シニアマネージャーの新たな挑戦。「つながる古着」プロジェクトで過疎地域を変える
愛媛県西南部に位置する、穏やかな海に面した宇和島市。人口減少による過疎化が進むこの地で、ネットイヤーグループと一般社団法人ソーシャルデザイン・ラボ(※1)は自治体等と協力し、廃校となった小学校を利活用して地域創生の拠点とする「廃校モールプロジェクト」を推進しています。
2023年12月4日、その柱の一つとなる古着リユース事業「つながる古着」の実証実験がスタートしました。UXデザインやデジタルマーケティング領域を牽引するのはシニアマネージャーの麻生京子。プロジェクトマネジメントや組織運営の豊富な経験を生かし、社会課題を解決する事業創出という未知なる領域に挑んでいます。50代の今だからこそ見出せたニーズ、そして解決策とは?全力で挑戦を楽しむ、彼女のパワーの源に迫ります。
「社会インパクト事業部」の創設で社内に新しい風が
2011年の入社以来、プロジェクトマネージャーや営業、子会社の取締役、事業部長などを務め、組織運営やサービス開発、人材育成など常に未来を見据えながら仕事をしてきました。そして2022年4月、大幅な組織変更に伴い「社会インパクト事業部」が誕生。多様な社会課題を事業として解決することをミッションとして2023年4月に事業部内の副部長として異動しました。事業部長と二人三脚で試行錯誤しながら、新たな市場を形成する取り組みに邁進しています。
その第一弾が、愛媛県宇和島市の廃校モールプロジェクトです。
全国の市町村の半数以上が総務省によって過疎地域に指定されるなど、国内では過疎が深刻な課題となっています。宇和島市も例外ではありません。しかしながら、日本全体の人口減少が続く中、現地の人口を増やすことは容易ではありません。そこで、廃校モールプロジェクトで大切に考えているのは、地域とつながる関係人口の増加。そして、地域に住む高齢者の方々の生き生きとした暮らしを後押しすることです。
私もですが、廃校モールプロジェクトは、プロボノ(職業上のスキルや経験を生かして取り組む社会貢献活動)として社員がプロジェクトに携わります。これも社内初の試みです。取り組みに共感・賛同してくれる人を社内で募ると、嬉しいことに、希望者がどんどん増えています。本業に追われながら、合間をぬって参加したいと手を挙げてくれるのです。
若手からベテランまで幅広い年代の社員が参加してくれています。これまで地域創生に関わる機会がなかった社員が、自らの関心事になり、地域の課題に向き合い、活動できる環境が整いつつあります。新しい風が吹いていることを感じます。
UX視点で考え抜いた「つながる古着」のコンセプト
廃校モールプロジェクトで実施する取り組みの一つが「つながる古着」です。古着を郵送する袋(回収キット)をECサイトで購入し、古着を詰めて廃校モールに送ると、現地で雇用されたシニアの方々を中心に仕分けや再販、リメイクなどを行う仕組みです。回収キットや古着などの購入者には廃校モール内で利用できるブロックチェーンベースの地域ポイントを発行し、価値を循環させていきます。
地域ポイントは、回収キットや古着などの購入に利用できるだけでなく、地域ポイントを地域の方に応援の意味も含めてプレゼントすることが可能です。地域ポイントをもらった地域の方が、それを使って廃校モール内のネイルアートやメイク教室などの非日常な体験を楽しむ。きっと明るく元気な気持ちになれると思うのです。そんなワクワクした体験や雇用創出を通じて、ひとつでも多くのコミュニティを作れるといいなと思い、いろいろなアイデアを考案しています。
とはいえ最初は、何をどう組み立てていけばいいのか手探りの状態でした。そのときに生きたのがUX視点です。私自身を一人のユーザーと捉え、「共感して回収キットを買ってくれるのはどんな人だろうか?自分は買うだろうか?」と整理していきました。
思い返せば、これまでの私は、社会問題が気になりながらも寄付や募金などの行動に踏み出せずにいました。40代、50代と年齢を重ねるにつれ、次世代のために何か役立ちたいとの思いが募る一方で、ここに寄付して大丈夫だろうか、必要な人に届くだろうかと、不安が拭えなかったのです。そうしたモヤモヤを抱えている人はいるのではないか。無理なく、気軽に、安心して寄付や募金ができる支援先が身近にあれば、私も行動に踏み出せるのではないかと思い至りました。
「つながる古着」では、古着を送った後の廃校モールの生き生きとした様子を動画や写真などで発信します。「あなたの支援が、こうした笑顔につながっていますよ!」と伝えることで、また古着を送ろう、私もやってみよう、宇和島の人たちに会いに行ってみよう、と共感や交流の輪が広がっていくといいなと思い描いています。
恐れずに一歩踏み出せば、次の扉が見えてくる
クライアントから委託された業務ではなく、地域創成に貢献するデジタルマーケティング領域にとどまらない事業領域を創り出す。このプロジェクトは、私にとっても会社にとっても、これまでにない大きなチャレンジです。
挑戦するにはパワーがいるし、大きなストレスがかかるのも事実です。何から手をつければいいのか迷ったり、解決方法すら見出せなかったりすることもあります。それでも私は、新しいことに挑戦し続けたい。大変さ以上に新鮮さがあるからです。そして、苦労の先にしかないやりがいを得られるからです。
私は、一歩踏み出すときはあまり考えずに走り出します。そして懸命に走りつづけていると、「次の扉」が開かれ、新たな自分の役割が見えてきます。その経験を、プロジェクトのメンバーたちにも体験してほしい。そして、挑戦を恐れず、「次の扉」を見つけられる人材に成長してほしいと願っています。問題が生じたら、みんなで考えて解決していけばいい。チャレンジを応援してくれるネットイヤーグループの後押しも大きな支えになっています。
「つながる古着」を全国に広げ、笑顔の循環を増やしたい
今後の目標は、まず、「つながる古着」を軌道に乗せて、地域の方々、古着を送ってくれる方々、共感してくれる方々の大きなつながりをつくっていくことが第一です。社会貢献を重視する価値観をもつ多くのZ世代には、講演で呼びかけるなど幅広い層にむけて、丁寧に共感者を増やしていきたいと考えています。
そして、宇和島市を起点に、他の地域にも廃校モールを増やしたい。拠点が増えれば、地域ポイントが使える範囲も広がって、エリア間の交流やつながりも増えていきます。そこからどんな次の扉が開いていくのか、今からワクワクしているんです。
大人の自分が、未来のために何かしなければと思いつつアクションができていない。
そんなモヤモヤを抱えている皆さん、国内の社会課題の解決に向けて、一緒に活動しませんか?
ぜひ「つながる古着」を利用してみてください。回収キットを購入し、不要になった衣類を送るだけで支援になります。宇和島の人たちのその後の様子を楽しみにしていただけたらとても嬉しいです。
「つながる古着」プロモーションサイト <https://haikou-mall.com/lp/furugi/>
「つながる古着」オンラインショップ <https://www.slow-retailing.com/>
※1 一般社団法人ソーシャルデザイン・ラボ
非営利組織と社会起業家を支援する中間支援団体として、営利企業等の事業課題解決における実践的な要請に社会貢献の観点で応えるとともに、社会起業家に対して、ソーシャルビジネスの経営基盤強化や事業創出に関する支援を実施。 https://sdl.or.jp/
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