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『明日 死んでもらうために、今日1日だけ生きてもらう』 ~小さな命を抱きしめたお話~ 

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「明日、死んでもらうために、
 今日一日だけ生きてもらおう」



そう思って、

その3つの命を僕は胸に抱えました。



そう。


一日だけ。

 


明日“処分”してもらうために……


 



ちょうど2年前、我が家の納屋で、

野良猫が子ネコを出産してしまいました。

 


「おいおい……

 めんどくさいことしてくれたな(- -;」


 

最初、見つけたときは、

本当に“お荷物”が降ってきた感じです。

 

ですので、即刻 保健所に

“処分”を依頼するつもりでした。



 我が家は全員 ネコ嫌いだし……


 てゆーか、アレルギーだし……

 


「“処分”なんてヒドイ!!」



「そのまま、外に放して

 生かしてあげればいいのに」



というお声もあるかもしれませんが、

近所では、野良猫がゴミを散らかす

被害も増えています。



もし放してしまえば、

更なる被害につながるでしょう。

 


「“処分”しかないよな」

 


親ネコには逃げられてしまいましたが、


捕獲した赤ちゃんネコ3頭を抱きながら、

僕はそう決断したのでした。

 


「こーゆーのは、

 行政機関にしかるべく

 対処していただくのが一番」



ということで、担当部署に問い合わせ。




が、


その日はたまたま、

受け入れをしていない日だったのです。



「仕方がない……明日にしよう」



と、捕獲した3頭の子ネコと

一日を過ごすことになりました。




ですが、様子を見ていると

どんどん弱っていく上に、

こちらもどう接していいかわからない。


 

「仕方がない……

 少なくとも明日まで生きられるように、

 動物病院で診てもらって世話の仕方を聞こう」


 

たった一日生かすためだけに、

病院へ行くなんて、金銭的にも

時間的にも時間がムダなコストです。

 


明日には無くなる命なのに、

ハッキリ言って意味がありません。



「でも、保健所行くまでに死んだら、

 なんか……キモチワルイやん?」

 


「自分の家におるうちに

 死んだら……イヤやん?」



そんな話を妻として、病院へ行き、


オシッコの出し方や

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「ノマドワーカー」ならぬ「農マドワーカー」です。 地元の田んぼで無農薬のお米づくりをする傍ら、IT関連のお仕事をしています。

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みんなの読んで良かった!

読んで良かった

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Takeshi Hamanaka

きっと、子猫に情が移ってしまったのでしょうね。私も基本的に猫は苦手ですが、世話をしているうちに気が変わるかもしれません。子猫は可愛いし。また、徳を積むとはこういう事なのかも知れませんね。

萩原 慶一郎

私はその、猫を受ける側の仕事をしています。というか。携わっています。
こんな優しい『命の重みを感じることのできる』方が増えたら、殺処分も被害も少なくなるだろうなぁと。

徳永 智樹

心えぐられ、心癒されました。
素敵なお話をありがとうございます。
辻林夫妻のお人柄がにじみ出ています。

健 藤田

自分も猫を隣の使用感がない家?の庭で拾いました。保健所に持っていくと殺処分されるという事実は知っていたので、即里親を探そうということになりましたが、世話をしてみると自分の子になってほしいなぁと自然に思うようになりました。今ではまだ6ヶ月。早いですが忘れかけていた懐かしい思い出がよみがえりました。ありがとうございました。

藤江 幸代

久々に心に響く素晴らしいお話を読ませて貰いました。ありがとう(^-^)
素敵なご夫婦ですね

80人の
読んでよかった!!
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