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営業職社員向けWebアプリ「Genie」で、パーソルグループとしてのシナジー効果を最大化

著者: パーソルホールディングス株式会社

2023年パーソルホールディングス株式会社は『パーソルグループ中期経営計画2026』を策定し、2030年の「はたらいて、笑おう。」実現に向け、「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を経営の方向性に定めています。 


今回ご紹介するのは、パーソルグループの営業職社員が顧客とのタッチポイントを創出するために活用する、独自開発したWebアプリ「Genie(ジーニー)」。

導入の目的やミッション、活用を促進するための取り組み、そして今後期待される役割やビジョンとは…?


「Genie(ジーニー)」概要

パーソルグループ内で活用されている営業職社員専用のWebアプリ。かつて複数存在していた営業職社員向けの情報管理システムを一元化し、情報収集プロセスを効率化。さらに、グループ横断での営業活動活性化と情報共有のための「DC(Diverse Connect/ダイバース コネクト、以下DC)制度」の利用を促進し、グループ全体でのクロスセルアップに貢献している。


散在する営業管理システムをひとつにまとめ、営業職社員の生産性向上へ

ーGenieが導入される前に、パーソルグループの営業部門にはどのような課題があったのでしょうか?


2021年にGenieが導入される前、パーソルホールディングスはグループ各社に対して、法人マスタや名刺管理システムといった複数の営業管理システムを提供していました。


その結果、営業職社員は利用するシステムが複数にわたり、社内システムの各機能を熟知して使い分ける必要性があり、自分が欲しいと思った情報にすばやくアクセスできないという課題があったのです。


また、グループ各社はお互いに連携して、会社間の垣根を越えたクロスセルの機会をより拡大させていきたいという意向がありました。


このような課題を受け、営業職社員が積極的に使いたくなるような仕組みを整備することはもちろん、散在するシステムを整理し、グループ各社の連携を強化する仕組みを作る必要性を感じていました。


ー新たに開発されたGenieに期待される役割は、どのような部分でしょうか?


2023年5月に発表された中期経営計画を受け、グループ全体の営業活動促進という役割を担うパーソルホールディングス内の組織・グループ営業本部では、「顧客ニーズ起点の営業活動を促進させる」という目標を掲げました。これは、グループ各社の営業職社員が、顧客の課題やニーズを起点に営業活動を進められる仕組みをつくることで、グループ全体への業績貢献を高めていくことを意味します。


これをGenieに落とし込むと、営業職社員の業務効率化および生産性向上、そしてパーソルグループ全体のクロスセルの促進を期待されていると理解しています。


パーソルグループ全体でクロスセルを促進するため、Webアプリを自社開発

ーGenieは自社開発されたWebアプリと聞きました。どのようなポイントを軸に開発されているのでしょうか?


Genieは、営業職社員をターゲットにした、パソコンやスマートフォンから利用できるWebアプリです。

「はやい」「かしこい」「たのしい」をコンセプトに、営業関連業務を効率化したり、スマートな商談支援を実現する機能を開発するなど、営業職社員が使っていて楽しいWebアプリを目指しています。


▲実際のGenieの画面


ーそんなGenieの肝となる機能はどのようなものですか?


主な機能は、基本的な営業支援機能である企業情報検索機能や、名刺管理機能、グループ商材検索機能があり、これらがもっとも多く使われている機能です。また、Genieでは、「DC(Diverse Connect/ダイバース コネクト)制度」の活用を促進しており、この制度を支える機能もGenieの重要な機能の一つです。


DC制度とは、グループ会社の営業職社員同士が連携し、パーソルグループ全体でクロスセルを促進する取り組みです。所属会社では解決できないものの、グループ内の他企業で解決でき得る課題が浮上した際に、Genie上で必要情報を依頼フォームに記入、つまり「DC依頼」を行うことで、グループ内の他企業の担当営業へ簡単に連携できます。

とはいっても、グループ会社の業務は多岐にわたるため、営業職社員個人では適切なDC依頼先を判断できないケースがあります。そこで、パーソルホールディングス内に「DCセンター」を設置し、グループ会社の各担当者へ適切に案件を割り振りしています。


また、これまで散在していた複数のシステムの機能をGenieに集約したため、企業情報や名刺情報、企業のニュースリリースなどを素早く検索・閲覧できるようにもなっています。


営業・開発部門が共につくり、共に改良するGenie

ーでは、そんなGenieはどのような体制でつくられているのでしょうか?


Genieは、パーソルホールディングスが開発・提供を行っています。

グループ全体の営業力強化に取り組むグループ営業本部主導のもと、グループデジタル変革推進本部が開発を担っています。


ーGenieの機能改善や、アップデートはアジャイル的に進めているとお聞きしました。


はい。各グループ会社の営業職社員からは定期的にGenieに対する声を集め、月に一度は何らかの改善や、機能追加を行っています。また、グループ営業本部の皆さん、開発チーム、デザイナーが集まって、プロダクトに関する改善案出しを月に一度行っており、これらから上がってきた改善策をスピーディーに実装しています。


具体的な方法としては、アンケートやインタビューによる意見のヒアリング、加えて四半期に一度のペースでNPS(ネットプロモータースコア)の評価によってモニタリングを実施しています。営業職社員とのコミュニケーションにおいて、改善すべき点や「こんな機能があったらいいな」といったアイデアを直接もらう機会もあります。


2022年度は、100件近くにのぼる機能リリースを行いました。

たとえば、営業職社員が取引先企業の最新情報やニュースリリースを検索できる機能です。

主に私たちが行う法人向けの営業活動では、いざ提案を持っていく際には企業ごとにWebや新聞を通じた情報収集を徹底的に行います。この情報に素早くアクセスしたいという要望を受け、機能リリースに至りました。


ー営業部門と共に育てられたWebアプリなのですね。開発部門主導で新機能を追加することもあるのでしょうか?


もちろんあります。営業職社員が使うWebアプリですので、営業職社員ファーストであるべきなのは大前提ですが、開発チームには、ITのプロフェッショナルが在籍しています。そのため、営業職社員とは違った視点での機能追加や改善提案ができると考えています。


このような形で、パーソルホールディングスの開発チームと、グループ各社の営業職社員が日々協力しながら、Genieをより良いWebアプリに進化させています。


部門を越えた密なコミュニケーションと利用モチベーションを向上させる取り組み

ーGenieが導入されて2年ほどになりますが、営業職社員の方々の反応はいかがですか?


2023年7月時点でグループ会社の全営業職社員のうち、53%にGenieを活用してもらっています。営業職社員の総数が5,000人ほどであることを考えると、約2,600人がすでに使っているという計算です。


冒頭にお話しした通り、事業ごとにWebアプリや独自のシステムを使っているケースがあるため、Genie導入当初は一部で利用に積極的ではないグループ会社があったのも事実です。


ただ、機能性や活用方法を共有し、実際に活用し始めると、「Genieだけでさまざまな情報収集が完結するので便利」であったり、新たなニュースリリース検索機能を活用して「実際に受注した」という喜びの声も耳にしたりするようになりました。


また、Genieリリース後、DC制度から成約した案件は前年比110%にもなっており、グループ全体のクロスセルにも貢献できていると自負しています。


ーGenieをさらに活用してもらうためには、どのような点を工夫しているのでしょうか。


私が個人的に1番大切にしているのは、グループ営業本部や営業職社員と密にコミュニケーションを取ることです。

営業職社員が使うWebアプリなので、実際の声や意見をもらってより良いものにしていかなければなりません。そのためには良いディスカッションができるように、日頃から意見が言いやすい関係構築が大事です。


具体的な取り組みとしては、開発チームとグループ営業本部で、月に一度、アイデア出しミーティングを開催しています。さらにグループ企業の営業職社員に対しては、新機能リリース後のフォローも徹底しています。グループ営業本部によるGenie活用勉強会の開催や便利機能に関する記事の掲載、Genie活用法などに関するメルマガの配信がその一例です。


また、営業職社員がGenieを利用するモチベーションを維持してもらうための仕組みづくりにも力を入れています。

例えば、営業職社員のDC依頼数ランキングを表示するといった取り組みがその一つです。DC制度活用の心理的ハードルを下げ、グループの垣根を越えて事例を共有でき、良い影響が広がればという思いでつくった機能です。


ーさまざまな機能が搭載されているGenieは、ストレスなくサクサク使えることが求められる気がします。その辺りはどのような工夫をしているのでしょうか?


GenieのUIやUX周りは、デザイナーに入ってもらっています。より使いやすいユーザーインターフェースを構築するため、私たち開発チームやグループ営業本部、そしてデザイナーの皆さんが集まる場で議論を重ねてつくっています。


このように、システム観点・ユーザー観点・デザイナー観点で使いやすいデザインを創り上げることで、誰にとっても使いやすく、ストレスのないUIが実現できています。ユーザーの皆さんからも、とても使いやすいという声をたくさん頂戴しています。


パーソルグループ全体のテクノロジー活用に、営業部門から良い影響を

ー今後Genieにどのような機能を追加していきたいと考えられていますか?


実現したい機能が3つあります。


1つ目は、商材レコメンド機能です。

これは、Genieに掲載している顧客情報のページに、どのような商材があるか併記し、それぞれの受注確度をスコア化するものです。AIが算出した結果をGenie上に掲載することで、営業職社員の皆さんがより効率的にクロスセルやアップセルを生み出せる仕組みを提供したいと考えています。


2つ目は、生成AIを活用した情報収集機能です。

営業職社員が生成AIに質問すると、知りたかった内容をすぐに返してもらえたり、先ほどの商材レコメンド機能ともリンクさせ、受注確度の高さを教えてもらったり。クロスセルや日々の営業活動に必要な情報をすぐに得られる仕組みを構築したいと考えています。


最後に、既に運用している「コネクトポイント制度」のバージョンアップです。

「コネクトポイント制度」とは、DCに繋がる何らかの行動を行うと、それに応じたポイントが付与されるという制度です。現在、取引先の名刺をGenie上に登録するとポイントが手に入り、貯まったポイントが給与として振り込まれるようになっています。これも営業職社員にGenie活用のモチベーションを感じてもらうための取り組みの一つ。

2024年度以降は、これをバージョンアップさせ、ギフト券と交換することができるようにするなど、よりモチベーションに繋がるポイント制度を模索中です。


ー最後に、Genieの今後の展望を教えてください。


引き続き、営業部門との密なコミュニケーションや双方向のやり取りは重視したいと考えています。機能追加や細かなアップデートで、クロスセルが一気に跳ね上がることはありませんが、営業職社員に活用してもらうまでのロードマップを描き、フォローしていくのが大切ではないでしょうか。


数字でいうと、2023年度の売上目標は前年比110%を目指して、開発・営業部門が二人三脚でGenieを提供しています。


我々としては、Genieを営業職社員にどんどん活用してもらい、今よりももっと、営業部門からパーソルグループ全体を盛り上げていってほしいです。そうしていくことが、結果的にパーソルグループのグループビジョンである、「はたらいて、笑おう。」の実現につながるのではないかと考えています。


※2023年8月時点の情報です。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。




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