9年連続パッケージシェアNo.1のWMS(倉庫管理システム)は、アメリカでの理想の物流体験から生まれた。【シーネット創業秘話】
アメリカの最先端WMSに衝撃
1989年、創業者小野崎伸彦は、当時勤務していた無線通信機メーカーが新たにテキサス州ダラスに立ち上げた物流拠点のシステム構築のため、米国支社にCIOとして赴任した。
ダラス空港からは全米主要都市に直行便が就航しており、その利便性から北米における新たなハブ拠点として選択されていたのである。
現地に赴き情報収集を始めた小野崎は、アメリカの合理主義を極めた【cross-docking】という最先端の倉庫管理システムメソッドに触れ、衝撃を受けた。
それはメーカー倉庫からセンターへ、センターから小売店へと次々に入出庫を連携する事で商品を倉庫に眠らせない、最適効率での運用管理を実現するシステムだった。
その概念を取り入れて米国支社でのシステムを立ち上げた小野崎は、『このメソッドは必ず日本でも倉庫管理の基盤となる』という確信を持った。
当時、物流業や倉庫業はエッセンシャルビジネスにも関わらず3Kと言われ、社会的評価にハンディキャップを背負っていたのである。
ダラスでのミッションを遂行して帰国した小野崎は、1992年、当時アメリカで苦楽を共にして同じ使命感を共有していたチームを率いてスピンアウトし、株式会社シーネットを設立した。
物流ITにおける7人の侍である。創業の地に選んだのは千葉県船橋市。
JR線、京成線、東武線が乗り入れる地域交通のハブであり、何より京葉地域の倉庫業が集約する東葛地区に近いことが決め手となった。
最先端のITの力で日本の物流を変えるという青雲の志をもって公式サイトのドメインにcross-docking.comと命名、倉庫管理システム(WMS)をコアビジネスとして事業をスタートした。
急がば回れ、まず実需に応えるところから実績を積み上げ
創業当初はあらゆるネットワークを使って倉庫管理システムの必要性を説いた。
最初の大型案件は1993年、食品関連の物流企業で、オンプレミスの入出庫システムの構築だった。この経験が原体験となり、その後のシーネットの強みである食品流通での強さが醸成されたのである。
この開発を足掛かりとして、翌1994年、シーネット入出庫管理システムを、1996年冷蔵倉庫向け入出庫管理システムをリリースした。
食品流通、フードサービスなどの大手企業に向け次々と大型案件を立ち上げながら、着々と倉庫管理システムの基盤を創り上げ、2000年、満を持して倉庫管理システムのパッケージ【C_Net Himalayas】をリリースした。
のちにCIの一環として定義されたコンセプトは、世界最高峰のヒマラヤにあやかり、トリプルAの高品質と、他にはない「シーネットならではの価値」を提供する決意を表すという趣旨であり、現在もこのブランドを継承している。
その後も市場の需要に応えて各種機能を連携させた製品群を開発し続けてきたが、2002年には独自の倉庫管理システムで特許を取得、これにとどまらず2003年にはクラウド化の潮流に応えていち早くASP方式の倉庫管理システムをリリースした。
「全ては物流効率化のために。」ブレないコア・コンピタンスで事業を展開
アメリカ同時多発テロやリーマンショック、東日本大震災などの重大事象により、経営を取り巻く経済環境は激しく変化したが、シーネットは物流効率化実現ソリューションの求道者としての探求の手を止めることはなかった。
数々の現場での課題解決を通じて物流現場に潜む様々な需要を感知し、この頃から物流オペレーションのコアとなる倉庫管理システムだけでなく、倉庫での現場作業の効率化や省力化を支援するソリューションにも目を向け積極的に新しいソリューションへの模索を始めた。
音声認識技術を応用したピッキングシステムや、画像認識技術を応用したエビデンスマネジメントシステムなど、一貫して最先端の技術を現場業務に役立てるソリューションに積極的に先行投資を行い特許を取得していった。
現在では【物流×ITで社会を明るくする】というミッションステートメントのもと、グループ全社でクラウド型倉庫管理システム(WMS)を核として、音声認識、画像認識、物流機器トラッキング、物流品質モニタ、協働・自律型運搬支援ロボット、データアナリティクスなど総合的に物流事業を支援するソリューションを提供している。
時代に寄り添う「シーネットならではの価値」のあり方とは
長引く不況のなかで、経営改善のラストリゾートとして物流オペレーションの効率化が注目されるようになり、シーネットの事業も順調に成長を続けたが、その一方で大手資本による新規参入も増えてきた。
競合環境が激化する中、物流一筋に29年、直近9年連続でクラウド型倉庫管理システムパッケージ出荷金額市場シェアNo.1を達成できたのは、創業以来の理念である、最先端のITの力で日本の物流を変えるという使命感に立脚し、世界最高峰、トリプルA、「シーネットならではの価値」を実直に追求してきた結果である。
シーネットは今、この芯のブレない強みを生かした高度な顧客エンゲージメントを基盤としてさらに一歩進んだコミットメントを行おうとしている。
それは営業・開発・サポートの全部門が顧客のために連携し、フィードバックによる提案を行っていく循環型のバリューチェーンの構築である。
顧客目線での発想と提案により具体的な改善をもたらし、顧客の事業の成長に貢献すること、それこそが今追い求める「シーネットならではの価値」なのである。
【出展商品情報】
クラウド型WMS: https://www.cross-docking.com/service/wms-standard/
【株式会社シーネットについて】
1992年の創業以来、物流一筋にシステム化による業務効率化と品質向上に取り組んできた、倉庫管理システムのパイオニアです。自社開発、自社マーケティングの効率的な体制により、多様な業界・業種・業態の物流現場が抱える課題に常に最適解を提示、2011年から9年連続でWMSパッケージ出荷金額No. 1*を達成しています。
現在は、物流システムサービスインテグレーションを通じ、多様な企業の物流戦略をサポートしています。
※株式会社ミック経済研究所『リモート対応&リソース拡充で差別化はかる基幹業務パッケージソ フトの市場展望2020年度版』
【企業HP】https://www.cross-docking.com/
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