僕の職業は“妻の夫”です

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  家族にも


  自分にも


全てに失望してしまいました。



でも、それでも かすかに

“プライド”みたいなのは残っていたのでしょう。


何かはしなければ……と想って、

バイトを始めることになりました。



自己嫌悪のカラに閉じ持っていた自分には、

社会で働くというのはツライものでしたが、


上司があたたかい言葉をで励ましてくれたり、

良き同僚にめぐり合えたりして、


「あ。こんな自分でもいいのか……」


と思えるようになりました。


 “人”と触れ合うこと


その大切さを実感したのです。


そして、そのバイトで、

もっと大切なことを教えてくれる人に出会います。


 後輩で入ってきた女性でした。


目が大きくてかわいらしい。

明るくて元気で……でも、

どこかつかみどころがなくて謎めいている……



 まったく

 僕の好みではない女性です。


なので、フツーに先輩・後輩として接し、

「友だちかな?」くらいになりました。


その頃から、

僕の人生に魔法がかかり始めました。


ある会社に就職して、

正社員として働けるようになったり、


今までイヤだった自分の『家』のことを

前向きにとらえられるようになったり、


おそらく家族との会話も増えていったと思います。



そしていつしか、

その後輩の女性からのメールを待つ自分がいたり、


社員旅行でお土産を買うときに、

その女性の顔が真っ先に浮かぶようになったり、


彼女のことが

僕の心を大きく占めるようになりました。


「“友だち”っていうのは、もうやめませんか?」


ある日、僕は彼女にそう告げました。

照れ笑いを浮かべながらも、彼女はOKをくれました。


人と接することが嫌いだった僕が、

恋愛とは程遠かった僕が、

思い切って踏み出した一歩です。


「家族をつくる」ということの

一歩だったように思います。


そこから、僕の生活は更に変わります。


彼女と過ごす日々は、

それはそれは………………



 ツライものでした。



なぜなら、彼女と話していると、

自分にある欠点があぶり出されてしまったから。


 ・コミュニケーション能力の欠如

 ・意思の弱さ


こういった欠点があることに、気づかされたのです。


彼女はそれに気づいているのかいないのか、

よくわからないままに

僕にとってはスパルタな要求をしてきます。


「ねーねー。何かお話しして~♪」


「『ついて来いよ!』くらいの方が

 私うれしいんだよ~?」


みたいな。


「ちょっとカンベンしてくれよ……(- -;」


と思いつつ、でも、確信しました。


 「この欠点を克服することで、 

  僕はきちんとした大人になれる」


 「女性と接することで、男は強くなれるのだ」


と。


そうやって、彼女と付き合ううちに、

自分の中にあった考え方を変え

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