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人の数だけ、物語がある

動物用医薬品メーカーが挑む、畜産プラットフォーム「チクタグ」開発ストーリー

著者: 日本全薬工業株式会社


2024年3月、日本全薬工業株式会社(以下、ゼノアック)は全国の畜産生産者から畜産品が購入できるオンラインストア「チクタグ」をリリースした。取り扱うのは生産者のストーリーを感じられる和牛・国産F1牛、銘柄豚、乳製品など。長く動物用医薬品の開発・製造・輸入・販売を行ってきたゼノアックは、なぜ、これまでとは全く異なる事業をスタートさせたのか。プロジェクトの中心人物である畑中 孝亮、松﨑 慶孝、小川 雅史の3人に聞いた。

畜産業界とタッグを組み、消費者に畜産品を届けるオンラインストア「チクタグ」とは

2024年3月25日にサービスを開始した「チクタグ」は、消費者が直接、生産者から畜産品を購入できるオンラインストアだ。ユーザーとして想定しているのは個人および飲食店経営者など。サイトには厳選された全国の畜産生産者の商品が掲載されており、注文して食べることができる。


ーよくあるECサイトと何が違うのか?

「チクタグ」の開発目的は、「畜産生産者と消費者の距離を近づけること」。プロジェクトのリーダーである畑中氏は、「『どのような環境、飼料で牛や豚を育てているか』はもちろん、商品の生産方法やこだわりなど、より深く生産者や畜産品のことを知ってもらえる情報を紹介しています」と、他のサイトとの違いについて説明する。


「『チクタグ』というサービス名には、『畜産生産者とタッグを組む』という意味が込められています。掲載されている情報はすべて、生産現場に足を運んで得たもの。消費者の皆さんには生産者さんや畜産業のことをより深く知って、本当に食べたいものを選んでほしいですね」(畑中)


その言葉どおり、サイトには「生産者から探す」というメニューもあり、お気に入りの生産者と出会える工夫がなされている。また、「動物用医薬品事業において畜産生産者さんとの深いつながりがあるゼノアックだからこそ、他にはないクオリティの商品、高い技術を持つ生産者さんから提供される商品ラインナップが実現できている」とも語る。


「業界の魅力をもっと発信していきたい」という思いから、新規事業プロジェクトが始まった

ーなぜ、動物用医薬品の開発・製造・輸入・販売を行うゼノアックが、新規事業「チクタグ」をスタートさせたのか?

近年では持続的な成長を目的として、新規事業創出に力を入れる企業も少なくない。ただこの「チクタグ」はゼノアックの本業とは大きく異なる種類の事業だ。なぜ、今、ゼノアックがこれを手掛けたのか。その疑問に、経営企画部の小川氏は、「ゼノアックは長年、動物用医薬品を通して生産者さんと直接つながり、共に成長してきました。だからこそ、『畜産業界のために何かしたい』という気持ちを強く持っています。一方、企業として持続的に成長していくために、新たな挑戦をしなくてはならないとも考えていました。こうした思いが重なり、『チクタグ』の事業化に踏み切りました」と答える。


またプロジェクトのマネージャーを担う松﨑氏は、「ゼノアックが以前から運営している、日本の畜産を応援するWEBマガジン『どっこいしょニッポン』もその考えのもとで生まれた活動だ」と説明。つまり、これらの活動を布石として、畜産生産者と消費者の新たな接点を作る「チクタグ」が誕生したのだ。


生産者の持つ販路拡大の悩みを解決し、それぞれのオリジナリティを出していけるプラットフォームに

ー「チクタグ」は、畜産生産者・畜産業界のどのような課題を解決できるのか?

【畜産生産者が抱えている課題】

①決まった販路の中では、生産品にオリジナリティを出しにくい。

②個人の力で、新たな販路を開拓することが難しい。

③ECサイトのやり方がわからない。手間と人手がかかるので踏み切れない。


これらを解決するために「チクタグというプラットフォームを作った」と畑中氏は語る。個人での販路開拓や、生産品の特徴・生産者の思いを届けるべく、「チクタグ」は丁寧な取材で生産者のストーリーまで伝えることに重点をおいている。


また、「生産者の負担にならない仕組みになっている」と松﨑氏は言う。例えば、出品する生産者は「商品を揃える」「取材を受ける」の2つを担えば、「チクタグ」への情報掲載は完了。注文が入ったら「商品の出荷用意」と「伝票の発行」をすれば、自動的に配送業者が集荷・発送し、入金も管理できる仕組みだ。


「ECサイト利用のハードルになりがちな受注管理や決済・入金管理は『チクタグ』がシステム内でしっかりと管理しているので安心してほしいですね。常に生産者に寄り添ってきたゼノアックだからこそ、生産者さんの仕事ぶりは知っています。毎日パソコンをチェックするのは難しいことを理解したうえで、受注通知などもスマートフォンで手軽に確認できるようにしました」(松﨑)



【畜産業界が抱えている課題】

①畜産業と消費者の距離が遠く、業界の魅力が伝わりづらい。

②生産者の高齢化が進み、深刻化する担い手不足。


目指すのは、「畜産生産者と消費者の距離が近くなること」だと松﨑氏。また、畑中氏も「消費者の皆さんが畜産生産者さんに愛着を持っていただけるような世界を作っていきたい」と続け、その先に、畜産生産者、および畜産業界の活性化があるのだと語った。


「『チクタグ』を通して畜産について深く知り、興味を持ってもらう。その中で『この生産方法をしているものを選ぼう』という新しいモノサシが消費者の中に生まれる。その結果、日本の畜産物のすばらしさがもっともっと周知されていけばうれしいですね」(畑中)


「チクタグ」から、畜産業界を元気に。新たな挑戦で、業界の明るい未来に貢献したい

ー「チクタグ」は今後どうなっていくのか?

今後「チクタグ」は「さらに便利で魅力的なECサイト」になることを目指す。生産者の負担減を目的とした仕組みのアップデートや掲載商品と生産者の増加、また、食育・畜産体験の提供数もさらに増やしていきたいと、畑中氏は言う。加えて中長期的には「商品のブランド化」や「魅力的な商品づくり」へのサポートも視野に入れていると松﨑氏も続ける。


「ゼノアックは生産者さんと直接つながっている企業。深く生産品の魅力を知っているからこそ、こうした支援も行うことができるはずです。「チクタグ」によって販路を増やすだけでなく、商品の価値を見出し、生産者さんと一緒に魅力的な商品に育てていけるような仕組み、体制づくりを今後は行っていきたいですね」(松﨑)


「消費者の皆さんが畜産生産者さんに愛着を持っていただけるような世界を作っていきたい。まずはECサイト『チクタグ』がスタートしますが、この活動は『チクタグプロジェクト』として、今後もどんどん広がっていく予定です。このプロジェクトによって畜産生産者さんが元気になり、日本の畜産業界が盛り上がる未来づくりに貢献できれば、こんなにうれしいことはありません」(畑中)

ー「チクタグ」を利用してくださる方へ、3人からのメッセージ


「EC販売をやってみたいけど人手が足りない」「どうやっていいか分からない」「挑戦したことはあるが上手くいかなかった」という課題を抱えていらっしゃる生産者の方。「チクタグ」はそんな悩みを持つ方々の力になっていきたいと考えています。ぜひ一緒にタッグを組んで皆さんの畜産品の魅力を広く伝えていきましょう。


また、消費者の皆さんには、ここでぜひお気に入りの生産者、畜産品探しをしてほしいと考えています。掲載されている商品はすべて、私たちが自信を持っておすすめできるもの。味わいつつ、どんな人が生産しているのか、どんな方法で生産されたものなのかにも興味を持っていただければ、それが生産者の力になります。ぜひ一度「チクタグ」を覗いてみてください。


チクタグ公式サイト

チクタグプレスリリース


※開発ストーリーについて詳しく知りたい方は公式サイト対談ページをご覧ください。



(登場人物プロフィール)


事業開発本部 新規事業開発推進室

エキスパート

畑中 孝亮 <チクタグプロジェクト リーダー>

飲食業を経て、起業。事業の立ち上げを手掛けた後、別企業にて販売促進やマーケティングの経験を積み、2023年に入社。新規事業開発推進室にて、チクタグプロジェクトのリーダーとして企画構築、実行を担う。


事業開発本部 新規事業開発推進室

チーフエキスパート

松﨑 慶孝 <チクタグプロジェクト マネージャー>

広告代理店にてデジタルマーケティングに携わった後、別企業にて企業プロモーションや販売促進の経験を積み、2023年入社。チクタグプロジェクトを含め、部署が推進する各新規事業のマネジメントを担う。


経営企画部

シニアコーポレートブランドマネージャー

小川 雅史

2001年入社、商品開発、営業に携わった後、事業開発部にて各種新規事業の推進を手掛け、チクタグプロジェクトの立ち上げに携わる。2022年から経営企画部にてコーポレートブランディングを担当。



■ゼノアックについて

ゼノアックは、日本で唯一の研究/開発/製造/販売/物流をワンストップで行う、動物用医薬品国内シェアNo.1の動物医薬品メーカー。研究開発から製造・仕入・輸出入・販売までを一貫して行っている。対象とする事業領域は、産業動物(牛・豚・鶏)とコンパニオンアニマル(犬・猫)で、豊富な知識と経験をもつ営業員がお客様と直接コミュニケーションを取りながら、お客様の抱える課題を解決するために最適な製品やサービスをご提供している。創業から77年間、「動物の価値を高めつながるすべての人の幸福に貢献する」という企業理念のもと、世界情勢によらず、動物や動物に関わる全ての人々の幸せのために安定生産に努めている。


■企業情報

・会社名 : 日本全薬工業株式会社(ゼノアック)

・所在地 : 福島県郡山市安積町笹川字平ノ上1番地の1

・設立 : 1946年5月

・代表者 : 代表取締役社長 福井寿一

・事業内容 : 動物用医薬品及び医療機器等の研究開発・製造・輸出入・販売、バイオ原薬受託製造

・販売先 : 小動物病院、家畜診療所、畜産関係団体、畜産農家・畜産企業、小動物病院販売代理店、海外販売代理店


公式サイト : https://www.zenoaq.com/




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