男が女として生活していくまで物語

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一度は勧誘を断ったものの、何かバイトしてお金稼がなきゃなって気持ちが高くなっていたので、

とりあえず話を聞くだけでもいいかなぁとは思い始めていた。



「どれくらい稼げますか?」


「実力次第ですが、やる気があれば稼げますよ!」


「オカマでも大丈夫ですか?」


「大丈夫です!」



そんなやりとりをmixiで取り合っていた。


とりあえず、一度面接に来ないか?と誘われたので休みの日に、

名古屋市栄にある「サンシャイン栄」でホスト店長と待ち合わせして

面接することにした。




これが私の水商売デビューだ。



面接して分かったんだが、水商売の面接ってのは、トヨタのそれと同じで、

面接というよりも仕事の説明をするだけで、あとは実際に働いてみなよ!

みたいなのが多い。 



水商売の世界に入るのはカンタンだ。 ただ続けること、結果を出すことが難しい


「実力あるヤツは稼げます!」と言われて始めたホストの仕事。

人見知りで、話下手で、コミュ症の私が実力なんてものがあるわけ無く、

最低保障給の日給3000円しか稼げない(苦笑)


トヨタからの交通費が往復1200円するので、実質8時間働いて日給1800円だ。

時給225円相当である。



ホストの世界、水商売の世界、華やかな世界、テレビでしか知らない世界。


そんな世界に身をおいて仕事をするのは給料を貰えなくても楽しかったが、

稼ぎに来たのにこれじゃ意味がないと思った。



何か新しいことをしなきゃ! と思って、髪の毛ツンツンで出勤したり、

ブラジャー付けて、メイクして出勤したこともあった。


そんな様子を見た店長がある日仕事終わりにこう言ったんだ


「みさき!お前男でホストやりたいのか、ニューハーフになりたいのかどっちだ!?」


当然の質問である。 ホストなのにブラジャー付けてメイクしてたら

そりゃオカマやったほうが正しい道であると思う。



私もホストよりはオカマやニューハーフとして仕事したかったのだが、

どうすればそんな仕事できるのかわからなかったんだ。



「本当はニューハーフとして仕事したいです・・・」



私は“借りてきたネコ“のような、おとなしさで答えた。


「じゃあ、明日ニューハーフクラブに面接してこい!絶対行けよ!!」


ホストとは、男らしさの世界。 男気の世界、義理人情の世界。


「ニューハーフとして行きたいなら、男らしくオカマやれよ!」

そういう世界なんだろうな。



私は「漢」を示すため、店長に言われたとおり翌日仕事が終わってから

ニューハーフクラブへ面接に行った。 


それが名古屋市錦3丁目にある、ニューハーフショークラブ「AQUA」だった。

面接は無事に合格し、「1日体験においで」と呼ばれた。




…さっきからの話で見えてくると思いますが、水商売のノリというか、

とにかく、仕事できるか否かは「実際に働いてるとこ見て判断する」

っていうやつですね。



1日体験は面接の2週間後だったと思う。



11月の頭だったかな。 その後は11月20日にトヨタの仕事が満了、

11月21日に豊胸手術を終えて、12月1日からニューハーフクラブ勤務という流れ


2008年は私にとって、人生を変える激変の一年だ。




【自分らしく生きる唯一の方法】

「自分らしさ」って何だろう?

それは“自分が好きなことを好きだと言うこと”だと私は思う。



【男性の同性愛者】

男なのに男が恋愛対象だなんて気持ち悪い、

変なヤツ、変態。 家族の縁を切られたいのか!

…でも、僕は男性が好きなんだ。



【プラモデルが好きな女子】

女子なのにプラモ? 変じゃない? 男趣味だねぇ 変わってるね。

…でも、私はプラモが好きなんだ。



【女性好きのMTF】

女になったのに女が好き?意味不明。 なら男のままでいいじゃん。

女になって女子トイレとか使ってるの? それで女好き? キモっ!

…別に変態行為したいワケじゃない。 純粋に女性が恋愛対象なだけ。



社会的に、「これはこうあるべきである」と言われていること。

それが“常識”というもので、それに従わない奴は、常識はずれだし

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