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企業が「変わらない」原因を可視化する~変革屋が開発した無意識バイアス・ラーニングツール「ANGLE(アングル)」

著者: 株式会社チェンジウェーブ


#無意識バイアス #HRテック #開発秘話


組織変革や人材育成を通して企業の変革に伴走する株式会社チェンジウェーブは、2020年9月、無意識バイアス(アンコンシャス・バイアス)を軸に組織コンディションを可視化、課題がある部署への対応策につなげる「ANGLE分析サービス」をローンチしました。


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このサービスの土台になるのは、チェンジウェーブが開発したe-learningツール「ANGLE」の受講者データです。

コンサルティングやプロジェクト実行支援、研修を通して企業の変革に取り組んできたチェンジウェーブが、なぜ「無意識バイアス」に着目し、HRテックを手掛けたのか。開発チームを率いた、藤原智子副社長のインタビューを通してご紹介します。

「変われない」企業には、論理で崩せない壁がある

新規事業が生まれない。

若手を戦力化できない。

女性管理職が増えない。

管理職のマネジメントが現状に対応できていない。

次世代経営層の育成が追いつかない。

シニア活用と言っても、実は任せる仕事が少ない。

育休を取得した男性がモチベーションダウンしてしまった。

社員のエンゲージメントが下がっている。

人事施策が目に見える成果を上げていない。


これらはすべて、チェンジウェーブにご相談いただいた企業の声です。

私たちは組織変革・人材育成のコンサルティングと実行支援を行う「変革屋」ですが、変化が激しい時代、しかもコロナ禍でますます先行き不透明な今、何から始めれば良いのか、悩まれている企業が多いことを日々、感じています。

人事戦略について語る元Netflix最高人事責任者、パティ・マッコード氏(右)とチェンジウェーブ社長、佐々木裕子(左) 

(Next Culture Summit powered by NewsPicks)



私たちは企業変革に伴走する過程で「正攻法だけでは成功しない」「論理やビジョン構築だけで進めても動かない」という場面を多く見てきました。

確実な変化を生み、広げるために「組織」と「人」の両方に働きかける「仕掛け」をデザインし、変革の確率を上げることにこだわってきたのです。


その「仕掛け」のうち、重要なステップの一つが「固定観念に狙いを定める」ことです。

変革を妨げる最大の原因は、強力な固定観念とそれに伴う躊躇、恐れです。何か変えようと思っても「お客様に迷惑がかかるのでは」「売上が下がるかもしれない」など、簡単には動けないことが少なくありません。

たとえば「高齢者は健康志向の食品を求めているに違いない」と考え、ある飲料メーカーが実験を行ったところ、健康に良い成分の入っているお茶より、甘いジュースのほうが人気は高かった、という実話があります。強力な固定観念があると、自分が見たい情報しか入ってこなくなりますから、気づかないうちに固定観念にとらわれていないか、きちんとファクトを捉えているか、棚卸ししてみることはとても大事です。


とは言え、それは自社だけではなかなか気づきにくいものです。

固定観念に気づき、対処し、新しいものに挑戦していける土台づくりをする。その土台作りが、固定観念に類するとも言える「無意識バイアス」への対処かもしれない、そう考えたのが「ANGLE」開発のきっかけになりました。


変革を阻害する「無意識バイアス」とは

無意識バイアス(アンコンシャス・バイアス)とは、人の脳が持つ仕組み、パターン認識のことです。経験したこと、見聞きしたものから作られる「物の見方」「考え方のクセ」のようなものです。

例えば「高齢者が新しいものにチャレンジするのは難しい」「女性は仕事より家庭を優先する」「定時で帰る社員は出世欲がない」「関西人はギャグが好き」などがあります。こうした無意識バイアスに気づかずにいると、自分だけの見方で人を判断してしまったり、思いこみで行動してしまったり、ということが起こります。


日本では特に性別や年齢に関わる無意識バイアスが多く見られ、本来ならもっと活躍できる人材や変化の機会を逃しています。しかも、「自分はそのような区別はしていない」「配慮しているから大丈夫」と思われている方ほど、危ういと言えます。

この、気づきにくい「無意識バイアス」をどのように認識すればよいのか、それがANGLE開発最初の山場でした。

「無意識を可視化」するテスト=IAT


目に見えないものを概念でお伝えしても、なかなか納得はしていただけませんし、一般論では自分ごとになりません。そこでANGLEには、受講者の無意識バイアスを測定するIAT(Implicit Association Test)というテストを搭載することにしました。

IATはハーバード大学、ワシントン大学の研究者が開発したテストで、現在最も信頼性が高いとされています。


ただ、海外で開発されたテストをそのまま持ってきても、文化・社会の違いがある日本では成果が出ないかもしれません。そこで、IAT研究の第一人者として知られるフェリス女学院大学の潮村公弘教授に監修を依頼し、日本向けのIATを独自開発。日本で暮らす人によく見られる無意識バイアスを心理学研究と同じレベルの正確さで測定できるようになりました。


                       ANGLE受講画面より

β版は大失敗。可視化するだけでは意味がない。

しかし、実はβ版では大失敗しました。無意識バイアスを可視化するだけでは、人の行動は変わらないんです。これは、HRサーベイなどにもよく言われることだと思います。


当初、私たちはIATをアセスメントツールのように位置付けていました。極端に言えば、IATの結果を突きつけて行動変容を促すようなやり方です。

受講される方々は「自分にそんな偏見はない」と思っているわけですから、とうてい素直には受け取れない。拒絶感の方が強くなってしまいました。

ITを使った行動変容アプローチは、生身の人間が介在したそれとは大きく異なるんだと気づきましたし、「無意識のものを扱う」こと自体の難しさを痛感した、貴重な経験でした。

HRテックだから得られる「心理的安全性」がポイントに

この大きな失敗を経て幾つかの改良に取り組み、構想から2年後の2018年、ANGLEをローンチしました。具体的には無意識バイアスに対する理解を持ってもらうこと、具体的な行動のポイントをお伝えすることなどです。


そもそも「無意識バイアス」という日本語訳が良くないのかもしれませんが、多くの人がこの言葉から直感的に想起するのはネガティブなイメージです。

しかし、「無意識バイアス」は、物事をスピーディーに判断していくため、脳に絶対に必要な機能。誰もが必ず持っているものですし、それ自体に善悪はありません。そうした知識を正しく持っていただけるようなインプットを設けた他、具体的な行動をケーススタディで考えていただいたり、自組織を観察し、どんな無意識バイアスが働いているかを考えていただいたりというアクティブ・ラーニングの要素も取り入れ、行動が変わるきっかけを作りやすくしました。


また、ITを利用したからこその「心理的安全性」も、とても大きな成果につながりました。

自分自身では認めたくない、自分の知らない一面が出てくることもありますから、無意識バイアスの学びを他者に見られるのは抵抗感がある、という方は多いです。その点、e-learningツールでは、誰にも見られないという安心があります。(ANGLEでは、導入部署の担当者や人事担当であっても個人が特定される形でのデータ閲覧はできない)個人の内省が深まる効果があり、受講後半年以上たっても82%の方が「行動が変わった」と答えてくださっています。

2019年には日本の人事部・HRアワードで優秀賞をいただくこともできました。

ANGLE受講者アンケートより

無意識バイアス対処で得られるのは「イノベーティブ視点」

日本で多く見られる無意識バイアスは「子育て中の女性は仕事より育児を優先する」といった性別に関するものと「年齢を重ねると新しいものに対する順応性が低くなる」「シニアはITが苦手」というような年齢に関するものです。


しかし、ANGLEで行っていただくのは「自分では意識できていなかったことにアンテナを立てて、違う視点から物事を捉えてみる」「事実ベースで判断する」「相手にきちんと聞いてみる」というトレーニングですから、性別・年齢以外のあらゆる無意識バイアスに転用可能なスキルが身につくんです。「イノベーティブ視点」と言えるかもしれません。

そうした意味で、ANGLE(アングル)は女性活躍推進やダイバーシティの文脈だけでなく、変化の激しい時代を生き抜くために必要な視点を獲得し、組織や家族間のコミュニケーションでも活用していただきたいと考えています。


※チェンジウェーブでは、2020年9月、ANGLE受講者データを使って、組織コンディションを可視化する分析サービスを開始しました。無意識バイアスの弊害を組織課題として捉え、対応策のご提案につなげます。

現在、無料コンサルティング付きのキャンペーンを実施しておりますので、詳細は下記までお問い合わせください。


【お問い合わせ】

株式会社チェンジウェーブ HP: https://changewave.co.jp/product/

メール: angle@changewave.co.jp 




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