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育児負担が「2倍、3倍」。双子や三つ子などの「多胎育児」を支援する一般社団法人tatamamaの設立理由と、私たちが目指す未来について

著者: 一般社団法人tatamama


一般社団法人tatamama(タタママ)は、「多胎育児をよりHappyなものにして、社会全体で子育てに取り組む未来を目指す」という理念のもと、双子や三つ子などの「多胎育児」を支援しています。


このストーリーでは、tatamama代表理事の牛島智絵から、多胎世帯を支援する背景や活動内容、今後の展望についてお伝えします。

育児負担は2倍3倍だが、支援は不足。実体験からわかった課題とは


多胎世帯支援を始めたきっかけは、私の実体験にあります。


私は、2歳の双子を育てる多胎児ママ(通称:タタママ)です。子宝に恵まれたのは本当に幸せなことです。しかし、双子を育てるなかで、主に3つの課題があることがわかりました。


1.多胎妊娠や出産、育児に関する情報および行政支援が見つけにくい

2.養育費や外出時に注意するべきリスクなどが2倍3倍になる

3.社会的・心理的な孤立により虐待リスクが高まる


上記に加え、出産時の健康リスクも単胎出産に比べて高い傾向にあります。2021年の人口動態統計では、37週未満の早産の割合が51.9%と非常に高く、低出生体重児となりやすいため、医学的観点からも母子ともに健康への負担が大きいと言えます。


私は、これらの課題に直面したとき「多胎育児の支援サービスが身近にあれば、体や心に余裕が生まれて育児がもっと楽しくなるのに」と痛感し、多胎世帯支援をすると決意しました

多胎育児支援を通じて、誰もが生きやすい社会を実現したい


tatamamaは、2023年7月21日、私の住む福岡を拠点として設立しました。


tatamamaのミッションは「多胎児ママにやさしい街は、すべての人が暮らしやすい街」です。tatamamaは多胎児ママにやさしい街づくりを通じて、子どもや高齢者、障がい者など、すべての人にやさしい街づくりに取り組んでいきます。


現代の日本は、子育ての課題を世帯ごとに解決しなければならない社会です。


プライバシーやハラスメントに対する配慮の高まりもあるため、多くの人が、困っている人を見かけても「自分には無関係」「他の誰かが助けるだろう」と一歩引いてしまうのも無理はありません。


また、その空気を感じた多胎児ママ側も「助けてほしい」と声を上げにくく、結果的に多胎世帯の課題は世帯内で解決するしかない状況になっています。


しかし目の前に困っている人がいたら、たった一言「大丈夫ですか、何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてあげられる。これが当たり前になれば、多胎児ママだけではなく、誰にとってもやさしい社会になるのではないでしょうか。


さらに多胎児ママたちにも「助けて」と自ら手を伸ばさないことには、誰にも掴んでもらえないことを伝え、悩みや困りごとを一人で抱え込まないように意識を変えていきたいです。

妊娠期から家庭保育終了まで、多胎児ママを包括的に支援する


tatamamaは、多胎児ママの妊娠期から家庭保育を終えるまでを包括的にサポートするべく、支援体制を構築しています。具体的な支援内容は、私や理事メンバーの多胎育児経験をもとに、以下の3つに決定しました。


1.公式LINEでの情報発信やプレパパママ教室で安心感を醸成

2.tatamamaネウボラで人手不足を解消

3.tatamama交流会や専門家相談会で居場所づくりや悩みの解決


まず、多胎児ママの妊娠期は深刻な情報不足に陥ります。私自身、出産前に必要な手続きや多胎児出産に対応可能な病院はどこか、双子や三つ子の育児はどれくらいのお金がかかるのかなど、わからないことばかりが増えて不安な日々を過ごしました。


そこでtatamamaの公式LINEでは、無料で多胎妊娠の判明時から3歳までの多胎育児に必要な情報を発信しています。


また一人でも多くの妊婦の方にtatamama公式LINEの存在を知ってもらうため、母子手帳交付時にtatamamaについて案内をしてもらうべく、行政への働きかけも進めています。


2023年9月21日に開かれた福岡県議会の一般質問では、大田京子議員から服部誠太郎知事に対して、tatamama設立に触れたうえで、多胎育児の重要性についての認識を質問していただきました。服部知事からは「多胎育児支援は大変重要だと考えている」と回答していただき、tatamamaとしても行政との連携を加速していきたいと考えています。


次に多胎児ママに提供していきたいのが、tatamamaネウボラです。ネウボラとはフィンランドで実施されている育児支援策で、妊娠期から就学前までの子どもやその家族をサポートする取り組みのことです。


tatamamaでは拠点を置く福岡県の出張託児やベビーシッター事業者と連携することで、人手不足になりがちな妊娠期から産後の多胎児ママと、その家族を支援していきます。


そして、tatamamaは多胎児ママが安心できる居場所をつくるため、多胎児ママどうしの交流会を定期的に開催します。私は多胎育児をするなかで、自信が持てずに自分を責めてしまったり、多胎児ママの苦労を話せる人が身近にいなかったりしたことで、どんどん孤独感が募っていきました。


そんな経験から多胎児ママどうしが共感し合える居場所をつくることで、多胎児ママに「悩んでいるのは自分だけじゃない。自分だけが大変なわけじゃないんだ」と自信を持って子育てに向き合ってもらいたいと考えています。


このように、まずは妊娠期から家庭保育終了までをトータルサポートするための基盤を形成。その基盤を拡充し、多胎児ママを包括的に支援できる体制を構築していきます。

関係機関との連携を強化し、福岡を多胎育児のモデルシティに


今後の展望としては、第2弾のプレスリリースでも発表したとおり、企業や病院、行政機関、支援団体などとの連携を強化し、福岡県を多胎育児のロールモデルシティにするために活動してまいります。これは長い道のりとなるため、持続可能な活動体制の構築が必要です。


そこでtatamamaは、10月6日に、(一社)日本多胎支援協会による指導のもと「tatamamaピアサポーター研修会」を実施しました。ピアサポートとは、同じ経験がある仲間どうしの支え合いです。多胎育児支援においては、育児を終えた多胎児ママが育児中の多胎児ママに寄り添い、心身ともにサポートしていくことを意味します。


今後、独自の「tatamamaピアサポート研修」をつくり、先輩ママによる支援を循環させていくことで、地域に密着した多胎育児支援を、持続可能な取り組みにしていきます。


私自身、2歳の双子を育てる多胎児ママです。ここまで活動できたのも、日頃から支援してくださる方々や企業、行政機関、メディアのみなさまのおかげです。支援者のみなさまには感謝してもしきれないため、今後一人でも多くの多胎児ママを支援することを通じて社会に還元していきます。


ぜひtatamamaの活動に興味を持ってくださる企業や自治体、メディアのみなさまにおかれましては、連携させていただきたく存じますので、以下よりお気軽にお問い合わせください。何卒よろしくお願いいたします。


メール:tatamama.fukuoka@gmail.com

担当者:代表理事 牛島​​智絵

公式サイト:現在準備中です。メールでのお問い合わせをお願いいたします。






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