RevComm創業ストーリー(その2)ーーマネジメントしない組織づくり。トップダウンではなくエンゲージメント
こんにちは、RevComm(レブコム)採用担当です。代表の會田へのインタビュー2回目は、今のメンバーをどう集め、どう組織づくりをしているのかを中心に話を聞きました。創業ストーリー(その1)はこちらから
圧倒的な熱量と冷静なロジックで、トップエンジニアに仲間になって貰う
―― 自社でプロダクトを内製するためには、優秀なエンジニアを採用しなければなりません。商社出身、ビジネス畑の會田さんは、どのようにエンジニアと出会ったのですか?
まさにその通りで、それまで僕にはほとんどエンジニアとの接点がありませんでした。そこでLinkedInやハイスキル人材サービス、Facebookでひたすらスカウトを送り、「CTO Night」などのイベントに足繁く参加してエンジニアの方に会いまくっていました。また、知り合いにも「いいエンジニアがいたら紹介してください」とお願いするなど、とにかく必死でした。
――ビジネスサイドの人と、エンジニアが出会う場は確かに少ないですよね。
そうなんです。けれどこの事業を具現化するためには、優秀なエンジニアに仲間に加わってもらうことが絶対条件になります。仲間創りが最も重要なので、とにかく足を運び、必死に口説きました。
――どうやって口説き落としたのですか?
①ミッション(ビジネスを通して創り上げたい世界観)と、Value(どのような人と一緒に働きたいか)をしっかり言語化する
②経営戦略・戦術も粒度細かく説明する
③自分なりに勉強してテクノロジーの理解を深め、最低限の共通言語で話せるようにする
④(最後には)熱意が重要だと思います。
CTOの平村(プロフィール)の場合は、アクセンチュアでマネージャーとして機械学習・深層学習を用いたプロダクト開発の経験があり、かつデータサイエンティストとしても活躍していました。なんとしても仲間になって欲しいと思っていたので4回スカウトメールを送ったもののすべて無視されましたが、諦めずにもう一度送り5回目にようやく「まったく転職を考えていないですがカジュアル面談ならどうぞ」という、句読点もないメールが返ってきました(笑)。それで「よっしゃあ!」と思い、実際に会うことになったんですが、会って話してみると想いや事業に賛同してくれて平村自身の言葉で積極的に色々提案してくれるようになったんです。
VPoEの川田の場合は、クラウド上にPBXという電話サーバーをつくる専門性・特殊性の高い技術を持っていました。また、自分で起業した経験もあり、ビジネスへの理解も高かったので何としても仲間になって欲しいと思いました。川田は当時も今も滋賀に住んでいるのですが、ぜひとも来て欲しいとリモートで口説きました。
優秀な人材を採用するためには、情理と合理のバランスが大切だと思っています。情熱を傾けて「こんなワクワクする未来をつくりたいんです」ということも重要ですが、「その未来をつくるために、どんな戦術で実現していくのか」というロジックを緻密に説明していくことも大切です。「大きく戦略を描いて、緻密に戦術を練る」ということですね。成し遂げたい夢と、それをどう実現するのかという現実的なこと、その両方をお話するようにしています。
例えば、平村の場合は、実現したいビジョンを語ったらとても共感してくれて、それからすぐ平村自身の口から「じゃあプロダクトはこうした方がいいですよ」と語りはじめ、ホワイトボードにどんどん構成図を書きはじめてくれました。熱量が伝染したような感覚で嬉しかったですね。
ちなみに僕は絵心が全く無いのですが(笑)、100パターン以上のペーパープロトを創ってヒアリングして、パワーポイントでモックを創り、何度も構想を練り直しているので、「こいつは本気だな」ということが伝わったのだと思います。
――超ポジティブですね(笑)。
よく言われます(笑)。まぁ、基本的に楽しんでいるからだし、根拠のない自信があるからだと思います。何かやると決めたことは形にするまで、絶対に諦めないし、折れない。だから根拠のない自信があるのだと思います。あと、上手く行かない状況とか、ヤバい状況の方がワクワクするので、基本的にどんな状況でも楽しめちゃうんですよね。うまくいっていると逆に怖いです(笑)。なので、IntelのAndy Groveが言う”Only the Paranoid Survive(極度の心配性だけが生き残る)”という格言は凄く好きですね。
目の前に乗り越えるべき大きな課題がある方が、「よっしゃー!」と燃えるし、ずっと面白がって楽しくやり続けられます。そこが僕自身の最大の強みだと思います。
マネジメントは一切しない。社員番号1番目は滋賀在住、「何もしない」ことに力を注ぐ組織づくり
――現在はどのような組織体制になっていますか?
総勢60名ほどになっていて、半年で倍増しています。年内には100名を超えるかもしれません。Google、マッキンゼー、セールスフォース・ドットコム、メルカリ、NTT、大和証券、リクルート、楽天などの大手企業や、会計士、起業経験のあるメンバーも多数いて、多彩なキャリアを歩んできた仲間が集まっています。
――サービスリリース約1年半で既に10,000を超えるユーザーが利用しているのは急成長だと思うのですが?
営業生産性を飛躍させるサービスを提供している会社ですから、自社が生産性・効率性の高い営業を意識して実践しています。また、我々はMiiTelを使って営業しており、よほど大企業ではない限りMiiTelを活用したインサイドセールスで売り切っている、というのがポイントですね。
また、MiiTelファンのコミュニティーを拡大して、シナジーを創出しながら会社の垣根を超えて生産性の高い仕組み創りをすることを常に考えています。例えばSalesforceとCRM連携したため、セールスフォース・ドットコムさんの営業の方々が「MiiTel」を紹介して下さっています。その他にもセレブリックスさん、ブリッジインターナショナルさん、MM総研さん、V-CUBEさんなど自社のプロダクトと親和性の高い上場企業を中心に、MiiTelファンとして販売して下さっています。自社でもMiiTelを売りたいと仰ってくださるユーザー企業さまが多くいらっしゃるので、今後この流れは拡大していくと思います。
――組織づくりで大切にしているのは、どんなことですか?
コーポレートバリューとして掲げている「HAPPY」の5つです。
H(Happiness):常に笑顔で
A(Accountability):人から信頼され
P(Passion):何事にも情熱的で
P(Professionalism):世の中への提供価値にこだわる
Y(Youthfulness) :柔軟で創造的な人
RevCommは、このような人の集まりです。
この5つを満たす仲間が集い、人間性は違っても「ミッション」の実現に向けて皆一丸となって日々仕事をしています。僕たちは全員「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る」という「ミッション」を実現すべく働いているOne of themに過ぎません。
そこに肩書きや社歴は関係ありません。それは僕も、CTOも、VPoEも同じです。肩書きはあくまでも責任の所在を示すもの。メンバーはどの役職者を呼ぶ時も「さん」で呼んでいます。
こういう時、ベクトルを人に向けてしまうと社内に政治が生まれ、経営者の器の大きさでしか組織は成長できなくなってしまいます。最先端のテクノロジーが目まぐるしいスピードで塗り替わり、世界中で社会、産業、ライフスタイルの変革が起きる現代では、経営者依存度の高い組織体制はリスクでしかありません。ベクトルを「ミッション」の実現に向けるということにフォーカスすると、無限に組織を大きくすることができると思っています。経営層の器を超えて、どんどん大きくなる組織にしていきたいですね。
――とはいえ、エンジニアや年上のメンバーのマネジメントに難しさを感じることはありませんか?
マネジメントなんてしていません。今は経営のパラダイムシフトが起こっている時期で、経営の在り方が「マネジメント」から「エンゲージメント」へと大きく転換しようとしている最中にあると思ってます。
今までは、トップダウンでKPI管理をし、いかにKGIを達成させるか、すなわちどうマネジメントするかが一般的な企業の経営スタイルでした。
しかしこれから重要なのは、組織ではなく個です。個が集まって、それが結果的に組織になっている。自分で自分を振り返るセルフコーチングを積極的に行い、自分で自分のモチベーションを上げる。そういう個人のエンゲージメントを高める組織づくりをしていきたいと思っています。
当社の場合、何度失敗しても何度でも挑戦してOkです。あとは、<誰が・何を・いつまでにやる>というOKRだけ決まっていて、それさえ達成すれば働き方は自由です。そういう、個のエンゲージメントで成り立つ組織をつくっています。
だから、就業時間も、就業場所もこだわりません。フルリモートワークOKですし、副業ももちろん可能です。事実、社員第一号であるVPoEの川田は、滋賀県在住です。RevCommに携わる仲間達が自分で仕組み創りをする面白さを感じて、そこで成長してまた次の挑戦をするというスパイラルをつくりたいと考えています。
SaaSからPaaSへ。音声解析プラットフォームへ進化したい
――MiiTelを導入した企業からはどのような評価をいただいていますか?
経営層からは、利益が上がって、コストが下がると評価いただいています。インサイドセールスやCSの現場からは、会話が全て定量的に可視化され営業トークが科学されるようになったことに加え、CRMからそのままワンクリックで電話出来たり、着信時に顧客情報が表示されるようになったので、生産性が上がったという声をいただいています。数字が上がるという定量的な側面に加え、最先端のAIテクノロジーを実際に現場で使えるワクワク感があるという定性的な側面でもご好評いただいているので、導入企業が熱狂的なMiiTelファンになってくださることが多いです。実際に既存のお客様からのご紹介は非常に多いです。
なかでも一番嬉しいのは、セルフコーチングにご活用いただいているというご意見です。営業トークを自ら振り返るセルフコーチングツールとして活用し、楽しみながら営業生産性を上げる好循環が生まれたという感想が一番嬉しいですし、遣り甲斐を感じますね。
現場で働くインサイドセールスの方々が知りたいこと、すなわち自分の話すスピード、沈黙回数、被りの回数などを可視化できたのも、ゼロから自社でAIエンジンやWebアプリケーションを創り上げたからこそです。今ではリクルートさん、エン・ジャパンさん、パーソルさん、ビズリーチさんなど人材系企業を中心に、多くのインサイドセールス・CSご担当者にご利用いただいています。
ちなみに僕自身もMiiTelを使って営業トークの質向上に繋げることに成功しています。自意識過剰なので営業力に自信はあったのですが(笑)、これまで自分の営業トークを定量的に振り返る機会なんてなかったんです。
なんとなく、早口だとか、話過ぎる傾向にあるという自覚はあったのですが、実際に数値で見せられると愕然としました。具体的には、Talk/Listen Ratio(話している時間と聞いている時間の比率)が80%:20%だったこと、話速が11文字/秒(お客様は4文字/秒)だったこと、被り(お客様が発言している際に被せて発言)が多いこと、の3つに驚愕しました。これは流石にマズイなと思って、お客様が話し終わって0.5秒あけてから話し始めようとか、もう少し相手のペースに合わせようということを少し意識しただけで、商談化率が一気に上がりました。
些細なことですが、こういう小さな改善をすることで大きな結果の違いが生まれるんだなと身をもって実感しましたし、我ながらMiiTelの可能性を確信することができました。
――今後の展望について教えてください。
まず、MiiTelは最初の打ち出し角を上げる為の入り口でしかありません。Vertical・Horizontal・Parallel・Geographicalそれぞれのレイヤーで経営戦略・戦術を描いているところです。少しだけお伝えすると、Verticalには「人間を電話営業から解放すること」、Horizontalには「経営判断AIを創出すること」、Parallelには「SaaSからPaaSに展開すること」、Geographicalには「グローバル市場、特に東南アジアへの展開を可及的速やかにすること」を考えています。いずれにせよ、中長期の考えにあまり固執せず、お客様の役に立つサービスを提供してお客様に寄り添いながら、どこにどのようなチャンスがあるのか、アンメットニーズ(潜在ニーズ)があるのかを探って経営戦略にアジャイルに反映させていきたいと考えています。
――SaaSからPaaSへというのがイメージし辛いのですが、どのようなイメージでしょうか?
「MiiTel、入ってる?」という世界観ですね。すなわち、マイクロソフトやインテルの様な「プラットフォーマーとしての水平戦略」です。さまざまなパソコンにWindows OSが入っているように、そしてさまざまなパソコンにIntelのマイクロプロセッサが搭載されているように、MiiTelの音声解析エンジンをSales Tech以外にも展開したいと思っています。例えば、HR Techに水平展開して面談・面接ツールにMiiTelのエンジンが入っている、という感じです。様々なサービスに我々の解析エンジンが搭載されている状況を創り上げたいです。音声解析エンジンのプラットフォーマーになるということですね。
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