一人のナースがコロナ禍の今、ベンチャー企業で「保険外看護事業」を立ち上げる訳
2020年7月1日に保険外看護のサービスを開始した『YOUR NURSE(ユアナース)』。看護師のサポートの元、必要な医療行為を受けながら通常保険適用外となってしまう結婚式の参列や家族旅行、通院の付き添い、移動介助などを実現する事業です。
コロナ禍において、なぜ一人のナースがベンチャー企業でサービス立ち上げに至ったのか、ナースでありながらYOUR NURSEブランドマネージャーとなった渡邊に話を聞きました。
ー今までの経歴を簡単に教えていただけますか?
看護師を志し大学病院の付属の看護学校に行きまして、卒業後は大学病院の分院に就職をしました。配属希望は内科か外科しか選べなかったので、何となく響きが格好いい外科を希望しました。(笑)消化器外科に配属され3年間働いたのですが、何か他のこともやってみたい、おもしろいことやってみたいと思って、病棟を辞め鹿児島県の与論島で離島ナースに3ヶ月間行きました。離島ナースは何もかも新鮮でしたね。交通手段がなく病院に来れない人の往診にも行ったりもしました。3ヶ月の期間が終わった後は、やはり外科で働きたいなと思い、民間病院の糖尿病に特化した外科病棟などで働きました。
そんな中、出産というライフイベントを経験し、今までのようにがっつり働くスタイルをワークライフバランスを重視した働き方に変えたいと思い、家族と育児を分担しながら、保育園の病児保育で派遣社員として勤務しました。子供の保育園が決まった後は精神科の病院に入職し、緩和ケア、認知症ケアを学び、管理業務も経験しました。
また精神科看護師にも自信をもって急変時の対応ができるようになってほしいと思い、一時救命処置の講師もしました。プロの看護師さんに救命の面白さを伝えるのは、すごくやりがいがありましたね。
今は月一に頻度を減らし勤務を続けつつ、YOUR NURSEでの仕事をメインに二足のわらじで働いています。
ーナースとベンチャー企業ってあまりイメージが結びつかないですが、ナースの渡邊さんが、なぜ事業立ち上げをしようと思ったのでしょうか?
施設勤務を続ける中で様々な患者さんと接し、看護師としての私の最終目標って何だろうと考えるようになりました。
・余命幾ばくもない中、大好きだった旅行を諦め、いつかの旅行のためにと貯めていた旅行券を下さった患者さん
・桜を見るために車椅子で外にお連れしたときに、涙を流して喜んでくださった患者さんとそのご家族
・ご自宅に帰りたくて、非常階段から飛び降りてしまった認知症の患者さん
悲しい現場も経験する中で、今後の看護人生どうしていったらいいだろうかと。
そんな中、ふと見たテレビで結婚式に付き添う看護師の特集を見て、「これだ!」と思いました。どうしたら出来るのだろうかと調べていくとそれは「保険外のサービス」だったんですね。
画面の中で、患者さんも、看護師さんも、ご家族の方も、全員生き生きしていたのが強く印象に残っています。
ーそれにしても、いきなり自分で事業を行うって怖くなかったのでしょうか?
自分の中でやりたいことが固まっていたので、自分で立ち上げた方が近道だと思ったんです。30代でまだ年齢的にもやれる!と思って。
大きな声では言えませんが、看護師という資格を武器に、最初はいざとなったら戻る先はいくらでもあると思っていたのも事実です。(笑) でも、周りを巻き込んでやる以上、やり出したらやるしかない!と今は腹をくくって邁進しています。看護師として現場の感覚を保っておきたいので、今も月一の病院勤務は続けていますが、起きている時間の99%はYOUR NURSEに費やしているような感覚です。
ーナースが企業で働き始めて、何かギャップはありましたか?
ギャップはめちゃくちゃありました。病院を離れたら、看護師は何もできないんだなって思い知らされました。
自分も意識していなかったのですが、いつの間にか病院が自分の「ホーム」になっていて、安心できる「ホーム」だからこそ力を発揮できていたんだと思います。病院から一歩外に出るとたちまち「アウェイ」になってしまって。
病院でなら何の迷いもなく流暢に話せるのに、会社の中ではうまく説明ができない、想いを伝えられない、みたいなことが多々ありました。他にも、電話対応、コピーの取り方、PCでの資料作成など、とても基本的なところだと思うんですけど、小さな一つ一つにとても時間がかかってしまって、苦戦の連続でした。
ーYOUR NURSEのサービスが7月から開始となりました。コロナ禍にサービス開始が重なり不安はありませんでしたか?
周りからは大丈夫?とよく心配されます(笑)
でも私としては、サービスを開始してからコロナが来るのではなく、スタート時の今でよかったと思っています。今起きていることは、YOUR NURSEとして行く行くは必ず準備しないといけなかったことだと思っていて、開始と同時に対策をやってしまった方がロスも少なく、柔軟に体制も変更できるのでよかったと感じています。
逆風だとは思わなかったです。
ー逆に追い風吹いていると感じる瞬間はありますか?
短期的に見れば、集客という観点においては外出自粛が推奨されている以上追い風とは言い難いです。しかし、中長期的に見れば、「自分にとって誰が大事な人なのか」、「大切な人に会いたい」、「大切な人とどこに行きたい」ということを考えさせられるよい機会になったと思っています。コロナ感染の心配がなくなった暁には、その叶えたいことを実行に移すタイミングがきっと来ます。そのサポートができるのは、YOUR NURSEだという自負があります。
また、YOUR NURSEの登録看護師さんたちには、派遣ではなくフリーランスの形態でお仕事をしていただくのですが、看護師さんの働き方が問題提起されるいい機会になったとも思います。病院で勤務することが当たり前だった看護師さんの働き方を、フリーランスという形態を取ることによって、より柔軟に、より自由に、働きやすくしていけたらいいなと思っています。
ー渡邊さんの今後の目標を教えてください。
「保険外看護」という選択肢を世に広めることです。
YOUR NURSEはそれを叶えるプラットフォームだと思っていて、病院ではルール上叶えられない患者さんの一つ一つの願いを保険外看護によってサポートしていけたらと思っています。
個人的には、利用者さんからも、看護師さんからも、「看護師に聞くならこの人に聞こう」と思ってもらえるような信頼できる看護師になりたいです。病院で長く過ごしてもらうというよりは、住み慣れた地域で医療サポートを受けながら暮らしてもらえるよう、かかりつけの看護師さんのような存在になれたらと思っています。
YOUR NURSEに対して人一倍熱い想いを持ち、ベンチャー企業という新しい環境で奮闘するナース渡邊の挑戦はまだ始まったばかりです。『YOUR NURSE』を通して、利用者様、ご家族様、登録看護師様、皆様の笑顔に繋がるサービスの提供を目指します。
YOUR NURSE公式サイトはこちら:
YOUR NURSEお客様窓口:
電話:050-1744-3755(平日10:00~18:00/土日祝休み)
メール:info@yournurse.jp
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