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「フジロックは湯沢町の誇り」25年の歩みが生んだ音楽フェス×地域の理想的な関係。チケットをふるさと納税の返礼品に加えた理由とその想いとは。# プロジェクトの裏側 #ふるさと納税 #地方創生

著者: 株式会社スマッシュ

7月26日(金)、27日(土)、28日(日)に新潟県 湯沢町・苗場スキー場で開催される

<FUJI ROCK FESTIVAL’24>。国内外から200組を超えるアーティストが出演し、苗場の大自然の中で「自然と音楽の共生」を体現する日本最大級の野外音楽フェスティバルです。

 

1999年から開催地を苗場スキー場にして、今年で25回目を迎えるフジロックは、地元・湯沢町とまさに二人三脚で歴史を進めてきました。その信頼関係のもと、さまざまな取り組みにも着手し、昨年からは湯沢町の「ふるさと納税」の返礼品として、フジロックのチケットや関連商材の取り扱いをスタートしました。

 

フジロックに参加することが、開催地・新潟県湯沢町への寄付につながる取り組みとして、多くのフジロック・ファンからも注目されているこの施策。今年も、フジロック’24のチケットや駐車券、場内飲食券など関連商材を6月30日(日)まで受付予定です。

 

今回、そのふるさと納税制度の導入に至る経緯から、実際のふるさと納税の活用について、湯沢町長・田村正幸さんと、フジロックを主催するSMASH執行役員・石飛智紹にインタビューを行い、お互いの関係性などについて語ってもらいました。


"蜜月の仲"となった湯沢町とフジロック。フェスティバルの経済効果は地域をも豊かにする

 

──まずは、田村町長と石飛さんの関係性、そして湯沢町とフジロックとの関わりについて教えてください。

 

田村正幸(以下、田村):私は町長に就任して、今年でちょうど10年になります。それまでも町会議員をしていましたので、フジロックの存在意義についてはもちろん知っていました。ですが、町長に就任してからフジロックの大切さや、地域と一生懸命協力し合いながらフェスティバルを進めている姿を改めて見て、「町役場としてもできることを応援していかなきゃならない」という強い思いを持ってこれまで取り組んできました。

 

石飛智紹(以下、石飛):私はSMASHでフジロックの運営関係を担当しています。その一環で、行政との窓口として長年湯沢町のみなさんと一緒に活動しています。今年は苗場での25回目のフジロック、振り返るとさまざまな関わりを通して歴史を重ねてきました。今は“蜜月の仲”と言いますか(笑)。町長や職員のみなさんと屈託のない相談をしながら、フジロックの円滑な運営を進めています。

 

──苗場でフジロックが開催されることとなった、当初の関係から現在に至るまで、どのような変遷をたどってきたのでしょうか?

 

田村:石飛さんやフジロックの創始者でもある・日高(正博)さんも含め、フェスティバルの運営側と苗場地区の皆さんとの協力体制によって1999年に苗場での初回が開催されました。その中で、歴代の町長や議会も、フジロックによる大きな経済的な効果があるということ、また地域を豊かにしてくれるという部分を認識していました。

 

また、“蜜月”という点では、2020年の開催中止を決定した時に石飛さんが涙されていて。「本当にやりたいんだけど、やれないんだ」という思いがこもった涙に共感しました。この25年という年月が、SMASHさんとの連携の中で生まれてきていると捉えています。

「第二のふるさと」である苗場。ファンから愛される場所となる


──1999年からどのような変遷を経て“蜜月”までたどり着いたのでしょうか?

 

石飛:歴史を紐解くと、フジロックの黎明期は“流浪のフェスティバル”と言われていたんです。「一体来年はどこで開催できるんだろう?」という状況の中で、急遽苗場での開催が決まりました。ですので、最初は行政のみなさんとお話をする機会がなかったんです。

 

その数年後の2004年に、秋のボードウォークを開催した際に中越地震が発生しました。我々もその脅威を身に染みて感じたのですが、当時のBBSで「新潟の人が心配だ」とか「あそこのおっちゃんどうしてるかな」とか、そういった声が書き込まれていたんです。

 

──フジロックのファンにとっては、苗場を「第二のふるさと」と捉えている人も多いようにも思います。

 

石飛:その直後に湯沢町と共催でチャリティーコンサートを開催して、当時の町長と県庁へ出向き知事に寄付を渡したのが、フジロックと湯沢町とのより深い関係がスタートするきっかけだったと認識しています。その後も信頼を重ねながら、2011年には新潟県と湯沢町とSMASHの三者で協定をして、「フジロックの森プロジェクト推進協議会」を立ち上げました。そして現在、その会長を田村町長に務めていただいています。

 万全の対策を練って、コロナ禍でフェスティバルを開催


──2021年は全国各地で多くのフェスが中止・延期になっている状況の中、湯沢町のサポートもありフジロックは開催に踏み切れたというわけですが、町が開催を全面的に支援できた背景にはどういったものがあったのでしょうか?

 

田村:まず、町としてフジロックを応援していくにあたって、 SMASHと地域との信頼関係があります。正直、町にも「なんでやるんだ」というようなお声が町内外からメールや電話で届きました。しかし、2020年から1年経過した中で、ワクチンの接種であったり、さまざまな予防のための環境が構築されてきました。 加えて、感染拡大防止の取り組みの中でSMASHは、抗原検査キットをチケット購入者の8割を超す希望者に送付しました。そうした努力から、なんとか開催のご協力を進めることができました。

 

コロナ禍でもきちんと体制を取ってフェスティバルが開催できたということは、私にとっても誇りですし、石飛さんをはじめ関係者の方々も同じようなことを感じられているのではないかと思います。

チケットを返礼品にすることに込めた、地元への想い


田村:私が三期目の選挙へ出馬した際に「ふるさと納税の倍増計画」を掲げました。子育て支援の強化や安全安心の街づくり、さらには高齢者の課題など、さまざま様々な事柄について新たな政策を展開していくために、「ふるさと納税」の拡充を考えています。そうした状況の中で、世界に通用するフジロックをふるさと納税の返礼品に加えたく、石飛さんをはじめ主催者側の方々からのご理解をいただいて、昨年から実施しています。

 

石飛:これまでフジロック発の新しい連携プロジェクトを一緒に進めていく中で、そこに散見する課題や、その課題の先にある根本的な──いわゆる行政区としての──課題を我々も具体的に知るようになりました。例えば、山間部における生活インフラのぜい弱性や救急医療の課題などです。

 

そこで「ふるさと納税」にご協力することで、湯沢町の課題も解決できる可能性があり、それらがフジロック開催時も有効に機能することで開催環境がもっと良くなると思ったんです。そうすると、最終的にフジロックに来るお客さまにとってもより良い環境に近づける。そういった観点で、「ふるさと納税」が湯沢町で良い方向に使われていくということは、我々にとってもメリットのある話なんです。

ファンのニーズに応え、知恵を重ねて選定した返礼品

── 最近はフェスのチケットが返礼品となっている地域も増えてきました。その中でも、先駆けとなったフジロックでは、宿泊券やお食事券など、入場券以外で楽しめる要素が入っています。フジロックに集うファンが欲しいものを返礼品に組み込んでいます。

 

石飛:フジロックのファンのニーズにどこまで合わせられるか、そのためにお互い知恵を重ね合わせて返礼品を選定しました。ふるさと納税は、返礼品の割合上限が寄付額の30パーセントという制限の中で寄付額(納税額)が決まっていく制度です。その上で、「みんなで作る」というフェスティバルのポリシーに応じて、さまざまな方にメリットを享受していただけるラインナップにしたかった。ですから納税額のハードルをなるべく低く設定できるように工夫した結果、町に無理を言って1万円の寄付で実質3千円の飲食ができるお食事券(Thankyou Ticket)も返礼品に加えることができました。

実は結果的に一番の人気で、昨年の場合は1000件ほどの参加がありました。

 

元々、湯沢町さんには「ありがとう」応援感謝券という、食事に限らず町内で使える返礼品があるんです。そのような金券を返礼品として出すノウハウを湯沢町はお持ちだったんです。そういった点でも安心でした。

 

田村:湯沢町にとって、サービスは特産品なんです。なので応援感謝券を返礼品として取り扱い始めるようになりました。湯沢町は現在、約9億円をふるさと納税としていただいております。このうち、9割近くが応援感謝券なんです。また、そのうち約1億円分を占めているのがフジロック関連のものです。

より良いまちづくりとフェスを目指して

──具体的にどのような場面でふるさと納税が役立てられているのかについても伺いたいです。

 

田村:ふるさと納税での納税額のうち、3割が返礼品として還元され、2割が事務費などに使用されます。そして残りの5割が町としての政策に充てられます。

 

例えば、湯沢町は0歳から18歳まで医療費を無償にしていますし、給食費も昨年から無償化を推し進めています。また、町の高齢化が進む中で、車を運転できない住民や免許を返上した方、あるいは70歳を超えた方たちに、町中を走る路線バスの運賃を100円に設定して移動しやすくしています。これらの政策に踏み込むことができる新たな財源として、ふるさと納税を役立てています。

 

石飛:湯沢町は温泉やスキーなどをはじめとした観光の町でもあります。過去に湯沢町を訪れたことがある方や「また行こう」と思っている方が応援感謝券を返礼品としてチョイスするケースが多いと個人的には思うんです。そういう意味で、我々フジロックの主催者としては、フジロックの開催環境を改善するために、ふるさと納税を役立てるのはもちろんのこと、町民や他の目的で湯沢町を訪れる方々に満足していただける使い道を、町と共に手探りで探していきたいなと思っています。それが結果的にフジロック参加者の満足度を上げることにも繋がると、私は捉えています。

 フジロックと湯沢町は一心同体。更にフェスティバルを盛り上げたい


──お互いに関わり合う中で意識していることはありますか?

 

石飛:フジロックは、他での開催地から25年前に苗場へ移ってきて現在へと至ります。その時から、町民のみなさんをはじめ、コツコツと積み上げてきた信頼関係があると思っています。その思いにふるさと納税を通じて答えることができれば嬉しいですし、それをフジロックの来場者が実際に感じられるような政策につながれば、それで十分だと思います。

 

一方で、昨年のふるさと納税の一部を財源に、今年から会場内に井戸を掘り始めています。このようにフジロックの開催環境整備に充てられるわけですが、これは開催中の熱中症対策にも繋がり、ひいては町の医療に負担をかけないことにつながる施策です。そういった連携も今後は進めていく予定です。

 

田村:フジロックは世界中で認知されていて、多くのファンがいます。そのフェスティバルが湯沢町で開催されているということは、 本当に誇りです。フジロックをさらに盛り上げるお手伝いを町としてはやっていきたいですし、フジロックは湯沢町にとってなくてはならないものだと思っています。

▼インフォメーション▼

ふるさと納税でフジロックに行こう!お礼の品寄付受付スタート

 ▷ふるさとチョイス FRF'24特設ページ

FUJI ROCK FESTIVAL ’24

開催日:2024年7月26日(金)/27日(土)/28日(日)

場所:新潟県湯沢町苗場スキー場

公式サイト ▷https://www.fujirockfestival.com/




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