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キャリアの可能性に気づいてほしい。国内初*、大学院生に特化した自己分析ツール「アカリク診断」開発の裏側

著者: 株式会社アカリク


知恵の流通の最適化をミッションに掲げ、大学院生をはじめとする技術者・研究者のキャリア支援を行う株式会社アカリクは、研究に取り組む大学院生のための自己分析ツール「アカリク診断」をリリースしました。リリースから半年でその利用者は10,000人を突破し、多くの大学院生の自己分析をサポートしています。

今回は「アカリク診断」の開発ストーリーと、代表山田の想いをお伝えします。


*2023年4月時点、大学院生に特化した自己分析ツールとして国内で初めてのサービス(当社調べ)

アカリク診断とは

アカリク診断:https://acaric.jp/cc/WvAOwSH4y5HYBu4sOALaPRc3rCfGZF


研究に取り組む大学院生に合わせた観点で強み・弱みの分析を行うことができ、属性の近い学生の中での自身の立ち位置確認の機能や、自己PRに役立つアドバイスがもらえる仕組みも備わっています。

■アカリク診断の活用シーン

1. 自己を客観視するためのツールとして

2. 研究に取り組む際のキャリアコンディションの確認として

3. 就職活動の際の自己分析とアピールポイントを理解するためのツールとして

4. 自身の強みを伸ばし、弱みを改善するためのキャリア支援ツールとして

大学院生向け就職支援事業としての課題


株式会社アカリクの代表取締役社長の山田と申します。

アカリクは、15年以上に渡る大学院生向け就職活動支援を通して、学生の専門性やスキルを活かす企業とのマッチングをサポートしています。


まずはその事業の中で感じている課題のうち、2点についてご紹介します。





【課題①:加速する博士離れと日本の研究力低下】

近年、日本の研究力低下が問題となっています。研究力を測る論文指標では国際的地位の低下が続いていて、その要因の一つは若手研究者の減少、いわゆる「博士離れ」です。


< 博士人材の重要性が認識されない→キャリアの選択肢が狭まる→産業界で能力を発揮できない→博士課程を目指す方が増えない >


という悪循環が問題の根本であると私たちは考えています。

【課題②:希少さゆえに理解できない、されない大学院生】

大学・大学院の学生数を見ると、9割以上が学部生で、大学院生は修士と博士をあわせてもわずか1割にも満たないレアな存在です。

その希少さから、企業の採用担当者は接点を持ちにくく、大学院生の強みやスキルを理解しきれていないという現状があります。これは大学院生自身も同様で、周囲に就活をしている同期が少なく、大学院生としてどんな点をアピールするべきか、周囲はどうアピールしているのかという情報が圧倒的に足りていません。

大学院での経験を通して様々なスキルを身につけているはずの大学院生たちが、自分の価値に気づいていないということにもったいなさを感じていました。


大学院生のキャリアの選択肢を広げ、将来の不安なく博士課程まで進学できる社会をつくるため、私たちは新たに大学院生のための自己分析ツール開発に着手しました。

まずはこのツールを通して自分にどんな強みがあるのかを理解してもらい、大学院生の皆さんに納得のいくキャリアを見つけてほしいという思いを込めています。

大学院生の就活の実態を知るための調査から着手

大学院生の生活や就活について、皆さんはご存じでしょうか。漠然と、「忙しそう」「研究ばっかりしていそう」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。

もちろんそのイメージは間違ってはいません。

アカリクの調査によって、大学院生が研究や授業などの学業に費やす時間は修士学生が週に25.8時間、博士学生が41.8時間ということがわかっています。※

大学院生は研究が生活のメインになっていて、博士課程へと進学すると更に学業にかける時間が長くなります。大学院生たちが日々研究に取り組むことで、国全体の研究力が底上げされていきます。私たちアカリクは、重要な研究人材である大学院生が、キャリアについて不安を感じずに研究に専念できる環境を作ることをサポートしたいと考えています。


※調査概要

 調査期間:2023年1月24日~2月6日

 対象:大学院生・理系学生に特化した就活サイト「アカリク」会員のうち、2024年新卒の理系学生576 名(内訳:博士在学中26.0%、修士在学中:69.3%、学部在学中4.7%)


就活にあまり時間を取れない大学院生にとって「効率よく短期間でマッチする企業に出会えること」が重要になります。大学院生はその数が少ないので、自分が持つスキルは何なのか、何がアピールポイントになるのかという点について周囲と話し合う機会が少なくなってしまいます。

自己分析ができていないまま何となく就活を始めてしまうと、自分に向いている職種や業界の見極めがしにくく、寄り道が多くなりがちです。

自己分析がしっかりできた状態で就活を始めることで、ブレずに最短ルートで内定獲得まで進めるだろうと考え、大学院生が自己分析を効率よくできるようなツールを目指しました。

法政大学キャリアデザイン学部教授 田中研之輔氏からの監修

自己分析ツールの開発にあたり、まずは専門家からの意見を取り入れるべく、法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔 氏に相談することにしました。田中教授はこれまでにいくつかの自己分析ツール開発に携わっておりましたが、大学院生に特化したツールの開発は初めてということで、お互い新しいことへの挑戦に向けて話が盛り上がったことを覚えています。

「大学院生のキャリアにおける不安を軽減し、自信を持ってキャリアに関する意思決定ができるようにサポートする」という共通認識を持ち、まずは田中教授の知見をお借りして質問項目を作成することから始めました。

アカリク診断ベータ版の3つの開発方針

開発の方針は、これらの3点でした。


1)ビジネスだけでなく、アカデミックな側面についての自己診断ができる

2)近い環境にある集団の中での比較ができる

3)実用性が高い診断結果


1)ビジネス面だけでなく、アカデミックなスキルを診断する

キャリア診断というと、ビジネススキルをメインにした診断になりがちです。大学院生の強みは、そうしたビジネススキルだけでなく、アカデミックな部分にも表れると考えています。

研究で得た力を活かし、今後どういうキャリアを歩んでいきたいのかという点まで診断できるよう、大学院生の能力を「アカデミックキャリア」「ビジネスキャリア」「ライフキャリア」の3カテゴリに分類することにしました。


アカデミックキャリア:研究を通じて得られる論理的思考力や研究を推進する力

ビジネスキャリア:物事をビジネス的視点で俯瞰する力

ライフキャリア:将来を見据え、仕事や研究だけでなく自分の人生をよりよくするための力


2)近い環境にある集団の中での比較ができる

大学院生と一口に言っても専攻や研究内容はバラバラです。研究室の仲間と比較しあう場面を再現できるよう、自分と近い専攻や在籍課程の学生の中で自分の立ち位置がわかるような仕組みを作りました。

近い環境にいる学生たちの平均値と自分の点数とを比較することで、自分の強み・弱みがより明確になります。


3)実用性が高い診断結果

どんなところに強みがあるかわかっても、それを言語化して他者に説明するのは難しいものです。そこで、診断でわかった強み・弱みについて「就活の場面ではこう説明するといい」という観点で診断結果を解説することにしました。

具体的にESで使えるアピールポイント例や伸びしろのあるスキルの伸ばし方についてのアドバイスがフィードバックされることで、「就活を始めてみよう」という気持ちの後押しになればと考えています。


サービス開発にあたっては、ユーザー目線であることを常に徹底していました。そのため開発チームに現役の博士学生に参加してもらい、全てのフェーズにおいて、ユーザー視点に基づいた開発を進めることができました。

2023年4月、正式リリース。1週間で1,000人以上のご利用をいただく

ベータ版からブラッシュアップを重ね、2023年4月13日にいよいよ正式リリースとなりました。

リリース1週間で想定の3倍以上である1,000人以上の方に利用いただけました。大学院生向けのニッチサービスであるにもかかわらず、こんなにも多くの方々にご利用いただけることから、やはり「自己分析ツール」が大学院生の皆さんから求められているのだと実感しています。

もともと既存ユーザー向けのサービスの想定でしたが、アカリク診断を受けてからメインサービスである就職情報サイト「アカリク」に新規登録してくださるケースも増えており、アカリク診断によって自身のキャリアを考えるきっかけを与えられたのであれば、開発したかいがあったと思います。

リリース後半年で利用者10,000人達成

「アカリク診断」の利用者数はリリース後半年で10,000人を突破しました。多くの皆様の自己分析をサポートできていることをうれしく思っています。

利用者である大学院生の方々からは、自分と同じ属性の人と回答の比較ができるため、自己理解の深まりや自身の強みの発見に役立ったなど、ありがたい声をいただいております。


■ご利用者の声

「インターンや選考を通じて自己分析ができればいいと思っていましたが、アカリク診断を受けてみたところ、自分が強みだと思っていたものが診断結果と重なる部分が多く、納得感がありました。改めて自分の強みとして認識できたので、今後も活かしていきたいです。」 (情報通信系/修士課程)


「キャリア診断を何度か受けたことがありましたが、アカリク診断は設問が大学院生向けに特化した内容なので、親和性があり回答しやすかったです。強みとして提示されたスキルは、内定先の社員の方にも共通しているように思えたので、自分の強みを活かせる企業であると再認識できました。」(生物系/博士課程)

今後のビジョン:より大学院生のキャリアに寄り添うツールとして機能開発を続けたい

アカリク診断の利用者が10,000人を突破したことで、ユーザーの方からお褒めの言葉をいただく機会が増えてきています。今は1対1のユーザーインタビューを実施し、実際に使ってみた感想や自分の認識との一致度などについてフィードバックをもらっています。大多数は好意的なご意見ではあるのですが、やはり一部不満の声も届いております。そういった声を受けて即座に改善を加えた部分もありますし、これからも利用者の方からのご指摘には積極的に耳を傾けていこうと思います。

今後はアカリク診断の結果と実際に進んだキャリアを結び付けた分析を行い、企業のレコメンド機能やより詳細なアドバイス機能を盛り込んでいきたいと計画しています。


大学院生の方がよりよいキャリアを歩めるようサポートし、将来のキャリアに不安を感じず研究に打ち込める社会を作れるよう、サービス提供を続けていきます。

アカリク診断について

アカリク診断は、研究に取り組む大学院生のための自己分析ツールです。

直感で60問の質問にご回答いただくだけで、環境適合力、計画遂行力、探究分析力などの能力を分析。「アカデミックキャリア」「ビジネスキャリア」「ライフキャリア」のカテゴリに分け、それぞれの能力を数値化いたします。

診断はこちらから:https://acaric.jp/cc/WvAOwSH4y5HYBu4sOALaPRc3rCfGZF

アカリクについて

アカリクは「知恵の流通の最適化」というコーポレートミッションのもと、大学院生や研究者の方々のキャリア支援を行っています。高度研究機関である大学院・その他研究機関において日々産み出される「知恵」を広く社会・産業界につなぐことで価値を創出し、「知恵の流通」の最適化に貢献していくことを目指しています。研究に関わる事業を多方面で展開することで、日本の研究レベルが上がり、大学院生のキャリア選択肢が増え、さらには研究者を目指す人が増えることで優秀な研究者が増え、世の中の企業活動が活発化し、ユニークなサービスがたくさん産み出されていく…そんな世界のプラットフォームになることを目指しています。


会社名:株式会社アカリク(https://acaric.co.jp/

創業 :2006年11月

代表者:代表取締役 山田諒

所在地:東京都渋谷区渋谷2-1-5 青山第一田中ビル2階

資本金:1億1500万円

事業 :大学院生・ポスドク向け就活情報サイト「アカリク」の運営、研究分野・業種・職種別イベントの企画開催、大学等でのキャリアセミナーの実施、新卒大学院生・若手研究者・大学院出身者の人材紹介、オンラインLaTeXエディター「Cloud LaTeX」の運営など。




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