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STORYS.JPは、2013年2月に誕生しました。

累計販売数55万枚超え。タブーと真剣に向き合った生理用布ナプキンの誕生秘話

著者: 株式会社アップサイド

株式会社アップサイドが2007年2月にオリジナルの布ナプキンブランドSunny Daysを立ち上げ、初めての布ナプキンを販売してから早17年。

布ナプキンとは、布で作られた女性用のナプキンのこと。

累計販売数は55万枚を超えました。



今よりももっと「生理」がタブーだった時代に、生理のイメージをひっくり返そう!という想いで、ブルーデイ(憂うつな日)とは反対の、太陽が輝くような明るく晴れた日「サニーデイズ」と名付け、今では布ナプキンの販売だけでなく、女性の体についての講座を開催するまでになりました。

はじめは布ナプキンにドン引きしていたところから、どのようにしてオリジナルの布ナプキンを開発するにいたったのか。

そして布ナプキンを通して知ってほしいことを、17年を振り返りながらお伝えします。



お客様からの電話がすべての始まり


「おたくの洗剤で洗ったら、布ナプキンがきれいになったわ!ありがとう。」

お客様からの1本の電話が、布ナプキンサニーデイズ誕生のきっかけでした。

20年前、株式会社アップサイドは、米ぬかと微生物の洗剤「とれるNO.1」を販売するネット通販サイト、【地球洗い隊】を立ち上げました。

合成界面活性剤はもちろん、化学物質を一切含まない「とれるNO.1」は、地球にも肌にもやさしいだけでなく、汚れ落ちの良さが評判となり、じわじわと愛用者が増えてきていました。



そんな中、ひとりのお客様からお電話が。

「この洗剤で洗ったら、布ナプキンがすごくきれいになったのよ!」と、お話してくださったんです。

その頃はまだ、布ナプキンは知る人ぞ知るアイテム。

私は知っていたものの、使ったことがないどころか、「あんなの使えるわけがない」と、ドン引きしていたほどでした。

なんだか気持ち悪いし、もれそうだし、洗うなんて面倒すぎる!

そんなマイナスイメージしかなかったんです。

でもお客様がわざわざお電話で教えてくださったことを、確かめないわけにはいかない。

そこで、しぶしぶ自分でも布ナプキンを使ってみることにしました。





先入観を打ち破ったのは自分自身が使ってみたから


よくわからないながら、ネットで取り寄せた布ナプキンを、こわごわ使ってみることに。とにかく使うのは1回だけのつもりでした。

でも、予想外の衝撃を受けたんです。

ふわふわ!

あたたかい!

気持ちいい!



しかもお客様が教えてくれた通り、米ぬかと微生物の洗剤「とれるNO.1」で洗うと、どこが汚れていたのかわからないぐらいきれいになったのです!

気持ちいいわ、きれいになるわで、1回だけ使うつもりが、気づけばその月の生理の期間を、ずっと布ナプキンで過ごしていました。




「そんなにいいなら、作れば?」商品開発のきっかけは社長のつぶやき


そして何日か布ナプキンを使って、気づいたんです。

あれ?全然かゆくない!!

実は私は子どもの頃から肌が弱く、生理のたびにデリケートゾーンがかぶれて、すぐにかゆくなっていました。

でも布ナプキンで過ごしたその月は、なんと、かぶれなかったんです!!

そのかゆみが消えたことで、なんだか世界がぱーっと明るくなった気がしました。



この体験があまりにも衝撃で、スタッフや友だちに「ちょっと聞いて!布ナプキンってすごいよ!」と力説する始末。

「布ナプキンなんて使えるわけがない」と思っていたのに、自分でも驚きです。

そんな様子を見ていた社長(男性)が、ぽろっと呟いた一言が、

「そんなにいいものなら、うちで作れば?」。

作る!?そうか、その手があったか!!

少し前まで布ナプキンにどん引きしていたとは思えない展開。

そこから、オリジナルの布ナプキンを作るために、動き始めました。



1時間足らずで完売。テーマは”おやつの時間”


20年近く前は、まだ布ナプキンを販売しているところは少なく、生成りの無地で、布おむつを小さくしたようなものがほとんどでした。

でも、せっかく使うなら、かわいいデザインがいい。

お気に入りの下着を選ぶように、今日はどれにしようかなと選ぶのが楽しくなるデザインにしたい。



生理の日でも、デザインの力で気持ちを明るくすることは、きっとできる。

だから私たちの布ナプキンは、生理用品というより、かわいい雑貨のイメージで作ろうと決めました。

モニター販売のために初めて作った布ナプキンのデザインテーマは、女子が大好きな、「おやつの時間」。

2種類のデザインには、「チョコチップ(生成りに茶色の水玉模様)」と「カフェオレ(ベージュのギンガムチェック)」という名前をつけました。

かわいい雑貨のように見える布ナプキンは、100人募集したモニター販売で、なんと1時間もたたずに完売。

その後も発売するたびに、すぐに売り切れる状況が続きました

世の中の女性がこんなに布ナプキンに関心をもって、使ってみようと思ってくださったことに、本当に感激しました。



布ナプキンを使うことで生まれたいい影響


そして布ナプキンを使い始めたお客様から、「かわいい布ナプキンを使いたくて、生理が楽しみになりました」 「肌触りが気持ちよくて、生理中も快適です」というお声が、たくさん届き始めました。

生理といえば憂うつになるのがあたりまえだったのに、楽しみとか快適だと言われるなんて!一般的な感覚では信じられないことです。



それと同時に、生理中の不調が軽くなった、というお声もいただくようになったのです。

布ナプキンは薬ではないので、もちろん体の不調を治すことはできません。

でも、かわいい布ナプキンをきっかけにして、生理に対するストレスが軽くなり、体に良い影響を与えることは、あるような気がします。

とにかく私たちの布ナプキンを使ってくださった方が、実際にこうして喜んでくださっている。それがうれしくて、誇らしい気持ちでいっぱいでした。



布ナプキンを使うことで、自分の体と向き合える


市販の生理用ナプキンは、使用後はさっと丸めて捨てるので、自分の経血もあまり見ないという女性がほとんどです。

でも布ナプキンは洗って何度も使うので、目をそらすわけにはいきません。

それが気持ち悪くて嫌だと思われがちなのですが、不思議なことに、いざ経血と向き合ってみると、気持ち悪いとか嫌だという感覚は起こらないんです。



経血は気持ち悪いゴミではなく、さっきまで自分の体の一部だったもので、それを外に出して、体の中を掃除しているんだということが、理屈ではなく自然と理解できます。

私の体はきちんと仕事をしてくれてるんだと思うと、自分の体に感謝の気持ちがわいてくることに驚きました。

布ナプキンを使うことをきっかけにして、自分の体や、自分の生理と向き合えるようになるというのは、大きな発見でした。

そして、それこそが布ナプキンの最大の魅力なのではないかと思うようになりました。




「自分の体のこと」全国各地や学校でも知ってもらいたい


20年近く前は、今よりももっと生理がタブーとされていて、生理はいやなもの、隠すもの、毎月なんとかやり過ごすものでした。

学校でも、女子だけ集められて、市販のナプキンのサンプルを渡されるぐらいで、詳しく教えてもらえない。

親も娘にどう教えればいいかわからない。

だから大人の女性でさえ、生理のことをよくわかっていない人が多いのです。

女性にもっと自分の体のことを知ってほしい、母娘で体の話ができるようになってほしいという想いが強くなり、自社のスペースで小さな講座をはじめました。



すると、「自分の体のことなのに、全然知らなかった」「これはみんな知ったほうがいい」という感想をいただくようになりました。

それが発展して、「学校では教えてくれない生理の話」という講座を、東京、大阪、名古屋など全国で開催。

中学校や高校、大学でもお話させていただいたこともあります。



どこでお話するときも、はじめはみんな気まずい表情なのですが、終わり頃には前のめりになって聞いてくれるのがうれしいのです。




生理を知れば、自分を大切に思える


生理とは体の中で何が起こっているのか、それは何のためなのかを知ると、自分の体の素晴らしさに気づきます。

生理は、新しい命を生み出すための、大切な体の仕組み。

生理がなければ、自分は生まれてこなかったし、次の命をつなぐこともできません。




そんなことに気づけたのは、布ナプキンを使って、生理と正面から向き合ったからだと思うのです。



これから先も女性の笑顔のために

今は生理のケアアイテムの種類も増えました。

生理についてのタブーも、かなり薄れてきたように思います。

でもやはり生理は面倒で、憂うつなものという意識は、なかなか変わりません。

1人の女性の生理の期間は、なんと一生で約3000日にもなります。

この時間を、生理だからと憂うつな顔で過ごすのか、生理でもいつもと同じように笑顔で過ごすのかで、大きな違いが出ると思うのです。

笑顔で過ごすということは、自分だけが機嫌良くすごすというだけではありません。

家族や友だち、同僚など、周りの人にもその笑顔は伝わります。

女性の笑顔には、世界を変える力があると思うのです!


だからこそ、布ナプキンをきっかけにして、「生理が楽しみになる」体験をしてほしい。そして、生理の大切さを知ってほしいと強く思います。

そのために、この先20年目、30年目も、布ナプキンの魅力と、体や命の素晴らしさを、もっと多くの方にお伝えしていかねばと思っています。







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