ザ・ノース・フェイスとスノーピークが知床の地でタッグを組む理由 知床国立公園60周年・世界遺産20周年記念「知床アドベンチャーフェスティバル」
日本が誇る世界遺産の一つ、北海道・知床。この秋、知床国立公園60周年・世界遺産20周年を記念したアウトドアイベント「知床アドベンチャーフェスティバル」が開催される。同イベントは、ザ・ノース・フェイスとスノーピークがタッグを組む、またとないコラボレーションによって実現する。
偶然がきっかけとなった、あるようでなかった
ザ・ノース・フェイスとスノーピークの融合
未だ手つかずの雄大な自然と人とが共生する唯一無二のフィールドを舞台にしたこのイベント。知床という土地によって人と人が繋がり、そして斜里町・羅臼町という二つの町とザ・ノース・フェイスとスノーピークという二つのアウトドアブランドがクロスオーバーした奇跡のようなきっかけによってはじまった。
知床の海と森をつなぐ存在、それが知床鮭だ
photo Naoki Ishikawa
時は遡り、2021年10月。ザ・ノース・フェイスやヘリーハンセンを展開する株式会社ゴールドウインは、10月9日に知床の“西側”である斜里町と、「自然と共生する社会の実現へ」をテーマに地域活性化に関する包括連携協定を締結した。なんとその前日、知床の“東側”である羅臼町と株式会社スノーピークが包括連携協定を締結していた。偶然にもわずか一日違いで、知床を二分する町はそれぞれアウトドアブランドと手を取り合う事となった。ゴールドウインと斜里町は、子どもたちの自然体験の充実、 契約アスリートと地域住民との触れ合い、 海洋ゴミを再利用したプロダクト開発など、 知床の自然の保全と未来への継承につながる取り組みを。スノーピークは、「地域における持続可能な開発目標の達成とそのための人材育成に寄与すること」を目標に、羅臼町と連携し、野遊びコンテンツの開発や海産物の活用など、 世界有数の野遊び環境を守るための取り組みを中心に行ってきた。
そして、今回記念すべき周年イヤーに、この四者が交差することとなった。「知床アドベンチャーフェスティバル」はあらゆる偶然の縁が繋がり実現したのだと専務執行役員であり、ザ・ノース・フェイス事業本部長の森光は話す。
専務執行役員 ザ・ノース・フェイス事業本部長 森光
「(スノーピークの)山井社長とは知床で何か一緒にやりたいですねという話を以前からしていたんです。ちょうど今回の周年があるということで、環境省の岡野氏に架け橋になっていただき、開催に至りました。隣町と連携するブランド同士で共同開催するということは、知床や知床国立公園への話題性や注目度も高まりますし、より多くの方に知床の魅力を知ってもらい、関心を高めていける機会だと思っています。確固たるポリシーをもった素晴らしいアウトドアブランドであるスノーピークさんとタッグを組むというのは、初めての試みでとても楽しみです」
同イベントは斜里町、羅臼町の2会場にて行われる。「国立公園×アウトドア×滞在」をテーマに展開される羅臼会場では、スノーピークがキャンプを軸にしたコンテンツを提供。ザ・ノース・フェイスによる斜里会場では、「国立公園×環境×アクティビティ」をテーマに、写真家の石川直樹氏やザ・ノース・フェイス アスリートの田中陽希氏を招いてのアスリートトークやアクティビティ、アウトドア映画祭などが催される。メイン会場となるのは、羅臼会場は羅臼オートキャンプ場、斜里会場は「THE NORTH FACE/HELLY HANSEN知床店」もある知床国立公園内の知床自然センター だ。
知床の森の再生・しれとこ100平方メートル運動を知る「Eco-Education Walk」(9/15)
羅臼オートキャンプ場で、2日間にわたり開催される「キャンプイベント」 (9/14-15)
※画像はイメージです
知床とザ・ノース・フェイスの出合い
きっかけは石川直樹だった
知床国立公園には、ザ・ノース・フェイス/ヘリーハンセンのフィールドショップを代表するストアがある。「THE NORTH FACE/HELLY HANSEN知床店」は、斜里町と包括連携を締結する以前の2019年5月にオープンした。そのきっかけとなったのは、世界的な写真家であり文筆家としても知られる石川直樹の存在だった。
「旅やフィールド撮影だけでなく、様々なプロジェクトやイベント、ワークショップを通して知床という地域、そしてそこに暮らす人々に関わってきた石川さんに、声をかけていただき当社社長の渡辺と知床を訪れました。それまで自治体と何かを取り組むというケースはあまりなかったので、どういうことができるのかというディスカッションが目的だったのですが、渡辺は『ここにお店を作りましょう』と言ったのです。最初は驚きもありましたね」
冬の間、知床横断道路は封鎖され、知床国立公園に足を運ぶのはなかなか容易ではない。年間を通した店舗への集客は見込めない地域なのだ。しかし、そこにはフィールドとの深い関わり、という「物を売ること以外の価値が生まれた」という。
「直営店の隣りには知床財団さんの事務所があるので、スタッフは毎日のように顔を合わせます。知床財団の方々とのリレーションはとても深まりましたね。様々なフィールドに出店をしていますが、特殊なロケーションにあるフィールドショップだからこそ、他に類をみない深い関わりができていると思います。そもそも直営店のスタッフは、その土地ごとに、地元の人たちとのコミュニケーターになるんです。また知床は、消費という関わりでいうと観光客やインバウンド需要はもちろんありますが、半分以上は地元の方々によるものです。フィールドショップの周辺に住まわれる方というのはもう毎日がアウトドアなので、 都会と違ってアウトドアウェアが日常着。そういった暮らしの中のニーズとして我々の存在意義を見出せるということも喜ばしいことです」
自治体や地域との密な関わりが、学びの機会をつくり、暮らしに寄り添うコミュニケーションのヒントを与える。知床国立公園と「THE NORTH FACE/HELLY HANSEN知床店」は、環境省と結んだ「国立公園オフィシャルパートナーシップ」において良いモデルケースとなったのだ。
斜里町の役場に所属する地域プロジェクトマネージャーの初海淳さんはいう。
「プロダクトを通した認知拡大のサポートや、コラボグッズの売上寄付といったことに加えて、アスリートの方々と町民の皆さんとの交流を通して知床の魅力が発信されたり、再認識してもらえることはとても有難いんです。ともすると形式的なものになりがちな協定ですが、具体的な事例を積み上げていける関係性にもメリットをとても感じていますし、それは町民の皆さん、町役場のメンバーにも充分に伝わっていると思います」
斜里町の地域プロジェクトマネージャーとして知床ブランディングを進める初海淳さん
※画像:2月の知床流氷ウォークを体験中
5年以上に及ぶ、知床とザ・ノース・フェイスのパートナーシップの一つの集大成となるのが、今回の「知床アドベンチャーフェスティバル」ともいえる。
人の想像力を掻き立てる雄大な自然
そこに足を踏み入れる魅力
長さ約70km、幅が広いところで25kmの細長い半島である知床半島。この中心部分には、羅臼岳や硫黄山などいまだ活動中の火山を含む知床連山が連なる。海氷が流れ着くポイントとしては、この地は世界でもっとも低緯度に位置しているが、この海氷に
よって大量のプランクトンが発生し、食物連鎖の起点となっているのだ。
海・川・森、豊かな生命のサイクルの起点となるのが流氷だ
photo Naoki Ishikawa
「この海氷を起点にして、海、川、森の命のサイクルがあって、それが人々の生活と隣り合わせになっているんです。私たちここに住む者たちは、この唯一無二の自然を理解して、大切に認識しながら暮らしているんです。これこそが知床の価値なのかなと思いますね。手付かずの自然と共にいつの時代もそこに人がいるんです」
初海さんは続ける。
「そんな大自然と対峙した時に、人の命は自然に委ねられているんだなと感じることがあるんです。つまり、自然ファーストなんです。知床の森に足を踏み入れると、当然、想像力はかき立てられます。今回のイベントでは、そんな日常では簡単に遭遇することのできない景色や動植物たちと直で触れ合い、何かを感じることのできる、またとない機会になっていると思います」
「知床国立公園60周年世界遺産20周年記念」サイト
https://nationalpark60.shiretoko.or.jp/
「知床アドベンチャーフェスティバル」詳細
https://nationalpark60.shiretoko.or.jp/special-event/
Goldwin Inc.
株式会社ゴールドウイン(本社:東京都港区/代表取締役社長:渡辺 貴生)は、モノづくり、コトづくり、環境づくりの3つを軸に、スポーツやアウトドアの領域を中心に人々の新たな挑戦を支え、その可能性をひらいていくライフスタイルクリエイティブカンパニーです。素材や技術、テクノロジー、環境の研究を日々行いながら、多様な背景、専門性をもったブランドの知恵やアイディアをゴールドウイン全体で共有し、モノづくりとコミュニケーションを進化させ続けています。スポーツから日々の暮らしまで、人間のパフォーマンスを最大化することはもちろん、環境負荷を可能な限り減らし、人間を生かし、人間が遊ぶフィールドである自然をより豊かなものにしていきます。誰かがではなく、私たちが率先し、よりよい未来をつくっていきます。
東京本社 所在地:〒107-8570 東京都港区北青山3-5-6 青朋ビル
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