世界的経営学者との運命的な出会いから5年、北欧文化とZ世代から見えた次の5年とは。平和の魅力を再発見し、新しい社会デザインに挑みたい。存亡の危機から資金調達に至る、地獄と天国の軌跡。
(写真:次世代を担う、コミュニティの学生ボランティアリーダーたち)
国際平和拠点ひろしま+東京コミュニティ(HGP+Tokyo)は「平和をリ・デザインし 平和を語る・平和を創る を当たり前に」をミッションに、企業・市民・次世代が集い、多義的な平和を可視化・価値化する、産官学民のコミュニティを開発・運営しています。平和を軸に新しい社会の姿を描く「デザイン・センター」と、民間の技術や資金を活用した社会課題解決を促す「ミッション・センター」の機能を提供します。
この活動を立ち上げた創業者の想いに共鳴し、経営者、投資家、社会的リーダー、研究者、メディア関係者、次世代など、多彩な賛同者がこの活動を支えてくれました。
本日は、彼ら彼女らの言葉を借りながら、「なぜ今、このコミュニティが必要とされているのか。私たちが社会に与えようとしているインパクトは何なのか。そして、どのようにそれを実現したいと考えているのか。」を、これまでの私たちの軌跡を通してご紹介させていただきます。
きっかけは、世界的経営学者コトラー教授との出会い
遡ること2016年10月、私(創業者 佐々木)は広島にいました。現代マーケティングの父、世界的経営学者であるフィリップ・コトラー教授が「ピース・マーケティング」を語り、ハーバード・ビジネス・スクールの竹内弘高教授が世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーと対話を繰り広げる――世界のビジネスリーダーが平和を語っている。その光景は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。
若い頃にドロップアウトし、「失敗に不寛容な日本社会」と「悪循環の連鎖を生む機会格差」に強い問題意識をもって生きてきた私は、グロービス経営大学院でリーダーシップを学びながら、「ビジネスや金融の力で、アンフェアな立場に置かれた人たちの悩みの解決に貢献したい」と思っていました。その想いを後押ししてくれたのが、この運命的な出会いだったのです。
でも、私一人でできることなんて、小さなこと。仲間を集めないと大きなインパクトを実現することはきっとできない。そう思って、虎ノ門にある広島県庁東京事務所を訪ね、湯﨑県知事に「このモメンタムを大きくしたい。応援してください。」と直談判したのは、それから3年後の2019年12月でした。
(写真:「エレベーター」でコトラー教授(中央)にサインを依頼。左は湯﨑県知事)
ピース・マーケティング&コミュニケーションで価値創造する
有志が集まり2019年4月に第1回目のキックオフイベント「国際平和のための世界経済人会議東京セッション」を開催した後、2021年9月には「国際平和拠点ひろしま+東京コミュニティ」としてHOPe(へいわ創造機構ひろしま)からの認定を受けました。このコミュニティは「平和をリ・デザインし、価値を創造するコミュニティ」をコンセプトに掲げ、2021年10月に第3回、2023年2月に第4回目となる「世界平和経済人会議ひろしま東京セッション」フォーラムを開催し、問題提起と対話の場を作ってきました。
「あなたは広島出身でも在住でもないのに、なぜこの活動をしているの?」と聞かれることがよくあります。私は東京にいるからこそ、「HIROSHIMAという地域に眠る文化資本としての平和の魅力を再発見し、新しい社会デザインに活用できる可能性」に気づきました。かみ砕くと、「平和って戦争の対義語じゃない。その本質的な意味をもっと多義的・多面的にデザインしたら、企業や市民も巻き込み、社会の複雑な問題解決や、よりよい社会を築く方法が見つかるかもしれない」と直感的に思ったのです。
これまでに何度も広島や長崎など歴史的な意味を持つ街を訪れ、地域の魅力に触れてきました。また、100を超える企業、様々な分野の専門家、海外の組織とも意見を交わしてきました。そんな中で、「平和とビジネスに何の関係があるんだ?」とか「平和って触れてはいけない雰囲気のある話題だよね・・・」という、ある種のアレルギー反応のようなものを示す人も数多くいました。だからこそ、言葉の持つイメージを変え、その価値をデザイン(可視化)し、意識を変容させていく「ピース・マーケティング&コミュニケーション」が大切だと強く感じます。
なぜ新しい社会デザインに挑み、これまで5年間続けてこられたのか。
その想いを伝える「Voices of Partner’s」は、Webサイトに掲載していますので是非ご覧ください。
(写真:主催イベントの出演者や、賛同パートナー団体の皆様)
数え切れない壁と危機を乗り越え、資金調達により新たなステージへ
私たちの挑戦は、企業に平和の価値を訴求する「平和×ビジネス」という新しいコンセプトで創発的な活動です。前例がなく、五感で感じられず、直感的に理解しづらい。私自身もスパッと明快な説明ができずもどかしい悩みがあります。これまでに、様々な組織・個人とのコラボレーションを相談してきましたが、なかなか理解や共感を得られず、数え切れないほどの壁にぶち当たってきました。
さらに、私たちは完全にボランティア組織でもあり、ビジョンに共鳴してくれる人たちの支えはあるものの、限界があります。資金も時間もない制約の中で、肉体的にも精神的にも疲弊していきました。平和を体現するべき組織が内部分裂を起こすという、矛盾した危機に直面したこともありました。その厳しい状況から逃げずに向き合い続けているからこそ強くなれましたし、その想いや粘り強さを評価していただいています。
そして、2023年にはエポックメイキングな出来事がありました。日本を代表する企業からのスポンサーシップを得ることができ、一段高いステージに上がることができたのです。企業が平和を我が事化していく、経営課題にすることは、私たちにとってのブレークスルーです。この出来事をフックに、より多くの企業を巻き込み、R&2D(研究、デザイン、事業開発)を加速し、具体的なインパクトに繋げていきたいと思っています。
なぜ企業が平和に向き合うことに意味があるのか。それはどんな価値なのか。
その問いの一端を伝える「Voices of Partner’s」は、Webサイトに掲載していますので是非ご覧ください。
(写真:主催するイベントの出演者や、賛同パートナー団体の皆様)
次世代とつくる未来へ。学んだワクワク感で原点回帰
盤面をひっくり返す狂人を輩出するプログラム「CHANGEMAKERS」。提携団体とコラボレーションして2023年から開始したこの教育プログラムは、同団体代表の宇野さんとの運命的な出会いから生まれました。彼と話していると、「ワクワク」という言葉が何度も出てきます。それまでの私は、企業の巻き込みやコミュニティの運営に行き詰まりを感じ、道を失いかけていました。そんなときにもらったギフトが、「佐々木さんは相当変人だ。どうせやるならワクワクすることをやろう。それが若い人たちにも糧になるんじゃないか。」
これがターニングポイントになりました。ワクワクを取り入れたら、ピース・マーケティング&コミュニケーションが楽しくなる、そして、企業・市民・次世代を繋ぐ共通言語ができる、と。思い返せば、2016年10月の広島で私を突き動かした、あの表現しがたい空気も、そんな感じだったかもしれません。若い人たちから学ぶこともある。だから、次世代ならではの力も借りて、ともに未来をデザインしていきたいです。
なぜ異彩なハイパー学生たちが、平和にワクワクを感じているのか。
その雰囲気を伝える「CHANGEMAKERS参加者の声」は、Webサイトに掲載していますので是非ご覧ください。
(写真:「CHANGEMAKERS」プログラムの参加者と協力企業等の関係者)
3カ年構想の策定に向けて。幸福先進国の北欧で学んだ3つの「D」
いま私たちのもとには、マーケティング、コミュニケーション、金融、事業開発、研究、法務などのスペシャリストとして、10名超の多彩なアドバイザー陣が集まり、3カ年構想を描き始めています。今後、R&2D(研究、デザイン、事業開発)を戦略的に進め、「アワード」「知見開発」「コミュニティ」「メディア」「教育」の5つの注力事業領域に展開していきます。すでに具体的な複数のプロジェクトが同時進行しており、応援してくださる皆様に公開できる日が待ち遠しいです。
そんな中、構想策定のヒントを探るため、2023年の冬に北欧を視察し、「なぜ北欧諸国は、幸福度が高く、サステナブルな国々と評価されているのか?」を学んできました。そこには、3つの「D」ーー「Democratic(民主主義的)」「Designful(デザインに溢れた)」「Digitalized(デジタル化)」が文化として根付いていることに気がつきました。例えば、街作りなど人の暮らしに関わることは、集会などを開いて議論をしたり、様々な立場の方々が垣根を超えて関わる合意形成プロセスを重視し、その仕組みをデザインする専門家や組織が存在し、マイナンバー制度などのデジタル化も普及・活用されています。
私たちのミッションは「平和をリ・デザインし 平和を語る・平和を創る を当たり前に」です。平和を体現するハブ組織として、企業・市民・次世代が混ざり、世代・性別・人種・セクターを超えた対話ができる「Democratic & Designful & Digitalized」なコミュニティを目指したいと思っています。
(写真:訪問したコペンハーゲンのデザイン・センターでのレクチャーの様子)
あなたにとって、「平和」とは?
最後に、あなたに問います。「あなたにとって、『平和』とは何ですか?」
この答えのない問いに対して、最前線のビジネスリーダーが語る「平和ってな~に?」ムービーを制作しました。未来の新しい社会をデザインする日本発のグローバル・コンセプトを、経営者、投資家、研究者、メディア関係者の視点でお届けします。
また、この問いに向き合う学生による学生のための「#ぴ~す」プロジェクトを新たにリリースします。Instagramで発信していきますので、ご期待ください。ぜひ、異彩なハイパー学生たちにフォローしていただけたら嬉しいです。
ぜひコミュニティの一員となってください。
私たちと一緒に、ワクワクする未来を描き、創りましょう。
団体情報
団体名:国際平和拠点ひろしま+東京コミュニティ(HGP+Tokyo)
代表者:佐々木 喬史
所在地:東京都中央区銀座1-22-11 銀座大竹ビジデンス2階
Webサイト:https://sdgsforpeace.tokyo/
取材やお問い合わせは、Webサイト内のお問い合わせフォームからお願いいたします。
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