テレワークによるオーバーワークを防止しながら、仕事を効率化できるセルフ時間管理ソフト[TIMER ROBO]―その開発の裏側に迫る
キッカケは、働き方改革とテレワーク、その矛盾点をどう解消するかだった。
損害保険の代理店からスタートした富士グローバル。その顧客のほとんどは中小規模の企業だが、2 年ほど前からそれ らの企業にも「働き方改革」という大きな波が押し寄せてきていた。つまり、2019 年 4 月 1 日の関連法施行によって、企 業規模の大小にかかわらず長時間労働は解消されなければならないことになり、正規・非正規にかかわらず同一賃金 の支払を目指さなければならないということになったのである。
さらに時代からの要請によって、働く場所を選ばない「テレワーク」が本格的に普及するようになってきたが、時間を自由 に使うことができるがゆえに、リモート環境ではオーバーワーク=長時間労働に陥りがちになるというジレンマが同時に 問題視されるようになってきていたのである。
企業のさまざまなリスクマネジメントに向き合い、その課題解決に取り組んできた富士グローバルに、そういった矛盾点 を「どう解決したらよいのか?」といった声が届きだしたのは、そんな背景からだった。
さらに人手不足問題への対応が、「健康経営」への取り組みを必然化させる
他方、人手不足の問題は、ここ数年間、中小企業経営者の頭を悩ませてきた課題である。より良い人材を採用し、離職 を防ぐために、企業は福利厚生に力を入れるなど効果的な施策導入を図る必要があるが、そのための手法のひとつに 「健康経営」への取り組みがある。
健康経営とは、「社員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する」ための経営手法であり、導入することによ って、企業の社会的評価を高めるとともに、社員も安心して働くことができるため、人材確保につながっていくことが期待 されている。
テレワークの導入は、確かに交通費や事務所コストなどの低減には結びつくが、一方でオーバーワークをしがちな社員は、体調を崩し、仕事の効率を下げるプレゼンティーイズム(*)に陥る危険性をはらんでいる。
そういったマイナス状態を防ぐためには、ワーク・ライフ・バランスを考えて仕事時間の管理をキッチリ行うことが必要にな る。ただ、いちいち上司や会社に連絡・報告するのを義務づければ、社員側の負担やストレスにつながりかねない―そこ で、自ら時間管理をしっかり行い、日毎や月単位での報告ができる、なるべくシンプルな“しくみ”が絶対に必要になる― という発想から、セルフ時間管理ソフト[TIMER ROBO]が生まれたのである。
*プレゼンティーイズムとは、労働者が体調が悪いにもかかわらず仕事に就くことで、生産性が低下する状態のこと。
新型コロナ蔓延によって、[TIMER ROBO]の開発スピードに拍車がかかる
そこへ新型コロナが上陸・蔓延し出し、それまで導入に踏み切れていなかった企業も、2020年の春頃からテレワーク体制を取らざるを得ない状況となる。
おりしも[TIMER ROBO]の開発計画を具体化しようとしていた矢先に、東京都からコロナ対策にかかわるソーシャルビジネスへの助成金が出されることを知り、「テレワークによるオーバーワーク防止法開発」というテーマで申請したところ、交付が認可され、いよいよ本格的にスタートを切ることになったのだった。
ただ、それまでソフトウェア開発とは程遠い世界にいたメンバーが自分たちの思いをカタチにすることは、相応の重圧を感じながらのことであり、開発を実際に委託するチームと出会うまでに、かなりの紆余曲折があったことも事実である。しかしながら、「絶対に時代は[TIMER ROBO]を求めているはずだ!」という信念と情熱だけは、奇跡的に(?)維持できたため、それが開発チームにも伝わって、カタチになりそうだという目途が見え出したのが20年の11月。助成金に定められたリミットの3ヶ月前のことだったのでる。
シンプルで「使いやすさ」を考えたソフトであることに、とことんコダワる
そうして生まれつつあった[TIMER ROBO]は、要件定義の段階から、とにかく「使う人にとって使いやすいソフト」であることを一貫して追求してきた。それはつまり、管理する側が管理するために使いやすいということよりも、使う側が自分で使いたくなる、別の言い方をすれば「とにかく自分時間を上手くコントロールしようという気になる」ことに重点を置いたのである。
そのポリシーが一番に現れているのが、クリックするだけで簡単に時間が記録できるという操作性である。この手のソフトにありがちな、いちいちソフトを起ち上げなければならないという手間を省くため、PC起動時に自動的に起ち上がり、その後STARTボタンを押すように促してくれる。仕事終わりにはFINISHボタンを押すだけでPC内に自動記録される。そしてもちろん、クリックし忘れた時のために、マイページで確認・修正ができるという機能も付加するなど、使う人の自律的な行動を促すことに注力したのである。
副業やジョブ型雇用といった、これからのワークスタイルにも対応!
コロナ禍によって“新しい生活様式”を強いられる生活が2年目に突入するなかで、テレワーク導入をはじめとした労働環境の変化により、様々な問題が表面化してきている。そのひとつが、労働者の精神疾患が増えているという事実である。厚生労働省による最近の調査によれば、自殺などを防止するためにもメンタルヘルス管理が急務であるということ。
もちろん、[TIMER ROBO]自体にメンタルヘルスを強化する機能はないが、自分時間をキチンと意識的に管理することでメリハリのついた生活を送ることにつながり、それがひいてはメンタルヘルスの維持につながるものと考えられる。
また、そういったことも含め、[TIMER ROBO]の効能について社労士の方々にも意見をうかがう中で、これから広がっていく可能性のある「新しい働き方」にも使えそうだということがわかってきた。
そのひとつが「副業」。副業を委託する側として必要となる時間管理はもちろん、副業を許可する企業が社員の副業時間を把握することで、全体としての労働時間管理を正確に行うことにつながるというわけである。
そしてもうひとつが、これから導入が進んでいくであろうと思われる「ジョブ型雇用」である。その場合、被雇用者は自らの能力を示して会社と雇用契約を結ぶことになるが、そこで重要になるのがスキルと効率という要素。両方とも「決められた時間内にどんな仕事をどれだけこなせるか」ということが判断基準となる。その前提には、時間管理能力が問われてくるのであり・・・そこで[TIMER ROBO]で時間管理能力を鍛えるという使い方が生まれてくる、と思われるのである。
そして、発売からわずか3ヶ月後には、各PCによって記録された情報を一元管理できる[管理ツール]をリリース。多様化するワークスタイルに、企業側でも対応できるように機能を強化。ユーザーの多彩な要望に応えられるよう、[TIMER ROBO]は進化・発展をし続けている
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ