「酒売れないなぁ」からの脱却を目指す、「酒屋マーケティング×補助金」サポート。お酒業界に特化したコンサルティングファームの奮闘記
私たち、株式会社アンカーマンは、お酒業界に特化したコンサルティングファームとして、「伝統文化から日本を刺激する。」活動を行っています。
なかでも老舗日本酒蔵元をはじめとした「お酒メーカー」を対象に、設備導入や建屋改修、販売促進のため、補助金を採択に導く「補助金申請サポート」がメイン事業です。
このストーリーではアンカーマンの「酒屋マーケティング×補助金」サポートの誕生ストーリーについてお伝えします。
おいしいお酒を作るためには設備投資が必要。補助金申請のサポートで力になれないか
「もっとおいしいお酒を造りたい!」
蔵元さんの根底にあるお気持ちは、突き詰めると、この一言に集約されるのではないかと、私たちは思います。
例えばそのためには、さらに丁寧に温度管理を実施していくことがひとつの解にあたります。毎日環境の変動する仕込み下において可能な限りタンク内の温度を均質に保つこと、火入れの後には可能な限り急速冷蔵すること、貯蔵しているお酒を可能な限り冷蔵保管すること、など。
これらはもちろん日々、杜氏・蔵人の方々がご尽力されていることかと思いますが、さらに一段階上を目指そうと思う場合、クーリングロールを巻いていたホーロータンクをサーマルタンクに入れ替える、といったグレードの高い設備への入れ替えや、瓶詰場を冷房設備環境下にする、といった大型冷蔵庫の導入など、「製造工程」「製造環境」そのものの改革を計画されることも多々あります。そのような設備の入れ替えを伴う際には、まとまった額の資金調達が必要になります。
そこで「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」といった大型の補助金の活用を検討されるのですが、申請作業を言い表すと、とにかく「大変」の一言です。
(※お役立ちコラム:酒造業の資金調達方法とは?自己資金や補助金活用の比較、申請代行のメリット・デメリットを解説)
補助金をご自身で申請しようと思うと、締切前の1~2か月は、申請作業のためだけにデスクに張り付きになって、情報収集や書類作成、中でも事業計画書の執筆には、30~40時間もの時間を費やしてしまいます。
しかし、本来、補助金申請は「お酒をおいしくする」という目的を果たすための資金調達の手段にすぎません。
私たちは、「資金調達に、膨大な時間を費やしてほしくない! その無駄な時間、引き受けます!!」と、蔵元さんの縁の下の力持ちとして、間接的に「おいしいお酒造り」に携わり、お酒業界全体の成長に貢献すべく活動してきました。
そうして日々、地道な活動を続けていくなかで、近年では、蔵元さんと会話をすると「あぁ、アンカーマン。知ってるよ」とおっしゃっていただくことが増え、今や、補助金申請を検討される際、「アンカーマン」を思い浮かべていただくことも増えたと実感しています。
メーカーからの提案を受け、酒販店もサポート対象へ
今回、メーカーから酒販店へサポートの幅を広げるにあたっての経緯は、コロナ渦中に遡ります。
ある東北の日本酒蔵元さんより、このようなお声をいただきました。
「今、酒販店さんがコロナで元気をなくしていて。僕ら酒蔵だけでなく、酒販店さんも補助金は使えると思うんですが、使えるってこと、そもそも知らない酒販店さんが多いように思います。アンカーマンさんのほうで、酒販店さんのサポートもできませんか? やっぱり、酒販店さんには、元気になってもらいたいです。酒販店さんありきの、僕ら酒蔵なので」
この一言が大きな契機となり、私たちアンカーマンは造り手のみならず、お酒の「売り手」サイドを対象としたサポートを立ち上げることを決意しました。
お酒メーカーであれば、「もっとおいしいお酒を造るためには」「製造効率を上げるためには」といった視点で、大規模で高額な設備投資の需要が存在し、その点に補助金を活用したいというご要望が大半です。
しかし、扱うものは同じお酒ではありながらも、メーカーと販売会社では抱えている課題が異なります。
「酒販店さんにとっての経営課題は、なんだろう?」
そのような疑問を解決するところから、この「酒屋マーケティング×補助金」サポートは始まりました。
酒販事業者を取り巻く制度の変化で街の酒販店が元気をなくす
弊社メンバーは全員、大のお酒好きです。
採用時には必ず「お酒は好きですか?」と聞かれ、「はい!」と即答しなければ採用試験は通過できません。
そのような企業文化ですから、「単なる仕事」を超えたライフワークとして、私たちは日本酒や焼酎をはじめとした地酒をたしなむこと、地酒専門の酒屋さんを訪れることが数多くあります。
(株式会社アンカーマン 公式Instagram:https://www.instagram.com/anchorman_consulting/)
元気のない酒販店さんの店舗の様子や、店主の方との会話の中で感じる課題感は、何と言っても「お酒が売れない」こと。
それが、酒販店さんのおける至上命題であり、解決すべき最重要課題であると、私たちもその危機感をひしひしと感じています。
酒販事業者を取り巻く環境は、ここ30年で激変しています。
酒類販売において、1986年6月から酒類小売業免許の規制緩和が開始、2006年8月には緊急調整区域が撤廃され、すべての地域で原則自由化されました。かつて酒屋さんでしか買えなかったお酒が、全国どこでも買えるようになったのです。
並行して、時代の移り変わりとともに、価格の競争も厳しさを増していきます。「統制価格」といわれ、小売価格が国に護られていた時代は終わり、1980年代後半から、急速な円高を背景とした洋酒の並行輸入、ビールメーカーからのリベートを原資とした薄利多売、瓶ビールから缶ビールへの移行などを行う酒類量販店が急速に成長、1990年10月にはビールの希望小売価格制が崩壊、1994年4月からは総合スーパーによる価格引下げも見られるようになりました。
すると、賢い消費者は、より安く買える店を探して買うようになったのです。
国が飲み手に対し、「どこでも」「安く」買えるようにした結果、資本力や体力のある大手小売企業が優位に働くのはもはや必然でしょう。
1989年を岐路に、日本人が日常的にお酒を買うところは「近所の酒屋さん」ではなくなってしまいました。
さらには、年間酒類販売数量、成人1人あたり年間酒類販売数量ともに、すでに1990年代をピークに減少傾向にありました。少子高齢化や健康志向、「飲めるけど飲まない方がかっこいい」という思考のソバキュリアンなども相まって、飲酒人口は世界的に減少の一途をたどっています。
令和の今、酒類市場はパイを奪い合う激戦区に変わり果ててしまったのです。
かつて厳しい免許制と小売価格によって保護されてきた町の酒販店さんは、シェアの大幅減少を余儀なくさせられました。「酒だけじゃ儲からないからね」と見切りをつけ、コンビニチェーンのフランチャイズ傘下に入ったり、酒類以外の商品やサービスを拡充させたりする転業や兼業化で経営の安定を図りました。廃業という選択をした酒屋さんも少なくありません。
酒が飲めない、売れない。コロナ渦が追い討ちをかける
厳しい市況化でも、「うちは、地酒を売り続ける」「品揃えでは負けない」と地道に企業努力を重ねてきた酒販店さんを、コロナ禍が襲いました。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急事態宣言」「まん延防止措置」です。平成以前の販売規制は、小売に対する規制が主でしたが、今回は夜の街「居酒屋・飲食店」への「令和の禁酒令」ともいえる仕打ち。酒を「飲むな」「売るな」というのは、小売酒販のみならず、卸売酒販にも大打撃を与えてしまいました。
国の誤算は、短期間の「緊急事態宣言」では、感染者数が収束しなかったことです。 1回目の緊急事態宣言が2020年4月7日に発令された後、2022年3月21日までの間、複数回に渡り断続的に発令されました。全体の期間はなんと、約2年もの長期に及びました。給付金や支援金はあったといえども、そのような長い期間、主軸事業からの売上が見込めないのではたまったものではありません。
コロナ禍において、飲食店の倒産・廃業は、述べ3,131件(2020年:840件、2021年:1,769件、2022年:522件)にも及びます。古くからの取引先をなくしてしまった酒販店さんも数多くいらっしゃることでしょう。
加えて、コロナ禍は酒類製造現場にも暗い影を落とします。
大手ガラス瓶メーカーの工場閉鎖に伴う一升瓶不足です。コロナ禍で飲食店需要が減少、家飲みの個人消費では四合瓶の方が回転がよかったために、一升瓶が冷蔵庫からなかなか出ていきません。瓶不足で出荷待ちの反面、売れないから冷蔵庫が空かずに仕入れられず、在庫は滞留していきます。やっと空いた冷蔵庫に四合瓶を入れると、今度は売上金額が落ちてしまいます。悩ましい悪循環です。
「酒が、売れない」
「コロナがあけても、売上が回復しない。めどすら立たない」
「これから、どうしたらいいんだろう」
元気をなくしている酒販店さんからは、そのような深刻な雰囲気を切に感じます。
広告を打ったり、SNSの配信に力を入れたり、新しい飲食店に営業をかけたり......現状を打破するための新しい販促施策やプロジェクトを始めるには「ヒト・モノ・カネ」=先立つものが必要です。
すでに社長の手は日々の経営でいっぱいです。売上が下がっている中で、「回収できなかったら」と思うと、誰かに任せたり、思い切った先行投資をしたりするのは、とても勇気がいることでしょう。
そんな時、アンカーマンがいます!
私たちを頼ってください!
酒販店に情報を発信するためにSNS投稿やキャンペーンを実施
しかし、想いはあれど、その想いを伝える手段が足りない、と私たちは気づきました。酒販店さんと私たちをつなぐ接点が、まだまだ、まだまだ少ない。それが、私たちサイドの大きな課題でした。
私たちのメインのクライアントは、蔵元のみなさんです。酒造業界は地域や同世代のつながりが非常に強く、組合の会合で定期的に顔を合わせたり、地域イベントを合同開催されているなど、情報も人づてに得られています。
「今年、補助金やった?」「もの補助をアンカーマンに依頼したの?」「アンカーマンってどう?」などなど、です。
しかし、酒販店さんは、直接取引をしている酒販さんや懇意にしているメーカーとの活動はありながらも、酒販店さん同士での横のつながりは、酒販免許の講習会くらいなのではないかと感じます。卸・小売の業界では、隣の販売店さんはいわばライバル、そのような方と気軽に交流する機会がないのは、仕方ない事なのかもしれません。ですが、検索すればなんでも調べることができるこの令和のご時世に、酒販店さんに情報格差が起き、取り残されてしまっているのではないか?と。
そこで、広く酒販店さんに情報を届けるべく、私たちは酒販店さんが興味を持たれそうな内容を「お役立ちコラム」の記事として、日々、公式ホームページに掲載をしてきました。
酒販店さんを対象とした無料モニターキャンペーン(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000012832.html)も企画したところ、厳しい市況化においても、現状を打破しようという、まさに「Challenge First.」精神あふれる酒販店さんがご応募くださいました。キッチンカーを導入して、移動販売を始めたいとのことでした。その新しい事業を「チャレンジで、可能にする。」ために、綿密なヒアリングを重ね、最適な補助金の選定からスタートしました。国税庁の「フロンティア補助金」で申請をサポートし、無事、採択をいただきました。
何から手をつけていいかわからない酒販店のために、マーケティング提案と補助金申請のサポートをセットで提供
ですが、ご紹介した酒販店さんのように、「じゃあ次はこれだ!」というアイディアを浮かぶ酒販店さんの方が、珍しいのではないかと思います。「何をしたら売れるようになるのかわからなくて困っている」「補助金という制度は知っているけれど、どうやって使ったらよいのかわからない」という酒販店さんの方が、おそらく多数派でしょう。
そのような方に向けて、「お酒市場で今起きていること」といったお酒を取り巻く環境や、「販売促進の方法」「WEBマーケティング」などの業界内外の成功事例などのシェア売れ行きに関するご相談などから、アンカーマンではサポートしています。
よく聞くお悩みのひとつが、「WEBでの販促、やってますよ。HPもECサイトも作りましたし、Instagramも公式LINEも始めました。......投稿はがんばってるんですが、売上が戻るのにはまだまだ時間がかかりそうですね」というものです。
一生懸命やっているのに、なかなか売上につながらない。定期的に「投稿」「更新」をしているだけで、実は、本当の意味での「運用」まで実施できていないであろうケースが多く見られます。コンテンツは作って終わりではなく、成果を出してこそ。それぞれのコンテンツに「役割」や「目的」を持たせ、顧客とのコミュニケーションを取ること、閲覧者の動向を追うこと=「運用」をしていく必要があります。
アンカーマンでは酒販店さんに伴走し、それらのコンテンツへの「役割」や「目的」の設定や、顧客を店舗やECサイトまでたどり着けるようにする「顧客導線」を、一緒に考えています。そして、売上のV字回復や、販促について会話を重ねていく中で、例えば広告費用が必要になった際、例えば店舗の改修や老朽化した冷蔵庫の入替えを決めた際、活用できる補助金とセットでご案内をしています。補助金は、数万円の給付金などと異なり、まとまった額の事業費とすることができ、融資と異なり、返還の必要もないので、活用すべきところでは有効活用することをお勧めしています。
「新しい事業×経営への負担を最小限にする資金調達」そのセットのご提案が、アンカーマンの「酒屋マーケティング×補助金」サポートです。
お酒業界に特化したコンサルティングファームだからこその知見・知識に基づいたサポートを実施
これまで、アンカーマンでは、蔵元さんに特化して200社以上のサポート実績があります。
だからこそ逆に、酒販店さんとの初回打ち合わせでは「アンカーマンさんは酒蔵の方に特化されていると。うちは酒販店、卸のほうなのですが、サポートは大丈夫なのでしょうか?」などのご質問をいただくことがあります。
菰樽文化などの伝統、特約店制度などといった独特の商習慣、地酒の地元消費傾向など、蔵元さんを日々サポートするなかで得たお酒業界への知見・知識は日本全国どのメガコンサル会社よも深く、実情に即したものであると自負しています。そこに裏打ちされた自信が、私たちが「伝統文化から日本を刺激する。」と豪語する根拠であり、プライドです。
そのためには、目の前の課題解決は当然のこと、個々の酒屋さんに対する的確な現状分析に基づいた中長期的な視野でのマーケティング戦略のご提案、かつ戦略遂行のための補助金による必要資金のケアまで含めた、120%の対応で応え、私たちアンカーマンをお酒業界の一員として欠かせない企業であると思っていただけるようなレベルのサポートを目指していくことが必然であると思っています。
造り手・売り手が本業に専念するためのサポートを通じて、お酒業界を活性化させていきたい
日本のお酒業界を元気にするためには、造り手に、もっと「おいしいお酒・いいお酒」を造りつづけていただくこと、売り手にはどんどん飲み手へ広めていただくこと、そして、私たちのようなお酒業界特化のコンサルティングファームとしては、造り手・飲み手の双方が、それぞれの造る・売るという「本業」に専念できる環境を作り、「おいしいお酒・いいお酒」がもっと世の中に知られ、流通が活性化するようなサポートができることが理想です。
「酒販店さんが、元気をなくしている」
蔵元さんの何気ない一言がきっかけで始まったこの「酒屋マーケティング×補助金」サポートは、「アンカーマンとして酒屋さんのために、何ができるのか」を真剣に考え、形づくっていった結果のアウトプットです。これからも株式会社アンカーマンは「どのようにすれば、このお店は今よりもよくなるのか」「将来どのようにしていくべきか」を酒販店さんと一緒に考え、お酒類業界と、そこにまつわる伝統文化をリスペクトしながらも、守るのみならず刺激し、「おいしいお酒・いいお酒」をもっと楽しめる日本にしていくために、頑張ります!
【「酒屋マーケティング×補助金」サポートに関するお問い合わせ先】
会社名:株式会社アンカーマン
所在地:〒100ー0005
東京都千代田区丸の内1丁目8ー3丸の内トラストタワー本館20階
代表者:和田直人
URL:https://anchorman-inc.tokyo/
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