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コーヒー農園とタリーズコーヒーの長きにわたる挑戦。新作「KAGEBOSHI」を生んだパートナーシップと開発秘話

著者: タリーズコーヒージャパン株式会社


タリーズコーヒーは「良いコーヒーを日本のお客さまに届け続ける」という信念のもと、世界各地のコーヒー生産者たちと長きにわたって、コーヒーの品質向上プロジェクトに取り込んでいます。今回は、このプロジェクトのひとつの通過点として皆さんにお届けする新作ビーンズ「KAGEBOSHI」の生産開発秘話 、そして生産者との絆について、プロジェクトを担当する渡邊瑛子に話を聞きました。


・タリーズコーヒーとバウ農園との歩みはこちらから。

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・タリーズコーヒーのコスタリカでの活動はこちらから。

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取り組み続けることの難しさ。

タリーズとバウ農園が向き合ってきた、コーヒーの品質向上プロジェクト


この春タリーズコーヒーが皆さんにお届けする「KAGEBOSHI」は、長年にわたって取り組んできた品質向上プロジェクトのひとつの集大成。このプロジェクトは、「本日のコーヒー」にも使われている、ブラジル・バウ農園のレギュラービーンズ「タリーズ ブラジル ファゼンダバウ」を、よりタリーズコーヒーが追求する極上の一杯に近づけるためのものです。まずは、このプロジェクトの背景をご紹介します。




もともとコーヒーの生産地として高い水準を持つブラジル。その中でも、バウ農園は地元の生産者たちから「成功者だ」と言われるほどの品質と規模を誇る一大農園です。タリーズコーヒーとバウ農園は、お互いがまだ“駆け出し”だった頃から、15年以上にもわたって共にコーヒーの味わいを追求してきたパートナーでもあります。




しかし近年、コーヒー業界全体から「品質の低下」に悩む声が聞こえてきました。その理由のひとつは、地球温暖化による異常気象です。コーヒーの生産には、雨季と乾季がはっきりと別れている気候がとても重要。雨季の間にたっぷりと水を蓄えて花が咲き、半年以上の時間をかけて実が成熟し、乾季に入ると一斉に収穫、それを屋外の乾燥場に広げて自然 の空気太陽のもとで乾かす工程があるからです。しかし、異常気象で雨季が長引いたり乾季に雨が降ったりすると、乾燥中のチェリーが濡れてしまったり成熟するタイミングがまばらになったりと、味の仕上がりにも影響します。


「タリーズコーヒーでは、こういった課題に対して『産地に入り込んで継続的に取り組む』ことを大事にしています。新しいチャレンジを行い、生産方法に変化を加えるには何通りものテストが必要です。基本的に、ブラジルの収穫タイミングは年に1回。いろんな方法を試しながら、常にお互い状況を伝え合い、変化があればそこに対応する…という数年がかりの取り組みです。継続することが大切なんです」




それは、ひとつの通過点。

信頼関係と試行錯誤から生まれた「KAGEBOSHI」




タリーズコーヒーとバウ農園の品質向上プロジェクトは、2019年ごろ から始まりました。ちょうどその頃、農園主が初代のフクダ・トミオ氏から息子のタケオ氏に本格的に代替り し、このプロジェクトはまさに2者の新しい歩みの始まりでもありました。


「先代の頃からバウ農園にはタリーズコーヒー専用区画があって、そこには私たちがリクエストしたレッドブルボン種が植えられていました。このレッドブルボン種は、ブラジルの中では酸味とフルーティーさ、ドライフルーツのような風味といった個性がとても強く出ていたんです。それでも年々、木が古くなっていったり生産環境が変化したりして、持ち前の個性が弱まっていきます。良く言えば『クセのないバランスが取れたコーヒー』とも取れますが、タリーズが求める味ではなかったんです。」




そこでタリーズコーヒーは、タケオ氏に品質向上プロジェクトを持ちかけます。チェリーができた後の工程をもう一度ひとつずつ確認し、どこに課題があるのかを見直せないかと相談したのです。初めてこの提案を受けた時、「タケオさんはしばらく黙って考え込んでいた」と渡邊は続けます。


「初代のトミオさんが『飽くなき情熱でコーヒー生産をする人』だとすると、息子のタケオさんはその情熱を受け継ぎながらも、より経営者としての視点も併せ持つ人。きっとこの時、彼は経営者の目線で現実的な方法に考えを巡らせていたんじゃないかと想像します。農地にも人手にも限りがある中で、テストを行うとなると、費用がかかるしリスクもありますから。それでも、タケオさんとは先代の頃から顔を合わせてきた仲です。タケオさんは私たちの『品質を上げたい』という思いをとっくに汲み取ってくれていた。だから『できない』と答えるのではなく、『どうしたらできるか』『どのぐらいできるか』という次のステップをすでに頭の中で考えてくれていたのかな、と」


そして着目したのが、

チェリーを乾燥させる工程でした。「KAGEBOSHI」の名の由来にもなった、「陰干し」を取り入れたのです。通常は乾燥場にチェリーを広げて直射日光のもと乾燥させるところを、人の手でネット状の日よけを作って乾燥にかかる時間を緩やかにします。この方法は、これまでに行ってきた「ドライオンベッド」などで実証できています。時間をかけてゆっくりと乾燥することで、コーヒーの甘みがぎゅっと凝縮されます。



発酵の工程は盛り込むことに。チェリーを収穫後乾燥場に運ぶのではなく、あえて一定時間置いてから乾燥場に運ぶことで、チェリーの追熟が進み、味わいにより深みが生まれるのです。さらに収穫後のチェリーの状態の変化にも着目し、置いておく時間の違い(発酵時間の違い)で生まれる味わいにどのような変化があるのかもテストをしました。農園の生産環境によって異なるため、バウ農園でのベストを見つけ出し、甘みと深みの味わいに仕上がっています。




最終的に作られたサンプルは24通り。3年がかりで少しずつサンプルの量を増やしたり生産工程を微調整したりしながら、ようやくひとつの完成形として出来上がったのが、この3月に発売する「KAGEBOSHI」です。プロジェクトを進める間、「タケオさんはいつも『慎重に検証したい』と繰り返し言っていました」と渡邊は振り返ります。


「テストや生産方法に変化を加える中で失敗したら心地よくない風味が出てしまうこともゼロではありません。そうなると、もう売ることができない、あるいはグレードの低いコーヒーとして販売するしかなくなってしまいます。コーヒー生産によって、自分だけじゃなく社員たちの生活も守っているタケオさんからすると、こういったリスクは決して無視できないものなので、ごく少量からテストを行って着実に進めてきました。『KAGEBOSHI』までに3年かかりましたが、ここで終わりではなく、私たちの真の目的はレギュラービーンズの品質向上にあります。これからまた3年、5年、10年とかけて、時間を追っていく努力がお互いに必要なんです。言葉で言い表せないほどの大変さがありますが、タケオさん自身も誠実に取り組んでくださっているし、この取り組みがタリーズやバウ農園のコーヒーを守るためのヒントになると確信しています」




それほどのリスクもある中で、なぜバウ農園はタリーズコーヒーを信頼して取り組んでくれるのか。それは、先代の頃から今も変わらずにある「お互いの正直さ」が根底にあると渡邊は続けます。


「私たちは彼らが作ったコーヒーの味を的確 に判断しようと努めますし、『タリーズが求める味わい』を日頃から伝え続けています。農園からすれば、作り方を変えていないのに『味が落ちている』と言われたら釈然としない気持ちもあると思うんです。それでも、『以前にあったような強い風味の個性が失われつつある』と正直に伝え続けること。そして農園から私たちに対しても『このやり方はできない』『これならできそう』と本当のことを言ってくれる、そんな正直なやり取りの積み重ねこそが、今の信頼関係を築き上げてきたのだと感じます」


生産者は自分たちが作る以外のコーヒーの味を知る機会がほとんどありません。一方、タリーズコーヒーはさまざまな国で作られているコーヒーの味を知り、生産の現場にも積極的に足を運んでいます。その土地で何代にもわたってコーヒーを生産してきたプロフェッショナルと、世界中で行われている生産の工夫を見る機会や 「求める味」を持つタリーズコーヒー。お互いの得意を持ち寄って、共に一杯のコーヒーを追求しているのです。


「バウ農園は生産に真摯に取り組んでいて、良いコーヒーを着実に作ってきました。いくら私たちがさまざまな生産現場を見てきたからと言って、その土地で長年コーヒーを作ってきた方々にかなうわけありません。だから、私たちができるのはあくまで『味』から見るフィードバックと、生産方法に関するアイデアまで。常日頃からその味を見ている私たちだからこそ、小さな変化に気づき、敬意を持って誠実にフィードバックすることが何よりも大切だと考えています。その先に、生産者たちが品質の高いコーヒーを効率よく作ることで評価され、高値で取引されるような未来があるといいですね」


「KAGEBOSHI」は、このプロジェクトのひとつの通過点。次のステップでは、「KAGEBOSHI」で効果的だと証明された発酵の工程を、レギュラービーンズにも取り入れる予定だと渡邊は話します。


「次に皆さんにお届けするレギュラービーンズは、必ずやもっとおいしくなっているはずです。楽しみにしていてください!」



農園とのパートナーシップから生まれたコーヒーが

お客さまのもとに届くまで



タリーズコーヒーとバウ農園が長い時間をかけて作り上げたコーヒーは、色鮮やかなパッケージに包まれ、全国の店舗に並びます。パッケージを担当した鹿野洋介は、デザインに込めた想いをこう話します。


「ブラジルのパッケージには、トゥッカーノという黄色いクチバシが愛らしい鳥をシンボルにしています。この鳥は農園にも野生で生息していて、体も動きも大きいのでとても目立つんですよ。どのパッケージにも、産地や生産方法を象徴する要素が描かれているので、ぜひ一杯のコーヒーを淹れた後、パッケージを眺めながら想いを馳せていただけるとうれしいです」


こうして完成した商品は、最後に店舗のフェロー(従業員)の手によってお客さまに届きます。タリーズのコーヒーマスターである和賀史武は、「お客さまには『KAGEBOSHI』がタリーズコーヒーの“オーダーメイド”だという点を楽しんでもらいたいです」と言います。


「私も早速『KAGEBOSHI』を飲んでみましたが、第一印象はとにかく深い。洋酒のような芳醇な風味、チェリー由来のフルーティーな甘み、品種と精製方法から引き出される丸みのある豊かなコク…口に含む度、その深みに魅了されました。バウ農園が、植える品種から収穫後のアフタープロセスまで、タリーズコーヒーのためのオーダーメイドで作り上げてくれた特別感があります。バウ農園の皆さんの丁寧な仕事とコーヒーへの情熱が、お客さまはもちろん、全国の店舗で日々働く私たちフェローをも幸せにしてくれているんだと、改めて実感しました」



和賀は、レーズンサンドやジャムを塗ったトーストとも相性が良さそうと続けます。タリーズコーヒーの店頭や店舗で行われるコーヒースクールでは、自宅でおいしく淹れるコツやタリーズと産地との取り組みなどををお伝えしているので、もっと知りたいという方はチェックしてみることがおすすめです。




タケオ氏と取り組んできた品質完全プロジェクトから生まれた「KAGEBOSHI」、先代トミオ氏による新たなチャレンジである「バレ ド クリスタル」、そしてタリーズコーヒーとバウ農園の長きにわたる追求の結晶とも言えるレギュラービーンズ「タリーズ ブラジル ファゼンダバウ」は、この3月に発売です。2世代にわたるバウ農園とタリーズコーヒーの信頼関係から生み出された、3種類の味わいをぜひお楽しみください。


< 商品情報 >

2024/3/6 発売

「タリーズ ブラジル ファゼンダバウ ボーナスパック 220g」1,140円(税込)/220g

「タリーズ ブラジル ファゼンダバウ KAGEBOSHI」 1,380円(税込)/150g

「タリーズ ブラジル ファゼンダ バレ ド クリスタル」 1,280円(税込)/150g


<プレスリリースPDF>

https://prtimes.jp/a/?f=d20545-421-b199e5137f7836e1fea8263dec5d0d1b.pdf


この件に関する一般のお客様からのお問い合わせ先:

タリーズコーヒージャパン株式会社 お客様相談室 TEL:03-3268-8320

受付時間 月~金曜日 10:00-12:30 / 13:30-16:00 (土日祝を除く)

ホームページ:https://www.tullys.co.jp/






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