40分で1300本完売。デザインと技術の融合で生まれたペン型ボイスレコーダーの誕生秘話
株式会社フルークフォレストはジャンルを特定せずに面白い物、便利な物、思わず「へ~」と言われてしまうような商品企画を目標として製品化、販売をしています。
小規模な会社ながら産業機器や医療機器、一般雑貨製品まで幅広い商品知識と経験を持っています。
その知識を生かして、あえて他社にはない独創的な発想の製品を使い方提案し、刺さる人には刺さるような製品を作っています。
この度、発売したボイスレコーダーは正に当社らしい発想で企画した「ペン型ボイスレコーダー」です。
ボイスレコーダーにもボールペンにも、さらに素材、仕上げまで拘り抜いたボイスレコーダーにそこまで凝るかと思われるような商品です。
このストーリーでは当社の特長をイメージさせる拘りの詰まった「ペン型ボイスレコーダーセラコートモデル」をご紹介します。
市場の価格競争の激化と既存の型への心理的負担。そういった中で生み出した「ペン型」。
音声を録音するボイスレコーダーは約30年前に日本で発売されました。
当時はカセットテープレコーダーでしたが、ICに録音するというデジタルツールとして主にビジネスツールとして販売された高価な商品でした。
そこで、我々は安価で使いやすい機能のボイスレコーダーを日常使いや、とくに御高齢者にとって便利なアイテムとして提案したところ、TV通販を筆頭に一気に周知される商品として発展しました。
販売当初は販売数も急激に伸びましたが、安価なボイスレコーダーは次第に参入するメーカーが増え、大手メーカーの参入や海外製の発達もあり、価格競争が激化してしまいました。
私らもより高性能な機能、デザイン性、使い勝手などで勝負しましたが、大手の宣伝力、海外製の価格には敵わず、一時期撤退を検討しました。
最後の製品企画として徹底的にユーザーの目的、要望、などを検討しました。
そこで気づいた欠点が機能、性能ではなく、ボイスレコーダーがボイスレコーダーの姿をしていると使いにくいという事でした。
『ボイスレコーダーという機器を持ち歩くのも邪魔』、
『ボイスレコーダーを見せて録音するのも相手に失礼』、
『ボイスレコーダーがあると急によそよそしくなる』、
これがユーザーからの回答でした。
そこで、音声を残すことは音声でメモをすること、メモをするのはボールペン、という発想からボールペンにボイスレコーダー機能を入れることになりました。
ボイスレコーダーに高級ボールペンのデザイン性と機能性を。
ボールペンとは言え、ボイスレコーダーなので価格は1万円超えになります。
ボールペンとしても高級ボールペンを目指す必要があり、見た目、筆記のしやすさは高級ボールペンに負けるわけには行きませんでした。
そこで、工業デザイナーにデザインを依頼し、人間工学理論から太さ、長さ、形状を先に決定し、そのデザインに入るボイスレコーダー基盤を設計しました。
太さ12mm以下というデザイナーからの要求に沿うために、特注の極小ICメモリーを搭載し、ボールペンという性質上、筆記しながらどの方向からも録音が可能になる無指向の好感度マイクを搭載しました。
ペン型にするという発想がボイスレコーダーの性能も引き上げるきっかけになりました。
追い求めた価格以上の満足感
ペン型ボイスレコーダーも安価に仕上げようとすれば、太さや形状を変更する、感度を落とす、特に拘りの「書き易さ」を捨てる、これにより実現は可能でしたが、過去に価格競争の経験もあり、他には真似できない仕様と発想で高価ではあるが、価格以上の満足感のあるペン型ボイスレコーダーを目指すことに決めました。
こだわりは指先の感触にも。特殊コーティング『セラコート』の起用
デザイン的な要求として昨今のデザイントレンドとして直線と曲線で表現されたシンプルなボールペン。
さらに、書き心地を優先すると過度な滑り止めデザインや部品は使わず、素材の質感で絶妙な感触を出す。
これを実現するために、アルミボディを採用し、表面加工で表現するもうまくいかず、当社の別事業に採用していたセラミックを主成分とするセラコートを採用することにしました。
本来ボールペンは指先で常に触ることと、衝撃や引っ掻きが多く、通常は耐久性のあるアルマイト、つまりメッキを採用することがほとんどで、塗装で仕上げるボールペンはほとんど類がありません。
セラコートは本来、銃兵器に採用される特殊なコーティングで強固な被膜で耐油、耐衝、耐汚性に優れ、そのマット質な質感と数ミクロンという薄い被膜が、実は感覚の鋭い指先で触るには意外と適したコーティングでした。
また、そのマットな質感は不必要にキラキラしておらず、落ち着いた高級感があり、筆記に適した絶妙な滑り止め効果もありました。
乾いた指先、湿った指先、さらには油や汚れた指先でも変わらぬ触感と微妙な滑り止め感が持続できます。
ただし、銃兵器用という特殊なコーティングだけに、誰でも施工ができるものではなく、また、すべて職人さんが手塗で仕上げるという非効率な作業でした。
しかし、高価でも優れた製品という思想からはピッタリのコーティングと判断しました。
ジャンルを問わず、様々な製品に携わってきた当社だからこそ、セラコートを採用することができました。
デザイナー・エンジニアの総力を結集し、ついに「ペン型ボイスレコーダー」の誕生
正直文具好きのエンジニアがやりたい放題で高級ボールペンを追求しました。
結果、筆記にも、見た目にも最高なボールペンが完成し、さらに内部には高品質なボイスレコーダーが内蔵されています。
ペン型という形状から、そんなに良く録れるとは期待していないのか、初めて使う方は録音を再生すると、びっくりしたリアクションをとります。
この反応をみるのも私らの楽しみのひとつです。
音質、録音の範囲、機能、どれをとっても従来の形状のボイスレコーダーに劣ることはありません。
また、筆記についてもデザイナーが筆記と見た目の両立で検討した形状とボールペン芯にも拘って独自に開発したこともあり、書き易く、適度な抵抗感のある筆感覚が長時間の筆記でも疲れがない書き易さになっています。
書き易さに一役買っているコーティングのセラコートも見た目の上質感も引き上げます。
ペン型ボイスレコーダーのセラコートバージョンは予定をはるかに上回る定価で販売されましたが、当社のポリシーと代表的なフラッグショップモデルという位置付けで利益、商業的には度外しした製品です。
テストマーケティングと広告を含めてMAKUAKEプロジェクトに出品
様々な特殊なことを行ったペン型ボイスレコーダーはある程度説明が必要な製品という事もあり、製作背景が語れるMAKUAKEプロジェクトに出品しました。
多少の先行割引があるとはいえ、拘りが強く高額なセラコートモデルはある程度の応援で終了いたしました。
しかし、これにとどまらず、ペン型ボイスレコーダーはMAKUAKEプロジェクトがきっかけで大手TV通販での販売が確定しました。
量産の都合上、セラコート施工ではなく、代わりに艶消しアルマイトという特殊な加工方法で代用し、販売いたしました。
TV通販という事もあり、上述した開発経緯や拘りを説明し、予定時間の半分で完売するという成功を収めました。
社名の”フルーク”にかけた思いと、ピタッとハマったペン型ボイスレコーダー
「フルークフォレスト」のフルークは運やまぐれを意味します。
そうは滅多に起きないのが奇跡や幸運です。
もし、その滅多にないチャンスがあった場合に逃すことが無いように普段から準備をして、これ以上ないほどに努力をして「フルーク」に備えるという意味がある社名です。
このペン型ボイスレコーダーも妥協することなく、社員全員が努力を続けてアイディアを出し合った結果に生まれた製品であり、また今後の当社の発展につながる象徴的な製品になりました。
ペン型ボイスレコーダーに限らず当社が企画する製品は、ジャンルを限定することがないため幅広い技術力と知識が蓄積していきます。その経験とアイディア、知識を活用してちょっと面白い製品を作り続けています。
株式会社フルークフォレスト
販売について
当社製品は当社運営ECサイトにて販売中です。
楽天店、アマゾン店、Yahoo店等
ペン型ボイスレコーダーセラコートバージョン
型番:FFR-M800
https://item.rakuten.co.jp/forestcart/ffr-m800/
ペン型ボイスレコーダー通常版
型番:FFR-P700
https://item.rakuten.co.jp/forestcart/ffr-p700/
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