「学び」を超える楽しさを。世界遺産検定が初の写真集を発売する理由とは?受検しない人も夢中になる“沼る”世界遺産の魅力
NPO法人世界遺産アカデミーが主催する「世界遺産検定」は、世界遺産を通じて国際的な教養を身につけ、ユネスコの平和理念を学ぶことで世界遺産の保全活動の輪を広げることを目的とした検定です。文部科学省の後援を受けており、2006年の開始以来、40万人近くの方に受検していただいています。また認定者も22万人を超えるほどに広がってきています。
検定用の公式テキストなどはこれまでにも発売してきましたが、今回は新たな顧客の獲得を目指し「クイズとともに読み進める写真集」を発売することになりました。その狙いについて、編集担当の二見がお話しします!
「世界遺産を学ぶことが当たり前の世界にしたい」という夢
NPO法人世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局の活動の根底には、世界遺産の学びを通じて世界の多様性を理解することが、人類すべてに通底する価値の発見と、よりよい社会の創造に繋がる、という理念があります。
その理念を実現させるため、世界遺産を旅したり見たりするだけでなく、世界遺産を「学ぶ」ことが当たり前になる世の中にしたいと考えています。
世界遺産を学ぶ文化を創る。「学び」と「検定」のハードルを超えて本当の世界遺産ファンを増やすNPOの挑戦
世界遺産は観光地として人気の場所が登録されていることも多く、実際に行ってみたりテレビ番組などで見たりするのが一番の楽しみ方になっています。そこに「検定」や「学び」の要素が入ると急に難しくハードルが高いものと感じる方がどうしても出てきてしまいます。
夢の実現の大前提として、世界遺産をより深く知ってもらう「学び」のハードルを少し下げて本当の世界遺産好きを増やす必要があると感じていました。
研究員や広報、営業担当も交えた会議の風景。どうすれば世界遺産の学びに親しみやすさを感じてもらえるかが今回の企画の重要なテーマとなった
気楽に楽しむ世界遺産の魅力
私が制作を担当しているコンテンツの中に、世界遺産検定HPで連載している「せかけんクイズ」があります。世界遺産にまつわる4択のクイズで、遺産のトリビアや裏話、伝説など、あまり知られていない、つい誰かに話したくなるような内容である点が特徴です。
検定っぽさにはこだわらず、世界遺産に登録されたアカデミックな価値とは直接関係ないものも多いのですが、世界遺産を知らない人でも興味を持ってもらいやすく、毎問約3,000人が挑戦する人気コンテンツとなっています。
世界遺産検定HPで連載している「せかけんクイズ」の一例
世界遺産検定には出てこないような、世界遺産を気楽に楽しんでもらうためのクイズ。学習や検定にとらわれず、世界遺産好きを増やすためにふさわしい内容だと思いました。そこで誰もが納得する世界遺産の華やかな魅力と、せかけんクイズを組み合わせた、新しいタイプの写真集の制作に至りました。
写真とクイズで世界遺産に“沼る”体験を提供!見栄えや地域バランスを重視した厳選クイズ
タイトルは『美しくて奥が深い世界遺産』、キャッチコピーは「世界遺産に"沼る"」。「沼る」は何かにハマり、いつの間にか夢中になっていたことを意味する言葉です。美しい写真をクイズとともに読み進めていくうちに、世界遺産の魅力に引き込まれるような写真集を目指しました。
本書より富士山のページ
書籍の編集にあたっては、世界遺産の奥深さを伝えるためにいくつかの工夫を凝らしました。約1,000件あるクイズのストックから、「写真の見栄えが良いもの」「クイズの内容に意外性や新奇性があるもの」「遺産のある国・地域のバランス」「遺産の知名度」を考慮し、厳選して50件に絞り込みました。イタリアの「ローマの歴史地区」やエジプトの「メンフィスのピラミッド地帯」のように有名な世界遺産から、日本ではあまり知られていない玄人好みの世界遺産まで、世界各地から幅広く取り上げ、ページをめくりながら世界を旅しているような気持ちになってもらえる本にしたいというのもポイントでした。各クイズには解説を加え、保有国や遺産名などの基本情報を簡潔に紹介することで、読者が理解しやすい内容に仕上げています。
書店プロモーションでも魅力を発信。先行販売ではAmazonカテゴリーランキングで1位獲得
「丸の内 BOOKCON 2024」でのブース出展
今回新たな取り組みとして、書店への展開に力を入れました。11月7日(木)~9日(土)に開催された書店イベント「丸の内 BOOKCON 2024」では世界遺産検定関連のブースを出展し、本書の先行販売を行いました。
事前にSNSやメルマガなどで告知を行ったところ、出展当日(9日)は200人以上の方々にブースにお越しいただきました。先行販売も好調で、イベント終了後にはAmazonで特定のカテゴリーでランキング1位になるなど、注目を集めました。当日は写真集だけでなく、世界遺産検定の公式テキストに興味を示していただいた方や、実際にテキストを購入された方もいらっしゃいました。
また、11月15日(金)の発売に合わせて、紀伊國屋書店新宿本店など複数の書店で刊行記念のパネル展を展開していただきました。検定受検者にこだわらず、幅広い層に向けて世界遺産の魅力を発信することができました。
紀伊國屋書店新宿本店での刊行記念パネル展
「世界遺産を学ぶことが当たり前」の未来を目指して。気が付けば夢中になれる仕組みづくりを
本書の発売は「世界遺産を学ぶことが当たり前の世界にする」という夢の実現に向けて、世界遺産好きの裾野を広げるための大きな一歩です。
目標は「世界遺産を学ぶことが当たり前の世界にする」ことですが、個人的にはその前段階として、「いつの間にか世界遺産に夢中になり、楽しむ内に知識が身についていた」という人を一人でも多く増やしたいと考えています。
そうして世界遺産を学ぶことが当たり前と感じる人が増えていけば、ユネスコが世界遺産活動で求める世界の実現にもつながりますし、私たちの主要事業である世界遺産検定の拡大にもつながります。今後も多彩な切り口からの世界遺産コンテンツを増やし、世界遺産沼への入口にしていきたいと考えています。
■関連プレスリリース
毎問約3,000人がチャレンジする世界遺産検定公式HPの大人気コンテンツ「せかけんクイズ」が待望の書籍化!新刊書籍『美しくて奥が深い世界遺産』発売
■書籍情報
タイトル:美しくて奥が深い世界遺産
著者:世界遺産検定事務局
監修:NPO法人 世界遺産アカデミー
発売:株式会社 マイナビ出版
発売日:2024年11月15日(金)
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)
ISBN:978-4-8399-8777-0
判型:A5判
色:4C/4C
頁数:128
■販売サイト
ユネスコの理念を知り世界遺産活動の輪を広げることを目的に、世界遺産アカデミーが主催する文部科学省後援の検定。2006年の第1回検定以来、40万⼈近くが受検、22万⼈以上が認定されている。年4回、全国の主要都市で開催しており、4級、3級、2級、1級、最上級のマイスターのほか、2024年7月第56回検定からは準1級も新設されて全6級構成となった。20代を中⼼に⼦どもからシニアまで幅広い受検者を集め、メディアからの注⽬も⾼い。⼤学等⼊試優遇や学校での授業にも組み込まれている他、世界遺産に関連する施設・催事などでの認定者向けの優待特典もある。受検者からは「世界遺産を勉強したら、旅がもっと楽しくなった」との声も多く、趣味・教養を深める検定としても⼈気を博している。
ユネスコの理念を広め、多文化理解を進めることで、世界遺産の保全活動の輪を広げ、社会に貢献することを目的に設立。2006年より、世界遺産条約の理念や世界遺産の価値を学ぶ「世界遺産検定」を開催。受検料の一部はユネスコの信託基金「世界遺産基金」に寄付され、世界遺産の保護・保全に役立てている。また、世界遺産の専門家による講演会の開催、自治体・教育機関への講師派遣、各国大使館での文化体験イベントの開催、世界遺産の保全活動を体験するクリーンツーリズムイベントの開催、世界遺産の建築見学ツアーなど、様々な取り組みを行っている。
公式HP:https://wha.or.jp/
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