アホの力 2-1.アホ、移り住む

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前編: アホの力 1-5.アホ、馴染む
後編: アホの力 2-2.アホ、加わる

場を創る…何だろ…何かカッコいい。


自分の中で妄想が膨らんだ。自分の周りに、地元からも市外からも人が集い、そこがボランティア活動の拠点となったり、街づくりのアイディアを産み出していったり。


何だか凄ぇぞ!!!そんな楽しそうな場、絶対創りたい!!!


でも…そこでふと気づく。

『どうすりゃ創れんの?そんな場は?』


そりゃそうだ。今までそんな事、考えた事は無かった。

まるで興味が無かったのだから。


営業職の経験は有ったくらいなので、人とのコミュニケーションは嫌いではなかったが、場を開いて中心に立つなんて事は、学級会で議長をやって以来経験が無い。


でも、移住する事は決めていた。いや、決めちゃってた。

南相馬に住みたかったから。


そう!私は南相馬に住む理由を探していたのだ。

そんな中で、場を開く事を思いついたのである。


そんじゃあこうしよう…普通に働きながら、空いてる時間で場づくりの勉強をしよう。勉強しながらどこかのスペースを借りて、仕事の時間外に場をオープンさせよう。


それで何とかなるだろ!


幸いにして、当時の南相馬にも、私に出来そうな仕事のクチが幾つかあった。地元の知り合いを通じて、そうした仕事を紹介してもらえるような話はしていた。


見切り発車も良いトコだった。


そんな時だ…不意に悪魔がささやいた。


当時のテント村に、Hさんという人が何度か来ていた。Hさんは震災前から街おこしの活動をしていた人で、分かり易く言えば『街の顔役』的な人物だ。そのHさん曰く

『凄い事になりそうなんだ』

との事。

訊けばHさん、街づくりに関する新たな事業を立ち上げようとしていて、そのプランで企画書を書いたら申請が通り、助成金が下りる事になったとの事。

その新たな事業とは『コミュニティカフェ』だった。コミュニティカフェとは、市民が気軽に集まれるカフェを創り、その場を利用して、セミナーや様々なワークショップを開催して、新たなコミュニティづくりを行おうという活動の事である。


何と、事業として行うので、きちんと給料も出るとの事。


このおっさん…凄ぇ!

何でこのタイミングで、私が欲しい場の提供を申し出てきた?

エスパーかこの人!?


Hさんの『やってくれないか?』と訊かれる前に、私は『やる!』と言っていたような(笑)。

みんなの読んで良かった!