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創業60周年。感謝と挑戦を胸に、すべてはお客様のために。新たなステージへ② お客様との関係づくりの先に目指す、ハウスメーカーとして果たすべき責務

著者: パナソニック ホームズ株式会社

パナソニック ホームズでは、創業から現在に至るまで「すべてはお客様のために」という想いからぶれることなく、住まいに関わる様々な事業に取り組んできました。60周年を経て未来へ向かう当社が、ハウスメーカーとしての責務をどのように果たしていこうとしているのか、2人のトップが目指す未来について語ります。

「すべてはお客様のために」編全2回のうち2回目、そして創業60周年の連載を締めくくる最終回は、社長の井上 二郎が、2019年5月の就任以来掲げてきた「CS(Customer Satisfaction) No.1」に込めた想いと、これから目指す姿を語ります。併せて「CS No.1」に向けたCS本部の取り組みをご紹介します。

【インタビュー】

パナソニック ホームズ株式会社

代表取締役社長 井上 二郎

創業者が大切にした原点に立ち戻り、未来への足場を固める

―2019年6月に社長に就任した際、まず「CS No.1」というスローガンを打ち出しました。そこに込めた想いについて聞かせてください。

井上: 創業者の松下幸之助は、事業で最も大切にしなければならないことの一つ目に「事業が、本当に世の中のため、人のためになっているか」を挙げています。もちろん、社員一人ひとりの心の中にその想いはあるわけですが、私が社長に就任した当時は、ともすれば目先の売上、利益に固執しすぎるところがあったように思います。そこからもう一度正しい姿に戻そう、創業者の志をきちんと継いでいこうとの想いから「CS No.1」を旗印として掲げました。


―従業員の意識が変わり、数字として成果が出るまでには時間を要します。それでもかまわない、と。

井上: 創業者が会長だった当時、ある新入社員が「1代でここまでの会社を作り上げた会長が事業に臨むにあたって心に留めてきたことを教えてください」と質問をしたところ、即座に「3つある。ただ、この順番を間違えたらあかん」と言われたそうです。そして「1番は、事業が世のため、人のためになっているかということ。2番目は、その事業をするにあたって従業員の皆さんがいきいきとしているかということ。3番目が、儲かりまっかということ」と答えたそうです。「CS No.1」を掲げることによって、従業員の皆さんがお客様から喜びの声をいただくことでやる気が高まったとすれば、少々時間がかかったとしても結果はおのずと後からついてきます。会社をしっかり継続させていくために、これが進むべき道なのではないかと考えました。

井上 二郎


―そして、CS No.1を達成するためには「連携」の重要性についても説かれました。これはなぜでしょうか。

井上: 私がパナソニック ホームズに入社したとき、それぞれの職能で素晴らしく優秀な従業員が揃っている印象を持ちましたが、会社全体として見たときに決して強い会社になれていないと感じました。組織間の壁を取り払い、つながることができれば、とても強い会社になると感じ、「連携」を進めていきました。

組織間の横の連携だけでなく、組織内の縦の連携、すなわちマネージャー、リーダーが部下に対して心配りをすることも併せてお願いしています。この両方の連携を強めることで、さらにお客様に対して良いお役立ちができ、新しいビジネスも生まれてくると思っています。


―パナソニック ホームズは2023年創業60周年を迎えました。ハウスメーカーが果たすべき責務は何だと考えますか。

井上: まずは、パナソニック ホームズの住宅を建てていただいた35万人のオーナー様を守り続けることです。また、グループ6千名ほどの従業員はもちろんのこと、材料、部材を供給してくださるサプライヤー、工場で働く請負事業者、部材を現場に届ける運送会社、建設現場で働く方々がおられて初めて一軒の家が出来上がります。そうした方々を含め数万人の生活を守っていかなければなりません。そう考えるとパナソニック ホームズは絶対に存在し続けなければならない。これが我々ハウスメーカーとしての最大の責務だと考えています。

そして、創業来、さまざまな困難を乗り越えてきた先人たちにも、同様の思いがあったのだと思います。この60年間を支えていただいた先輩の方々に対して深く感謝を申し上げるとともにその想いを受け継ぎ、会社をさらに発展させていきたいと考えています。


―60周年から先を見据え、どのような会社でありたいと考えていますか。

井上: これまではお客様のニーズをいかに叶えていくかという意味での「CS No.1」に取り組んできましたが、これからはお客様が言葉にされない想いまでをくみ取って提案していき、「CS No.1」の質をさらに高めていかなければならないと考えます。例えばハード面では、パナソニック ホームズが強みを持つ「耐震性」や「空気質」の追求をさらに高めていくこと、ソフト面では、街づくりにおける地方創生につながるタウンマネジメントなどが考えられます。

そのためには、一人ひとりの従業員が、自分とは異なる立場、会社、業種の人と話をすることで、自身の知識・見識だけでなく、人間としての幅を広げていく必要があります。お客様の想いを深くくみ取ることができ、一人ひとりが経営者の目線で仕事に当たれる人材を育てていきたいと思います。


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お客様の感動満足に向け行動品質を変える

社長の井上が掲げた「CS No.1」の旗印を受け、新たに発足したのがCS(Customer Satisfaction)本部です。「CS No.1」をどのように現場に落とし込み、それを実現していこうとしているのでしょうか。CS本部としての具体的な取り組みについて、品質・環境部、CR推進課の事例を紹介します。

部門間連携を型とバトンで落とし込む

同本部では、お客様アンケートに基づく総合的な満足度を評価してきました。パナソニック ホームズの取締役でCS本部長を担う藤井 孝はお客様の満足度向上を実現するために欠かせないことは社長の井上も言及した「連携」だと言います。「お客様の住まいづくりは当社の営業、設計、建設がチームとなって進めていくわけですが、お客様の住まいに対するお考え、それに応える提案がチーム内に浸透していないと、お客様の満足される住まいづくりにはなりません。そのために型(標準化)とバトン(連携)によるチーム活動を強化し、しっかりと次工程にお客様の考えや提案が流れていく仕組みを整えてきました」と語ります。

藤井 孝

独立性を持たせて品質検査を行う

品質・環境部では、従来、企画設計段階から工場での生産を経て施工現場への供給に至るまでの品質の評価を行ってきました。2019年に社長の井上が「CS No.1」を掲げて以降、施工後に完成した住宅の品質検査についても同部で担い、それまで各支社に所属していた検査員を品質・環境部の所属としました。品質・環境部 部長の小林 浩一は、「第三者の立場で客観的に検査を行うことを主眼に置きました」とその狙いを語ります。


完成後検査は、お客様に約束した契約内容通りの構造、性能を満たし、さらには法令等に遵守しているかを詳細に検査します。検査は現場ごとにばらつきが出ないよう会社が定めた研修を受講し、認定された検査員が実施します。オーナー様への引き渡しの際には、100%検査基準に合格した建物を引き渡します。


また、2021年からは、検査対象を建物だけでなく外構部にも広げました。「オーナー様にとっては建物と外構が揃って初めて家と捉えておられることから、検査対象に含め、お客様の感動満足の実現に向けて取り組んでいます」と小林は語ります。

小林 浩一


品質・環境部では経営企画室とともに全社で取り組んでいるカーボンニュートラル推進委員会の推進事務局を務めています。「当社が製造段階で起因する温室効果ガスをいかに削減していくかというスコープ1、2レベルにとどまらず、供給した住宅の生活段階での温室効果ガス排出量までを削減していくことが求められています」と小林は言います。そこで、供給する住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス=生活で消費するエネルギーよりも生み出すエネルギーが上回る住宅)化に取り組むとともに、「すでに建てた住宅に対しても環境性能を上げていくためのエコリフォームも進めていきます」


また、地域貢献活動の推進も重要なミッションです。「家はそれぞれの地域の気候風土に合わせてつくられるものであり、そのためにはその地域のことを知らなければなりません。また、家を建てる際にはその地域の景観といかになじませるかも問われます。地域貢献活動を通して地域を知ることが地域との共生にもつながり、SDGsにも寄与できると考えています」

プラットフォームでオーナー様とのつながりを強化

このようにして品質を満たした住宅がお客様に引き渡された後、オーナー様となったお客様との関係づくりを担うのがCR(カスタマーリレーション)推進課です。「オーナー様へ生涯にわたり途切れない提案型サポートの提供」をミッションに掲げる同課では、パナソニック ホームズの35万人のオーナー様に対し、多様な接点を通してつながり続け、お役立ちできる仕組みを構築しています。


そうしたサービスの一つが、お客様とつながり続けるためのコミュニケーション基盤となる「クラブWEB」です。サービスの一例として災害時の対応では、台風や地震などの災害発生前には注意喚起メールを、発生後には安否確認メールをそれぞれ配信します。被害に遭われたオーナー様についてはWEB上で被害状況を示す写真を送っていただくことで迅速な復旧対応を可能にしています。


35万人のオーナー様に対し「クラブWEB」にご加入いただいているのは3分の1ほどです。「ここ2年間の新築オーナー様の加入率は95%に達しています。60周年のカレンダー企画や『Homes Song Project』への参加を呼び掛ける場としても活用しており、お客様に情報がより届きやすくなっていることを実感しています」と課長の大塚 治一は手応えを感じています。

大塚 治一


「あんしん倶楽部」(有料会員制度)は、住まいを建てた後の「いざというとき」に備える、オーナーサポート制度。住宅災害時のお見舞金、ご出産時のお祝金などの特典があります。実際に災害見舞金を受けとられたオーナー様からは「スピーディな対応で修理費用に充てることができました」といった喜びの声が届いています。この「あんしん倶楽部」についても現在は新築で95%のオーナー様にご加入をいただいています。


「生涯にわたるお付き合いを」との思いから展開しているサービスが「シニアライフサポート」です。超高齢社会を迎え、住まいに関することだけでなく幅広いテーマについて相談を受け付け、問題解決まで導いています。相談内容の内訳は「相続」が6割強を占め、「住まい・リフォーム」「お金」の順に続きます。2023年からは「シニアライフサポートセミナー」と銘打ち、全国の支社を拠点でオーナー様との対面によるセミナー、個別相談も実施し、多くのご参加をいただいています。


また、オーナー様からのあらゆる悩み事や不安などの相談をワンストップで受け付ける「総合コンタクトセンター」も設けています。沖縄にあるセンターに加え、金沢センターが2024年1月に開所。また、当社が属するプライム ライフ テクノロジーズ(PLT)グループの連携として、傘下のトヨタホーム、ミサワホームが持つ北海道のセンター業務について夜間業務はパナソニック ホームズの沖縄センターが担うほか、2024年には共通のFAQを作成、活用する計画で、着実に連携も進んでいます。


大塚は「今後もサービスコンテンツの改善を図りながら、オーナー様とのリレーションをより強固にして、快適で安心な暮らしを支えていきたいと考えています」と語ります。

60周年のその先に目指す姿

CS本部が今後、目指す姿は何なのかという問いに藤井はこう答えます。「当社が定めた基準を100%満たすのは、いわば当たり前品質であり、そこからさらに上を目指すには、お客様の感動満足を実現するしかないと考えています。感動満足をお届けするには、お客様が望む暮らしや夢を感じ取り、琴線に触れる提案ができるということ。そのために、社員一人ひとりの感度を上げることによって行動品質を変えていきます。CS No.1を目指すためのあくなき挑戦にゴールはありません」と藤井は熱く語ります。



本社応接室に掲げられている創業者松下幸之助がしたためた「日本の家」色紙。描かれた山と川の絵には、日本人のくらし、日本の自然・風土に合った快適にくらせる住まいをつくっていかなければいけないとの想いが込められています。


▶パナソニック ホームズの住宅オーナー様ページはこちら

▶『Homes Song Project』について

当社が1973年(昭和48年)からTVCMに起用している楽曲「家をつくるなら」を、オーナー様から募集した「理想の暮らし」への想いについてエッセンスを取り入れながら、作詞家 松山 猛氏の監修により現代風にアレンジ。今後も歌い継がれる共創の楽曲として完成させました。同歌を、歌手の持田香織さんと当社住宅のオーナー様が合唱した動画を公開中です。

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▶関連記事:

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◎パナソニック ホームズ株式会社について

パナソニック ホームズ 創業60周年特設サイト:https://homes.panasonic.com/60th/

商品ページ:https://homes.panasonic.com/

企業情報ページ:https://homes.panasonic.com/company/

公式X(旧Twitter):https://twitter.com/panasonic_homes




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