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14/5/18

アホの力 1-5.アホ、馴染む

Image by Olia Gozha

先ほど触れた長期滞在が可能な施設とは、南相馬市は鹿島区のある地区にあった。地域の集会所と消防団倉庫を兼ねた敷地に、支援によって送られてきたテントを20張ほど張った施設で、通称『テント村』と呼ばれていた。


私より早い時期に南相馬入りし、支援活動していた人物が、地区の人と協力して運営している場所だった。


そういう場所なので、当然その場には、市外からのボランティアや、そうした活動に理解のある地元市民が集まってくる。


そこで出来たつながりは、それまでの私の人生では、あまり無かった繋がりだった。




地元の方たちは、とにかくみんな面倒見が良い。毎夜毎夜、何かしらの差し入れを持って来てくれる。そして、南相馬の魅力を、熱く語ってくれる。テント村に滞在中、衣食住に関わる費用は、殆ど発生しなかったほどだ。


そして、地元の人は地元愛を、市外の人は自分のすべき事を、熱く語っていく。




南相馬に来るまでは、どことなくシニカルな目線で、諦め加減に、半ば自動操縦で毎日を適当に過ごしていた私である。


ぶっちゃけ初めは思った…


『何だこの空気は?暑苦しいし気持ち悪っ(笑)!』


宇宙人の集まりのようにも見えた。




けど、剛球一直線な思い込みで、特別な宛てもなく南相馬にやってきている時点で、私も宇宙人なのだ。


すぐに馴染んでしまった(笑)。




『今こそ、新しい【当たり前】を創る時だ』と説く人…


放射能について、知っている限りのことを、酒の勢いで語る人…


国や社会のシステムを、ひたすら批判する人(こういう人とは、いつも意見が対立した)…


…気持ち悪いでしょ(笑)!?


けど…面白いのだ。何が面白いかというと、みんなぶっ壊れてて、変な常識にとらわれていないのだ。


『こんな感覚を持っても良いのかぁ』と意識が転換した瞬間、私の頭上に、あるアイデアが降ってきた。




”南相馬には、こうした『場』が必要だ“


様々な思いを持った人が集まり、アイデアを出し合い、行政が出来ないような事を手掛ける…その受け皿となる『場』が!




誰が?


自分で創ればいいじゃん!




ああ…『思い込み』『勘違い』である。


そんな場づくりの経験など、あるはずがない。知識も金もない。あるのは身体と時間、そしてやる気だけだった。




2011年8月の話である



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Image by Jukka Aalho

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