竹中平蔵氏監修 <未来をつくる>プロジェクト#1「アウェイで勝負できる人材育成を」
海外留学および国際教育のリーディングカンパニー、イー・エフ・エデュケーション・ファースト(以下「EF」)が主催する、6か月間の<課題解決型>海外研修を行う学習プロジェクト「日本の未来の作り方、あなたの未来の作り方」の募集が今月いよいよスタートしました。
【リリース】「グローバルに活躍するビジネスリーダーから直に学ぶ<課題解決型>海外学習プロジェクトがスタート!」
このプロジェクトの旗振り役である、慶應義塾大学名誉教授で東洋大学教授の竹中平蔵氏に、企画の誕生からプロジェクトに込めた期待、参加学生へのメッセージなど様々なストーリーを語ってもらいました。
(聞き手はEFアジア地域統括マネージャー井上徳彦)
日本のグローバル教育に感じる課題
竹中先生とは6年ほど前から数年間にわたって香港で行われた高校生向け夏季海外研修でご一緒させていただき、その時からグローバル教育への熱い想いのようなものを伺ってきました。弊社は教育機関ですので、そうした会話を重ねる中で今回の共同企画を立ち上げさせていただくに至りました。感染症拡大の影響もあり、世界環境はこれまでにないスピードで変化しています。そうした中で教育、とりわけ日本のグローバル教育に対し日々感じていらっしゃる課題等についてお聞かせください。
(竹中氏)教育を考えたとき、まず「何のための教育か?」という問いが出てきます。教育は一人ひとりが本当の意味で物質的・精神的に豊かな人生を送るためのものだと思います。人間は非常に『社会的』な存在で社会とのつながりの中で成り立っている。ですので、豊かな人生を送るためには、社会にとっての問題点を発見し、解決することが必要となってきます。
今社会は急速なグローバル化という大きな流れの中にいます。90年以降、このグローバル化によって世界的なつながりが強くなり、世界的な競争が激しくなってきていますが、日本は国レベルでも個人レベルでも、このグローバル化の流れに十分乗れていない。それは英語教育についても言えると思います。
そこへ今回のコロナ禍によって、人々が豊かに生き世界の問題を解決していくためには、グローバル化に加えてデジタル化(デジタルトランスフォーメーション)も必要となってきた。これからは、グローバル化、デジタル化の急速な流れの中で、自分の能力を高め、社会と関わりながらどう貢献をしていくかが求められていくと思います。
こうしたグローバル化において教育が果たせる役割は非常に大きい。EFは世界的なネットワークをベースに長年にわたってこの分野で大きな貢献をしていきていますので、今回のグローバルな目線から社会課題に立ち向かうプロジェクトを立ち上げることにつながりました。
6か月間の海外学習(イマ―ジョン学習)の意義について
本プログラムでは、6か月間にわたって多国籍の生徒とともに、マルチカルチュアルな環境の中で英語学習をし、並行して世界で活躍するビジネスパーソンから直に指導を受けながら社会的問題へのリサーチを行い現地で問題解決に向けたアプローチを模索します。本企画はグローバル教育の課題にどう貢献ができるとお考えですか?
(竹中氏)数年前発行されたロンドンエコノミストの書籍『2050年の世界』(原題は「MEGACHANGE: The World in 2050」)の印象的な一説に、「今後、人工知能(AI)により自動翻訳機もたくさん出てくるがそれでも英語は国際言語の王座に君臨するだろう」というのがあります。まったくその通りで、これからも引き続き私たち一人ひとりがコミュニケーション能力を高める必要があり、そのための手段としての英語は非常に重要です。6か月という一定期間、英語で考え、読み書きし、生活することは大きな訓練になると思います。
合わせて、日本は非常に素晴らしい文化や社会制度を持っていますが、やはり世界は広くて、世界は様々だと実感すること、そうした多様性を受け入れられる許容度がこれからの時代にとても必要だと感じています。海外で課題に取り組み「アウェイで勝負」すること、多様性の中でサバイブする(=生き抜く)ことで精神的にも、肉体的にも大きく成長できるチャンスだと思います。
未来のリーダーを目指す学生に期待すること
社会問題の解決と聞くと構えてしまう学生もいるかもしれませんが、EFとしては、ぜひ学力や語学力にかかわらず意気込みのある若者に参加してほしいと思っています。参加者に対する期待やこういった人材に育っていてほしいといったビジョンはありますか?
【参加者へのメッセージ】
竹中氏: 私が期待するのはただひとつ、いろんな問題に『関心をもって』ほしいと思っています。大学で教えていて常々感じることは、先生がいくら一生懸命教えても肝心の学生にその気がなければ耳を素通りするだけ。学生自身が知りたいと思うことが大切です。今回のプロジェクトの大きな目的の一つは『世界は面白いぞ、日本は素敵で面白いけど、色々な問題もあるぞ』と広い世界の物事に感心をもってもらうことです。
経済学とはギリシア語の「オイコノミコス=共同体の在り方」に由来するのですが、社会の在り方はそのまま自分の生き方、であるわけです。政治も同じです。フランスの有名なドゴール元大統領の言葉に「政治はあまりに大事だから政治家だけには任せておけない」というのがあります。実は、政治も経済も社会も極めて身近な問題ですから、関心を持ちさえすればどこからでも入っていける。その反面、間口が広いのでとっつきにくいですよね。どこから手をつけていいかわからない。私も大学に入学して最初に戸惑ったのが、何から勉強したらいいかわからなかった(笑)。初めから全てわかることはないので、興味や関心を持ったところからスタートし少しずつ広げていくことが大切だと思います。
教育について様々な明言がありますが、その一つに「普通の先生は普通に教える、良い先生は自分でやって見せる、一番良い先生は生徒の心に火をつける」というのがあります。今回のプログラムでは、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、シンガポールでグローバルの最前線で活躍する本当に素晴らしい人たちがサポーターとして参加してくれてますので、一人でも多くの学生の「心に火がつくこと」を願っています!
>>関連ストーリー: <未来をつくる>プロジェクト インタビュー#2「世界基準のグローバル教育を」
>>関連ストーリー: <未来をつくる>プロジェクト インタビュー#3 「学びのイノベーター」本山勝寛さん
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ