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発売20周年のインテリア×ゴミ箱「クード」シリーズ。効率重視のものづくりへの疑問から、ユーザー目線を追求した誕生秘話。

著者: 岩谷マテリアル株式会社

岩谷マテリアル株式会社は、「世の中に必要なものこそ栄える」というイワタニグループの理念を胸に、お客様の住まいと暮らしに必要となる日用品を取り扱っています。デザインに特化したインテリア雑貨ブランド「I’m D(アイムディー)」はバスルームアクセサリーやミニマルなチェア、ゴミ箱など、樹脂の新たな可能性を感じさせるアイテムを展開中。中でもロングセラー商品である初代ゴミ箱「kcud(クード)スリムペダル#30」は、従来のものづくり経験を一旦リセットし、逆転発想から開発したアイテムです。この度、ブランド設立20周年を記念し新しいゴミ箱を発売しました。


このストーリーでは、初代ゴミ箱の開発ストーリーと新商品の魅力をお伝えします。

2023年インテリアライフスタイルショーでの様子


【生活に身近なゴミ箱に、デザイン性を求めて開発された「kcud(クード)スリムペダル#30」】

岩谷マテリアルが手掛けるインテリア雑貨ブランド「I’m D(アイムディー)」は、ゴミ箱を中心にバスチェア・収納グッズなどの製造・販売を行っています。モノが溢れている時代において、「デザインとは何か」、絶えず問いながら開発に特化してきました。


「I am Design」「Iwatani Materials Design Project」

の意味合いを兼ねたブランド名


そもそもゴミ箱という存在が世間から注目されたのは1963年頃、1回目の東京オリンピックを迎えるにあたり「東京の街をきれいに」という触れ込みで登場しました。その後住宅の進化とともにゴミ箱も変化を遂げ、1990年以降は家庭内ゴミ分別用としての容器が主流に。メーカー各社が開発・価格競争を繰り広げる中、当社の初代ゴミ箱「kcud(クード)スリムペダル#30」は、デザインで差別化を図るべく開発が進められました。


【機能美に基づく、ユーザー目線のものづくり】

ビジネスの当然ながら、メーカーは生産・物流効率を重視した商品開発を行い、小売業者は売場・配送効率を重視して商品を販売します。つまり、市場にある商品が、消費者が本当に求めているものと異なる場合があるかもしれない。ものづくりに携わる人間として、この状況は如何なものか。ふつふつと疑問が増え、試しにユーザー調査を行ったところ、「従来の方法とは正反対のものづくり(=ユーザー目線でのものづくり)」を目指すことが開発のスタートとなりました。


発売20周年を迎えた「kcud(クード) スリムペダル#30」


 開発コンセプトは、デザインで世の中を明るく楽しく。ゴミ箱も見せるアイテムの1つとして捉え、生活空間にコーディネートできるようシンプルな形で設計しました。

ポイントは2つ。

(1) 基調はホワイト

当時のゴミ箱の主流は、付着した汚れが目立たないようグレーかブルー、ブラックの3色でしたが、あえてホワイトをベースに採用。

(2) 機能に即したデザイン

装飾美に頼るのではなく、ユーザー目線で必要な機能から逆算した形を追求しました。


真っ白すぎない柔らかいホワイト、名作チェアと並んでも違和感のないデザイン


【逆転発想で市場に受け入れられたkcudシリーズ】

樹脂製品のため金型を製造する段階で数千万の投資を要しますが、営業計画を立てるにも市場にない商品のため、お客様に受け入れられるかが不透明な状況でした。投資を回収出来ない状況は避けるべく、事前に主婦層を中心としたユーザー調査を行いました。その結果、我々の想定以上にポジティブなお声が上がり、また生活者目線で「ゴミ箱に必要な機能」を確認することができました。


例えばペダル。料理中など両手が塞がっていてもフタが開けられるように採用されました。また、開口部は大きく底面に向かって狭くなる独特な形状をしています。これは、ペダルが本体から出っ張らないこと、ゴミ袋を取り出すときに引っ掛かりにくいことを意識した結果のデザインであり、曲線の造形美はもちろん、生活動線を意識した機能美に基づくデザインを根拠にしています。


ペダルとキャスター、取っ手部分はアクセントカラーに


「kcud(クード)」というシリーズ名称は、全体のフォルムがアヒルの口に似ていたことからDUCK(ダック=アヒル)を逆さまにして命名されました。逆さにしたのはDUCKでは商標登録ができないことと、開発プロセスを反対側(=ユーザー目線)から考えたことに由来します。


ゴミ箱ながら生活空間にコーディネートできるシンプルさが市場に受け入れられ、kcudシリーズは2023年で20周年を迎えることができました。現在ではホワイト基調ゴミ容器が業界のスタンダ-ドな存在となっています。



【生活感を排し、スタイリッシュさを追求した新作「シンプルスリム クラフト」の登場】

「I’m D(アイムディー)」ブランドにおいて、初のシリーズ化に成功したkcudは現在11アイテムを展開中です。最新作は「シンプルスリム クラフト」。インテリアショップ「ACTUS(アクタス)」とコラボレーションし、グレーやブラウンを基調としたインテリアに馴染むよう家具のようなたたずまいを追求しました。


新商品「kcud(クード)シンプルスリム クラフト」

(左モルタルグレー、右クラフトブラウン)


長くゴミ箱を販売する中で生活感・存在感をなくしたいというお声が多くなり、思い切ってペダルやカーブを排除、ソリッドな直線を導入しました。キッチン空間・生活動線も変化が著しく、多様なライフスタイルに寄り添えるよう、キャスターは取り外して向きを変えられ、極力見えない位置・サイズになるよう設計しました。


水回りのステンレスやデザイン家電とマッチする、メタリックブラックカラー



【毎日使うからこそ、ときめくものを。これからもユーザー目線の商品開発を続けていく】

「存在自体を主張するのではなく、その空間をスタイリッシュにアップデートしてくれる」「たかがゴミ箱、されどゴミ箱。ようやく理想のゴミ箱に出会えた」と嬉しいお声を頂いております。

 一人暮らし・結婚などライフスタイルの変化に伴い、慌てて買い揃えられることの多い生活雑貨ですが、毎日使うものなのにときめかない・満足していないという方も多くいらっしゃると思います。私たち岩谷マテリアルは、日々の暮らしをちょっと豊かに過ごせる方が1人でも増えるよう、これからもユーザー目線の商品開発を続けてまいります。




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