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今日が、残りの人生の最初の1日。

三井住友カードとmore treesが目指す「持続可能な森づくり」〜キャッシュレスを通じて社会課題の解決へ〜

著者: 三井住友カード株式会社

2018年より、「Have a good Cashless.」をブランドメッセージとして、キャッシュレスを通じた社会課題の解決を目指す三井住友カード。

安心・安全、便利、かつお得にキャッシュレスでgoodな毎日を送れるよう、さまざまな商品・サービスを提供しています。

また、三井住友カードでは、goodの輪をさらに広げるべく、事業活動とリンクした社会課題解決にも取り組んでいます。その一環として、WEB明細への切り替えなどデジタル化による利便性を追求しながら、持続可能な森づくりを目指す「三井住友カードの森」の取り組みを実施しています。

 

本記事では、三井住友カード株式会社 マーケティング本部 金子真友と、「三井住友カードの森」の活動を共に推進する一般社団法人more trees(モア・トゥリーズ)事務局長 水谷 伸吉氏が、「持続可能な森づくりの裏側」を語ります。


一般社団法人more trees 事務局長 水谷 伸吉氏(写真右)

三井住友カード株式会社 マーケティング本部 金子真友(写真左)

デジタル化と森林保全活動を紐づけた動き

ー「三井住友カードの森」では、どのような活動をしていますか?


金子:当社では、ご利用明細書のWEB化を推進しています。こちらはデジタル化の動きですが、連動して社会課題解決ができないかという思いから立ち上がったのが「三井住友カードの森」です。紙からWEB明細に切り替えることで削減されたコストの一部を森林保全活動に寄付することで、全国に「三井住友カードの森」を展開しています。2022年4月現在、8割以上のお客さまがWEB明細に切り替えています。


金子:現在、「三井住友カードの森」は全国に5ヵ所あり、植樹だけでなく間伐も行いながら、森を健全な状態に戻していく活動をしています。森づくりというと、「木を植える」イメージが強いと思いますが、実は持続可能な森をつくるには植樹だけでは不十分であり、むしろ適切に間引くことが重要だと、森林保全活動を通じて学びました。


三井住友カードの森は全国5ヵ所(岩手県・長野県・奈良県・高知県・宮崎県)


水谷:その通りです。日本は国土の約7割が森林であり、非常に自然が豊かです。一方で、その内訳は約4割が人工的に植えられた人工林で、大半をスギとヒノキが占めています。日本に数百種類の樹木があるなかでスギとヒノキがこれだけ多いのは、ダイバーシティに欠けている状態といえます。


さらに、現在生えているスギとヒノキの多くは植栽後50年以上経過しており、すでに木材として使えるほど成熟しています。それを伐採し、その後、地域にあった樹木を植える、あるいは適切に間引いて健全な森に誘導する必要があります。


実際に体験した間伐の様子(宮崎県天川村)


ーダイバーシティに欠けた森は、何が問題なのでしょう?


水谷:例えば、スギだけで構成された森林の場合、スギだけに蔓延する害虫が広がったら森林が全滅してしまいます。害虫だけでなく、土壌の豊かさや土砂災害に対する適応力も、木々の種類が多いほど高くなります。そういった観点で、サステナブルな地球環境のためには、組成する樹木の種類が少ない森では課題があると言えるでしょう。

ー森林を健全な状態に導くには、自治体や国の活動だけでは不十分なのですか?


水谷:日本の森林は、国が保有する国有林、行政が保有する森、個人などの民間が所有する森があります。行政や民間所有の森にも国の補助金は出ますが、持続可能な状態にするには十分でないのが正直なところ。森林は公共性が高いので、三井住友カードさんのような企業の支援は大きな社会貢献となります。企業が森林保全活動にコミットすることで、社会課題解決はもちろんのこと、森林整備に関する雇用が生まれたり、一方でこれまで接点のなかった人へ地域のPRができたり、森林の多面的機能が発揮されて、地域住民など受益者の方にもプラスになると考えています。


一般社団法人more trees 事務局長 水谷 伸吉氏


ー「三井住友カードの森」各地を実際に訪問して感じたことは?


金子:知識として知っていたものの、現地で役場や森林組合の方に話を聞きながら伐採や植樹の体験をさせていただいたことで、よりリアルな状況、現在の森林保全などの課題について身をもって感じることができました。

例えば、森づくりに関しても、自治体からの発信とは別に当社が発信することで、より広くに伝えることができます。このインタビューもまさにそうですが、「持続可能な森づくりは植樹だけじゃない。適切な伐採も重要なんだ」という、あまり認知されていない事実を知ってもらえるキッカケになれば嬉しいです。


水谷:寄付するだけでなく企業の方が現場に出向いてくれるのは、非常にありがたいです。企業によっては寄付のみで現場のサポートはお任せというスタンスも多く、レポートだけでは現地の体温が伝えきれないという課題があります。その点、三井住友カードさんは心強いパートナーです。


間伐した木材を活用した木質ペレット工場の視察(高知県梼原町)


キャッシュレスを通じて、goodな社会へ導く

ーさまざまな環境保護活動があるなかで、なぜ三井住友カードでは森林保全活動に注力するのですか?


金子:三井住友カードでは、2018年から「Have a good Cashless.」というブランドメッセージを掲げ、キャッシュレスを通じた社会課題の解決を目指しています。そのひとつとして、クレジットカードご利用明細書のWEB化を推進しています。紙の使用量を減らすことで森林伐採をセーブし、さらにプラスのアクションとして森の育成にも携わることができたらと思い、「三井住友カードの森」を立ち上げました。

ー「Have a good Cashless.」には、どのような思いが込められているのでしょうか?


金子:当社のビジネスを通じてキャッシュレス化を推進しながら、同時に事業とリンクした社会課題の解決に取り組みたいという意思が込められています。キャッシュレスを進めることで、「ひとり一人のお客様にとって」「お店にとって」「社会にとって」、すべてがgoodに向かうことを目指しています。


「三井住友カードの森」は、まさにこのブランドメッセージに沿った活動であり、2020年2月から展開している「タッチハッピー」もまた然り。これは、Visaのタッチ決済数に応じて、社会課題の解決に取り組む団体に寄付を行う活動です。

(参考 タッチハッピー ) 


「日常のこと」「次世代のこと」といったテーマの下、子どもや食、防災、海洋プラスチックごみ問題などに関わるNPOなど、これまで7団体をパートナーに迎えました。そして2022年4月からは、「三井住友カードの森」でご一緒しているmore treesさんをパートナーにお迎えしています。


WEB明細への切り替えも急激に進みましたが、コロナ禍で非接触決済の需要も相まって、タッチ決済も急伸しています。会員向けの多数のメルマガのなかで、タッチハッピーに関するお礼のメールは他に比べて開封率が断然高いなど、顧客理解を得られていると感じています。

ー企業として、社会貢献活動を推進する目的や目指す姿を教えてください。


金子:社会貢献活動は、社会に存在する企業としての責務であり、長い目線で将来にわたって当社サービスを選んでいただく重要な要素であると捉えています。「タッチハッピー」や「三井住友カードの森」が、長く当社のサービスを利用していただくための動機付けの1つになればと。


短期的な寄付ではインパクトのある結果は生まれづらいと思いますので、長期的な目線で取り組むことを目標としています。



三井住友カード株式会社 マーケティング本部 金子真友


共創パートナー・more treesとの活動

ー「三井住友カードの森」を共に推進するmore treesの活動内容を教えてください。


水谷:more treesは、音楽家の坂本龍一が代表を務める森林保全団体です。ベースとなる活動は多様性のある森づくりで、現在、国内16ヵ所、海外2ヵ所の森で活動に取り組んでいます。


我々は、単純に森林保全についてだけでなく、都市と森のつながりを大事にしています。例えば、スギやヒノキを企業のノベルティやオフィスの内装に使ってもらう、あるいはECでグッズとして一般消費者の方に買ってもらうなど、木というぬくもりのあるマテリアルを都会の人に間近に感じてもらえるような場作りに注力しています。


森づくりをするうえでは、市区町村とのコミュニケーションを大事にしていて、地元の森林組合や林業を営む事業者と丁寧に対話しながら、企業との橋渡しをしています。天然素材を使っているアパレルやコスメなど、自然との接点がある企業さんとのお付き合いが多いのですが、近年は、三井住友カードさんをはじめ、金融など一見すると森林とはあまり関わりのないような業種の企業も増えています。時代の変化を感じるとともに、心強い存在です。


金子:弊社としても、こういったmore treesさんの理念に共感し、持続可能な森づくりに取り組む自治体との懸け橋としてぜひご協力をお願いしたいと思いました。

ー活動を始めて、現在3年目。一緒に活動するうえで、どんなことを感じていますか?


金子:水谷さんを筆頭にmore treesの皆さんは木について話し出すと止まらない熱意の持ち主です(笑)。全国の土地の色や人柄を十分に知っているからこそ、それらを考慮した森づくりの深いアドバイスをされています。自治体との強い関係性を築いているからこそできることだと思います。


水谷:地域の方にとって僕らはよそ者なので、土足で踏み込むのはご法度なんですよね。郷に入りては郷に従えの精神で、彼らのニーズに寄り添う。でも、僕らの知見を生かした森づくりはしっかり提案して、最終的なジャッジは地元の意思を尊重する。お互いに納得できる共通地点を見い出すということですね。


三井住友カードさんに関しては、金融大手の企業にここまで関心を寄せてもらえるとも、ここまでフットワーク軽く現場に来てもらえるとも思っていませんでした(笑)。地域の方とも、きちんと寄り添う雰囲気で参加してくださるのもありがたいなと。


金子:私もこんなに何度も現地に行けるものなんだと思いました(笑)。コロナ禍のため最少人数で訪問しておりますが、社内からは「自分も訪問したい」と多くの声をもらっています。マーケティングに係る人間として、現地の温度感を知ることの重要性を感じているメンバーが多くいます。


育苗施設見学(奈良県天川村)


50年後も100年後も続く持続可能な森ができるように

ー活動を持続するうえで、難しさは感じますか?


金子:マーケティング部門の人間として、伝え方の難しさは痛感します。自分も一顧客としては、「クレジットカード会社がなぜ森?」と感じると思うので、丁寧に伝えていくことで顧客理解を深めていけたらと。森林保全に関する感度については人それぞれですので、それぞれに届くような伝え方を工夫するようにしています。


今、支援している森が育ち、ようやく持続可能な森となるのは最短でも50~60年後。活動レポートもまだまだ緑が映える写真にはならないですし、極端にいうと今は間伐をしているので茶色い野原の写真ばかりです。このあたりは丁寧に説明していくしかないなと。社外だけでなく、社内向けの発信にも注力し、現地に行くたびに社内向けレポートを発信しています。


水谷:インターナルエデュケーションといわれるところですね。社内向けの発信を強化するのは、すごく大事なことだと思います。一方で僕らの課題は、森づくりの成果をどう定量化するか。「何本植樹した」「何ヘクタールの森を整備した」という数値だけでなく、CO2の吸収量なども明確に示す必要があります。


ようやく2021年末に全国共通の算定ツールが開発されましたが、そもそも何トンのCO2が吸収されたと伝えても、インパクトがわかりづらいですよね。飛行機に換算して東京とNYが何往復分といった、誰にでもわかる伝え方をすることで、実感してもらえるよう心がけています。


企業としても、「環境にいい活動をしている」だけでは上層部は納得しませんよね。その活動がどれだけの成果になるのか、KPIや成果を定量化していくことは森林領域の課題です。



ー「三井住友カードの森」を通して、どんな未来を達成したいと思っていますか?


金子:持続可能な森にまで育つのは数十年後ということで、自分自身がどこまで森の成長を見守れるのかという課題はあるものの、支援している森がしっかり育ってほしいと願うばかりです。長く支援を続け、持続可能な森づくりというゴールにつなげていきたいですね。


水谷:僕らとしては、地域のコミュニティの方と森の恵みを分かち合いながら、持続可能な森を育成していけたらと考えています。育てた森林の木を一部家具に使うなど、地域経済にも回していけるのが理想です。

ー「三井住友カードの森」を通じて、お客様へ伝えたいメッセージを聞かせてください。


金子:「三井住友カードの森」を知っていただき活動に理解、共感いただくことで、当社のサービスを使い続けたいと思っていただけたら何よりです。三井住友カードを使い続けることは、より良い社会や未来につながると思ってくださる方が増えたら嬉しいです。


水谷:寄付や社会課題の解決が前面に出るというより、一般的な消費活動を通じて、肩肘張らずに森とつながることができるという、さり気ない貢献が大事かなと思います。三井住友カードを接点として、より多くの方に持続可能な森づくりの活動を知っていただきたいですね。



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