大きな流れに身を委ねて巡り合った大型イベントのMCという役割。直感を信じ、感性で繋がる、オンラインでの価値創造の可能性。
「Ideas Worth Spreading : 価値あるアイデアを広める」という理念を掲げた世界的に有名なトークカンファレンスであるTEDx。9月20日に、グロービス経営大学院の在校生・卒業生の有志による自主開催のTEDxイベント「TEDxGlobisU」がオンラインにて開催されました。
TEDxGlobisUでは、登壇者のトークに対して視聴者の感想や質問をリアルタイムで募り、それに対して登壇者自らコメントする「インタラクティブの場」が設けられていました。そこで登壇者と視聴者の橋渡し役となるMC(司会進行)を務めたのが野村里奈さん。
野村さんは、イベントのMCを担うのは今回が初めての経験だったとのこと。どんな気持ちでMCという大役に臨んだのかを伺いました。
写真①イベント当日。一緒に司会をした
TEDxGlobisUオーガナイザーの杉井雄汰さんと。
■野村さんのバックグラウンドを教えてください。
元々大手メーカーで、海外営業や海外マーケティングに従事していましたが、ある時社長直轄の経営戦略プロジェクトに異動になったことをきっかけに、経営と論理的な考え方を一から学ぼうとグロービス経営大学院の門を叩きました。
大学院の学びと並行してマインドフルネスの実践、コーチングや心理学などを学び、2017年には独立。サービスを提供する中で、感性の重要性を再認識し、感性を磨くためにインドへヨガ留学(注1)をしました。現在は、株式会社Layの代表取締役として、マインドフルネスのエグゼクティブコーチングや企業や教育機関での研修を生業としています。
(注1:インドでは、ヨガはエクササイズの一種ではなく、心身を整えるトレーニングとされており、ポーズだけでなく、哲学や瞑想などについても学びます。)
写真②2018年インドガンジス川での沐浴
■MCとしてTEDxGlobisUに参画することになった経緯をお聞かせ頂けませんか?
開催日から1ヶ月を切ったタイミングで、TEDxGlobisUのある企画運営メンバーの方からお声がけいただきました。その方は、私が以前「椅子ヨガ&マインドフルネス瞑想」というコンテンツを提供したオンラインイベントの運営をされていた方で、その時の私の印象が、TEDxGlobisUの世界観に合うと感じたそうです。また、研修などのファシリテーションの経験もあるという理由から、MCをお願いしたいと連絡を下さいました。
実はMCは初めてで、しかもこんな大きなイベントでの依頼は想定外でした。ただ、ここ数年、感性や直感をとても大切にして過ごしているため、余計な心配をすることはせず、すぐにお受けしました。
■初めてのMCとのことですが、どのような気持ちで臨みましたか?
私だけでなく、TEDxGlobis初開催ということで、少なからず他のメンバーにも不安な気持ちはあったと思います。
MCという役割は、イベント全体の雰囲気への影響も大きいため、私自身が安定した心の状態でいることが、イベント全体の雰囲気を保ち、不安を軽減していくのではないかと考えました。
そのため、これまで1年以上の歳月をかけて企画準備を行なってきた運営メンバー、想いを共有してくれる登壇者、スポンサー、視聴者の皆様、そして自分自身を信じて、まだ起こっていない未来のことに思いを巡らせて不安になるのではなく、今この瞬間に起こっていることや感じていることに注意を向けることで、安定した心でいられるよう心がけました。
写真③イベント当日。休憩中のCMに合わせてストレッチ。
■MCを務められる上で、準備されたこと、気をつけられたことは何でしょうか。
MCをすると決まってからは、イベントの目的や運営の仕組み、段取りなどの理解、どんな人がどんな想いで関わっているかの情報収集に取り組みました。特に、トークを披露される登壇者の方々については、どんな想いを伝えたくて登壇するのか、また、当日の参加者にどんなことを考えてもらいたいと思っているのかを、事前にインタビューをさせていただきました。言語だけでは表現しきれない想いを、直接肌で感じ取りたかったからです。登壇者の方々でも、迷いを抱えていたり自信がなかったり、誰もが生身の人間だということが感じられ、登壇者の方々との信頼関係の醸成につながったと感じています。
■当日MCをされてみた感想をお聞かせください。
リハーサルに参加したことで懸念や不安も解消していたので、安心して当日を迎えることができました。その上で、当日大切にしたことは、事前準備したことだけに忠実に従うのではなく、相手に関心を持ってその場で起きていることを受け入れて、それに寄り添うようにしたことです。
視聴者からの感想一つとっても、物理的に離れた場所にいる相手から送られてくる文字であるにも関わらず、きちんと伝わってくる気持ちや想いがちゃんとありました。それを確かに感じ取ることが、何より大事だと思いました。運営メンバーと一体となってそれを感じ取り、登壇者に伝えることができたので、登壇者の方からも心からの素直な返答の言葉を引き出すことができたのではないかと思っています。
当日のイベントの場には、オンラインでありながらも画面に映る画像や音声の域を超えて、参加者全員で作り出していた一つの波動が確かにあり、同じ場の空気を感じ、共有していたと感じています。
写真④登壇者の一人、スリーエム ジャパン株式会社
代表取締役 昆政彦さんとのトークタイムの場面
■今回の役目を終えて、気付いたことがあれば教えてください。
新しい価値を創造していくためには、新たな知識やスキルを身につけることも大切ですが、それまで囚われていた枠組みに気づくこともとても大切だと考えています。
ただ、無意識のうちに形成された枠組みに気づくことは容易ではないため、何かしらの手法や仕組み、マインドセットなどが必要だと感じています。日頃、私が、マインドフルネスやコーチングのサービスを提供している目的には、クライアントや講座受講者が無意識のうちに形成している枠組みに気づくことをサポートすることや、この活動を通じて私自身の枠組みに気づいていくことがあります。
これまでは、自分で企画運営することが多かったのですが、今回、自分では想定していなかった大型イベントのMCという役割を、イベント開催直前にお話をいただき、直感で判断してお受けしました。その結果、本当に微力ではあったものの、自分では想定していなかった形で役に立つことができたり、自分自身の新たな一面に気付いたりすることができました。
そういう意味では、「大きな流れに身を委ねる」ことも、自分自身が囚われている枠組みに気づくための一つの手法ではないかと気づきました。
最後に、改めて、TEDxGlobisUに参画できたこと、またそれを通じて得た多くの学びや気づき、全てのご縁に、心から感謝しています。
写真⑤当日イベント終了後スタジオでの運営メンバーたちと一緒に。
■TEDについて
TEDは、「Ideas Worth Spreading( 広げる価値のあるアイデア)」を共有するという精神に基づき活動している非営利団体です。 30年前にカリフォルニアで4日間の講演会として始まったTEDは、多様な試みを通してその使命を果たすために発展してきました。 年に2回開催されるTEDカンファレンスでは、世界をリードする思想家や活動家が18分以内でプレゼンテーションを行います。
これらの講演の多くは、TED.comにおいて無料で視聴できます。TEDのスピーカーには、ビル・ゲイツ、ジェーン・グドール、エリザベス・ギルバート、サー・リチャード・ブランソン、ナンダン・ニレカニ、フィリップ・スタルク、ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ、サル・カーン、ダニエル・カーネマンなどがいます。
アイデアを広めるための TED のオープンで自由な取り組みは、新しい TEDトーク動画が毎日投稿されるTED.com、世界中の何千ものボランティアから翻訳だけでなく、字幕、対話型の書き起こし文を提供するTED Translators 、教育的取り組みをするTED-Ed 、TEDはスリリングな規模で変化を生み出す可能性のあるアイデアに資金提供を行うThe Audacious Projectを設立し 、世界中の特定地域内で自己組織化されたTEDスタイルのイベントを主催する何千もの個人とグループにライセンスを提供するTEDx、そして、注目に値するプロジェクトと活動の影響を拡大するために世界中から革新者を選ぶTED Fellowsプログラムを含んでいます。
Twitter (https://twitter.com/TEDTalks) または
Facebook (https://www.facebook.com/TED) で TED をフォローしてください。
■TEDxについて
TEDxは、「Ideas Worth Spreading(広げる価値のあるアイデア)」を共有するというTEDの精神のもとに発足しました。
世界各地で自主的に開催されているTEDxイベントでは、TEDのような体験が共有できます。
TEDxイベントは、TED Talksのビデオ上映やスピーカーによる講演を通じて、参加者同士の深い議論や人々のつながりを生み出します。また、「x」は独立して運営されている TED のイベントを意味しています。
TEDカンファレンスはTEDxプログラムの全体的な指針は示しますが、個々のTEDxイベントは、一定の規則および規制に基づき、独立した運営を行っています。
■問い合わせ
TEDxGlobisU運営担当:tedxglobisu@gmail.com
※ご注意
運営者はグロービス経営大学院ではございません。グロービス経営大学院事務局へのお問い合わせはご遠慮ください。
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