パワー半導体の信頼性試験に特化した「パワエレテクノセンター」を設立。リーディングカンパニーとしての新たな挑戦とこれまでの歩み
株式会社クオルテックは、2023年7月に独立系検査会社として初めて東証グロース市場に上場を果たしました。ハイブリッド車やEV等で使われる車載向けパワー半導体を始め、エレクトロニクスメーカーの半導体・電子部品などを対象に信頼性評価試験を行っています。
脱炭素社会の実現やハイブリッド車・EVの普及に欠かせないパワー半導体。その需要がますます高まる中、当社ではパワー半導体の信頼性試験に特化した「パワエレテクノセンター」の設立を進めています。
本ストーリーでは、「パワエレテクノセンター」を統括する執行役員 兼 パワーエレクトロニクス評価センター部長の山中毅がこれまでの歩みを振り返り、今後の事業成長のポイントについて語ります。
山中 毅(執行役員 兼 パワーエレクトロニクス 評価センター部長)
【山中 毅 プロフィール】
株式会社クオルテック 執行役員 兼 パワーエレクトロニクス評価センター部長。
金属メーカーで営業職を経て、2016年クオルテックに入社。
営業経験を活かして技術者とのコミュニケーションを円滑にし、人材育成においてもその経験を活用しています。技術者が独り立ちできるように適切なフォローを行い、時には自ら考えさせる場面を作ることで、自立心と問題解決能力を養っています。
ご依頼の増加とともに成長し、更なる事業拡大を目指し「パワエレテクノセンター」を竣工へ
私は中途採用でこの会社に入り、今年で8年目を迎えます。
入社した当時、現在の「パワーエレクトロニクス評価センター」は「信頼性第二課」という「課」でした。そこからお客様の数やご依頼件数が年々増加し「課」から「部」そして「センター」へと規模が大きくなりました。
さらなる事業拡大を目指し、新たな拠点であるパワエレテクノセンターを来年1月に竣工予定です。
お客様のお困りごとを解決すること、お役に立てることがリーディングカンパニーとしての存在意義
パワー半導体は、近年脱炭素化の流れの中で、自動車、産業機器、民生機器に欠かせないキーデバイスとして注目されています。高い電圧、大きな電流を扱うことができる性質を持ち、通常の半導体とは違った構造を持っています。また大きな電力を扱うことから熱を発して高温となりやすく、故障の原因になります。
そのため、パワーサイクル試験を行い、パワー半導体に大電流を印加し、発熱を繰り返すことで半導体接合箇所の信頼性を評価するのです。この試験はパワー半導体の進化と共に注目を集めており、当社はこの分野で早くから取り組み、多くの実績とノウハウを蓄積してきたことから、リーディングカンパニーとして信頼性試験や分析解析において重要な役割を果たせるようになりました。さらに、お客様の要求に応じた試験機の開発やカスタムメイドでの製造も行っています。
当社のお客様であるパワー半導体メーカー様やセットメーカー様の製品開発のスピードが年々加速してきています。また半導体素子の材料変更(SiC、GaN、GaO、GeO₂など)や試験内容の多様化・高度化などお客様の要求難度は益々上がってきています。
今後のトレンドに適応できるよう体制を整えるうえで、まずはお客様のご要望をお聞きし、それに沿った試験機をその都度作製(カスタマイズ)し、受託試験を実施しております。常にチャレンジする精神を忘れず、学び続けることでお客様のお困りごとを解決すること、お役に立てることが私たちの存在意義だと思っております。
人材と設備を1つに集めたパワエレテクノセンターの設立が、パワーサイクル試験の発展につながる
パワエレテクノセンターの設立により、試験規模は現在の約1.5倍に拡大し、業界を代表する規模の試験機台数を保有することになります。現在、本社堺地区内の3つの拠点に分かれている部門を一つに集約し、業務の効率化も図ります。人材と設備を一つの場所に集めることで新たな化学反応が生まれることを期待しています。異なる背景や経験を持つ人々が集まり、共に働くことで、新しいアイデアや技術が生まれ、パワーサイクル試験の分野をさらに発展させることができると信じています。
左:酒井 信治(パワーエレクトロニクス 評価センター 前執行役員)
右:山中 毅(執行役員 兼 パワーエレクトロニクス 評価センター部長)
若手メンバーへの技術継承が、事業成長の鍵
2025年6月期の部門方針は「パワーサイクル試験分野において圧倒的な地位を確立する」です。そのため、特に人材育成が事業成長の鍵となり、若手メンバーの技術継承と成長が求められています。
今後ますます社内での人材育成が重要になってくると思います。パワーサイクル試験黎明期から現在に至るまで、大手電機メーカーで勤務経験がある中途採用メンバーの支えもあり、事業を拡大してきました。これからは若手メンバーへの技術継承とさらなる進化が重要なポイントです。
現在、ベテランの指導やサポート体制が整っており、若手メンバーが新しいことを学ぶ楽しさを感じながら働ける仕事環境づくりをこれからもつくっていこうと思います。資格取得も積極的に推奨しており、技術者としての育成環境は整いつつあります。若手メンバーの中には学生時代には電気とは関係のない生物や化学を専攻していたメンバーも多く、配属時は皆苦戦していますが、日々よく勉強しており、5年ほどで技術者としての基盤を築いてくれています。その後は更に専門性の高い知識を習得し成長していくことを期待しています。
若手メンバーが自らの力で問題を解決し、電気だけではなく「人」としても成長していく姿を見ることは、組織全体の成長にもつながり大きな喜びとなっています。
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