわき保護猫として2匹の猫をお迎えしたことから端を発します。
いざ自宅で飼い始めるとそのお世話、特に身体を洗うことや乾かすこと、更に大事だと言われているブラッシングにてこずり、まさに日々格闘、いやいや奮闘ですが、何とかしなければならないと思い始め、自分なりに試行錯誤の上、人にもそしてもちろんペットにも優しい専用ドライヤーと、それを使った従来には無いブローをしながらブラッシングという発想から生まれた『グルーミングぐるみん』の開発秘話です。
地域猫の保護活動との出会い
もともと動物が小さい時から好きな私、宮里はあることをきっかけに台東区にある神社に集まる地域猫のお世話に週末参加するようになりました。そこには様々な地域猫がたくさんいて、今でいう猫カフェ状態の場所でした。何気なく戯れていると普段の常に何かを考えている日々を忘れさせてくれ、ついつい毎週末のように通うようになっていました。
保護猫としてお迎えする覚悟
そのうち良く懐いてくれる特に2匹の子に、無性に愛着がわき始め当初は考えてもいなかった自分で保護猫を飼うという意識が芽生えました。ただ周りの方からも言われていたのは、子供のうちから飼うわけではないのでそのお世話の難しさや、家の中で飼う生活環境が変わるという困難な状況からスタートしなければならないという覚悟が必要なものでした。もちろんそれ以上に生き物をきちんと飼う、一緒に生活をするという当たり前であり大事な覚悟も必要でした。
3匹の保護猫との楽しい生活と格闘?の日々
かくして保護猫としてお迎えしたキイとクロ、そしてマコとの楽しい日々が始まりました。ところが序盤から待ち受けていたのは、清潔にするためのお風呂、身体を洗う(洗体)ことがまず難しく、更に何とか洗っても乾かすことも難しいというものでした。洗うことは嫌がりそうだと想像できても、乾かすのにドライヤ一を使うと大きな音に加えて熱い風がダメらしく近寄ることすら困難でした。一言で言えば「何しても暴れる」ですね。そこで色々と聞いたり調べたりすると洗体の頻度より日々のブラッシングの方が重要だという事を知り、こちらもチャレンジしてみました。
早速専用のブラシをタイプ別に何個か揃え、試みてみましたが、結果「大暴れ」状態でほとほと困ってしまいました。
人の日常の髪のセット、ブローってもしかしたら...きっかけ?
ある出勤前の朝の事です。若干くせっけ気味の私は毎朝ドライヤーで柔らかめのブラシを使ってブロー、セットをします。ドライヤーでブローしながら髪をとかす場合、くし通りもよく抵抗も少ないことから比較的楽にセットができます。「あれっ⁈」何かが突然降りてきました!
もともとエンジニア上がりの私はすぐその場でメモを取りました。
「ねこ用ドライヤーとねこ用ブラシ」と(このとき、猫の漢字が出ませんでした)。
猫にも犬にも使える、ペット専用ドライヤーの開発プロセスについて
早速会社の取引先でもある製造協力先のエンジニアとペット専用ドライヤーの話しをしてみました。当たり前ですが、何が専用なのかを具体的に知らないと開発できないと。
そこでSNSのフォロワーさんや、ペットを飼っている知り合いなどに改めて人の使うドライヤーが苦手な理由を聞いてみたところ以下のようなものでした。
①まず大きな音
②熱すぎる風、温度
③急激な風、風量
④最後にドライヤーをかける洗面所
④については驚きました。つまり大容量の電力を使う人用のドライヤーは洗面所で使うケースが多く、それに慣れると洗面所に行きたがらない子もいるとお聞きしました。
それと大事なポイントは人間に比べデリケートな肌や被毛を持つペットに配慮したものでなければならないとアドバイスも受けました。
上記を踏まえ改めて相談に行くと、単純に乾かないドライヤーを作ることになるとの結論になり(当たり前ですね)想像もしなかったドライヤーの熱源から考え直さなければならなくなりました。
グループ会社の思わぬ副産物が助け舟となった
私たちは別会社で様々な産業機械や業務用機器の企画や設計、開発も行っております。
用途としてはもちろん全く今回のドライヤーとは別ですが、その中の一つに遠赤外線の研究があり、さらに通常の遠赤外線の製品に比べ遠赤外線のパワーをより多く出せる技術がありました。一般的にはドライヤーに使わない熱源ですが、ちゃんと乾くドライヤーでなければ意味はありませんから遠赤外線を使用した全く新しいペット専用ドライヤーを目指すチャレンジが始まりました。
ブラッシングとブローを両手ではなく片手でできないか
大きな音や風量はそれに合わせたファンを見つけ出すことで目途が立ちました。また温風の温度も調整が利くのでブローにとっての最適な温度や、当然乾かすのに最低限の温度を導き出すことで進められました。ここで今更ですが、専用ブラシはどうするのかという事になり、ブラシをわざわざ作るのかという初歩的な話しになってしまいました。ここで生きたのがまさに私自身の体験談です。片手でブラッシング、もう片手は必ずペットを抑えるか、いやいや抱き上げるかするだろうことを。結論は無理やりでしたが、使う方の事を考えるとブラシ一体型ドライヤーの形状をあえて選択しました。ただ救いだったのは既に人間用に似たもの、そう女性に人気の高い通称「くるくるドライヤー」の存在でした。
従来のドライヤーにはないペットだからこその安全対策の試み
ドライヤーとブラシ一体型となると、ペット用とはいえ想定していた距離、つまりペットの肌とドライヤーの吹き出し口がかなり縮まるという現実問題でした。具体的に言うと人間用のドライヤーの類は熱源はむき出しで、髪の近くで使用していると焦げた匂いがすることは珍しくはありません。それがデリケートな皮膚や被毛を持つペットの場合を考えると、最悪火傷のリスクやせっかくブラッシングを嫌がらずに受けてくれても、焦げた匂いなどすぐ警戒させてしまうリスクも大きいのです。
そこで前例は無いものの今回のドライヤーの熱源である遠赤外線ヒーターに何かを被せるという安全対策の必要性に迫られたのでした。
身近な家電製品の中にあった、安全対策のヒントとは
意外にも安全対策のヒントは身近なところにありました。それは遠赤外線ヒーターを使用するトースターであり、冬場に使う遠赤外線ヒーターでした。これらは石英管という特殊なガラスで出来たものをヒーター部に被せて安全対策やパンくずなどが直接ヒーターに触れないようにするものでした。「これで解決できる」と思ったのもつかの間、目の前にあるヒーターはいずれも直線、ストレートのものばかり。一方こちらのドライヤーはボディーに合わせて遠赤外線ヒーターがほぼ円形状だったのです。
「石英管ガラスを曲げる?」「円形状にする?」「職人さんお願い!」
でもこれしか方法はなかったのです。頭を下げてもすべてはこれを使うワンコ、ニャンコのためという思いで。
ペットのデリケートな肌に触れるブラシの素材とは
ヒーター部を覆う石英管ガラスの問題が持ち上がる中、もう一つの課題となったのが、ブラシそのものの素材でした。一般的なドライヤーのボディやアタッチメントは主にプラスチックが多いのですが、硬いのと肌当たりが悪いのです。幾つか素材の候補をセレクトして試してみたのですが、どうもしっくりきません。そこで最近頭皮用のマッサージやシャンプー時に使用されているブラシに使用されるシリコンで試したところ肌当たりも良く、何より痛くない。ドライヤーのアタッチメントに使う例は恐らく無いと思いますが、昨今は耐熱の心配も無いとの事で常識にとらわれずシリコンでブラシのアタッチメントを作ることに決めました。
使用電力を抑えることによるメリットの大きさ
最後に残された課題は通常のドライヤーのように専用コンセント口が必要になる電気容量を抑える事でした。こちらは最初から勝算があり、先にも述べたように私たちには別会社にて様々な機器などの開発、企画を行っており、その中の技術で使用電力の要領を抑える技術を持ち合わせていたのです。結果なんと一般的なドライヤー約1200~1500W(ワット)に比べると約1/6に当たるわずか200Wで目途がついたのです。わかりやすく言えばノートパソコンの電源をどのコンセントにも挿せる感覚です。
つまり使う場所やコンセントを選ばずどこででも使用可能という事です。
これは単に省エネ家電としてでは無く、ご家族とペットが共に過ごすくつろぎの空間、例えばリビングなどがそうであるように、そこでこそブラッシングで触れ合いの時間を過ごしてほしかったことに、大きな意味があるからです。
試作機完成といざわが子たちへの挑戦
文字通り様々な新たな試みとチャレンジの末、ようやく試作機が完成してきました。
まずはアタッチメントである先端部のブラシでそっと撫ででみました。かなりブラシ自体の間隔を空けて独自のパターンで作ったシリコン製のブラシは、従来の市販の専用ブラシとは違い、抵抗なく被毛の間を楽にブラッシングできます。保護猫のわが子たちも痛くなく、いつもより抵抗が少ないせいかほぼ初めてにも関わらず、普通に専用ブラシによるブラッシングをさせてくれました。ブラシのアタッチメントをドライヤー本体に付け、ブラッシングするのにも特別抵抗はないようでした。
更にチャンスと思いスイッチをブラッシングしながら入れたところ、びっくりさせてしまったのか、逃げられてしまいました。
うちの子の場合は、最初から電源を入れそのまま近づけていってからブラッシングを行った方が良かったらしく徐々に慣れてくれました。電源を入れずにブラッシングするよりも、電源を入れて弱温風で行うブロー状態でのブラッシングは慣れると気持ちよさそうに受けてくれます。そしてもちろん洗体後もブラシを付けたままブラッシングしながら身体を乾かすことも、やはり日頃の慣れ、習慣なのだとわかりました。
モニターさんやワンコカフェなどのテスト
自宅での試作機によるブラッシング成功から、周りのペット愛好家の皆様や、一部のモニターさん、そして巻き毛のワンコカフェでなど試作機によるブラッシングのお試しを重ねました。当然ワンコ、ニャンコにも個体差があり、ブロー状態にしてのブラッシングに慣れてもらうには時間、回数がそれぞれ異なりましたが、概ね受け入れてくれることがわかりました。またブラシにはほぼ抵抗がないのかブラシに慣れる時間はほぼありませんでした。なんとも嬉しい限りです!
ついにペット専用ブラッシングドライヤー『グルーミングぐるみん』が誕生
大事な愛犬、愛猫のグルーミングの基本、ブラッシングをこの『グルーミングぐるみん』で入門機器としてお使いいただければと思います。
トリマーさんや専門医にお聞きすると、ブラッシングはもちろんペットも嫌がるのですが、実はご家族側の方が苦手意識等あり行えていない現状が多いとお聞きします。確かに私自身がわが子を保護猫として迎え入れた当時は本当に苦手でした。
ブラッシングは大事なペットとのコミュニケーションを図れる大事な習慣です。
まずは入門編としてこの『グルーミングぐるみん』をお使いいただければ幸いです。
現在クラウドファンディング「Makuake」にて先行予約販売中です。
ご興味がございましたら是非ご覧ください。
Makuake
https://www.makuake.com/project/asucojapan/
紹介動画(YouTube)
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