「すべてのデジタルサービスのユーザーに、成功体験を届けたい」生成AI活用サービス『Kasanare』の誕生秘話
カサナレ株式会社は、「いつもの仕事をもっと簡単に」をミッションに掲げ、生成AIを活用したプロフェッショナルSaaS『Kasanare』を提供しているスタートアップ企業です。最先端技術領域の中でもLLM Ops(LLMオペレーション)やRAG領域に強みを持ち、これらの技術を統合したプロフェッショナルSaaS「Kasanare」を通じて、導入から運用までをワンストップでサポートしています。
このストーリーでは、創業者である当社CEO安田と、COO西田が当時の出来事を振り返りながら、今後の展望についてお話しします。
左:代表取締役CEO 安田喬一、右:取締役COO 西田慶
「どんな便利なサービスでも、正しく使えなければ意味がない!」から始まったカサナレの創業
創業者の安田喬一は、2022年にカサナレを創業するまでフリーランスでカスタマーサクセスに関する業務を行っていました。特に中小企業やベンチャー企業では、専門的な知識を有する人材を確保することが難しいため、クラウド型の業務効率化ツールなどのSaaS活用検討が盛んに行われています。多くの企業と仕事をする中で、一番多く直面したのが「導入された業務効率化ツールを誰も使いこなせていない」という問題でした。
顧客管理ツール、営業管理ツール、タスク管理ツール、マーケティングオートメーションツールなど、さまざまなSaaSを導入するものの、結局はエクセルやスプレッドシートでの管理に戻ってしまうようなケースも多く見受けられました。
安田は、この問題の根本原因が「何を導入するかではなく、どう運用するか」をクライアント側が正しく理解出来ていない点にあると気づきます。「使い方が分からない」というのは、アプリケーションの説明書がほしいという意味ではなく、自社の業務内容に合わせた活用方法を「模索」し、「社内の業務に当てはめた運用方法を確立したい」という意味の場合が多いのです。
しかし、SaaSサービスは安価で多数の顧客に届けることを前提としているため、導入後に1対1で丁寧に教えてもらえることは稀です。
「例えSaaSサービスだとしても、利用者全員に丁寧に使い方をインプット出来るような、次世代のカスタマーサクセスを実現できないだろうか?誰も出来ないなら、私たちがやってみよう!」
これがカサナレの原点であり、そして今でも大切にしている想いです。
前職の仲間との出会いから、可能性が開ける。生成AI技術とカスタマーサクセスへの情熱が新しいサービスへ。
カサナレ創業者の安田と西田の出会いは、前職の会社でした。当時から交流の深かった二人は、それぞれが退職後フリーランスとして活躍している中でも、その関係を継続していました。
西田は、最先端の技術に感度が高く、当時今ほど業務に取り入れることが主流ではなかった生成AIをいち早く活用し、音楽や動画、画像生成のビジネスに活かしていました。
当時はまだChatGPTが世に出る前のタイミングではありましたが、この西田のアイデアと安田のカスタマーサクセスへの情熱が融合し、「生成AIを活用すれば、今までは構造的に不可能だったことが解決できる!」という確信に至り、起業、そして『Kasanare』というサービスの誕生に繋がりました。
社名に込めた想い。カサナレの由来は「重なれ」ではなかった!
『カサナレ』という社名には「カスタマーサクセスナレッジ」という意味が込められています。
カスタマーサクセスナレッジとは、"サービスを使っているユーザーを成功へと導くためのナレッジ"です。
しかし、成功の定義はクライアントの置かれている環境や状況によって異なるため、一律に適用することは難しいものです。私たちは、これらの解決策に生成AIを活用しています。実績を積み重ねることで、クライアントの個別課題に対応できる大きな力を得ることが出来ると考えています。
カサナレ株式会社のロゴ。卵のマークが特徴的です。
誰も分からない制御方法。トライ&エラーで構築した回答精度が強みに
『Kasanare』というサービスを提供するため、2022年8月頃、最初に構築したのはチャットボットでした。しかし、従来のチャットボットは、尋ねたことにマニュアルから紐づいた答えをただ返してくれるものにすぎず、「カスタマーサクセス」を実現したいカサナレとしては物足りないものでした。
安田は、本当に顧客が求めているのは「問い合わせた人が何を求めているかを解釈すること」だと考え、その解釈に必要な技術として検証していたノウハウ(社内では、「カンニング検索手法」と呼んでいました)を活用しました。2023年の4月のサービスリリース以降、多くのお客様からその回答精度の高さについて評価されてきました。
独自の「カンニング検索手法」の肝となるデータベースの分類の部分は、まるで電球の発明に10,000回の失敗が必要だったように、トライアンドエラーのプロセスに多大な労力が必要でした。私たちは、「10,000回失敗すること」を正とし、様々な技術開発やサービス構築に取り組みました。その結果、「人のように解釈できるチャットボットサービス」として構築された『Kasanare』は、生成AI活用の認知が広がる中で、多くの企業との契約に繋がっていきました。
ちなみに、当時の「カンニング検索手法」は、現在「RAG」として一般的に認知され、生成AIの精度を向上させる有効な手段として広まっています。カサナレでは、「RAG」という言葉が一般的になる前から研究を実行し、数多くの成果を挙げてきました。その実績が認められ、東北大学の言語AI研究センターとの産学連携や大手VCブローバル・ブレインからの出資にも繋がっています。
サービスが展開してから約1年4ヶ月(2024年7月現在)が経ち、今までで一番印象に残っている顧客の声について安田と西田に尋ねたところ、2人は口を揃えて「サービスリリースから間もないタイミングで、"4歩も5歩も先をいっている。圧倒的な回答精度"と評価をもらったこと」と答えました。
何度か検証の実績があったこの企業は、検討している課題を生成AIで解決することは難しいと考えており、その相談内容も難易度の高いものでした。しかし、トライアルの機会をいただき、その結果、先述の高い評価を得ることができたのです。
まだ立ち上げたばかりのサービスが、生成AI活用に積極的な企業から精度の高さについて評価されたことは、カサナレにとっての大きな転機となりました。これを機に、『Kasanare』は個別の課題に"高い精度を持って"アプローチするサービスとして、その強みをさらに飛躍させ、堂々と打ち出していくこととなりました。
手段にとらわれすぎず、目指す世界を実現する。MVVへ込められた想い。
あらゆる企業が大切にするミッション・ビジョン・バリュー(MVV)。カサナレも、これを指針として日々成長を続けています。
創業者の二人に、MVVに込められた想いを聞いてみました。
MISSION:「いつもの仕事をもっと簡単に」
カサナレのミッションは、「カスタマーサクセス」を主軸に据えています。「生成AI」はそのための手段にすぎない、と二人は話します。
企業における生成AIの活用が当たり前になってきている中、「人間の仕事が減るのではないか」という声もありますが、安田はAI技術がどれだけ進化しても人間の存在は不可欠だと考えており、生成AIの役割は人々が行う仕事をより簡単にすることだといいます。
生成AIを活用することで、面倒な作業が効率化し、人間がより創造的な仕事に集中できるようにすることが私たちの使命だと考えています。
VISION:「Generate a Future!」
このビジョンには、生成AIを活用して未来を具体的に形にするという想いが込められています。単に「未来をつくる」のではなく、具体的で実現可能な未来を「生成する」ことを目指しています。
安田は、未来を描くだけでなく、実際にその未来を実現することが重要だと強調しています。「やりたい」という希望ではなく、「そうなる」という確信を持って顧客へ向き合い、顧客が「カサナレに未来を創ってもらった」と感じてもらえるサービスを提供することが、私たちのビジョンです。
VALUE①:「チームカサナレ」
カサナレは、全員が平等に意見を出し合い、検討し、実行できる組織を目指しています。このVALUEには、頭ごなしに反発せず、仲間の価値観を認め合い、その上で上下関係に関わらず、全てのメンバーが学び、成長する機会を持てることが重要であるという想いが込められています。柔軟に考えられる人材の育成・採用に力を入れ、「チームカサナレ」を実現し続ける組織を目指しています。
VALUE②:「変化をリードする」
生成AI業界のスピードは非常に速いため、常に最先端であり続けるためには、自走する力は不可欠です。
「知っている」と「できる」は違うという前提のもと、足りないものを知り、それを解決するための意思決定を行い、時間をかけてインプットし、アウトプットすることから学びを得て、成長し続ける。そのように主体的に動ける人材が価値を発揮できる組織を目指しています。
VALUE③:「ワードチョイスに革命を」
カサナレは、全員が完全フルリモートで働いており、日本国内だけでなく海外で生活しながら活躍しているメンバーもいます。フルリモートのメリットは多いものの、オンラインでのやり取りには限られたコミュニケーションから発生する懸念もあります。そのため、カサナレでは「言葉の選び方」や「伝え方」をとても大切にしています。
安田は、言葉でしか人は繋がれないため、良い言葉を使うことが大切だと述べています。同じことを伝えるにも、傷つける言葉ではなく、思いやりのある言葉を使うことが大切です。受け取った側が「良いな」と感じられる言葉を積極的に使うことで、円滑なコミュニケーションと全員が心地よく働ける環境を目指しています。
また、多様性を認め、その背景や感覚を丁寧に伝える努力が必要です。
創業当初、安田と西田の間では、名刺や資料のデザインについて論点となることが多くありました。価値観やこだわるポイントの違いから意見が対立することもありましたが、この経験を通じて、二人は「わかってくれない相手に理由があるのではなく、わかってもらえる説明ができていない自分に理由があった」という気づきを得たと述べています。「なぜそう感じるのか」という背景から丁寧に説明することで、互いの価値観を理解し、尊重し合いながら解決に導くことができるようになったのです。このエピソードも、カサナレが「言葉の選び方」にこだわるようになったきっかけの一つです。
全員がこれらを意識することで、フルリモートという環境下でも素晴らしい組織を築くことができるという確信を持って、今後も組織全体で取り組んでいきます。
「業務タスク自動化×カスタマーサクセス」を実現する生成AIサービス「Kasanare」が顧客に与えた価値
『Kasanare』を導入いただいたクライアントから、「自分の手でサービスを育てているワクワク感がある」との声をいただくことがあります。
私たちのサービスは、生成AIに特化した担当者がいなくても、個別最適化された生成AIを導入できるという特徴があります。しかし、「個別の業務課題の自動化検証」をするためには、社内の情報を共有し、フィードバックを行なっていただくことは必要不可欠です。これらを簡単に操作してもらえるように機能を設計しており、クライアントとカサナレ側の連携が円滑に実現する仕組みを採用しています。この作業を繰り返し、そしてカサナレの豊富なアルゴリズムとデータセットの技術を反映させることで、各企業に特化した生成AIへと成長していくのです。
単にシステムを導入し、あとは顧客に任せるのではなく、きちんと「顧客の求めている本質的な課題解決」まで導くことが我々の使命だと考えています。この姿勢が結果に結びつき、評価の声をいただくことが増えています。
また、活用範囲が多岐にわたることも『Kasanare』の特徴の一つです。初回面談の際に顧客の課題に合わせた活用方法を一緒に検討し、実例を踏まえて課題解決に最適な提案を行なっています。
その中で、想定していた以上に生成AIの可能性を感じていただくことも多く、導入担当者から企業内の別プロジェクトについて相談いただく機会も増えています。企業全体のプロジェクトとして『Kasanare』をあらゆる場面で活用いただくことで、データ連携や情報更新がより活性化し、先進的な取り組みを推進することが可能となります。
生成AIの活用はますます一般的になっていますが、私たちはその可能性を真に伝え、活用いただく全ての方にとって「いつもの仕事がもっと簡単に」を実現できるよう、今後もこの理念を大切にし、サービスの発展に邁進してまいります。
進化し続ける生成AI業界でカサナレが描く今後の展望
カサナレの未来は、クライアントの信頼とともにあります。
今後もあらゆる企業に対して生成AIを活用したカスタマーサクセスの価値を提供し続け、企業ごとのニーズに最適に応え、業務効率化と顧客満足度の向上を追求していきます。
そして、変化をリードする姿勢を絶やさず、常に新しい価値を創造し続けることで、生成AI企業として日本を代表する革新的なリーダーとなるために成長し続けていきます。
今後とも、カサナレにご期待ください。
会社概要
カサナレ株式会社は、生成AI分野に特化したスタートアップ企業です。
最先端技術領域の中でもLLM Ops(LLMオペレーション)やRAG領域に強みを持ち、
これらの技術を統合したプロフェッショナルSaaS「Kasanare」を通じて、導入から運用までをワンストップでサポートしています。
社名:カサナレ株式会社
設立:2022年8月
住所:東京都渋谷区道玄坂1丁目12−1 渋谷マークシティWEST棟 22F
事業内容:Generative AIを用いた業務特化型クラウドサービスの開発
URL:https://www.kasanare.co.jp/
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