「夢」か「安定」か? 〜超就職氷河期に二度内定を捨てた話し PART7 〜

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僕の発表が終わると後半部分を彼が話してくれた。

僕とは打って変わり、自信ありげな感じで発表する彼の姿はカッコ良かった。

「以上が僕たちの発表になります。」

そう彼が締めくくると会場の人たちが拍手をしてくれた。

「はい、ありがとうございました!キレイにまとまっていたので良かったです。

それでは今から質問タイムにしたいと思います。Aグループの発表について何か質問ある方はいますか?」

「質問やとーーー!!!」

やっと発表が終わって席に戻ることができると思っていた僕は、中村さんの言葉を聞いて完全にフリーズ!

が、特にこれといって誰も手を挙げそうになかったのでうまくいけばこのまま逃れられると思ったのだ。

「よ~し、誰も質問するでないぞ、そのままステイや!」僕は心の中でありったけの念力を会場全体に飛ばしていた。

すると僕からのテレパシーを感じたのか、中村さんが、

「はい、特に就活生からの質問はなさそうですね、、、ならせっかくなので私から質問したいと思います!」

「あんたかいなーーー!!!」

失礼ながら僕は中村さんに鋭いツッコミをしてしまった。

まさか学生のディスカッション内容にプロのコンサルの方が質問するなんて、、、

言うなればそれは原始人の軍隊に、最新鋭の核ミサイルを落とすのと同じ。

質問ではなくそれは攻撃である。

どんな質問が来るのかとビクビクしていた僕だったが、中村さんの質問は優しいもので「ディスカッションの中で一番重要な部分はどこでしたか?」というものだった。

安堵していた僕の隣で、その質問に対して彼がスラスラと答えてくれた。

そして僕も便乗して「その部分が確かに重要だと思いました。」などと偉そうなことを言っていた。

中村さんは満足そうに「ありがとうございます!それでは席に戻って下さい。」と言って、僕らはやっと故郷に戻ることができた。

席に着くとグループのメンバーが「お疲れ様でした!」と温かく迎えてくれて、僕はほっと胸をなで下ろしたのだった。

寿司がきた!

その後も順番に発表があり、最後のグループが発表する時にはもう6時を過ぎていた。

「みなさん今日は本当にお疲れ様でした!私たちのインターンシップはいかがだったでしょうか?

コンサルという仕事について少しでも伝わった部分があると嬉しいですね。そしてこの中から将来、私たちと一緒に働いてくれる人が見つかることを期待しています!」

そういって中村さんは締めの言葉を話していた。

「けっこう長かったな~」ディスカッションも終わり気が抜けた僕は、その日の疲れが一気に出た。

それでも橘くんや杉村さん、そして実りあるグループディスカッションを体験することが出来て僕は満足だった。

「それではせっかく今日はみなさんに来ていただいたので、この後は懇親会を行いたいと思います!」

「え!懇親会だって!?」そういえば確かに今日のタイムスケジュールの最後には懇親会と書いてあった。

でもその内容がどんなものか僕には検討もつかなかった。

「何するんやろか?」と思っていると会場のドアが開いて会社の人たちが何やら手に何か持って入ってきた。

そして僕はその人たちが持ってるものを見て目が釘付けになった!

「あれは、、、寿司だ!!」

そう、そこには間違い無く僕の大好物なマグロが、、、いや、寿司があった!

しかもその後にも続々と寿司やらサンドイッチやらとご馳走が出てくるでは無いか!!

これにはもう就活生の全員が興味津々に眺めていた。

「みなさんもうお腹も減ったと思うので、最後はご飯でも食べながら好きなようにお話しようかと思います!」

「ブラボー!」僕は心の中で叫んだ。まさかの展開に会場から一斉に拍手が響いた。僕もその日一番の拍手をしては、手が痛くなっていた。笑

その後は立食パーティ式でご飯を食べながら就活生と社会人の方々が自由に話しをしていた。

僕は橘くんや杉村さんと話をしたかったが、案の定2人の周りには人だかりが出来ていて話すことは出来なかった。

それでも他の社会人の人たちとはゆっくり話ができたり、違う大学の人とも話せたので僕は大満足だった。

そして7時半頃、一日通してのインターンシップは終わったのである。

(つづく)

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