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製造業の人材不足&設備の老朽化時代に挑む! 中小工場に設備保全を届けるスタートアップ「保全ラボ」の 設備保全運用ツール「セツカン」開発ストーリー

著者: 株式会社保全ラボ


株式会社保全ラボは、工場の生産設備を壊れないようにする設備保全を専業とするスタートアップ企業です。設備保全に関する相談、導入支援、保全技術の研修などのサービスの開発と提供を行っています。


設備保全の業務には、予防保全と事後保全があります。多くの工場では事後保全が中心になっていることが多いようです。もちろん、経済合理性の結果として事後保全を採用することもありますが、事後保全の業務時間が多いために予防保全のための日常点検やトラブルの恒久対策ができないという状況が続くことは望ましくありません。


弊社は2023年7月に新しいプロダクト「セツカン」をリリースしました。この「セツカン」は、設備保全の専門人材がいなくとも設備保全を完遂させるツールです。

今回は、弊社の事業内容と起業のきっかけ、「セツカン」の誕生ストーリーをインタビュー形式で紹介します。設備保全の業務に不安のある工場様や「セツカン」のモニター工場にご協力いただける工場様からのご連絡をお待ちしています。


■事業概要

Q.社名の「保全ラボ」は可愛らしい印象がありますね。具体的にどのような事業をされているのでしょうか?

工場の設備保全の専門事業として、「相談」「導入・運用」「知る学ぶ」など設備保全に関連するサービスを提供しています。設備保全は、生産の安定化や設備寿命の延伸、保全費用の削減などを目的として行われます。

弊社は、これらの効果を専門人材のいない中小工場でも享受でき、日本の製造業の競争力に貢献していきたいと思っています。

Q.設備保全の専業企業は、初めて聞きましたが、よくある事業なのでしょうか?

そうですね。設備保全の業務に関するサービスを提供する企業は多いですが、弊社のように、設備保全業務の計画・設計を主な対象領域にしている企業はほぼ無いと思います。


起業動機

Q. 製造業の中でも、珍しい事業領域なのですね。そのようなニッチな領域で「保全ラボ」を起業されたのか、起業動機を教えてください。

代表である私、清岡は、大手化学メーカーで設備管理部員として15年、勤務してきました。その中で、取引先の中小工場を訪問した際、私のような設備管理部員がいない工場があることを初めて知りました。

そのとき、設備保全の有用性を知る私としては、中小工場にも設備保全ができるようになると日本の製造業はもっとよくなると思いました。また、これは個人的な趣味でもありますが、設備保全が十分に実施されていない工場を、設備保全により生産性や経営を改善したいという思いもありました。

■新サービス「セツカン」の紹介

Q. 今回、開発された「セツカン」は一言でいうと、どんなサービスなのでしょうか?

設備保全の知識のある専門人材がいなくとも、工場の設備保全の業務を完遂できるツールです。

Q.設備保全の業務では、すでに保全システムがあると思いますが、「セツカン」と保全システムの違いはどこにあるのでしょうか?

端的にいうと、ターゲット(使用者)が違います。保全システムは設備保全の専門知識のある専門人材が使用することを想定されています。一方で、弊社の「セツカン」は設備保全の専門知識のない人、例えば、製造と設備保全を兼任されている方を想定しています。


Q.「設備保全の専門知識がなくても設備保全の業務ができる」というのは、どういうことでしょうか?ちょっと、イメージがしにくいので、もう少し具体的に教えてください。

はい。「セツカン」では、工場の方には行動履歴を記録と弊社が提案する保全プランを実施していただきます。その行動履歴を弊社に共有いただき、専門知識の必要な業務は弊社がリモートで実施します。

具体的な専門知識が必要な業務としては、管理指数や目標値の設計、保全プランの設計です。そのため、工場は、設備保全の専門人材を雇用することなく、あるいは人員を増員することなく、設備保全の業務が完遂できるようになります。

Q.それは人材不足が問題となっている製造業にとって画期的なサービスですね!しかし、製造業の中では、これまでの慣習にない形でのサービス提供だという印象があります。なぜ、開発しようと思ったのですか?きっかけとなる出来事を教えてください。

はい。実は、「セツカン」の前に、弊社は「バーチャル保全パーソン」というサービスを開発しました。これは、工場の方に気軽に設備保全の知識を活用してもらうことを目的とした定額相談サービスだったのですが、まったく売れませんでした。


そんなとき、あるクライアント工場に出会いました。その工場さんは数百人規模で24時間稼働の工場にも関わらず、設備保全の専門人材がおらず、専門知識のない方が担当者として業務にあたっていました。


この現状をみて、このような工場の担当者が弊社の定額相談サービス「バーチャル保全パーソン」を利用しても、工場の担当者は弊社からの指示やアドバイスに基づいて保全活動を実施しきれない、と感じました。

また、その工場では設備保全の業務時間のほとんどが事後保全に使われており、トラブルの恒久対策を検討する時間が十分に取れない状況にありました。

その他のサービスとして、弊社は設備保全の導入支援を設備台数に応じた料金で提供していました。私が経験してきた化学メーカーで実施していた本格的な設備保全を導入するためにはどうしても費用は高額で、期間は半年以上かかってしまいます。もともと設備保全は、即効性の高い業務ではなく、工場が設備保全によるメリットを得るためには導入決定から数年はかかります。

そのため、「現場に専門人材がいなくても設備保全業務を完遂できること」と「迅速に設備保全が導入できること」の2つの要素を満たすプロダクトが必要だと思ったことが開発のきっかけです。


開発時の苦労話

Q.「セツカン」のプロダクト開発でどのような点に苦労がありましたか?

そうですね。私自身が設備保全部員だったということもあり、どうしても設備保全人材がいない工場で設備保全業務を完遂させる、というイメージが持てなかったことです。

求められている要件は理解できても、それを解決する方法が思いつかず、苦労しました。

Q.ブレイクスルーできたのは、なぜですか?

それは、弊社の設備保全の経験がないメンバーがいたからです。そのメンバーは、非鉄金属メーカーでデータサイエンティスト、外資系コンサルティングファームで最新技術の適応戦略を経験しています。そのため、私には気がつかなかった、クライアント工場に向けた「あるべき設備保全」を現実的に導入できるアイデアをくれたのです。そのアイデアを元に、クライアント工場の負荷を最小限にし、最大の効果を得られるには、どのようなサービスが必要なのかを考えました。


■おすすめの工場

Q.「セツカン」は、どのような工場に向いているのでしょうか?

生産設備がある、すべての工場さんにおすすめできます。特におすすめなのは、中小規模で、設備保全の専門人材を抱えるほどの業務量がない工場です。

また、規模が大きくても設備保全の計画・設計や、恒久対策を十分にできていない工場や、設備保全の実績値を経営判断に活かせる数値や情報にできていない工場にもおすすめです。

保全プランが自社できちんと作成できる工場さんには、「セツカン」より、定額相談サービス「バーチャル保全パーソン」をセカンドオピニオン的に活用していただき、業務の効率化を図っていただきたいです。技術伝承のサポートや残業時間の削減に効果が期待できます。

Q.ずばり「セツカン」のライバルは?

そうですね。「カイゼン」です。カタカナ4文字のところも似ています(笑)

「カイゼン」は、日本の製造業を支えてきた非常に有用な思想であり、ツールだと思います。しかし、これからの製造業には設備保全が必要だと思っています。日本は多くの工場で、設備の老朽化時代に突入します。その時に適切な設備保全を実施することは、設備寿命の延命、スクラップや廃液などの環境負荷の低減に効果的です。

さらに、設備保全を実施することで設備情報が整理されます。これは、IoT・DX化においても有用なことだと、保全ラボは考えています。

■最後に一言

Q.最後に、この記事を読んでいる読者に言いたいことはありますか?

設備保全は直接的に売上に貢献する業務ではありません。しかし、適切に実行することで生産性の安定化やSDGsへの貢献など多くの効果を得ることができます。

設備保全の導入を検討されている工場様には、モニター工場として3ヶ月間無料での「セツカン」サービスを提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください!





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