震災が私にもたらした能力《第7話》ー手放すという幸福ー

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前編: 震災が私にもたらした能力《第6話》ー本当の悩みはそこにはないー
後編: 震災が私にもたらした能力《第8話》ー自分を苦しめている思いー

手放すという幸福


「悩みの裏にあるもの」

カウンセリングを終えてから、私はこのことについて前よりもさらに真剣に考えるようになった。


人はどうして望む幸せを手に入れられないのだろう。

どうして愛されたいと思いながら、愛されないのだろう。

思考の現実化が本当であるならば、なぜ多くの人が望んだ通りの人生を生きられずに苦しい日常を強いられているのか。


交通事故にあいたいと思っている人などいない。

病気になりたいと思っている人などいない。

津波に家を流されたかった人などいない。

愛する人を失いたかった人などいない。


それなのに、なぜ・・・。


次々にわき上がってくる疑問の答えが欲しくて、あらゆるジャンルの本を読んだ。

理論としては納得できるけれども、現実問題として理解と応用ができる答えはなかなか見つからなかった。



何十冊、何百冊と本を読み、DVDを観ては考え、足りない知識を補うためにまた本を読むことを何度も何度も繰り返した。


これは少し真実に近づいてきたかもしれないと感じた時、また一人のクライアントさんがやってきた。


50代の彼女は長い結婚生活の間、ずっとご主人が繰り返し起こす不倫問題や仕事の問題、そして嫁姑問題に頭を抱えていた。

痩せて、実年齢よりも老けて見える容姿に苦労が多いのが見て取れた。


彼女の言っていることは、彼女の側からみれば確かにどれも正しく、彼女自身も


「私、間違ってませんよね?」


と繰り返し聞いてきた。

彼女は正しい。でも、彼女を観る限り「正しい」=「幸せ」ではないのだ。

正しいから、間違ったことをしていないから、幸せになれるとは限らないのだろうか?

では、正しくないことをすれば幸せになれるのか。

その前に正しいってなんだろう?

正しいって、一体誰からみた正しさなのだろう。


ぐるぐると疑問が頭を駆け巡る。


「あなたは間違ってませんよ。大丈夫ですよ」

みんなの読んで良かった!